目次
  1. その借地権、売却できます!諦める前に知るべき基礎知識
    1. そもそも「借地権」とは?所有権との根本的な違い
    2. 「借地権の売却は難しい」と言われる3つの理由
  2. 借地権売却の4つの方法|メリット・デメリットを徹底比較
    1. 方法1:第三者へ売却する(仲介)
      1. 【選択肢】不動産会社による「直接買取」
    2. 方法2:地主へ売却する(借地権の返還)
    3. 方法3:地主から底地を買い取ってから売却する
  3. 方法4:地主と協力して底地とセットで売却する
  4. 地主の承諾が鍵!借地権売却の全ステップとトラブル回避術
    1. 借地権売却の6つのステップ
    2. 最重要ポイント:地主の承諾と承諾料
      1. 承諾料(名義書換料)とは?
      2. 承諾料の相場
    3. もし地主が承諾してくれなかったら?「借地非訟手続」とは
  5. 借地権売却にかかる費用と税金のすべて【シミュレーション付】
  6. 借地権売却で発生する主な費用
    1. 最も重要!譲渡所得にかかる税金
      1. 譲渡所得の計算方法
      2. 税率は所有期間で決まる!
    2. 【簡単シミュレーション】費用と税金を計算してみよう
    3. 税金の負担を軽減する「3,000万円の特別控除」
  7. 失敗しない不動産会社選び|借地権売却の相談先を見極める5つのポイント
    1. ① 借地権の取引実績は豊富か
    2. ② 地主との交渉経験が豊かか
    3. ③ 査定価格の根拠を明確に説明できるか
    4. ④ 担当者の専門知識と対応力は十分か
    5. ⑤ 買取など複数の売却方法を提案できるか
  8. 借地権の売却相場はいくら?借地権割合から目安を計算する方法
    1. 借地権価格の試算例(更地3,000万円・借地権割合60%の場合)
    2. 借地権付き建物の売却相場が変わる主な要因
  9. 地主に借地権を買い取ってもらう場合の相場と「いくらで売れるか」の考え方
  10. 借地権付き建物のみを売却したいときの注意点|解体するべき?
  11. 旧法借地権・普通借地権・定期借地権で売却のしやすさはどう違う?
  12. 国有地・公有地の借地権を売却するときの注意点
  13. 地主が借地権の売却を承諾しない・拒否するときの対処法
  14. 借地権売却にかかる手数料・費用の目安
  15. 借地権を売却したときの税金|譲渡所得・確定申告・消費税・仕訳
    1. 譲渡所得の計算式と税率
    2. 確定申告は必要?3,000万円特別控除の適用
    3. 借地権売却と消費税・事業者の仕訳
  16. 借地権を売却する前の調査と注意点の一覧|契約期間・名義変更・建替え・ローン・空き家
  17. まとめ:複雑な借地権売却は専門家への相談が成功の鍵
    1. 借地権売却の成功は「専門家」への相談から
    2. 専門家が解決できるお悩み
  18. よくあるご質問
    1. Q. 親から相続した借地権付きの家は売却できますか?
    2. Q. 借地権を売却するには、どのような方法がありますか?
    3. Q. 借地権を売却するとき、どのような費用や税金がかかりますか?
    4. Q. 借地権売却を相談する不動産会社は、どのように選べばいいですか?
    5. 追加のよくあるご質問(借地権の売却相場・手続き・税金)
    6. Q. 借地権はいくらで売れますか?
    7. Q. 地主の承諾なしで借地権を売却できますか?
    8. Q. 借地権付き建物のみを売却できますか?
    9. Q. 借地権を売却したら確定申告は必要ですか?
    10. Q. 国有地の借地権でも売却できますか?
    11. Q. 旧法借地権でも売却できますか?
    12. Q. 借地権の売却に消費税はかかりますか?
  19. 茨城県で借地権付き物件を売却するときのポイント

その借地権、売却できます!諦める前に知るべき基礎知識

「親から相続した実家が借地権付きだった」「この家は売れないかもしれない」といった不安から、借地権付き不動産のため、売却を諦めてしまう方は少なくありません。土地の所有者(地主)が別にいるという特殊な状況は、手続きを複雑に感じさせます。

しかし、結論から言えば、借地権は売却可能です。

もちろん、所有権の不動産と比べて注意点やハードルはありますが、正しい知識と手順で進めれば、十分に成功する可能性があります。この記事では、借地権 売却の基礎知識から具体的な方法、注意点までを網羅的に解説します。

そもそも「借地権」とは?所有権との根本的な違い

借地権とは**「地主から土地を借り、その上に自己所有の建物を建てるための権利」**です。一方、土地と建物の両方を所有している状態が「所有権」です。

最大の違いは**「土地の所有者が誰か」**という点にあります。

項目 借地権 所有権
土地の所有者 地主 自分
建物の所有者 自分 自分
支払う費用 ・地代(毎月・毎年など)
・建物の固定資産税/都市計画税
・土地と建物の固定資産税/都市計画税
売却・建て替え 原則、地主の承諾が必要 自分の意思で自由にできる
住宅ローン 審査が厳しくなる傾向がある 一般的な審査

借地権付き建物は土地を借りている立場のため、建物の売却や建て替えには地主の承諾が必要です。これが、借地権 売却を複雑にする主な要因です。

「借地権の売却は難しい」と言われる3つの理由

借地権 売却が難しいとされる理由は、主に以下の3点です。

  1. 地主の承諾と「譲渡承諾料」が必要 借地権を第三者に売却(譲渡)するには、地主の承諾が不可欠です。その承諾を得る対価として、慣習的に「譲渡承諾料」を地主に支払います。この承諾料は借地権価格の10%程度が相場ですが、法的な規定はなく、地主との交渉で決まります。地主との関係が良好でない場合、交渉が難航する可能性があります。

  2. 買い手の住宅ローン審査が通りにくい 金融機関は融資の際、土地と建物を担保に取りますが、借地権付き物件では土地を担保に設定できません。建物しか担保にできないため、金融機関にとってリスクが高くなり、住宅ローンの審査が厳しくなる、融資額が減る、あるいは取り扱いがない場合があります。これが買い手を見つけにくくする一因です。

  3. 権利関係の複雑さへの懸念 買い手にとって、購入後も地主との関係が続くことは不安要素です。契約更新時の「更新料」や、将来リフォームや増改築を行う際の「承諾料」など、将来にわたる費用や交渉の可能性が購入のハードルとなります。

これらの理由から借地権 売却は難しいと言われますが、それぞれに対応策は存在します。次章では、具体的な売却方法を解説します。

借地権売却の4つの方法|メリット・デメリットを徹底比較

借地権 売却には、状況に応じて複数の選択肢があります。ここでは代表的な4つの方法を、メリット・デメリットと共に解説します。ご自身の状況に最適な方法を見つけましょう。

方法1:第三者へ売却する(仲介)

不動産会社に仲介を依頼し、一般の買主を探す最も標準的な方法です。市場価格に基づいて売却できるため、高値での取引が期待できます。

  • メリット

    • 市場価格に沿って売却するため、他の方法より高値で売れる可能性がある。
    • 広く買主を募集できるため、物件の価値を正当に評価してくれる相手と出会える。
  • デメリット

    • 地主の「譲渡承諾」と「譲渡承諾料(借地権価格の10%程度が相場)」が必要。
    • 買主の住宅ローン審査が通りにくく、買主が限定される場合がある。
    • 買主が見つかるまでの期間が不確定。
    • 不動産会社への仲介手数料が発生する。
  • こんな人におすすめ

    • 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい方。
    • 地主との関係が良好で、承諾交渉がスムーズに進む見込みがある方。

【選択肢】不動産会社による「直接買取」

仲介で買主を探すのが難しい場合や、早く確実に売りたい場合は、不動産会社が直接買い取る「買取」も有効です。販売活動が不要でスピーディーに現金化でき、地主との交渉を代行してもらえるケースも多いです。価格は市場の7〜8割程度になりますが、時間と手間、確実性を重視する方におすすめです。

方法2:地主へ売却する(借地権の返還)

借地権を地主自身に買い取ってもらう方法です。法的には、借地契約を合意解除し、土地を返還する形に近くなります。

  • メリット

    • 第三者への譲渡ではないため、譲渡承諾や承諾料が不要。
    • 買主を探す手間がなく、早期に契約をまとめられる可能性がある。
    • 仲介手数料がかからないケースが多い。
  • デメリット

    • 地主に買い取る意思と資金力がなければ成立しない。
    • 売却価格は、交渉上地主が有利な立場になりやすく、市場価格より安くなる傾向がある。
    • 建物を解体し、更地での返還を求められる場合がある(解体費用が発生)。
  • こんな人におすすめ

    • とにかく早く借地権を手放したい方。
    • 第三者の買主が見つからず売却に難航している方。

方法3:地主から底地を買い取ってから売却する

まず地主から土地の所有権(底地)を買い取り、「完全な所有権」の不動産にしてから第三者に売却する方法です。

  • メリット

    • 借地権の制約がなくなり資産価値が向上し、高値での売却が期待できる。
    • 買主が住宅ローンを使いやすくなり、売却がスムーズに進む。
    • 売却後に地主との関係性がなくなる。
  • デメリット

    • 底地を買い取るためのまとまった資金が必要。
    • 地主が底地の売却に応じるとは限らず、交渉が難航する可能性がある。
    • 手続きが二段階になるため時間と手間がかかる。
  • こんな人におすすめ

    • 底地の購入資金に余裕がある方。
    • 売却を急がず、資産価値を最大化して売りたい方。
借地権 売却 - 1

方法4:地主と協力して底地とセットで売却する

地主と協力し、借地権と底地を一つの不動産としてまとめて第三者に売却する方法です。売却代金は、地主と借地権者であらかじめ決めた割合で配分します。

  • メリット

    • 完全な所有権の不動産として売却するため、高値が期待できる。
    • 借地権者が底地を買い取る資金を用意する必要がない。
    • 地主にとっても単独では売りにくい底地を現金化できるメリットがある。
  • デメリット

    • 地主との強固な信頼関係と協力体制が不可欠。
    • 売却代金の配分割合で、地主と意見が対立する可能性がある。
    • 売却活動の方針(価格設定など)で地主と足並みをそろえる必要がある。
  • こんな人におすすめ

    • 地主との関係が非常に良好で、共同で事業を進められる方。
    • 自己資金はないが、不動産の価値を最大化して売却したい方。

▶ 逆に「地主として底地だけを売却したい」という場合の相場や交渉のコツは「茨城県の底地買取|相場と売却先4パターン・交渉のコツ」で解説しています。

地主の承諾が鍵!借地権売却の全ステップとトラブル回避術

借地権 売却のプロセスは、地主の存在が大きく関わる点で一般的な不動産売却と異なります。ここでは、借地権 売却の具体的な流れを6つのステップで解説し、最大の難関である地主との交渉を円滑に進めるポイントも紹介します。

借地権売却の6つのステップ

借地権の売却は、主に以下の流れで進みます。「地主への交渉」が複数回あるのが特徴です。

  1. Step 1:借地権に精通した不動産会社へ相談・査定依頼 借地権の査定は専門知識を要するため、取り扱い実績が豊富な不動産会社に相談することが成功の第一歩です。借地権割合や契約内容、地主との関係性などを総合的に評価してもらいましょう。

  2. Step 2:地主への売却意思の伝達と事前交渉 売却の方向性が固まったら、地主に借地権を売却したい旨を伝えます。この段階では正式な承諾ではなく、事前相談として不動産会社の担当者から丁寧に説明してもらうのが一般的です。譲渡承諾料の目安などについても感触を探っておきます。

  3. Step 3:媒介契約の締結と売却活動の開始 地主との事前相談後、不動産会社と媒介契約を結びます。地主との交渉を含め一貫したサポートが期待できる「専任媒介契約」などがおすすめです。契約後、本格的な売却活動が始まります。

  4. Step 4:買主の決定と売買契約の締結 購入希望者と条件がまとまったら、売買契約を締結します。この時点では地主の正式な承諾はまだないため、契約書には「地主の承諾」を条件とする「停止条件付契約」の特約を盛り込みます。これにより、万が一承諾が得られなければ契約は白紙撤回されます。

  5. Step 5:地主からの正式な売却承諾の取得 買主決定後、地主に正式な譲渡承諾を依頼します。この際、承諾の対価として「承諾料(名義書換料)」を支払うのが慣例です。条件に合意できれば「譲渡承諾書」に署名・捺印をもらい、正式な承諾となります。

  6. Step 6:決済・物件の引き渡し 地主の承諾後、最終ステップに進みます。買主から売買代金の残金を受け取り、同時に地主へ承諾料を支払います。法務局で建物の所有権移転登記を行い、買主に鍵を渡して完了です。

最重要ポイント:地主の承諾と承諾料

借地権 売却のプロセスで最も重要なのが「地主の承諾」です。

承諾料(名義書換料)とは?

借地権を第三者に譲渡(売却)する際、地主の承諾を得るために支払う金銭です。法律上の義務ではありませんが、長年の慣習として広く認められています。

承諾料の相場

法的な決まりはありませんが、一般的に**「借地権価格の10%程度」**が相場とされています。例えば借地権価格が1,000万円なら、承諾料の目安は100万円です。ただし、これはあくまで目安であり、最終的には地主との交渉によって決定されます。

もし地主が承諾してくれなかったら?「借地非訟手続」とは

交渉しても地主が正当な理由なく承諾しない、あるいは法外な承諾料を要求してくる場合、借地権者を救済する法的手続きとして「借地非訟(しゃくちひしょう)手続」があります。

これは、裁判所に対して地主の承諾に代わる許可を求める申し立て制度です。裁判所が譲渡を相当と判断すれば、地主の承諾に代わる許可を与えます。その際、適切な承諾料の額なども裁判所が定めてくれます。

ただし、借地非訟手続は時間と費用がかかり、地主との関係悪化は避けられないため、あくまで最終手段と考えるべきです。まずは専門知識を持つ不動産会社を介して、粘り強く交渉することが重要です。

借地権売却にかかる費用と税金のすべて【シミュレーション付】

借地権 売却では、売却代金から様々な費用や税金が差し引かれます。事前に全体像を把握し、資金計画を立てておくことが大切です。ここでは、売却にかかる費用と税金をシミュレーションを交えて解説します。

借地権 売却 - 2

借地権売却で発生する主な費用

  • 仲介手数料 不動産会社に仲介を依頼して売却した場合の成功報酬です。上限額が法律で定められています。

    • 速算式(売買価格400万円超の場合):(売買価格 × 3% + 6万円)+ 消費税
  • 譲渡承諾料(名義書換料) 地主に売却の承諾を得るために支払う費用です。相場は借地権価格の10%程度です。

  • 印紙税 不動産売買契約書に貼付する印紙の代金です。売買金額に応じて税額が決まります。

  • 登記費用 建物の所有権移転登記を司法書士に依頼するための報酬と、登録免許税がかかります。

  • その他 状況に応じて、土地の測量費用や建物解体費用、抵当権抹消登記費用などが発生する場合があります。

最も重要!譲渡所得にかかる税金

借地権を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税(譲渡所得税)が課税されます。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は以下の式で算出します。

譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)

  • 取得費: 売却した不動産の購入代金や手数料。不明な場合は**売却価格の5%**を概算取得費とします。
  • 譲渡費用: 売却に直接かかった費用。仲介手数料や譲渡承諾料などが該当します。

税率は所有期間で決まる!

譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって大きく異なります(売却した年の1月1日時点)。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下): 39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超): 20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)

※復興特別所得税を含む税率です。所有期間が5年を超えるかで税率が約2倍も変わるため、売却のタイミングは非常に重要です。

【簡単シミュレーション】費用と税金を計算してみよう

【条件】

  • 売却価格: 2,000万円
  • 所有期間: 10年(長期譲渡所得)
  • 取得費: 不明(売却価格の5%を適用)
  • 譲渡費用合計: 2,136,000円 (内訳:仲介手数料72.6万円、譲渡承諾料140万円、印紙税1万円)

【計算ステップ】

  1. 取得費を計算: 2,000万円 × 5% = 1,000,000円
  2. 譲渡所得を計算: 2,000万円 – (100万円 + 213.6万円) = 16,864,000円
  3. 譲渡所得税を計算: 16,864,000円 × 20.315% = 約3,426,800円

このケースでは約342万円の税金がかかりますが、マイホームの売却であれば税負担を軽減できる特例があります。

税金の負担を軽減する「3,000万円の特別控除」

売却した物件がマイホーム(居住用財産)であるなど、一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。借地権付き建物の売却でも適用可能です。

上記のシミュレーションでこの特例が適用されると、譲渡所得(16,864,000円)が3,000万円の控除額を下回るため、譲渡所得は0円となり、税金はかかりません。

適用には細かな要件があるため、事前に税務署や不動産の専門家に相談することが不可欠です。

失敗しない不動産会社選び|借地権売却の相談先を見極める5つのポイント

借地権 売却は、地主との交渉や複雑な法的手続きなど専門知識が求められるため、パートナーとなる不動産会社選びが成功の鍵を握ります。信頼できる会社を見極めるための5つのポイントを解説します。

① 借地権の取引実績は豊富か

まず、その会社が借地権 売却にどれだけ精通しているか、つまり「取引実績」を確認しましょう。借地権は専門的な法律知識や地域ごとの慣習など、経験に基づくノウハウが重要になります。

【チェック方法】

  • ホームページで借地権の売却事例や専門ページがあるか確認する。
  • 相談時に「どのような借地権の売却を手がけましたか?」と質問し、具体的な事例を説明できるか見る。
借地権 売却 - 3

② 地主との交渉経験が豊かか

地主との「譲渡承諾」交渉は、借地権売却における最大の関門です。売主の代理人として円滑に交渉を進め、双方にとって納得のいく着地点を見つけ出す交渉力が不動産会社には求められます。

【チェック方法】

  • 「地主が承諾してくれない場合、どう対応しますか?」といった質問で、現実的な解決策を提示できるか確認する。
  • 地主の立場にも配慮し、良好な関係を維持しながら交渉を進める姿勢があるかを見る。

③ 査定価格の根拠を明確に説明できるか

提示された査定価格について、「なぜその価格になったのか」という根拠を納得できるように説明できる会社を選びましょう。借地権の価格は、更地価格や借地権割合だけでなく、立地や契約内容、地主との関係性など多様な要因で決まります。

【チェック方法】

  • 査定書に、どのようなデータ(路線価、取引事例など)を基に評価したのかが具体的に記載されているか確認する。
  • 査定額の根拠について質問した際、担当者が分かりやすく説明できるか見極める。

④ 担当者の専門知識と対応力は十分か

最終的に売却活動をサポートするのは一人の「担当者」です。担当者の知識レベルや人柄、対応力が売却の満足度を大きく左右します。

【チェック方法】

  • 専門知識: 借地権に関する専門的な質問に的確に答えられるか。
  • 対応の速さ: 問い合わせへのレスポンスが迅速かつ丁寧か。
  • 傾聴力: 状況や希望を親身に聞き、不安に寄り添ってくれるか。
  • 説明の分かりやすさ: 専門用語を避け、平易な言葉で説明してくれるか。

複数の会社に相談し、「この人になら任せられる」と思える担当者を見つけることが重要です。

⑤ 買取など複数の売却方法を提案できるか

借地権の売却方法は、市場で買主を探す「仲介」だけではありません。不動産会社が直接買い取る「買取」という選択肢もあります。状況に応じて最適な方法を提案してくれる会社を選びましょう。

売却方法 メリット デメリット
仲介 より高い価格で売れる可能性がある 売却に時間がかかる、売れないリスクがある
買取 短期間で確実に現金化できる 仲介より売却価格が低くなる傾向がある

「早く現金化したい」「建物の状態が悪い」といった場合には「買取」が有効です。相談の際に、仲介と買取それぞれのメリット・デメリットを説明し、複数の選択肢を提示してくれるか確認しましょう。

借地権の売却相場はいくら?借地権割合から目安を計算する方法

借地権の売却相場を知りたいときは、まず「その土地が更地だった場合の価格」に「借地権割合」を掛けて、借地権価格の目安を出すのが基本です。借地権割合は国税庁が毎年公表している路線価図の記号(A〜G)で確認でき、A=90%からG=30%まで7段階に分かれています。地域によって割合が異なるため、必ず売却する土地の路線価図で確認してください。

路線価図の記号借地権割合底地割合(参考)
A90%10%
B80%20%
C70%30%
D60%40%
E50%50%
F40%60%
G30%70%
借地権の売却相場の計算の流れ|更地価格×借地権割合で借地権価格の目安を出す(ハウスドゥ茨城)

借地権価格の試算例(更地3,000万円・借地権割合60%の場合)

たとえば更地としての価格が3,000万円、路線価図の記号がD(借地権割合60%)の土地なら、借地権価格の目安は3,000万円×60%=1,800万円です。同じ土地の底地割合は40%(1,200万円相当)になり、借地権と底地を合わせると更地価格になる、という考え方です。なお、これはあくまで計算上の試算例であり、実際の借地権売却相場を保証するものではありません。

借地権付き建物の売却相場が変わる主な要因

借地権付き建物の売却相場は、「借地権価格+建物の価値」を土台にしつつ、次のような条件で上下します。具体的には、毎月の地代の水準、契約の残存期間、建物の築年数や状態、更新料・譲渡承諾料を売主と買主のどちらが負担するか、地主との関係性、そして住宅ローンが使えるかどうかなどです。借地権付き物件は所有権の物件に比べて金融機関の融資が付きにくい場合があり、買主が限られることも価格に影響します。

近隣の借地権付き物件の成約事例を踏まえて査定する必要があるため、借地権の売却相場を正確に知るには、借地権の取り扱い経験がある不動産会社に個別査定を依頼するのが近道です。

地主に借地権を買い取ってもらう場合の相場と「いくらで売れるか」の考え方

地主に借地権を買い取ってもらう(返還する)と、地主は底地と借地権が一体化して完全な所有権を取り戻せます。そのため、地主にとっても買い取るメリットがあり、借地権価格に近い水準で交渉できる余地があります。ただし、地主への売却価格に法律上の決まりはなく、最終的な金額は話し合いで決まります。地主が資金を用意できない場合や、提示額が相場より低い場合もあります。

地主の提示額が妥当か判断するには、第三者への仲介売却の査定額や、不動産会社による買取価格と比べることが大切です。複数の売却方法の「いくらで売れるか」を並べて比較すると、交渉の材料にもなります。地主側の視点については、茨城県の底地買取の解説もあわせてご覧ください。

借地権付き建物のみを売却したいときの注意点|解体するべき?

「建物のみ売却したい」というご相談は少なくありませんが、借地権付き建物の売却は、建物と一緒に借地権(土地を借りる権利)も買主へ引き継ぐ取引になります。そのため、建物の名義だけを移す場合でも、民法上、賃借権の譲渡には地主(賃貸人)の承諾が必要です。承諾を得ずに売却すると、契約解除を主張されるおそれがあるため、必ず事前に承諾を取りましょう。

老朽化した建物を解体して更地で返したい場合は、解体費用(木造住宅で坪あたり3〜5万円程度が一般的な目安)を誰が負担するか、更地返還が契約上どう扱われるかを事前に確認してください。借地上の建物が古くなった場合の権利関係は、朽廃とは|借地上の建物が朽廃すると借地権はどうなる?で詳しく解説しています。建物の状態によっては、解体せず現状のまま買い取る不動産会社へ相談するほうが、費用と手間を抑えられることもあります。

旧法借地権・普通借地権・定期借地権で売却のしやすさはどう違う?

借地権には契約時期によって旧法と新法があり、さらに種類も分かれるため、売却のしやすさや価格の見方が異なります。ご自身の借地権がどのタイプか、まず契約書で確認しましょう。

種類存続期間の目安更新売却時のポイント
旧法借地権(借地法)期間の定めがない場合は堅固建物60年・非堅固建物30年。更新後は堅固30年・非堅固20年あり(借地人に有利)更新が前提のため流通しやすい。地主の承諾(承諾料)が必要
普通借地権(借地借家法)当初30年、1回目の更新20年、2回目以降10年あり残存期間と更新条件を確認。地主の承諾が必要
定期借地権一般定期借地権は50年以上。事業用は10年以上50年未満などなし残存期間が価値を左右し、満了で更地返還。期間が短いと買い手がつきにくい

定期借地権の詳細は、事業用定期借地権とはや、定期借地権マンションの売却の注意点も参考になります。また、地上権や賃借権との違いは、地上権とは・賃借権とはで整理しています。

国有地・公有地の借地権を売却するときの注意点

国や自治体が地主となっている借地(国有地・公有地)の借地権を売却する場合も、貸主の承諾が必要です。民間の地主と違い、承諾の窓口や必要書類、手続きの流れが定められているため、まず貸主の担当窓口(国有地であれば財務局など)に事前確認をしてください。手続きに時間がかかることがあるので、売却のスケジュールには余裕を持たせるのがポイントです。

地主が借地権の売却を承諾しない・拒否するときの対処法

地主が承諾してくれない場合でも、すぐに売却を諦める必要はありません。まずは拒否の理由(地代の見直し、承諾料への不満、買主への不安など)を確認し、承諾料の条件を調整したり、買主の人柄や利用目的を説明したりして、話し合いで解消できないか探ります。地主が買い取りに前向きなら、地主への返還や底地との同時売却に切り替える方法もあります。

話し合いで解決しない場合は、借地借家法19条にもとづき、裁判所に地主の承諾に代わる許可を求める「借地非訟手続」を利用できます。手続きが複雑で、書類の準備や主張の整理に専門知識が必要なため、裁判に進む前後は弁護士に相談するのが安心です。弁護士費用は事務所によって異なるため、事前に見積もりを確認しましょう。

借地権売却にかかる手数料・費用の目安

費用の種類目安
仲介手数料(上限)売買価格が400万円を超える場合:売買価格×3%+6万円+消費税
譲渡承諾料(名義書換料)借地権価格の10%程度が目安。負担者は契約・交渉で決まる
解体費用(必要な場合)木造住宅で坪あたり3〜5万円程度が一般的な目安(建物の状態で変動)
測量・境界確認費用土地の状況により異なる(必要になる場合がある)
司法書士報酬・弁護士費用依頼内容により異なる(事前に見積もりを確認)

費用は、仲介か買取かによっても変わります。買取の場合は仲介手数料がかからないことが一般的で、解体や測量も不要になるケースがあります。

借地権を売却したときの税金|譲渡所得・確定申告・消費税・仕訳

譲渡所得の計算式と税率

借地権を売却して利益が出た場合は、譲渡所得として課税されます。計算式は「譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)」です。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を取得費とみなす概算取得費を使えます。税率は、売却した年の1月1日時点の所有期間が5年を超える長期譲渡所得で20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)、5年以下の短期譲渡所得で39.63%です。

確定申告は必要?3,000万円特別控除の適用

借地権の売却で譲渡所得が生じた場合は、売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。居住用の借地権付き建物を売却する場合は、要件を満たせば3,000万円の特別控除を使えます。この特例は、確定申告をしないと適用できません。適用要件の詳細は、税務署や税理士に確認してください。

借地権売却と消費税・事業者の仕訳

土地および土地の上に存する権利(借地権を含みます)の譲渡は、消費税が非課税とされています。個人が自宅用の建物を売る場合も、消費税の課税対象外です。一方、事業者(法人など)が事業用の建物を売る場合は、建物部分に消費税がかかります。会計処理(仕訳)は、売却価格と帳簿価額の差額を固定資産売却益(または売却損)として計上するのが基本で、借地権が資産として計上されている場合は、その帳簿価額を貸方に落とします。具体的な処理は顧問税理士にご確認ください。

相続した借地権の売却や、相続後の固定資産税については、借地権の固定資産税は誰が払う?相続税評価・更新料と手放し方もあわせてご覧ください。

借地権の売却・買取に関するご相談は、ハウスドゥ茨城のフリーダイヤル 0120-565-072 までお気軽にどうぞ。無料査定フォームからも受け付けています。

借地権を売却する前の調査と注意点の一覧|契約期間・名義変更・建替え・ローン・空き家

借地権の売却を検討し始めたら、不動産会社に査定を依頼する前に、契約書・登記簿・地代の支払状況などを調査して手元に揃えておくと、話がスムーズに進みます。売却前に確認したい項目を一覧にまとめました。

確認項目注意点
契約期間残存期間と更新条件を契約書で確認します。契約期間が短い場合や更新が見込めない場合は、買主が見つかりにくく、価格にも影響します。
名義変更売却後は建物の所有権移転登記(名義変更)が必要です。賃借権は登記されていないことが多いため、地主の承諾書で借地人の変更を明確にしておきます。
建替え契約で建替えが制限されていたり、建替承諾料が必要だったりする場合があります。買主が建替えを希望するなら、売却前に地主の意向を確認しておきましょう。
ローン借地権付き建物は担保評価が下がり、住宅ローンの審査が厳しくなる場合があります。買主が使える金融機関のローンの範囲を、不動産会社を通じて確認します。
空き家空き家のまま放置すると建物が傷み、売却価格が下がります。管理の状況を整え、相続した空き家の特例などが使えるかは税務署・税理士に確認してください。
評価額相続税評価額(路線価・借地権割合)と、実際の売却価格(実勢価格)は一致しないことがあります。両者の違いを理解したうえで、査定額を比べましょう。

また、借地権のうち地上権は物権、賃借権は債権にあたり、権利の性質が異なります。賃借権の場合は譲渡に地主の承諾が必要で、地上権の場合は原則として自由に譲渡できるとされています。ご自身の権利がどちらなのかは契約書や登記簿で確認してください。契約が更新されず終了する場合の建物買取請求権(借地借家法13条)については、建物買取請求権とはで解説しています。土地や建物の管理が難しい場合は、不動産業者に買取を相談するのも一つの方法です。

まとめ:複雑な借地権売却は専門家への相談が成功の鍵

ここまで借地権 売却について解説してきましたが、最も重要なのは**「借地権は売却できる資産であること」、そして「複雑な手続きは専門家の力を借りれば乗り越えられる」**という点です。

借地権売却の成功は「専門家」への相談から

借地権 売却が難しいと言われる理由は、以下のような課題があるためです。

  • 地主の承諾というハードル
  • 複雑な権利関係と契約内容
  • 買主の住宅ローン問題
  • 法律や税務など専門知識の必要性

これらの課題を一人で解決するのは非常に困難です。地域の不動産事情と借地権取引に精通した専門家は、安全で確実な売却への道筋を示してくれます。

専門家が解決できるお悩み

「地主との関係がこじれている」 「相続したが権利関係の書類が不明」 「建物が古く、売れるか不安」 「近所に知られずに早く現金化したい」

このような悩みは、借地権 売却でよくあるケースです。そして、その多くは専門家が介入することで解決の糸口が見つかります。

特に、不動産会社による「買取」は、仲介では買い手が見つかりにくい物件や、複雑な権利関係を持つ借地権をスピーディーかつ確実に現金化できる有効な手段です。地主との交渉が難航している場合でも、専門家が間に入ることで円滑に進むケースも少なくありません。

マンションの借地権(定期借地権マンション)を購入して後悔しているケースについては、定期借地権マンション後悔|7つの理由と売却の注意点もあわせてご覧ください。

借地権の売却は簡単な道のりではありませんが、信頼できるパートナーと協力すれば必ずゴールにたどり着けます。一人で悩まず、まずは専門家へ相談することが、最適な解決策を見つける第一歩です。

借地権付き物件の売却は地主との調整が必要になる場面が多く、経験豊富な地域の不動産会社への相談が安心です。ハウスドゥ茨城グループは茨城県知事(2)第7366号(株式会社JOB HOPE)・茨城県知事(1)第7579号(株式会社トーマン)の宅地建物取引業免許を持ち、古田敦也氏のイメージキャラクターとともに地域での実績を重ねてきました。

よくあるご質問

Q. 親から相続した借地権付きの家は売却できますか?

A. はい、借地権は売却可能です。土地の所有者(地主)が別にいるため手続きは複雑ですが、正しい知識と手順で進めれば売却できます。売却を諦める前に、借地権の取引に精通した専門家へ相談することをおすすめします。

Q. 借地権を売却するには、どのような方法がありますか?

A. 借地権の売却には主に4つの方法があります。①不動産会社に買主を探してもらう「仲介」、②不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」、③地主に買い取ってもらう、④地主と一緒に土地と建物を売却する、などです。状況に応じて最適な方法を選択します。

Q. 借地権を売却するとき、どのような費用や税金がかかりますか?

A. 借地権の売却には、不動産会社への仲介手数料、地主への譲渡承諾料(借地権価格の10%程度が相場)、売買契約書の印紙税、登記費用などがかかります。また、売却で利益が出た場合は、その利益に対して譲渡所得税が課税されます。

Q. 借地権売却を相談する不動産会社は、どのように選べばいいですか?

A. 借地権売却を依頼する不動産会社は、借地権の取引実績が豊富か、地主との交渉力があるか、査定価格の根拠が明確か、などを確認して選びましょう。専門知識と経験が成功の鍵を握るため、複数の会社に相談し、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。

あわせて読みたい:建物買取請求権とは|借地借家法13条と造作買取請求権との違い【2026年】

▶ あわせて読みたい:茨城県の不動産売却・買取はハウスドゥ(県内4店舗)へ|無料査定

追加のよくあるご質問(借地権の売却相場・手続き・税金)

Q. 借地権はいくらで売れますか?

A. 借地権価格の目安は「更地価格×借地権割合」で試算できます。たとえば更地3,000万円で借地権割合が60%なら約1,800万円が目安です。ただし、実際の売却価格は地代、契約の残存期間、建物の状態、承諾料の負担などで変わるため、個別査定をおすすめします。

Q. 地主の承諾なしで借地権を売却できますか?

A. 原則として、地主の承諾なしに借地権を売却することはできません。無断で譲渡すると契約解除を主張されるおそれがあります。地主が承諾しない場合は、裁判所に承諾に代わる許可を求める借地非訟手続を利用できます。

Q. 借地権付き建物のみを売却できますか?

A. 建物のみを売却する場合も、借地権の譲渡を伴うため地主の承諾が必要です。承諾を得たうえで、建物と借地権を一体で売却します。老朽化していれば解体して更地返還する方法もあります。

Q. 借地権を売却したら確定申告は必要ですか?

A. 譲渡所得が生じた場合は、売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。3,000万円特別控除などの特例を使う場合も確定申告が必要になります。

Q. 国有地の借地権でも売却できますか?

A. 国有地や公有地の借地権も、貸主の承諾を得れば売却できます。ただし、手続きや必要書類が民間地主と異なるため、事前に貸主の窓口へ確認してください。

Q. 旧法借地権でも売却できますか?

A. 旧法借地権(借地法)でも売却できます。更新が前提の借地人に有利な権利のため、流通しやすい傾向があります。売却には地主の承諾(承諾料)が必要です。

Q. 借地権の売却に消費税はかかりますか?

A. 土地および土地の上に存する権利(借地権)の譲渡は、消費税が非課税です。個人が自宅用の建物を売却する場合も課税対象外ですが、事業者が事業用の建物を売る場合は建物部分に課税されます。

茨城県で借地権付き物件を売却するときのポイント

借地権の売却は、地主の承諾や承諾料(名義書換料)の交渉が論点になります。茨城県では、つくば市・水戸市などの市街地は借地権付きでも需要が見込めますが、郡部や農村部では買い手が限られるため、借地権の取り扱いに慣れた不動産会社による買取が有効な場合があります。

地主との関係調整や底地の同時売却など、状況に応じた選択肢を整理することが大切です。茨城県全域の不動産売却・買取は、県内で4店舗を運営するハウスドゥ(茨城県全域対応)へ無料でご相談ください。

▶あわせて読みたい:茨城県の底地買取|相場と売却先4パターン・交渉のコツ(地主さま向け)

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