結論:建物譲渡特約付借地権とは、借地権を設定してから30年以上たった日に、借地上の建物を地主へ「相当の対価」で譲渡することをあらかじめ約束しておく借地権です。建物を地主へ譲渡した時点で借地権は消滅し、建物の所有権は地主のものになります。借地借家法24条に定められた仕組みで、更地で返す一般定期借地権とは違い、「建物が残る」ことが大きな特徴です。
この記事では、茨城県で不動産売却をサポートするハウスドゥ茨城(4店舗グループ)の視点で、建物譲渡特約付借地権の読み方・意味・仕組みから、普通借地権や建物買取請求権との違い、メリット・デメリット、契約書や仮登記、売却するときの注意点までをやさしく整理します。借地権の契約や税金は個別事情で結論が変わるため、実際の手続きは弁護士・司法書士・税理士などの専門家にもご確認ください。
この記事でわかること:建物譲渡特約付借地権の読み方と意味/仕組みと流れ/普通借地権・定期借地権との違い/建物買取請求権との違い/期間/契約書・公正証書・仮登記/消滅後の借家/メリット・デメリット/具体例/売却の注意点/宅建試験のポイント/よくある質問
- 建物譲渡特約付借地権とは?読み方と意味をわかりやすく解説
- 建物譲渡特約付借地権の仕組みと流れ【4ステップ】
- 普通借地権・一般定期借地権との違い(比較表)
- 建物買取請求権との違い
- 期間と更新はどうなる?30年以上の意味
- 契約書・公正証書・口頭は?書面と仮登記の考え方
- 消滅後はどうなる?借地人は住み続けられるのか
- 建物譲渡特約付借地権のメリット
- 建物譲渡特約付借地権のデメリットと注意点
- 具体例で理解する建物譲渡特約付借地権(モデルケース)
- 建物譲渡特約付借地権の売却で気をつけたいこと
- 地主に買い取ってもらう選択肢と、借地権の売却方法
- 宅建試験で押さえたいポイント
- 茨城県で借地権や借地上の建物にお悩みの方へ
- 建物譲渡特約付借地権の目的・要件と、定期借地権・事業用借地権との使い分け
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:建物譲渡特約付借地権は「30年後に建物を地主へ渡す約束」
建物譲渡特約付借地権とは?読み方と意味をわかりやすく解説
建物譲渡特約付借地権の読み方は「たてものじょうとどくやくつきしゃくちけん」です。借地人(土地を借りる人)が地主(土地を貸す人)から土地を借りて建物を建て、一定の期間がたったら、その建物を地主に譲り渡すことを最初の契約で決めておく借地権をいいます。
地主が「建物ごと」土地を取り戻せる仕組み
普通の借地では、契約が終わるときに借地人が建物を取り壊して更地に戻すのが基本です。建物譲渡特約付借地権では、借地人が建物を地主に譲り渡すことで借地権が終わります。地主はその建物を賃貸住宅などとして活用でき、借地人は建物の代金(相当の対価)を受け取れます。
借地借家法24条に定められた特約
この制度は借地借家法24条に定められています。借地権を設定してから30年以上経過した日に、借地上の建物を相当の対価で地主へ譲渡する旨の特約を付けられる、というのが条文の骨格です。定期借地権と並べて紹介されることが多く、借地権の期間を守りながら、終了時に建物を引き継げる点が特徴です。借地権の全体像は、地上権とは?賃借権・借地権との違いや賃借権とは?地上権・借地権・借家権との違いでも解説しています。
建物譲渡特約付借地権の仕組みと流れ【4ステップ】
建物譲渡特約付借地権は、契約から終了までを4つの段階で考えるとわかりやすくなります。

ステップ1:借地契約と特約を結ぶ
借地人と地主が借地契約を結ぶときに、「借地権の設定から30年以上たった日に、地主が建物を相当の対価で取得する」という特約を付けます。契約時に譲渡する日や対価の決め方を具体的にしておくことが、後のトラブルを防ぐ鍵です。
ステップ2:30年以上経過後に地主が建物を取得する
約束した日が来ると、地主は借地上の建物を取得します。取得の対価は「相当の対価」と定められており、契約で算定方法を決めておくのが一般的です。
ステップ3:借地権が消滅し、所有権が地主に移る
建物が地主に譲渡されると、借地権は消滅します。実務では、建物の所有権移転登記を行って、建物が地主のものになったことを明確にします。
ステップ4:建物の使用を続けるかを決める
借地人や建物を借りていた人が建物を使い続けたい場合は、その旨を請求できます。請求があると、期間の定めのない建物の賃貸借をしたものとみなされます。
普通借地権・一般定期借地権との違い(比較表)
建物譲渡特約付借地権を理解するには、ほかの借地権との違いを知るのが近道です。下の表は、よく比べられる3つのタイプの目安です。

| 項目 | 普通借地権 | 一般定期借地権 | 建物譲渡特約付借地権 |
|---|---|---|---|
| 期間の目安 | 30年以上 | 50年以上 | 設定から30年以上経過後に譲渡 |
| 更新 | あり | なし | 特約により借地権が消滅 |
| 終了時の建物 | 更新、または建物買取請求 | 原則として更地で返還 | 地主が建物を取得 |
| 契約の書面 | 法律上は不要 | 書面が必要 | 法律上は不要(実務では書面が一般的) |
それぞれの詳しい仕組みは、一般定期借地権とは?期間50年以上・更新なしや事業用定期借地権とは?期間・公正証書・地代で確認できます。
建物買取請求権との違い
建物譲渡特約と混同されやすいのが「建物買取請求権」です。どちらも建物を地主へ渡す点は似ていますが、成り立ちが異なります。
建物買取請求権は「契約が終わったとき」の借地人の権利
建物買取請求権は、借地契約の期間が満了して更新されなかったときに、借地人が地主へ「建物を時価で買い取ってください」と求められる権利です。借地人が一方的に行使できる点が特徴で、時価で買い取られます。
建物譲渡特約は「契約のときに決めておく」約束
一方、建物譲渡特約は、契約の時点で「いつ・どのように建物を譲り渡すか」を当事者の合意であらかじめ決めておく仕組みです。対価は「相当の対価」とされ、算定方法を契約に盛り込んでおくのが一般的です。
期間と更新はどうなる?30年以上の意味
建物譲渡特約でいう「30年以上」とは、借地権を設定してから30年以上経過した日以降に建物を譲渡する、という意味です。たとえば、借地権を設定して35年後に譲渡する、といった決め方もできます。譲渡の時期より前に借地権が終わってしまうことがないよう、期間は契約書で具体的に定めます。
特約が実行されると借地権は消滅するため、一般的な意味での「更新」は問題になりません。借地の更新料が気になる方は、借地権の更新料はいくら?相場と計算方法も参考にしてください。
契約書・公正証書・口頭は?書面と仮登記の考え方
「口頭でも有効か」「書面は必要か」は、検索でもよく調べられるポイントです。
法律上は書面が必須とはされていない
借地借家法24条には、書面で契約しなければならないという定めがありません。そのため、法律上は口頭でも成り立つと整理されています。一般定期借地権が書面での契約を要するのとは対照的です。
実務では契約書・公正証書・仮登記で備える
とはいえ、30年以上先の約束を口頭だけで残すのは大きなリスクです。実務では、譲渡の時期・対価の算定方法・使用継続の条件を契約書にまとめ、必要に応じて公正証書にします。また、建物の所有権移転請求権を保全するため、仮登記をしておく方法がよく使われます。契約内容や登記の手続きは、司法書士や弁護士への相談が安心です。
消滅後はどうなる?借地人は住み続けられるのか
建物を地主に譲渡して借地権が消滅しても、借地人がすぐ退去しなければならないわけではありません。借地人や建物の賃借人が使用の継続を請求したときは、期間の定めのない建物の賃貸借をしたものとみなされます。
ただし、賃料などの条件は地主との話し合いで決めるのが基本です。借地時代の地代と同じ条件になるとは限らないため、契約書の段階で「譲渡後の賃料の考え方」にも触れておくと安心です。
建物譲渡特約付借地権のメリット
借地人のメリット:建物の対価を受け取れる
借地人にとっての利点は、建物を壊して更地で返す費用や手間がかからないことです。さらに、建物の対価を受け取れるため、住み替えや老後の資金計画を立てやすくなります。
地主のメリット:建物を活用でき、借地人の入れ替えも調整しやすい
地主は、借地権が終わったときに建物付きで土地を取り戻せます。そのため、建物を賃貸住宅などとして活用しやすく、更地にして建て直す費用を抑えられる可能性があります。
建物譲渡特約付借地権のデメリットと注意点
借地人のデメリット:建物の所有権を手放す
約束の時期が来れば、自分の建物でなくなります。「ずっと自分の家として持ち続けたい」という方には向きません。対価の額をめぐる争いを避けるためにも、算定方法は契約書で具体的に決めておきましょう。
地主のデメリット:建物の取得資金と維持管理の負担
建物を取得するための資金を用意する必要があります。取得後は、建物の維持修繕や固定資産税などの負担も生じます。使用継続を請求する借地人・借家人への対応も想定しておく必要があります。
契約内容があいまいだとトラブルになりやすい
譲渡の時期・対価・登記・使用継続の条件があいまいだと、30年後に話がまとまらないことがあります。契約時の書面化と、仮登記による備えが重要です。
具体例で理解する建物譲渡特約付借地権(モデルケース)
以下は、仕組みを理解するための仮のモデルケースです。実在する事例ではなく、数字も説明用の目安にすぎません。
たとえば、地主Aさんが借地人Bさんと借地契約を結び、「借地権の設定から30年後にAさんがBさんの建物を相当の対価で取得する」という特約を付けたとします。30年後、AさんはBさんから建物を取得して借地権が消滅し、Bさんは対価を受け取ります。Bさんが住み続けたい場合は、使用継続を請求することで、期間の定めのない賃貸借として暮らし続けられます。
建物譲渡特約付借地権の売却で気をつけたいこと
建物譲渡特約付借地権の建物を売るときは、通常の所有権の家と異なる点に注意が必要です。茨城県でも、借地権付きの建物や、地主との関係が絡む土地の売却は専門的な判断が求められます。
残りの期間が価格に影響する
買主は、譲渡の約束の時期が来たら建物を手放すことになります。残りの期間が短いほど、買主にとっての使える期間が短くなり、価格は低くなる傾向があります。
地主の承諾と重要事項の説明
借地権付き建物を売るときは、地主の承諾が必要になるのが一般的で、承諾料が必要になることもあります。また、買主には建物譲渡特約の存在と内容を正しく説明する必要があります。
住宅ローンが使いにくい場合がある
借地権付き建物は、金融機関によって評価が分かれ、住宅ローンが使いにくいことがあります。買主が限られるぶん、売却に時間がかかる可能性があります。
地主に買い取ってもらう選択肢と、借地権の売却方法
借地権の売却では、第三者に売る方法のほか、地主に買い取ってもらう方法もあります。それぞれの流れや税金の考え方は、借地権を地主に買い取ってもらう方法と借地権の売却4つの方法と費用・相場・税金で整理しています。借地上の建物が古くなった場合の扱いは、朽廃とは|借地上の建物が朽廃すると借地権はどうなる?も参考になります。
宅建試験で押さえたいポイント
建物譲渡特約付借地権は、宅建試験の借地借家法でも出題されるテーマです。覚えておきたいのは次の4点です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 譲渡の時期 | 借地権の設定から30年以上経過した日以後 |
| 譲渡の対価 | 相当の対価 |
| 書面 | 法律上は不要(口頭でも成立しうる) |
| 譲渡後 | 使用継続を請求すると期間の定めのない賃貸借とみなされる |
茨城県で借地権や借地上の建物にお悩みの方へ
ハウスドゥ茨城(4店舗グループ)は、つくば・水戸・取手・守谷の4店舗で不動産の売却・買取をご相談いただいています。借地権付きの建物や、地主との関係が絡む土地は、通常の売却より整理すべき点が多くなります。買取と仲介の両方から、状況に合った進め方を一緒に考えます。
建物譲渡特約付借地権の目的・要件と、定期借地権・事業用借地権との使い分け
建物譲渡特約付借地権の目的は、借地の存続期間が終わったあとも建物を残し、土地と建物を一体として管理・利用できるようにすることです。要件として押さえたいのは、借地権の設定から30年以上たった日以降に建物を譲渡する約束であること、そして譲渡の対価が「相当の対価」であることです。
定期借地権・事業用定期借地権との使い分け
一般定期借地権は、更新がなく、原則として更地で返す仕組みです。事業用定期借地権は、事業用の建物を所有する目的で土地を貸す場合に使われ、居住用の建物には使えないのが特徴です。これに対し、建物譲渡特約付借地権は、居住用の住宅にも事業用の建物にも使え、存続期間が終わったあとに建物が残る点が違いです。将来の活用方針に合わせて、どの借地権で貸すかを選びます。
賃貸借契約を作成するときの対策
譲渡後に借地人が居住を続ける場合は、賃貸借契約の内容があいまいだとトラブルになります。譲渡の時期、対価、賃貸の条件、建物の所有権の移転と登記、将来の管理や修繕の負担を契約書に整理しておくことが、地主・借地人の双方にとって重要な対策です。契約書の作成は専門家へのご相談をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 建物譲渡特約付借地権とは何ですか?
借地権を設定してから30年以上たった日に、借地上の建物を地主へ相当の対価で譲渡することをあらかじめ約束しておく特約付きの借地権です。借地借家法24条に定められています。譲渡によって借地権は消滅し、建物の所有権は地主へ移ります。
Q. 建物譲渡特約付借地権の読み方は?
「たてものじょうとどくやくつきしゃくちけん」と読みます。「建物譲渡特約」と略されることもあります。
Q. 契約は口頭でも有効ですか?
借地借家法24条は書面を求めていないため、法律上は口頭でも成立しうるとされています。ただし、後日の対価や時期をめぐる争いを避けるため、実務では契約書や公正証書で内容を残し、建物の所有権移転請求権の仮登記を行うのが一般的です。
Q. 普通借地権・定期借地権との違いは何ですか?
普通借地権は更新があり、定期借地権は更新がなく原則として更地で返還します。建物譲渡特約付借地権は、期間経過後に建物を地主が取得して借地権が消滅する点が特徴で、建物が残る点が定期借地権と異なります。
Q. 建物買取請求権とはどう違いますか?
建物買取請求権は、借地契約が更新されずに終了したとき、借地人が地主へ建物を時価で買い取るよう求める権利です。建物譲渡特約は、契約の時点であらかじめ建物を譲渡する約束をしておく仕組みで、譲渡の対価は「相当の対価」とされます。
Q. 特約で建物を譲渡したあと、住み続けられますか?
借地人または建物の賃借人が請求すれば、期間の定めのない建物の賃貸借をしたものとみなされます。ただし、賃料などの条件は地主と取り決める必要があり、必ず従前と同じ条件になるとは限りません。
Q. 建物譲渡特約付借地権の建物は売却できますか?
売却自体は可能ですが、買主は残りの期間で建物を手放すことになるため、一般の所有権の家より価格が低くなる傾向があり、住宅ローンも使いにくいことがあります。また、借地権の譲渡には地主の承諾が必要になるのが一般的です。
まとめ:建物譲渡特約付借地権は「30年後に建物を地主へ渡す約束」
建物譲渡特約付借地権は、借地権の設定から30年以上たった日に、借地上の建物を相当の対価で地主へ譲渡する特約付きの借地権です。法律上は書面が必須ではありませんが、実務では契約書・公正証書・仮登記で備えるのが安心です。借地権や借地上の建物のご売却・ご相談は、茨城県のハウスドゥ茨城(4店舗グループ)へお気軽にお問い合わせください。お電話は0120-565-072、ご相談はお問い合わせフォームから承っています。
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