親が亡くなり、実家の土地と建物を相続することになった——多くの方が一度は直面するテーマです。現金と違って土地・家屋は簡単に分けられないため、「誰が住むのか」「売って現金化するのか」「相続登記はどうすればよいのか」など、決めるべきことが次々に出てきます。この記事では、土地家屋の遺産相続について、分割の方法・相続登記の義務化・売却の流れと注意点を整理します。

目次
  1. 土地家屋の遺産相続で、まず押さえておきたい基本
    1. 相続人が複数いる間は「共有」の状態になる
    2. 遺産分割協議で、誰が何を相続するかを決める
  2. 土地家屋を分ける4つの方法
    1. 現物分割|土地を物理的に分ける
    2. 代償分割|一人が取得し、他の相続人に代償金を払う
    3. 換価分割|売却して代金を分ける
    4. 共有分割|そのまま共有名義で相続する
  3. 相続登記の義務化(2024年4月1日施行)について
    1. 相続を知った日から3年以内に登記が必要
    2. 過去の相続にもさかのぼって適用される
    3. 正当な理由なく登記をしないと過料の対象に
  4. 土地家屋を売却する場合の流れと注意点
    1. 1. 相続人の確定と遺産分割協議
    2. 2. 相続登記
    3. 3. 査定・売却活動
    4. 4. 売買契約・決済・引き渡し
  5. 相続した土地家屋にかかる税金
    1. 相続税
    2. 譲渡所得税(売却時)
    3. 登録免許税
  6. 土地家屋の遺産相続でよくあるトラブル
    1. 相続人の一人が実家に住み続けているケース
    2. 遺産分割協議がまとまらないケース
    3. 相続放棄を検討すべきケース
  7. 茨城県内で土地家屋を相続された方へ
    1. さらに詳しく
  8. よくある質問
    1. Q1. 相続登記をしないまま売却することはできますか?
    2. Q2. 相続登記の義務化は、過去の相続にも適用されますか?
    3. Q3. 遺産分割協議がまとまらない場合、どうすればよいですか?
    4. Q4. 共有名義のまま相続すると、どんなリスクがありますか?
    5. Q5. 実家を売却して得た代金は、相続人でどう分ければよいですか?
    6. Q6. 相続した空き家を売ると税金の特例が使えると聞きました。本当ですか?
  9. まとめ

土地家屋の遺産相続で、まず押さえておきたい基本

相続人が複数いる間は「共有」の状態になる

相続人が複数いる場合、遺産分割協議が成立し相続登記が完了するまでの間、法律上、土地・家屋は法定相続人全員の共有物として扱われます。誰か一人が単独で自由に処分できる状態ではありません。

遺産分割協議で、誰が何を相続するかを決める

相続人全員で話し合い、誰がどの財産を相続するかを決めるのが遺産分割協議です。合意した内容は遺産分割協議書として書面に残し、相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付するのが一般的な進め方です。

土地家屋を分ける4つの方法

土地家屋を分ける4つの方法比較|ハウスドゥ茨城

現物分割|土地を物理的に分ける

一つの土地を複数の区画に分筆し、それぞれを別の相続人が取得する方法です。広い土地であれば有効ですが、狭い宅地では分筆後に使い勝手の悪い土地(旗竿地や間口の狭い土地)が生まれることもあります。

代償分割|一人が取得し、他の相続人に代償金を払う

実家に住み続けたい相続人が一人いる場合などに使われる方法です。その相続人が土地家屋を単独で相続する代わりに、他の相続人へ代償金(相続分に応じた金銭)を支払います。

換価分割|売却して代金を分ける

土地家屋を売却し、その売却代金を相続人間で分配する方法です。誰も住む予定がない実家の場合、公平に分けやすく、選ばれることの多い方法です。

共有分割|そのまま共有名義で相続する

結論を先送りにして、複数の相続人の共有名義のまま相続登記する方法です。将来、共有者の一人が持分だけを処分できてしまう、売却の際に全員の同意が必要になるなど、後のトラブルの火種になりやすいため、慎重な検討が必要です。

相続登記の義務化(2024年4月1日施行)について

相続を知った日から3年以内に登記が必要

2024年4月1日から相続登記が義務化されています。不動産を相続で取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。複数の相続人による遺産分割協議を経て取得した場合は、協議が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記が必要です。

過去の相続にもさかのぼって適用される

この義務化は、制度開始前に発生していた相続にもさかのぼって適用されます。その場合の申請期限は、制度施行日から3年後の2027年3月31日までとされています。まだ相続登記をしていない実家がある場合は、早めの対応が必要です。

正当な理由なく登記をしないと過料の対象に

正当な理由がなく相続登記を怠ると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。「名義変更をしないまま放置している実家がある」という方は、この機会に手続きを進めることをおすすめします。

土地家屋を売却する場合の流れと注意点

相続した土地家屋の売却の流れ|ハウスドゥ茨城

1. 相続人の確定と遺産分割協議

戸籍謄本などから法定相続人を確定し、遺産分割協議で「誰が相続し、どう売却するか」を決めます。

2. 相続登記

売却するには、まず被相続人から相続人への名義変更(相続登記)が必要です。相続登記が済んでいない不動産は、そのままでは売却できません。

3. 査定・売却活動

不動産会社に査定を依頼し、売却活動を進めます。空き家のまま放置すると老朽化が進み、査定額が下がる要因にもなるため、早めの相談が有利です。

4. 売買契約・決済・引き渡し

買主が決まれば売買契約を締結し、決済・引き渡しを行います。換価分割の場合は、この売却代金を相続人間で分配します。

相続した土地家屋にかかる税金

相続税

相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告・納税が必要です。

譲渡所得税(売却時)

相続した不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。所有期間に応じて税率が異なり、要件を満たせば「相続空き家の3,000万円特別控除」などの特例が使える場合があります。

登録免許税

相続登記の際には、固定資産税評価額に応じた登録免許税(原則0.4%)がかかります。

土地家屋の遺産相続でよくあるトラブル

相続人の一人が実家に住み続けているケース

すでに実家に住んでいる相続人がいると、他の相続人が「売って現金化したい」と考えても話がまとまりにくくなります。代償分割の活用や、第三者を交えた冷静な話し合いが必要です。

遺産分割協議がまとまらないケース

協議がまとまらない場合、家庭裁判所での遺産分割調停・審判に進むこともあります。長期化すると、その間ずっと不動産が共有状態のまま放置され、固定資産税の負担や管理の問題も生じます。

相続放棄を検討すべきケース

老朽化した空き家や、管理コストばかりがかさむ土地の場合、相続放棄という選択肢もあります。ただし相続放棄は原則としてすべての財産を放棄することになるため、慎重な判断が必要です。

茨城県内で土地家屋を相続された方へ

ハウスドゥの茨城県内4店舗(取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸)では、相続した土地家屋の売却・買取のご相談を承っています。「相続登記がまだ済んでいない」「共有名義のままで困っている」という段階からでも構いません。査定はもちろん、換価分割を前提とした売却スケジュールのご相談にも対応しています。

さらに詳しく

よくある質問

Q1. 相続登記をしないまま売却することはできますか?

A. できません。売却の前提として、被相続人から相続人への相続登記が必要です。

Q2. 相続登記の義務化は、過去の相続にも適用されますか?

A. はい。2024年4月1日の制度開始前に発生していた相続についても適用されます。申請期限は制度施行日から3年後の2027年3月31日までです。

Q3. 遺産分割協議がまとまらない場合、どうすればよいですか?

A. 相続人同士での話し合いが難しい場合、家庭裁判所での遺産分割調停を申し立てることができます。

Q4. 共有名義のまま相続すると、どんなリスクがありますか?

A. 共有者の一人が自分の持分だけを第三者に売却できてしまう、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要になるなど、将来的なトラブルの原因になりやすいとされています。

Q5. 実家を売却して得た代金は、相続人でどう分ければよいですか?

A. 換価分割の場合、遺産分割協議で決めた相続分の割合に応じて売却代金を分配するのが一般的です。分配方法は遺産分割協議書に明記しておくことをおすすめします。

Q6. 相続した空き家を売ると税金の特例が使えると聞きました。本当ですか?

A. 一定の要件を満たす場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」の特例が使える可能性があります。適用要件があるため、税理士への確認をおすすめします。

あわせて読みたい:茨城県の相続不動産の傾向|死亡者数と登記義務化を解説共同名義の相続|共有になる原因と解消法

まとめ

土地家屋の遺産相続では、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割という4つの分け方があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。2024年4月からは相続登記が義務化されており、過去の相続分も含めて期限内の手続きが必要です。売却を検討する場合は、まず相続登記を済ませることが前提となるため、早めに専門家や不動産会社へ相談し、計画的に進めることをおすすめします。

また、土地の名義人と建物の名義人が別々になっているケースの売却方法については、土地と建物の名義が違う不動産|売却できる?流れと注意点【2026年】で詳しく解説しています。

関連記事:現金相続にかかる税金|不動産相続との違いと計算方法【2026年】

関連記事: 使用貸借の土地は相続でどうなる?貸主死亡・借主死亡のケース別解説

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