結論:不動産の「囲い込み」とは、売却を預かった不動産会社が他社の買主を遠ざけ、自社だけで契約して売主・買主の両方から手数料を受け取ろうとする行為です。売主にとっては、買主候補が減って売却が長引いたり、値下げを迫られたりする原因になります。この記事では、囲い込みの仕組み、見抜き方、売主ができる対策、通報先、買主側の注意点までを、不動産のことに詳しくない方にもわかる言葉で整理します(2026年10月時点の一般的な内容です)。
囲い込みとは?まず結論と全体像
囲い込みの意味を一言でいうと
「囲い込みとは」と検索すると、歴史の用語や介護の話も出てきますが、不動産の世界では「物件情報を自社の中に囲って、他社に渡さない」ことを指します。不動産囲い込み、あるいは不動産屋の囲い込みと呼ばれることもあります。
この記事でわかること
- 囲い込みが起きる仕組みと、売主が損をする理由
- 囲い込みを見抜く具体的なチェック方法
- 契約前・契約後にできる対策、通報の考え方
- 買主側から見た「買えない」ケースの注意点

囲い込みが起きる仕組み:両手仲介とは
片手仲介と両手仲介の違い
不動産の売買を仲介する会社は、成約したときに仲介手数料を受け取ります。売主だけから受け取るのが「片手仲介」、売主と買主の双方から受け取るのが「両手仲介」です。同じ1件の取引でも、両手になれば会社の収入は単純に約2倍になります。
| 項目 | 片手仲介 | 両手仲介 |
|---|---|---|
| 手数料を受け取る相手 | 売主のみ(または買主のみ) | 売主と買主の両方 |
| 会社の収入 | 手数料1回分 | 手数料2回分 |
| 買主を探す人 | 他社も含めて広く | 自社で見つけた買主に限定しがち |
両手仲介そのものは違法ではありません。問題になるのは、両手にしたいがために、他社から来た買主の問い合わせをあえて断る行為です。
レインズとは何か
レインズ(REINS)は、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、不動産会社どうしの物件情報ネットワークです。ここに登録された物件は、他の不動産会社も見られ、自社のお客様に紹介できます。囲い込みは、このレインズの仕組みを形だけにしてしまう行為ともいえます。
専任媒介・専属専任媒介のレインズ登録義務
媒介契約には種類があり、専任媒介と専属専任媒介では、契約から一定の営業日以内にレインズへ登録する義務があります。一般的には、専任媒介は契約日の翌日から7営業日以内、専属専任媒介は5営業日以内(いずれも休業日を除く)と案内されています。一般媒介にはこの登録義務はありません。
| 媒介契約 | 複数社への依頼 | レインズ登録 | 売主への報告 |
|---|---|---|---|
| 一般媒介 | できる | 義務なし | 義務なし |
| 専任媒介 | できない | 7営業日以内 | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介 | できない | 5営業日以内 | 1週間に1回以上 |
※契約期間はいずれも3か月以内。基準は制度改正で見直されることがあるため、契約時に最新の内容を確認してください。
囲い込みの具体的な手口と見分けるサイン
よくあるパターン
- 他社から物件確認の電話が入ると「すでに商談中です」と答える
- レインズに登録はするが、取引状況を実態と違う表示にする
- 物件資料の提供や内見の調整を遅らせる
- 売主へ「問い合わせはほとんどありません」と伝えながら、実際には他社の反響を止めている
売主が気づきやすいサイン
- 売り出し後しばらく経つのに、内見がほとんど入らない
- 報告書の内容が毎回ほぼ同じで、具体的な問い合わせ内容が書かれていない
- 「自社のお客様なら早く決まりますよ」と、他社経由を避ける発言がある
- 登録証明書を求めても、すぐに出してもらえない
実際に起きていたとは限らない点に注意
反響が少ない理由は、価格が相場より高い、写真や情報が少ない、立地や築年数の条件、季節要因など、囲い込み以外にも多くあります。疑う前に、価格と掲載内容の見直しも並行して行うのが現実的です。
囲い込みで売主が受ける3つのデメリット
売却期間が長くなる
買主候補が自社の顧客だけに絞られると、タイミングよく購入希望者が見つかる確率が下がります。
価格が下がるおそれがある
反響がないことを理由に、値下げを提案されやすくなります。本来はもっと高く売れた可能性がある、というのが囲い込みの怖い点です。
売り時を逃す
金利や税制、地域の需要には波があります。売却が長引くと、住み替えや相続の期限、固定資産税の負担などにも影響します。売却の全体像は不動産の売買とは?仲介と買取の違い・流れ・費用や税金も参考にしてください。
【売主向け】囲い込み対策5ステップ

ステップ1:契約前にレインズ登録と報告頻度を確認する
媒介契約を結ぶ前に、「いつまでにレインズへ登録するか」「報告は週何回か」「問い合わせはすべて共有してもらえるか」を質問します。答え方が具体的な会社は信頼しやすいです。会社選びの全般は不動産仲介業とは|仕組み・仲介手数料・免許と選び方で解説しています。
ステップ2:登録証明書を必ず受け取る
専任媒介・専属専任媒介では、レインズに登録した後に発行される登録証明書を、依頼者へ引き渡すこととされています。受け取ったら、物件情報や登録日が正しいかを確認しましょう。
ステップ3:定期報告の中身を見る
「問い合わせ0件」とだけ書かれた報告ではなく、広告の掲載状況、問い合わせ数、内見数、断られた理由などが具体的かをチェックします。
ステップ4:別の窓口から物件の状況を確認する
知人や家族を通じて別の不動産会社に「この物件を紹介してほしい」と依頼し、実際に案内が可能かを確かめる方法があります。相手の会社に失礼のないよう、趣旨は丁寧に伝えましょう。
ステップ5:改善しなければ見直す
説明に納得できないときは、契約期間満了での契約更新を見送る、媒介契約を結び直す、複数社に相談する、買取を検討するなどの選択肢があります。まず自宅の価値を知るために、不動産の査定とは?机上・訪問・AI・一括査定の違いも確認しておくと比較しやすくなります。
媒介契約の種類と囲い込みリスクの関係
専任媒介・専属専任媒介の特徴
1社にまかせるため窓口はシンプルですが、その会社が囲い込みをしてしまうと、他社の入り込む余地が小さくなります。定期報告とレインズ登録証明書で、中身をチェックできる点を活用しましょう。
一般媒介の特徴
複数社に依頼するため、1社だけが情報を閉じにくくなります。一方で、各社が「売れなければ報酬ゼロ」と考えて広告費をかけにくい場合もあり、活動量に差が出ます。契約書の内容は不動産売買契約の違約金とは?も合わせて確認すると安心です。
どの契約が正解かは物件と状況で変わる
人気エリアの需要が高い物件なら一般媒介でも決まりやすく、訳あり物件や築古の一戸建てなど、専門的な説明が必要な物件は専任で丁寧に進めるほうが合うこともあります。大手か地場かという規模の違いだけでは判断できません。
囲い込みを通報したいとき:誰に・どう伝えるか
連絡先の考え方
不動産会社を監督する免許行政庁が窓口になります。茨城県内にのみ事務所がある会社は茨城県、複数の都道府県に事務所がある会社は国土交通省が目安です。会社名の横に書かれた免許番号(例:「◯◯県知事(◯)第◯◯号」)で確認できます。
通報前に準備したい証拠
- 媒介契約書、レインズ登録証明書、定期報告書
- 他社に断られた日時と内容がわかるメモやメール
- 担当者とのやり取りの記録
通報より先にできること
まずは担当者や会社の責任者に、事実関係を確認する方法もあります。それでも納得できない場合に、行政への相談を検討しましょう。違反に当たるかどうかの判断は個別の事情によるため、必要に応じて弁護士など専門家へ相談してください。
買主側から見た囲い込み:「買えない」ときの注意点
「商談中」と言われたときの確認ポイント
気に入った物件なのに断られると、不動産囲い込みで買えないのではと不安になります。ただし実際に申込みが入っていることもあるため、断定は禁物です。数日後に再確認する、別の会社経由でも問い合わせる、同じエリアの類似物件を並行して探す、といった対応が有効です。
賃貸でも「囲い込み」といわれることがある
賃貸の分野でも、入居者募集を自社の管理物件だけに限定する動きを「賃貸の囲い込み」と呼ぶことがあります。売買の囲い込みとは仕組みや規制が異なるため、この記事では売買を中心に説明しました。
囲い込みを避けやすい選択肢:買取という方法
買取なら両手仲介の動機がない
買取は、不動産会社が自ら買主となって物件を購入する方法です。買主を探す必要がないため、仲介手数料はかからず、他社の買主を遠ざける理由が生まれません。一方、価格は市場で買い手を探す仲介より低くなる傾向があります。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般の個人など | 不動産会社 |
| 価格の目安 | 相場に近い | 仲介より低め |
| 期間 | 数か月かかることも | 短期間が目安 |
| 仲介手数料 | 必要 | 不要 |
ハウスドゥは買取・売却の両方に対応
ハウスドゥは、茨城県で筑波研究学園都市・県庁水戸・取手戸頭・守谷の各地域に店舗を構え、不動産の売却と買取のご相談を受け付けています。仲介で売るか、買取で早く確実に現金化するか、状況に合わせた比較が可能です。空き家、相続した不動産、訳あり物件などのご相談もお気軽にどうぞ。
囲い込みの利益構造と売主への影響をもう少し詳しく
企業側の利益と顧客の不利益
仲介を行う企業にとって、両手仲介は大きな利益につながります。そのため、売主という顧客の利益よりも自社の収益を優先する動機が働くおそれがあります。売主は「家が売れない理由」を価格や市況のせいだと受け止めてしまい、実際には情報の流れが止まっていたという可能性に気づきにくい点が重要です。
売却の成功は情報の広がりで決まる
購入を検討する人に物件情報が広く届くほど、比較されるメリットも増え、条件の合う買主に出会える可能性が高まります。逆に、情報が一社に閉じると、買主側の選択肢にも影響が出ます。
無料で利用できる確認手段と関連サービス
売主が無料で行える確認として、自宅の公開状況の検索、複数社への相談、査定の比較があります。ポータルサイトで掲載を一覧で確認し、登録情報と報告内容にずれがないかをチェックしましょう。会社のサポート体制や、提供されている相談窓口の活用も、信頼できる担当者選びに役立ちます。大切な家の売却は、納得できるまで質問する姿勢が成功につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. 囲い込みとは簡単にいうと何ですか?
不動産会社が売主から預かった物件を他社の買主に紹介せず、自社で見つけた買主とだけ契約しようとして、売主と買主の両方から仲介手数料を得る「両手仲介」を狙う行為のことです。
Q. 囲い込みは違法ですか?罰則はありますか?
「囲い込み」という言葉自体を直接処罰する条文はありませんが、レインズへの登録義務や売主への報告義務に違反すれば、宅地建物取引業法にもとづく指示処分・業務停止などの監督処分の対象になり得ます。個別のケースは免許行政庁や専門家にご確認ください。
Q. 囲い込みされているか、どうすれば見抜けますか?
契約後に受け取るレインズの登録証明書、定期報告に書かれた問い合わせ件数、そして他の不動産会社を通じた物件確認(問い合わせ)の結果を突き合わせるのが基本です。反響が少ないのに報告が曖昧な場合は、担当者に理由を具体的に聞いてみましょう。
Q. 囲い込みを通報したいときはどこに連絡すればよいですか?
免許を出している行政庁(都道府県知事免許の会社は都道府県、複数の都道府県に事務所がある会社は国土交通省)の宅建業の担当窓口が目安です。通報前に、日付・やり取り・登録証明書などの証拠を整理しておくと伝わりやすくなります。
Q. 一般媒介なら囲い込みは起きませんか?
一般媒介は複数社に依頼できるため、1社だけに情報が閉じる状況は起きにくくなります。ただし、各社が積極的に動いてくれる保証はなく、レインズ登録も義務ではないため、報告内容の確認は欠かせません。
Q. 買主の立場で「商談中」と断られたら囲い込みですか?
実際に申込みが入っていて商談中のこともあるため、それだけで囲い込みとは断定できません。複数の物件を並行して探し、別の会社経由でも同じ物件の状況を確認すると判断材料が増えます。
Q. 無料で確認できる方法はありますか?
自宅が公開されているかをポータルサイトなどで一覧から探す、他の不動産会社に相談する、査定結果を比較する、といった方法は無料で行えます。登録証明書や報告書は、依頼した会社に請求して確認しましょう。
Q. 囲い込みを避けるために、買取という選択肢はありますか?
不動産会社が直接買い取る「買取」は、買主を探す仲介と違い、仲介手数料がかからず、両手仲介の動機そのものが生じません。価格は仲介の相場より低くなりやすい点と、早く確実に現金化できる点を比べて選びましょう。
まとめ:囲い込みは「知っておく」だけでも防ぎやすくなる
囲い込みとは、両手仲介を狙って他社の買主を遠ざける行為で、売主の売却期間や価格に影響するおそれがあります。契約前の確認、登録証明書、定期報告の中身、別の窓口からの確認、そして必要に応じた見直しや通報という流れで、リスクを減らせます。不安なときは、買取も含めて複数の方法を比べてみてください。
ご相談・無料査定はハウスドゥへ。お電話は 0120-565-072、またはこのページのお問い合わせフォームからどうぞ。
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