目次
  1. 茨城県で暮らす外国人住民は、この10年でどれだけ増えたのか
  2. 1. 茨城県の外国人住民数、まず全体像をおさえる
    1. 1-1. 直近の在留外国人数は約10万3千人(2024年末時点)
    2. 1-2. 10年前と比べると、目安で約2倍
    3. 1-3. 全国順位でも上位に位置する
  3. 2. 県内のどこで外国人住民が増えているのか、市町村ごとの違い
    1. 2-1. 絶対数のトップはつくば市
    2. 2-2. 市町村比較の一覧表(絶対数・目安)
    3. 2-3. 比率で見ると常総市・八千代町など県西・県南が上位
  4. 3. なぜ増えているのか、背景にある3つの要因
    1. 3-1. 人手不足を背景にした在留資格の拡大
    2. 3-2. 技能実習から定住化への移行
    3. 3-3. つくば市の研究・教育機能の拡大
  5. 4. 生活者としての外国人住民、地域社会への広がり
    1. 4-1. 国籍別で見る茨城県の特徴
    2. 4-2. 日本語学習支援などの行政の動き
  6. 5. 住まいの賃貸・売買にとって、この数字が意味すること
    1. 5-1. 賃貸市場における新しい入居者層
    2. 5-2. 売買市場における「買主層」としての広がり
    3. 5-3. 相場・売却を考えるうえでの留意点
    4. 5-4. 空き家・遊休不動産の活用先としての可能性
  7. 6. 地域別に見る、住まい探しのポイント
    1. 6-1. つくば市エリア
    2. 6-2. 水戸市エリア
    3. 6-3. 取手市・守谷市エリア(県南)
  8. 7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 茨城県の外国人住民数は今後も増え続けますか?
    2. Q2. 外国人住民が多い市町村ほど不動産価格が上がりますか?
    3. Q3. 外国人に賃貸物件を貸す際の注意点はありますか?
    4. Q4. 外国人は住宅ローンを組んで持ち家を購入できますか?
    5. Q5. 市町村別の最新データはどこで確認できますか?
    6. Q6. つくば市に外国人が多いのはなぜですか?
    7. Q7. 空き家を外国人向けに貸し出す・売却することは可能ですか?
  9. まとめ:一次データで見る茨城県の変化を、住まいの判断材料に

茨城県で暮らす外国人住民は、この10年でどれだけ増えたのか

「最近、近所でも外国人の方をよく見かけるようになった」——茨城県内で不動産の売買や賃貸に関わっていると、こうした声を耳にする機会が増えました。工場の求人票、コンビニのレジ、学校の授業参観。生活のさまざまな場面で、外国にルーツを持つ住民の存在感が大きくなっています。

この記事では、茨城県や出入国在留管理庁が公表している一次統計をもとに、県内の外国人住民数がどう推移してきたのか、どの市町村で増えているのか、そして住まいの賃貸・売買にどう関わってくるのかを整理しました。感覚論ではなく、公的データに基づいて現状を確認していきます。

1. 茨城県の外国人住民数、まず全体像をおさえる

1-1. 直近の在留外国人数は約10万3千人(2024年末時点)

茨城県の発表資料によると、2024年末時点で県内には102,549人の外国人が暮らしています(出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」、茨城県常住人口調査との突合資料)。これは県の常住人口2,806,403人のうち約3.7%にあたり、県民のおよそ28人に1人が外国籍という計算になります。

1-2. 10年前と比べると、目安で約2倍

同じ資料では2014年末時点の外国人数が52,009人(人口比1.8%)と記録されています。単純比較すると10年間で約5万人、比率にして2倍近くまで増えた計算です。ここで注意したいのは、この増加は一直線ではなく、コロナ禍での入国制限期間(2020〜2022年頃)に一時的に伸びが鈍化した後、2023年以降に急速なペースで回復・増加している点です。

1-3. 全国順位でも上位に位置する

出入国在留管理庁の統計(令和5年6月末時点)では、茨城県内の在留外国人数は85,858人で全国10位という結果でした。茨城県は都道府県別で見ても、外国人住民の絶対数が多い部類に入る地域です。関東近郊で製造業の集積地が多いこと、つくば市に研究学園都市があることなどが背景として挙げられます。

茨城県 外国人住民数の推移グラフ housedo.group

茨城県の在留外国人数の推移(目安・各時点の速報値/出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」・茨城県公式データ集)

なお、統計上の「在留外国人」とは、中長期在留者(就労・留学・技能実習・家族滞在など90日を超えて日本に滞在する資格を持つ人)と特別永住者を合わせた数を指します。観光などの短期滞在者は含まれないため、この数字は実際に地域で生活し、住居を必要としている人の規模に近いと考えてよいでしょう。

2. 県内のどこで外国人住民が増えているのか、市町村ごとの違い

2-1. 絶対数のトップはつくば市

茨城県が公表する市町村別データ(出入国在留管理庁「在留外国人統計」令和5年6月末時点の集計を目安として整理)を見ると、絶対数で最も多いのはつくば市で12,729人です。次いで土浦市6,418人、水戸市3,850人と続きます。

茨城県 外国人住民数の推移 市町村比較 housedo.group

茨城県内 在留外国人数が多い市町村(絶対数・目安/出典:茨城県「市町村別国籍・地域別在留外国人数」)

2-2. 市町村比較の一覧表(絶対数・目安)

順位 市町村 在留外国人数(目安)
1 つくば市 12,729人
2 土浦市 6,418人
3 水戸市 3,850人
4 古河市 3,658人
5 常総市 3,540人
6 筑西市 3,420人
7 牛久市 2,895人
8 龍ケ崎市 2,737人
9 下妻市 2,736人
10 守谷市 1,366人

※出典:茨城県「市町村別国籍・地域別在留外国人数」(出入国在留管理庁データ集計、令和5年6月末時点)を基にした目安。最新値は年2回更新されるため変動する点にご留意ください。

2-3. 比率で見ると常総市・八千代町など県西・県南が上位

絶対数ではつくば市が突出していますが、人口に占める比率で見ると様相が変わります。常総市や結城郡八千代町、鉾田市などは人口規模自体が大きくないため、外国人住民の比率が県内トップクラスになる傾向があります。これらの地域は製造業や農業の集積地であり、技能実習・特定技能などの在留資格を持つ就労者の割合が高いことが特徴です。

整理すると、茨城県内の外国人住民の増加は大きく2つのパターンに分けられます。ひとつはつくば市に代表される「研究学園都市型」で、大学・研究機関に付随する留学生や研究者、その家族が中心です。もうひとつは常総市や八千代町、鉾田市などに見られる「製造業・農業就労型」で、技能実習生や特定技能人材とその定住化が特徴です。この2つのパターンでは、必要とされる住まいの形も異なります。

3. なぜ増えているのか、背景にある3つの要因

3-1. 人手不足を背景にした在留資格の拡大

国の制度として、2019年に「特定技能」在留資格が新設されて以降、製造業・農業・介護など人手不足が深刻な業種での外国人就労が拡大しました。茨城県は農業産出額が全国上位であり、製造業の集積地でもあるため、この制度拡大の影響を受けやすい地域構造にあります。

3-2. 技能実習から定住化への移行

従来は数年で帰国する技能実習生が中心でしたが、特定技能への移行や家族帯同が可能な在留資格の拡充により、一定期間を超えて地域に住み続けるケースが増えています。これは単身者向けの賃貸需要だけでなく、家族向けの住宅需要にもつながる変化です。

3-3. つくば市の研究・教育機能の拡大

つくば市は筑波大学をはじめとする研究機関が集積しており、留学生・研究者の受け入れが継続的に行われています。研究学園都市としての性格上、他の市町村とは異なる層の外国人住民が集まりやすい土地柄です。

4. 生活者としての外国人住民、地域社会への広がり

4-1. 国籍別で見る茨城県の特徴

茨城県内の在留外国人を国籍別(令和5年6月末時点、目安)で見ると、ベトナムが16,433人と最多で、中国11,996人、フィリピン11,049人、その他23,060人と続きます。かつては中国籍が中心でしたが、近年はベトナム国籍の増加が顕著で、技能実習・特定技能制度の担い手として存在感を増しています。

4-2. 日本語学習支援などの行政の動き

茨城県では公益財団法人茨城県国際交流協会と連携し、外国人住民向けの日本語講座を県内各市町村で開催するなど、生活者としての受け入れ体制整備を進めています。2025年度も結城市など複数の自治体で講座が実施されており、行政としても外国人住民の定住化を前提とした施策が進んでいることがうかがえます。

また、茨城県のデータ集には外国人児童生徒数(小学校・中学校・高校等)の統計も含まれており、これは家族帯同での定住が進んでいることを示す指標のひとつです。単身の就労者だけでなく、世帯単位での居住が広がっていることが読み取れます。

5. 住まいの賃貸・売買にとって、この数字が意味すること

5-1. 賃貸市場における新しい入居者層

外国人住民の増加は、賃貸市場において新しい入居者層の広がりを意味します。特に製造業の集積地では、企業の借り上げ社宅や、外国人歓迎の賃貸物件へのニーズが一定数存在します。空室の長期化に悩むオーナーにとって、入居者層の裾野が広がることは選択肢の増加につながる面があります。

5-2. 売買市場における「買主層」としての広がり

定住化が進むにつれて、賃貸だけでなく持ち家取得を検討する外国人住民も一定数現れてきます。特に家族帯同で長期滞在するケースでは、賃貸から売買へと住まいの形態が移行することがあります。これは茨城県内の中古住宅市場において、従来想定していなかった新しい買主層が生まれつつあることを意味します。

5-3. 相場・売却を考えるうえでの留意点

ただし、これは「外国人住民が増えたからすぐに不動産価格が上がる」といった単純な話ではありません。地域ごとの人口動態、世帯構成、産業構造など複数の要因が相場に影響します。茨城県の人口推移・世帯構成の変化については、以下の関連記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

5-4. 空き家・遊休不動産の活用先としての可能性

茨城県内では人口減少に伴う空き家の増加が課題となっている一方、外国人住民の定住化は空き家の新たな活用先となる可能性も持っています。売却を検討している所有者にとって、想定していなかった買主・借主の選択肢が広がっているという事実は、知っておく価値がある情報です。

6. 地域別に見る、住まい探しのポイント

6-1. つくば市エリア

研究学園都市としての性格上、留学生・研究者向けの賃貸需要が安定的に存在します。大学・研究機関へのアクセスを重視した物件選びが鍵になります。つくば市の不動産売買・査定については、地域専門の店舗サイトもあわせてご確認ください。

6-2. 水戸市エリア

県庁所在地として就労者・家族帯同の外国人住民が幅広く暮らしています。水戸市の不動産売却・査定は地域密着の店舗サイトで詳しく取り扱っています。

6-3. 取手市・守谷市エリア(県南)

つくばエクスプレス沿線として都心アクセスの良さから、幅広い層の入居・購入需要があります。取手市・守谷市エリアの不動産売却は、それぞれの地域専門店舗サイトでご相談いただけます。

あわせて、外国人住民の増加は新たな住まいの需要を生む一方で、既存の空き家対策や老朽家屋の解体ニーズは別軸で県内全域の課題として存在し続けています。解体を含めた不動産活用の相談は「解体Do!」でも承っています。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 茨城県の外国人住民数は今後も増え続けますか?

A. 断定はできませんが、国全体で人手不足を背景にした在留資格の拡大が続いていること、茨城県が製造業・農業の集積地であることから、目安として今後数年は増加基調が続く可能性が高いと考えられます。ただし国の入管政策や経済情勢によって変動しうる点にはご留意ください。

Q2. 外国人住民が多い市町村ほど不動産価格が上がりますか?

A. 一概には言えません。不動産価格は人口動態・産業構造・交通利便性など複数の要因で決まります。外国人住民の増加は需要側の一要因にすぎず、それだけで価格上昇を判断することはできません。

Q3. 外国人に賃貸物件を貸す際の注意点はありますか?

A. 言語対応や契約手続きの違いなど、実務上の配慮が必要になる場合があります。具体的な契約・管理の実務については、地域の不動産会社や専門家にご相談いただくことをおすすめします。

Q4. 外国人は住宅ローンを組んで持ち家を購入できますか?

A. 在留資格の種類や永住権の有無などによって金融機関の審査基準が異なります。本記事は一般的な傾向を紹介するものであり、個別の融資可否については金融機関・専門家への確認が必要です。

Q5. 市町村別の最新データはどこで確認できますか?

A. 茨城県公式サイトの「在留外国人関係データ集」で、出入国在留管理庁の統計を基にした市町村別・国籍別データが年2回(6月末・12月末時点)更新・公開されています。最新の数値を確認したい場合は、そちらの一次情報をご参照ください。

Q6. つくば市に外国人が多いのはなぜですか?

A. 筑波大学をはじめとする研究機関・大学が集積する「研究学園都市」であることが主な理由です。留学生や研究者、その家族が継続的に居住しているためです。

Q7. 空き家を外国人向けに貸し出す・売却することは可能ですか?

A. 制度上、国籍による制限は基本的にありません。ただし物件の条件や地域の需要、実務対応の可否によって現実的な選択肢は変わりますので、地域の不動産会社にご相談いただくのが確実です。

まとめ:一次データで見る茨城県の変化を、住まいの判断材料に

茨城県の外国人住民数は、2014年末の52,009人から2024年末の102,549人へと、10年間で目安約2倍に増加しました。つくば市を筆頭に、県内各地で増加のパターンは異なりますが、いずれの地域でも生活者としての定住化が進んでいることは共通しています。

この変化は、賃貸・売買市場における新しい入居者層・買主層の広がりという形で、住まいの選択肢にも影響を及ぼし始めています。茨城県内で不動産の売却や査定をご検討の方は、こうした地域の変化もふまえたうえで、お気軽にハウスドゥ・グループへご相談ください。

※本記事の数値は出入国在留管理庁「在留外国人統計」および茨城県公式データ集を出典とした目安であり、統計の更新時点により変動します。不動産の売却・購入・賃貸に関する個別の判断は、最新の一次情報および専門家への相談を踏まえて行ってください。