不動産の価値は、その土地に住む人の数と切り離せません。人が増える地域では住宅需要が支えられ、人が減る地域では空き家が増えていきます。この記事では、茨城県の人口の現状・毎月の推移・自然増減と社会増減の内訳・2050年に向けた将来推計・市町村ごとの差を公的統計にもとづいて整理し、それが住まいの売却や相続にどう関わるのかまで、茨城県で4店舗のハウスドゥを運営する当社が解説します。

茨城県の人口はいま何人か
2026年5月1日現在で約278万人
茨城県統計課が公表する「茨城県の人口と世帯(推計)」によると、2026年(令和8年)5月1日現在の茨城県の人口は2,779,899人でした。このうち外国人住民は101,127人で、県全体の3.6%程度を占めています。
2026年に入ってからも減少が続いている
同じ県統計課の月報を並べると、2026年1月1日は2,788,472人、2月1日は2,785,965人、3月1日は2,783,515人、4月1日は2,778,975人と推移しており、月を追うごとに減少していることがわかります。1月から5月までの4か月で約8,600人減った計算になります(いずれも県公表の推計値)。

なぜ茨城県の人口は減っているのか
最大の要因は「自然減」=亡くなる方が生まれる方より多い
県統計課のデータによると、たとえば2026年2月の1か月間で、出生が986人に対して死亡が3,270人で、差し引き2,284人の自然減となっています。生まれる子どもの数より亡くなる方の数がはるかに多く、この構造が人口減少の最大の要因です。
社会増減(転入と転出の差)は比較的小さい
同月の社会増減は転出が転入を166人上回る程度で、自然減の2,284人に比べればごくわずかです。つまり茨城県の人口減少は「県外に出ていく人が多いから」ではなく、「高齢化により亡くなる方が多いから」という側面が強いことが読み取れます。
外国人住民は増加傾向にある
一方で外国人住民は10万人を超える規模となっており、県内の一部地域では住宅需要の担い手として存在感を増しています。賃貸・売買の両面で、今後の買主層の一つとして無視できない規模です。
2050年に向けた茨城県の将来推計
2050年には約224万人まで減る見通し
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の令和5年推計によると、茨城県の人口は2050年に約224.5万人となり、現在と比べて約21.7%減少する見通しとされています。おおよそ5人に1人が減る計算です。
生産年齢人口の割合も低下する
同推計では、2050年には生産年齢人口(15〜64歳)の割合が50.8%程度まで低下する見通しとされています。働く世代が県民の半数程度になるということであり、住宅を購入する中心層が薄くなることを意味します。
ただし「県全体の平均」で判断してはいけない
重要なのは、この減少が県内で均等に起きるわけではないという点です。次章のとおり、増える市町村と減る市町村が同時に存在します。「茨城県は人口が減るから不動産が売れない」という単純な理解は、実態とかけ離れます。
県内44市町村で人口の動きは大きく違う
増えている市町村と減っている市町村
社人研の推計にもとづく分析では、県内44市区町村のうち40市区町村で人口減少の傾向が見られる一方、つくば市・守谷市・つくばみらい市など、つくばエクスプレス(TX)沿線の研究学園都市周辺では増加傾向が続いているとされています。同じ県内でありながら、正反対の動きが同時に起きているのが茨城県の特徴です。
TX沿線が県の成長軸になっている
2005年のつくばエクスプレス開業以降、TX沿線は都心への通勤圏として子育て世帯の転入が続いてきました。人口が増えるエリアでは住宅需要が支えられ、地価も上昇しやすくなります。実際に2026年の公示地価でも、TX沿線は県内で上昇率の高い地点が集中しています。
県北・郡部では減少が先行している
一方、県北地域や郡部の市町村では、高齢化と自然減が先行して進んでいます。こうした地域では、相続によって取得した実家が空き家になるケースが増えており、住まいの出口を早めに考える必要が高まっています。
人口動態と不動産市場の関係
人口が減る=すべての不動産が売れない、ではない
人口減少と住宅需要は、単純な比例関係ではありません。世帯の小規模化(一世帯あたりの人数の減少)が進むと、人口が減っても世帯数はしばらく維持されることがあり、住宅の必要戸数は人口ほど急には減りません。実際に茨城県でも、人口が減る一方で世帯数は近年まで増加傾向にありました。
効いてくるのは「立地の差」
人口減少局面で顕在化するのは、地域ごとの差です。需要が集中する駅近・生活利便性の高いエリアと、車がないと生活しづらいエリアとで、売却のしやすさ・価格の下支えに差が出やすくなります。県全体の平均値ではなく、ご自身の物件がどちらに属するかを見ることが重要です。
相続の発生件数は今後さらに増える
自然減が人口減少の主因であるということは、裏を返せば相続が発生する件数が今後さらに増えていくということでもあります。相続登記は2024年4月から義務化されており、相続を知った日から原則3年以内の申請が求められます。実家をどうするかを先送りしにくい環境になっています。
相続がどの地域で集中的に発生しやすいかは、その地域の高齢化率からある程度読み取ることができます。市町村別の高齢化率ランキングは「茨城県の高齢化率|44市町村の地域差【2026】」で詳しく解説しています。
人口データを住まいの判断にどう使うか
売り時を「相場」だけで決めない
売却のタイミングを考えるとき、多くの方は価格の推移だけを見ます。しかし、そのエリアに買主となる世代がどれだけ住んでいるかという人口構造は、価格と同じくらい重要な情報です。買い手が薄くなっていくエリアでは、待つほど売りにくくなることがあります。
空き家にする前に選択肢を並べる
人口が減る局面では、空き家になってからの期間が長いほど売却の難易度が上がります。管理の手間・固定資産税・建物の劣化が積み重なるためです。「まだ決められない」という段階でも、売る・貸す・解体する・持ち続けるの4つを並べて比較しておくと、判断が遅れにくくなります。
市町村単位の情報も併せて確認する
県全体の数字はあくまで出発点です。実際の判断には、お住まいの市町村単位の人口・世帯数・地価のデータが必要になります。当社では4店舗それぞれの地域で、市町村ごとの住みやすさや相場を詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
茨城県の人口に関する公的データの調べ方
茨城県統計課の「人口と世帯(推計)月報」
茨城県公式サイトで毎月公表されており、県全体および市町村別の人口・世帯数・自然増減・社会増減を確認できます。最新の状況を追うにはこれが最も確実です。
国勢調査(総務省統計局)
5年ごとに実施される全数調査で、年齢構成・世帯構成・住宅の状況まで詳しく分かります。長期の推移を見るときに使います。
社人研「日本の地域別将来推計人口」
市町村ごとの将来推計が公表されています。これから何十年住むか、いつ売るかを考える際の参考になります。
茨城県の人口と全国との比較
人口規模では全国上位に位置する
茨城県の人口約278万人という規模は、全国47都道府県の中で上位に入ります。「地方だから人が少ない」というイメージとは異なり、県全体としては相当な人口規模を持っています。この規模は、県内に一定の住宅流通市場が成立していることを意味します。
首都圏に隣接するという立地の強み
茨城県は東京都に隣接しており、つくばエクスプレスやJR常磐線を使えば都心への通勤が可能です。人口減少局面にある地方県の中では、都心へのアクセスという明確な強みを持っている点が特徴で、これがTX沿線の人口増加を支えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 茨城県の人口は現在何人ですか?
茨城県統計課の推計によると、2026年(令和8年)5月1日現在で2,779,899人です(うち外国人住民101,127人)。数値は毎月更新されるため、最新値は県公式サイトの月報でご確認ください。
Q2. 茨城県の人口が減っている主な理由は何ですか?
最大の要因は自然減(亡くなる方が生まれる方より多いこと)です。県統計課のデータでは、たとえば2026年2月の1か月で出生986人に対し死亡3,270人と、2,284人の自然減となっています。転出超過による社会減は比較的小さい規模です。
Q3. 2050年の茨城県の人口はどのくらいと予測されていますか?
社人研の令和5年推計では、2050年に約224.5万人(現在比 約21.7%減)となる見通しとされています。生産年齢人口の割合も50.8%程度まで低下すると見込まれています。
Q4. 茨城県内で人口が増えている地域はありますか?
あります。つくば市・守谷市・つくばみらい市など、つくばエクスプレス沿線の研究学園都市周辺では増加傾向が続いているとされています。県内44市区町村のうち40市区町村は減少傾向ですが、県内で正反対の動きが同時に起きています。
Q5. 人口が減ると不動産は売れなくなりますか?
単純にそうとは言えません。世帯の小規模化により、人口が減っても世帯数はしばらく維持されることがあります。ただし地域ごとの差は広がりやすく、駅近・生活利便性の高いエリアとそうでないエリアで売却のしやすさに差が出やすくなります。
Q6. 人口データはどこで確認できますか?
茨城県公式サイトの「茨城県の人口と世帯(推計)月報」で毎月の県全体・市町村別データを、総務省の国勢調査で5年ごとの詳細を、社人研の「日本の地域別将来推計人口」で市町村別の将来推計を確認できます。
市町村別の詳しい人口ランキング(増加・減少トップ市町村、5地域別の構成比など)は茨城県44市町村の人口ランキング【2026年】で詳しく解説しています。
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関連記事として、茨城県の平均世帯年収と住宅取得力【2026年】もあわせてご覧ください。
まとめ
茨城県の人口は2026年5月時点で約278万人、2050年には約224万人まで減る見通しとされています。ただし減少の主因は自然減であり、TX沿線では今も増加が続くなど、県内の地域差は非常に大きいのが実態です。「茨城県は人口が減るから」と一括りにせず、ご自身の物件がある市町村の動きを見ることが、売却・相続の判断では欠かせません。茨城県内での不動産の売却・相続でお悩みの際は、県内4店舗を運営する当社まで、無料査定からお気軽にご相談ください。
産業構造と雇用の全体像は茨城県の産業構造と雇用|製造業・農業・研究都市で詳しく解説しています。
あわせて、世帯数・世帯構成の変化を詳しく解説した「茨城県の世帯数と世帯構成の変化|単身高齢世帯が急増」もご覧ください。
新築住宅の供給動向は「茨城県の住宅着工戸数、過去最少3年連続【2026】」でも詳しく解説しています。
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