茨城県内で不動産の売却や相続を考えるとき、「うちの地域の地価は県内でどのくらいの水準なのか」は誰もが気になるところです。国土交通省が2026年(令和8年)3月に公表した地価公示によると、茨城県44市町村の公示地価には最大で約15.7倍という開きがあります。本記事では44市町村すべてを1位から44位まで一覧化し、地域ごとの傾向と、その差が売却にどう関わるのかを整理しました。
茨城県の公示地価2026年|まず全体像をおさえる
国土交通省の地価公示(2026年1月1日時点、tochidai.infoによる集計)によると、茨城県の公示地価の平均は3万9,887円/m2(坪単価換算で約13万1,858円/坪)で、前年からの変動率は+1.04%です。これは5年連続の上昇にあたります。
用途別に見ると、住宅地の平均は3万4,760円/m2(+1.00%)、商業地は6万3,599円/m2(+1.01%)、工業地は2万6,339円/m2(+2.21%)と、いずれもプラスで推移しています。ただし全国順位で見ると、茨城県の地価水準は43位/47都道府県とまだ低い位置にあり、変動率の順位は22位/47都道府県です。「上昇はしているが、全国的にはまだ地価が手頃な県」というのが茨城県の実態です。
基準地価(2025年)でも同様の傾向
公示地価とあわせて確認したい基準地価(2025年7月1日時点)の県平均は4万1,669円/m2、変動率は+1.33%で、こちらも上昇基調です。全国順位は27位/47都道府県、変動率の順位は14位/47都道府県となっており、公示地価よりもやや順位が高い点が特徴です。
茨城県44市町村 公示地価ランキング【2026年】
ここからが本題です。国土交通省の地価公示データをもとに、茨城県内44市町村を公示地価の平均(円/m2)が高い順に並べました。同じ県内でも、地域によってこれほどの差があることがわかります。
1位〜10位|TX沿線と県央主要都市が上位を占める
| 順位 | 市町村 | 地価平均(円/m2) | 坪単価目安 | 変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 守谷市 | 152,130 | 約50万2,910円 | +10.46% |
| 2位 | つくば市 | 91,324 | 約30万1,899円 | +5.62% |
| 3位 | つくばみらい市 | 59,505 | 約19万6,711円 | +3.34% |
| 4位 | 水戸市 | 53,010 | 約17万5,240円 | +0.25% |
| 5位 | 取手市 | 49,196 | 約16万2,634円 | +0.98% |
| 6位 | 牛久市 | 49,122 | 約16万2,389円 | +1.77% |
| 7位 | 古河市 | 40,979 | 約13万5,469円 | +0.55% |
| 8位 | 日立市 | 37,398 | 約12万3,632円 | -0.22% |
| 9位 | 東海村 | 37,083 | 約12万2,589円 | +0.07% |
| 10位 | 龍ケ崎市 | 34,042 | 約11万2,538円 | +2.23% |
11位〜20位|県南・県央の中堅都市が続く
| 順位 | 市町村 | 地価平均(円/m2) | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 11位 | 土浦市 | 33,797 | +0.78% |
| 12位 | ひたちなか市 | 33,258 | +0.34% |
| 13位 | 阿見町 | 32,820 | +3.01% |
| 14位 | 結城市 | 29,450 | +0.09% |
| 15位 | 五霞町 | 25,525 | -0.69% |
| 16位 | 笠間市 | 24,370 | -0.44% |
| 17位 | 北茨城市 | 24,214 | -0.43% |
| 18位 | 常総市 | 23,978 | -0.11% |
| 19位 | 大洗町 | 23,614 | -0.31% |
| 20位 | 高萩市 | 23,220 | -0.62% |
21位〜30位|県西・鹿行エリアが中心
| 順位 | 市町村 | 地価平均(円/m2) | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 21位 | 下妻市 | 23,037 | -0.35% |
| 22位 | 境町 | 22,942 | -0.12% |
| 23位 | 常陸太田市 | 22,917 | -0.29% |
| 24位 | 筑西市 | 22,689 | -0.16% |
| 25位 | 常陸大宮市 | 21,666 | +0.41% |
| 26位 | 那珂市 | 21,633 | -0.04% |
| 27位 | 鹿嶋市 | 21,603 | +0.88% |
| 28位 | 坂東市 | 21,512 | -0.42% |
| 29位 | 神栖市 | 20,792 | +1.52% |
| 30位 | 石岡市 | 20,756 | +0.08% |
31位〜44位|県北・鹿行の下位グループ
| 順位 | 市町村 | 地価平均(円/m2) | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 31位 | かすみがうら市 | 19,509 | +0.25% |
| 32位 | 茨城町 | 17,285 | -0.73% |
| 33位 | 桜川市 | 16,840 | -0.44% |
| 34位 | 小美玉市 | 16,534 | +0.12% |
| 35位 | 利根町 | 13,787 | -0.92% |
| 36位 | 潮来市 | 13,302 | -0.15% |
| 37位 | 城里町 | 12,633 | -2.03% |
| 38位 | 大子町 | 11,500 | -0.23% |
| 39位 | 稲敷市 | 11,237 | -0.49% |
| 40位 | 鉾田市 | 11,205 | -0.15% |
| 41位 | 八千代町 | 11,050 | -0.37% |
| 42位 | 行方市 | 10,608 | -0.13% |
| 43位 | 美浦村 | 10,200 | -0.88% |
| 44位 | f��内町 | 9,670 | -0.60% |
※出典:国土交通省 地価公示(2026年1月1日時点)、tochidai.info集計データより作成。金額は各市町村内の地価公示地点の平均値であり、個別の土地の実勢価格とは異なる目安の数値です。
図解|地価が高い市町村トップ10を見る

1位の守谷市(15万2,130円/m2)と、10位の龍ケ崎市(3万4,042円/m2)の間だけでも約4.5倍の開きがあります。さらに44位の河内町(9,670円/m2)まで含めると、1位との差は約15.7倍に広がります。これは同じ都道府県内としてはかなり大きな部類に入る格差です。
なぜ15.7倍もの差が生まれるのか
この開きの最大の要因は、東京への通勤圏として機能しているかどうかです。上位3市(守谷市・つくば市・つくばみらい市)に共通するのはつくばエクスプレス(TX)沿線であるという点です。TXは秋葉原まで最速で40〜50分台という利便性があり、都内への通勤・通学が現実的な選択肢になる沿線には住宅需要が集まりやすい構造があります。
一方、下位グループの多くは県北や鹿行、県西の農村部にあたる市町村です。これらの地域が「価値が低い」というわけではなく、都市部への通勤圏という指標では測れない、農業や豊かな自然環境、生活コストの低さといった別の価値を持っている点は付け加えておきたいところです。地価はあくまで「土地の取引指標」であり、暮らしやすさそのものを表す数字ではありません。
県内5地域で見る地価の傾向
県南エリア(つくば市・土浦市・牛久市・阿見町・かすみがうら市など)
県南はTX沿線とつくば研究学園都市の効果で、県内トップクラスの地価水準を維持しています。つくば市は2位、牛久市は6位、土浦市は11位、阿見町は13位と軒並み上位に食い込む一方、かすみがうら市は31位と同じ県南でも差が出ています。
県西エリア(古河市・筑西市・結城市・下妻市・坂東市・境町・桜川市・八千代町・五霞町)
県西は古河市(7位)が首都圏に近いこともあり比較的高水準ですが、それ以外の市町は20〜40位台に分布し、県内でも地価の幅が大きいエリアです。境町・五霞町は圏央道の整備が進む地域として、今後の変化にも注目が集まります。
県央エリア(水戸市・ひたちなか市・那珂市・東海村など)
県庁所在地の水戸市が4位、東海村が9位、ひたちなか市が12位と、県央は上位から中位にかけてまとまった水準にあります。原子力関連施設や港湾(常陸那珂港区)などの産業基盤も地価を下支えする要因の一つと考えられます。
県北エリア(日立市・常陸太田市・高萩市・北茨城市・常陸大宮市・大子町など)
日立市は8位と県北の中では突出していますが、これは日立製作所関連の産業集積や常磐線沿線という条件によるものです。それ以外の常陸太田市・高萩市・北茨城市・常陸大宮市は20〜25位台、山間部の大子町は38位と、県北エリアの中でも地価の差は大きくなっています。
鹿行エリア(鹿嶋市・神栖市・潮来市・行方市・鉾田市)
鹿嶋市(27位)・神栖市(29位)は工業地帯(鹿島臨海工業地帯)を抱えるため県平均に近い水準ですが、行方市(42位)・鉾田市(40位)・潮来市(36位)は農業が基幹産業であることもあり、県内下位グループに位置しています。
上昇率トップのエリアとその背景
地価の絶対水準だけでなく、変動率(上昇率)で見ても上位はTX沿線に集中しています。守谷市が+10.46%で県内トップ、次いでつくば市+5.62%、つくばみらい市+3.34%と続きます。個別地点で見ると、つくば市みどりの地区の一部地点では前年比+19.62%という上昇も記録されており、TX開業後に開発が進んだ新興住宅地への需要の強さがうかがえます。
4位につけた阿見町(+3.01%)は、圏央道のインターチェンジ周辺やアウトレットモールの存在が背景にあるとみられ、5位の龍ケ崎市(+2.23%)も都心方面へのアクセスの良さが評価されていると考えられます。
下落・横ばいエリアの背景
下落率が最も大きいのは城里町の-2.03%です。城里町は東茨城郡の中山間地域にあたり、人口減少と高齢化が進むエリアであることが地価に反映されていると考えられます。次いで利根町(-0.92%)、美浦村(-0.88%)、五霞町(-0.69%)も下落が続いています。
ただし下落幅そのものは全国の地方圏と比べて極端に大きいわけではなく、多くの市町村は年-0.1〜-0.5%程度の緩やかな横ばい圏内にとどまっています。「茨城県全体が二極化している」というよりも、「TX沿線という限られたエリアだけが突出して伸びており、それ以外は総じて横ばい」という構図で理解するのが実態に近いといえます。
この地価差は、売却を考える人にとって何を意味するのか
公示地価はあくまで「標準地」と呼ばれる代表的な地点の評価額であり、個々の土地の売却価格そのものではありません。とはいえ、自分の住むエリアが県内でどの水準に位置しているかを知ることは、売却時の心構えとして役立ちます。
- 上位エリア(守谷市・つくば市など)にお住まいの方:地価上昇が続いているため、売却のタイミングを慌てて決める必要は薄い一方、周辺の取引事例との比較で適正価格を見極めることが重要です。
- 中位エリア(水戸市・日立市・土浦市など)にお住まいの方:地価は概ね横ばいで安定していますが、立地や建物の状態による価格差が出やすいため、複数の売却方法(仲介・買取)を比較検討する価値があります。
- 下位エリア(県北・鹿行・県西の一部)にお住まいの方:地価水準が低ぁからといって「売れない」わけではありません。空き家や訳あり物件、農地付きの土地であっても、地域事情に詳しい会社であれば買取という選択肢もあります。
相場・売却・相続を考えるときの次の一歩
県内の地価差の全体像をつかんだ次は、ご自身の物件がある市町村により近い情報を確認することをおすすめします。当グループでは、公示地価と実際の売却相場の関係、坪単価の目安と高く売るための考え方を別記事でも詳しく解説しています。
相続でご実家の土地を引き継ぐ予定がある方、空き家の扱いに悩んでいる方は、地価の水準にかかわらずまずは無料査定で現状の評価額を確認することが第一歩です。売却だけでなく、古家の解体を含めた土地活用のご相談も承っています。
よくある質問
Q1. 茨城県で一番地価が高い市町村はどこですか?
2026年(令和8年)の公示地価では守谷市が1位で、平均15万2,130円/m2です。つくばエクスプレス沿線であることに加え、都内への通勤利便性が評価されています。
Q2. 茨城県で一番地価が安い市町村はどこですか?
44市町村中では河内町が最も低く、平均9,670円/m2です。ただしこれは地価公示上の平均値であり、地域の暮らしやすさや土地の価値そのものを示すものではありません。
Q3. 公示地価と実際に売れる価格は同じですか?
異なります。公示地価は各市町村内の代表的な標準地における鑑定評価額で、あくまで取引の目安です。実際の売却価格は、土地の形状・接道状況・築年数・周辺の取引事例などによって上下します。正確な金額を知るには、無料査定で個別に確認することをおすすめします。
Q4. 茨城県の地価は今後も上がり続けますか?
2022年以降5年連続で上昇していますが、上昇を牽引しているのは主にTX沿線の一部エリアです。県内全体で見ると横ばいの市町村が多く、今後の動向は人口動態やインフラ整備の進み方によって左右されると考えられます。断定的な予測は難しく、最新の地価公示データを継続的に確認することが重要です。
Q5. 地価が低いエリアの土地は売却が難しいのでしょうか?
地価水準が低いことと、売却の難易度は必ずしも一致しません。農地付きの土地や再建築不可物件など個別の事情はありますが、エリアの事情に詳しい買取業者であれば対応できるケースも多くあります。まずは査定で具体的な条件を確認することをおすすめします。
Q6. このランキングのデータはどこから来ていますか?
国土交通省が毎年公表する地価公示(2026年1月1日時点の調査)を、tochidai.info(地価公示・基準地価の集計サイト)が市町村別に集計したデータをもとにしています。一次情報は国土交通省の地価公示にあたることができます。
まとめ|地価差を知ることは、適正な売却判断の第一歩
茨城県44市町村の公示地価には、1位の守谷市と44位の河内町で約15.7倍という大きな開きがあります。この差の背景には、つくばエクスプレス沿線かどうかという交通利便性の違いが色濃く反映されています。一方で、地価の絶対水準が低いエリアでも、地域の実情に合わせた売却方法を選べば、納得のいく形で不動産を手放すことは十分に可能です。
ご自身の物件がある市町村の地価水準や、実際にいくらで売れそうかが気になる方は、まず無料査定でお気軽にご相談ください。茨城県内4店舗のネットワークで、地域ごとの実情を踏まえたご提案をいたします。
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