茨城県西エリア(古河市・筑西市・結城市・下妻市・坂東市・境町・桜川市・八千代町・五霞町)は、県南のつくばエクスプレス沿線とは異なる不動産市場を持っています。都心への鉄道アクセスは無く、東北自動車道・圏央道・国道4号線という「道路」が生活と経済の軸になっている点が最大の特徴です。
本記事は、茨城県内に4店舗を構える不動産会社ハウスドゥが、県西エリアの売却を検討する方向けに、公示地価などの一次情報をもとに相場動向・売却の基礎知識・エリアごとの特徴をまとめたものです。

この記事のポイント
- 県西エリアは「道路」が経済の軸。TX沿線とは相場の作られ方が違う
- 国土交通省の地価公示(2026年)によると、筑西市の住宅地は坪7.5万円台・前年比+0.56%と、県平均(約34,760円/平米)を下回る水準
- 県西9市町のうち、解体補助金の有無・上限額は市町村ごとにバラバラ(あり/なしが混在)
- 県西エリアの店舗担当は「ハウスドゥ つくば研究学園都市」(jp)。市町村ごとに相談窓口を明記
茨城県西エリアとは|9市町の位置づけ
「県西」という区分に法律上の厳密な定義があるわけではありませんが、茨城県庁や県の広域行政資料では、おおむね次の市町村を「県西地域」として扱っています。
| 市町村 | 人口目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 古河市 | 約13万人 | 県西最大の人口。東北自動車道・JR宇都宮線で栃木・埼玉方面への通勤圏 |
| 筑西市 | 約9.9万人 | 県西の商業中心。旧下館市エリアにJR水戸線が通る |
| 結城市 | 約4.9万人 | 結城紬で知られる歴史的市街地。JR水戸線・東北自動車道が近い |
| 下妻市 | 約4万人 | 常磐自動車道と圏央道の結節点に近く、物流施設の立地が進む |
| 坂東市 | 約5万人 | 圏央道 坂東IC供用で都心アクセスが向上 |
| 境町 | 約2.3万人 | 圏央道 境古河ICが町の中心。自動運転バスなど先進施策で知られる |
| 桜川市 | 約3.9万人 | 筑波山麓・真壁地区の歴史的町並み。北関東自動車道が通る |
| 八千代町 | 約2.1万人 | 農業が基幹産業。鉄道駅を持たない |
| 五霞町 | 約8千人 | 県内最小規模の自治体の一つ。圏央道 五霞ICと首都圏中央連絡自動車道が交差 |
※人口は各市町村の公表データをもとにした概数(万人単位で丸めています)。最新の正確な人口は各市町村公式サイトをご確認ください。
県西エリアの土地価格相場|公示地価から見る「県平均以下」の実態
国土交通省の地価公示(2026年/令和8年)によると、茨城県の住宅地平均は1平方メートルあたり約34,760円です。これに対し、県西エリアの代表地点である筑西市の住宅地は坪7.5万円台(1平方メートル換算で約2.3万円)・前年比+0.56%と、県平均を下回る水準にとどまっています。
これは「県西が売れない」という意味ではありません。TX沿線の守谷市・つくば市のような急激な地価上昇こそ無いものの、圏央道の全線開通以降、坂東市・境町・五霞町では物流拠点の立地が進み、地価の底堅さが出ているという変化があります。一方で、鉄道アクセスが弱い八千代町・桜川市の郊外部などでは、地価の伸びが緩やかな地点も見られます。
実際の売却価格を調べる際は、公示地価だけでなく、国土交通省「不動産情報ライブラリ」で公開されている実際の取引価格(成約価格)を、市町村・地区単位で確認することをおすすめします。公示地価は「更地の適正価格の目安」であり、実勢の売買価格とは差が出ることがあるためです。
県西9市町の売却事情・エリア別の特徴
古河市|県西最大の人口、栃木・埼玉方面への通勤圏
古河市は県西エリアで最も人口が多く、JR宇都宮線(古河駅)で東京都心まで乗り換えなしで通える点が強みです。東北自動車道 館林IC・佐野藤岡ICへのアクセスも良く、戸建て・土地の取引が活発なエリアです。市街化区域と市街化調整区域が入り組んでいるため、再建築の可否や接道条件の確認が売却価格を大きく左右します。
筑西市|県西の商業中心、旧下館市エリア
筑西市は県西エリアの商業・行政の中心地です。JR水戸線が通り、下館駅周辺は市街地としてのまとまりがあります。地価公示では住宅地平均坪7.5万円台・前年比+0.56%と緩やかな動きで、価格が読みやすいエリアといえます。農地に接した戸建てが多く、売却時には農地転用や境界確定が論点になりやすいのが特徴です。
結城市|歴史的市街地、コンパクトな不動産市場
結城紬(ユネスコ無形文化遺産)で知られる結城市は、旧市街地に古い戸建てが密集しているエリアと、郊外の新興住宅地とで、売却の難易度が大きく異なります。旧市街地は接道幅員が狭い「再建築不可」に近い物件も一定数存在し、仲介での売却が難しい場合は買取の検討価値があります。
下妻市|常磐道と圏央道の結節点、物流需要が地価を下支え
下妻市は常磐自動車道と圏央道が近接するエリアで、近年は物流施設の進出が地価の下支え要因になっています。一方で、市街地から離れた農村部では空き家・空き地の売却相談が増加傾向にあります。下妻市は2026年7月に新設された解体補助金(1/2・上限30万円・予算90万円で実質3件程度・先着)があり、老朽空き家の売却前提としての解体を検討する際は要確認です。
坂東市|圏央道IC開通で都心アクセスが向上
坂東市は圏央道 坂東ICの供用により、都心方面へのアクセスが向上したエリアです。市街化調整区域が広く、土地の用途によって評価が大きく変わります。守谷市・つくばみらい市に近い北部エリアは、TX沿線需要の波及も一部見られます。
境町|圏央道 境古河IC、先進的なまちづくりで注目
境町は自動運転バスの実証運行など先進的な施策で全国的に知られる町です。圏央道 境古河ICが町の中心となっており、物流・産業用地としての引き合いが増えています。境町には建物解体そのものへの補助金は無く(町公式サイトで確認済み)、ブロック塀撤去や空き家バンク・リフォーム補助など、別の制度で老朽建物対策を行う設計になっています。
桜川市|筑波山麓と真壁の歴史的町並み
桜川市は筑波山麓に位置し、真壁地区の伝統的な町並みが観光資源になっています。旧岩瀬町・大和村エリアは農地に接した戸建てが多く、桜川市の解体補助金は点数制・前年度実績判定型という独自の仕組みを取っています(詳細は各市公式サイトで要確認)。
八千代町|農業が基幹産業、鉄道駅を持たない町
八千代町は茨城県内でも有数の農業生産額を誇る町です。鉄道駅が無いため、自動車移動が前提の不動産市場になっています。農地付きの空き家や広い敷地を持つ物件が多く、売却時には農地法(3条・5条許可)の確認が必須になるケースが目立ちます。
五霞町|県内最小規模、圏央道の結節点
五霞町は茨城県内で最も人口の少ない自治体の一つですが、圏央道と首都圏中央連絡自動車道(実質同一路線)の五霞ICが町内にあり、物流拠点としての土地需要があります。住宅地としては小規模な市場のため、取引事例が少なく相場の把握が難しいエリアです。査定は複数社への依頼をおすすめします。
県西エリアの不動産売却でよくある3つの論点
1. 市街化調整区域が広く、再建築の可否で価格が大きく変わる
県西エリアは、古河市・筑西市・坂東市・八千代町など、市街化調整区域の割合が高い自治体が多いのが特徴です。市街化調整区域内の建物は、原則として同じ用途・規模での建て替えしか認められません。売却前に「再建築が可能な物件か」を役所の都市計画課で確認しておくことで、査定額や買主への説明がスムーズになります。
2. 農地が絡む不動産は農地法の許可・届出が必要になることがある
八千代町・下妻市・境町など農業が基幹産業の自治体では、宅地に隣接した農地(畑・田んぼ)を含む物件の売却相談が多くあります。農地のまま第三者に売却する場合は農地法3条の許可、農地を宅地など他用途に転用して売却する場合は農地法5条の許可(市街化区域内は届出で足りる場合あり)が必要です。手続きは農業委員会が窓口になります。
3. 解体補助金の有無・条件は市町村ごとにバラバラ
老朽化した空き家を解体してから売却したい場合、解体費用の補助制度が使えるかどうかは自治体によって大きく異なります。下妻市・桜川市のように補助制度がある自治体もあれば、境町のように建物解体そのものへの補助が無く別制度(ブロック塀撤去等)のみという自治体もあります。「先に壊すと補助金が使えなくなる」制度(特定空家等の認定が前提となる補助金など)もあるため、解体前に必ず各市町村の担当課へ確認してください。
県西エリアの売却相談は「ハウスドゥ つくば研究学園都市」へ
ハウスドゥは茨城県内に4店舗(つくば・水戸・取手戸頭・守谷)を構え、エリアごとに担当を分けています。県西エリア(古河市・筑西市・結城市・下妻市・坂東市・境町・桜川市・八千代町・五霞町)は「ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 つくば研究学園都市」が担当エリアです。県南のつくば市・土浦市とあわせて、県西エリアの土地勘を持つ担当者が相談に対応します。
県西エリアの詳しい相場感や個別物件の査定については、ハウスドゥ つくば研究学園都市の公式サイトから無料査定をお申し込みいただけます。
よくある質問
Q1. 茨城県西エリアは不動産が売れにくいのでしょうか?
A. TX沿線(守谷市・つくば市)のような急激な地価上昇は見られませんが、圏央道の全線開通により坂東市・境町・五霞町などでは物流拠点の立地が進み、地価は底堅く推移しています。「売れにくい」のではなく「相場の作られ方がTX沿線と違う」と理解するのが実態に近いです。
Q2. 農地付きの実家を相続しました。売却できますか?
A. 農地のまま売却するか、宅地等に転用して売却するかで必要な手続きが異なります。農地のまま第三者へ売却する場合は農地法3条の許可、転用を伴う場合は農地法5条の許可(市街化区域内は届出)が必要です。窓口は各市町村の農業委員会です。まずは物件の区域区分(市街化区域か調整区域か)を確認しましょう。
Q3. 空き家を解体してから売却したほうが良いですか?
A. 一概には言えません。解体費用をかけて更地にしたほうが買主を見つけやすいケースもあれば、古家付きのまま「空き家バンク」や「訳あり物件」として売却したほうが総コストを抑えられるケースもあります。また、自治体によっては解体前に補助金の交付決定を受けないと補助対象外になる制度もあるため、解体前に市町村窓口と不動産会社の両方に相談することをおすすめします。
Q4. 県西エリアで市街化調整区域の土地は売れますか?
A. 売却自体は可能ですが、建て替え(再建築)の可否によって買主が付きやすいかどうかが大きく変わります。既存の建物と同じ用途・規模であれば建て替えが認められる「既存宅地」的な扱いになるケースもあるため、売却前に都市計画課で確認しておくと、査定や販売活動がスムーズになります。
Q5. 古河市・境町など県西エリアの査定額はどう決まりますか?
A. 主に近隣の取引事例と比較する「取引事例比較法」が用いられます。県西エリアは鉄道駅からの距離や市街化区域・調整区域の別、農地の有無など、TX沿線とは異なる評価要素が多いため、県西エリアの取引事例に詳しい不動産会社に依頼することが適正な査定額を知る近道です。
Q6. 桜川市・八千代町のように取引事例が少ないエリアでも査定はできますか?
A. 可能です。取引事例が少ない場合は、公示地価や近隣の類似取引、固定資産税評価額などを組み合わせて査定します。ただし会社によって参照するデータや経験値に差が出やすいエリアでもあるため、複数社に査定を依頼して根拠を比較することをおすすめします。



