「茨城県は空き家が多いって本当?」「自分の実家がある市町村は空き家率が高いの?」——茨城県で不動産の売却や相続をお考えの方から、こうした質問をよくいただきます。この記事では、総務省「住宅・土地統計調査」など公的な一次データをもとに、茨城県の空き家率・世帯数の最新状況を整理し、なぜ空き家が増えているのか、所有している空き家をどうすればよいのかまで解説します。

茨城県の空き家率|令和5年住宅・土地統計調査(総務省)
総務省が公表した「令和5年(2023年)住宅・土地統計調査」によると、茨城県の総住宅数は約139万900戸、そのうち空き家は19万6,200戸で、空き家率は14.1%です(茨城県公式ホームページ「県内の空家の状況」より)。前回調査(2018年)の14.8%から0.7ポイント低下しており、全国の空き家率13.8%(前回比0.2ポイント上昇)と比べると、茨城県は減少傾向にあるものの、依然として全国平均をやや上回る水準です。
放置されやすい「その他空き家」は10年で1.4倍に増加
住宅・土地統計調査では空き家を「二次的住宅(別荘等)」「賃貸用」「売却用」「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家(いわゆる放置空き家)」の4つに分類しています。このうち管理されず放置される可能性が高い「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は、この10年で約1.4倍(6.7万戸→9.3万戸)に増加しています(全国は約1.2倍:318万戸→386万戸)。全国よりも増加ペースが速い点は、茨城県で相続後の空き家対策が急がれる理由のひとつです。

茨城県の世帯数(最新推計)
茨城県の総世帯数は、令和8年(2026年)5月1日現在の推計で1,260,048世帯です(茨城県「茨城県の人口と世帯(推計)」より)。総住宅数(約139万戸)が総世帯数を上回っていることも、空き家が生じやすい構造的な背景のひとつといえます。
市町村別に見た空き家率の傾向(民間集計データ)
総務省の調査は都道府県単位が中心で、市町村別の空き家率は民間の集計・分析によって紹介されることが一般的です。不動産関連メディア「ダイヤモンド不動産研究所」の集計・分析(2025年公開)によると、茨城県内で空き家率がもっとも高いのは鹿嶋市とされています。同メディアの分析では、鹿嶋市は東京からアクセスしやすい別荘地として二次的住宅(別荘等)が多く、統計上は空き家に分類される物件が多いことが背景として挙げられています。
また、同メディアの分析では、管理されず放置される可能性が高い「放置空き家」の比率がもっとも高い市町村として大子町が挙げられています。人口減少・高齢化が進む山間部では、二次的住宅ではなく、相続後に管理者不在のまま放置される空き家が増える傾向があるとみられます。
※市町村別の数値は民間メディアの集計・分析によるものであり、総務省が市町村単位で正式に空き家率を公表しているものではない点にご留意ください。より正確な数値を確認したい場合は、政府統計の総合窓口(e-Stat)の市区町村別統計表をご参照ください。
茨城県内5エリアの空き家事情|地域によって背景が異なる
茨城県は県北・県央・県南・県西・鹿行の5エリアに大別され、それぞれ空き家が発生する背景が異なります。地価公示や取引件数シェアなど当グループが独自に集計・整理した各エリアのデータは、以下の記事で詳しく解説しています。
- 県南エリア(つくば市・土浦市・牛久市など):つくばエクスプレス沿線を中心に人口が安定・増加している一方、駅から離れたエリアでは高齢化に伴う空き家化が進んでいます。
- 県西エリア(古河市・筑西市・結城市など):農地付きの空き家や、相続人が都市部に転出したまま放置される実家が目立つエリアです。
- 県央エリア(水戸市・ひたちなか市・笠間市など):県庁所在地を中心に人口は比較的安定していますが、旧市街地や郊外の団地で空き家が増加する傾向があります。
- 県北エリア(日立市・常陸太田市・高萩市など):5エリアの中で最も人口減少・高齢化が進んでおり、山間部を中心に管理者不在の空き家が課題となっています。
- 鹿行エリア(鹿嶋市・神栖市・潮来市など):工業地帯として発展した鹿嶋市・神栖市と、農漁村地域が中心の潮来市・行方市・鉾田市とで、空き家の背景が大きく異なります。
各エリアの詳しい相場・解体補助金・売却事情は、当サイトの「県南」「県央」「県北」「鹿行」エリア別記事もあわせてご覧ください。
なぜ茨城県で空き家が増えているのか
1. 人口減少と高齢化の進行
茨城県全体で人口減少と高齢化が進んでおり、特に県北・鹿行の一部市町村では顕著です。高齢の所有者が施設入所や死亡により住宅を離れた後、そのまま空き家になるケースが増えています。
2. 相続人が県外在住・共有名義であるケース
実家を相続した子世代が県外や都市部で生活しているケースでは、空き家の管理・活用・売却の判断が先送りされがちです。相続人が複数いる共有名義の場合は、全員の同意が必要なためさらに意思決定が遅れやすくなります。
3. 建物の老朽化と解体・修繕コストの負担感
古い建物ほど、解体費用や大規模修繕費用が売却・活用の障壁になります。「費用をかけてまで動かす価値があるのか」という判断がつかず、放置につながるケースも少なくありません。
空き家を放置するとどうなるか
- 特定空家等に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6)が解除され、税額が大幅に上がる可能性がある
- 倒壊・害虫獣・不法投棄・景観悪化など、近隣とのトラブルに発展するリスクがある
- 管理不全の状態が続くほど、将来の売却時に修繕・解体コストがかさみやすくなる
- 相続登記が未了のまま放置されると、権利関係がさらに複雑化する
所有する空き家の3つの選択肢
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 売却する | 管理の負担を早期に手放したい、まとまった現金化を希望 | 仲介は時間がかかる場合がある、訳あり物件は買取が有効 |
| 解体する | 建物の老朽化が進み活用の見込みが薄い | 市町村により解体費補助の有無・上限額が異なる |
| 賃貸・活用する | 立地が良く継続的な収益を見込める | リフォーム費用の回収期間を慎重に見積もる必要がある |
茨城県内の解体費補助制度は市町村ごとに有無・上限額・要件が大きく異なります(詳細は当サイトの「茨城県の解体補助金44市町村一覧【2026】売却前の注意点」で44市町村分をまとめています)。

空き家所有者が最初に確認すべき3つのポイント
空き家を相続した、または所有し続けている方が、売却・解体・活用のいずれを選ぶ場合でも、まず確認しておきたいポイントは次の3点です。
①相続登記は済んでいるか
2024年4月1日から相続登記が義務化されています。相続を知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象になり得ます(この制度は施行日より前に発生していた相続にも適用され、経過措置により2027年3月31日までが目安とされています)。売却する場合、相続登記が済んでいないとそもそも売買契約を結べないため、早めの確認が欠かせません。
②お住まいの市町村に空き家バンク・解体補助はあるか
茨城県内の44市町村は、空き家バンクの有無・解体費補助の有無や上限額が市町村ごとに異なります。「近所の市は補助があるのに自分の市には無い」というケースも珍しくないため、思い込みで判断せず、当グループが一次情報を基にまとめた市町村別一覧で確認することをおすすめします。
③空き家の種類(訳あり・共有名義・農地付き等)に事情はないか
相続人が複数いる、農地が付いている、心理的瑕疵があるなど、いわゆる「訳あり」の事情がある空き家は、通常の仲介では売却が難航しやすい傾向があります。事情がある場合は、早い段階で買取に強い不動産会社へ相談することで、選択肢を広げられる可能性があります。
売却を選ぶ場合|仲介と買取の違い
空き家の売却には、仲介(買主を探して販売する方法)と買取(不動産会社が直接買い取る方法)の2つの方法があります。老朽化が進んだ空き家、相続人が複数いる空き家、いわゆる「訳あり」の事情がある空き家は、仲介では買い手が見つかりにくい場合があり、買取が選択肢になります。
ハウスドゥを茨城県内4店舗(つくば・水戸・取手・守谷)で運営する当グループでは、各店舗が担当エリアの市町村単位できめ細かく対応しており、買取専門店として訳あり物件・空き家の実績があります。古田敦也氏をイメージキャラクターに起用するハウスドゥブランドとして、全国的な知名度と地域密着の対応力を両立しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 茨城県の空き家率は全国的に見て高いのですか?
A. 令和5年調査で茨城県は14.1%、全国平均は13.8%のため、やや高い水準です。ただし前回調査(2018年)からは0.7ポイント低下しており、改善傾向にあります。
Q2. 市町村ごとの正確な空き家率はどこで確認できますか?
A. 総務省の政府統計の総合窓口(e-Stat)で市区町村別の統計表を確認できます。民間メディアの集計値は分かりやすい反面、集計方法が総務省の公式発表と異なる場合があるため、正確な数値が必要な場合はe-Statの一次データをご確認ください。
Q3. 空き家をそのままにしておくと固定資産税はどうなりますか?
A. 「特定空家等」に指定されると、住宅用地の固定資産税特例(最大1/6の軽減)が解除され、税額が上がる可能性があります。早めの管理・売却・解体のご検討をおすすめします。
Q4. 相続した空き家が県外にあります。売却の相談はできますか?
A. 可能です。現地に行けない場合でも、写真や資料をもとにした査定や、オンラインでのご相談に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。
Q5. 空き家の解体補助金は茨城県内どこでも使えますか?
A. いいえ、市町村によって制度の有無・補助率・上限額が異なり、制度自体が無い市町村もあります。詳細は「茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧」でご確認ください。
Q6. 空き家は売却と解体、どちらを先に検討すべきですか?
A. 建物の状態や立地によって異なります。古家付きのまま売却できる可能性がある場合は、解体前に不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。解体してから更地で売る方が有利なケースもあるため、両方の想定価格を比較することが大切です。
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