「自宅や実家がある市町村に、解体補助金はあるのだろうか」——不動産の売却をご検討中の方から、私たちハウスドゥグループ茨城(つくば・取手戸頭・守谷・水戸の4店舗)にも、このご相談が増えています。

結論から言うと、茨城県内44市町村のうち、住宅の解体費用そのものに補助金がある市町村は約半数、残りは「無い」か「別の制度で代替する」設計になっています。そして意外と見落とされがちなのが、「補助金があるからといって、売却前に使うのが正解とは限らない」という点です。跡地に無償貸与などの条件が付く制度もあり、使い方を誤ると売却のタイミングを何年も縛られることがあります。

この記事では、解体工事の専門的な条件や申請手続きの詳細ではなく、「不動産を売る・活かす」という視点から、解体補助金とどう付き合うべきかを解説します。市町村ごとの制度の詳しい条件・要綱・申請フローは、解体専門の姉妹サイト「解体Do!茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧」で一次情報をもとに解説していますので、あわせてご覧ください。

解体補助金とは何か(制度の趣旨)

解体補助金(除却補助金)は、老朽化した空き家が周辺に及ぼす倒壊・防犯・衛生上のリスクを減らすため、市区町村が解体費用の一部を助成する制度です。国の「空家等対策の推進に関する特別措置法」を受けて、多くの自治体が独自に要綱を定めています。

ただし、この制度には全国共通のルールがあるわけではなく、市町村ごとに「対象となる空き家の条件」「補助率」「上限額」「予算枠」がすべて異なります。同じ茨城県内でも、隣り合う市町村で結果がまったく違うことも珍しくありません。

補助金の対象になりやすい空き家の種類

多くの市町村で共通しているのは、次のいずれかに該当する空き家が対象になりやすいという点です。

  • 特定空家等……そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態など、法律上の基準で認定された空き家
  • 不良住宅……老朽度を点数化する基準で一定点数以上と判定された住宅
  • 管理不全空家等……特定空家等に至る前段階で、管理が行き届いていないと市町村が判断した空き家

「ただ古いだけ」「空き家というだけ」では対象にならず、多くの制度で事前調査や現地確認を経て「該当」の判定を受ける必要があります。ここが工事会社に見積もりを取るより先に発生する、最初の関門です。

売却前に解体すべきか判断する視点

不動産会社の立場から強くお伝えしたいのは、「解体補助金がある=すぐ壊して更地で売るのが得」ではないということです。次の3つの視点で、解体の前に一度立ち止まって判断してください。

視点1:跡地に条件が付く制度がある

茨城町の「空家等除却支援事業」(上限50万円)は好例です。補助を受けるには、解体後の土地を10年以上、地元自治会へ無償で貸し出すことが条件になっています。10年に満たないうちにやめると、残り年数に応じて交付額の一部返還を求められます。つまり「解体して早く売りたい」方には、そもそも向かない制度です。売却を前提にするなら、あえて補助金を使わずに解体して売ったほうが、手取りが多くなるケースがあります。

視点2:「先に売ると使えなくなる」制度がある

水戸市の危険ブロック塀等撤去補助金や、稲敷市・かすみがうら市の各種補助金には、「販売を目的とする土地に存するものでないこと」という趣旨の条件が入っていることがあります。不動産会社へ先に売却してしまうと、所有者本人しか使えない補助金の権利が消えてしまうのです。補助を活かすなら、売却より先に、所有者ご本人が申請・解体を済ませておく順番が必要になります。

視点3:「壊さない」ほうが得なケースがある

牛久市の「親子特区!!うしく空家活用応援補助金」や、つくば市・阿見町の空家活用補助金のように、建物を残して改修する買主側が使える補助金を用意している市町村もあります。この場合、所有者が先に解体してしまうと、買主が受けられたはずの補助(30万〜50万円規模)が消え、かえって「売りにくい土地」になってしまうことがあります。「古い家がある空き家」のまま売りに出したほうが、実は反響が良いケースもあるのです。

どちらが得かは、解体費用の見積もり・土地としての売却見込み・建物のまま売る場合の需要を比較しないと判断できません。迷ったら、解体してしまう前に私たちハウスドゥグループへご相談ください。

茨城県44市町村 解体補助金早見表【2026年】

以下は、姉妹サイト「解体Do!」が各市町村の公式サイト・要綱で一次確認したデータをもとに作成した早見表です(2026年7月時点)。補助金・助成金は年度によって内容が変わり、予算に達すると受付が終了するものが大半です。この表はあくまで概要です。申請を検討される際は、必ず市町村名のリンク先にある詳細記事、または各市町村の公式サイトで最新情報をご確認ください。

市町村 解体補助 上限額の目安 補助率/備考
取手市 住宅リノベーション補助金(改修10%上限30万)
守谷市 空き家等活用コミュニティ推進事業助成金
つくばみらい市 上限30万円(特定空家等・不良住宅)/15万円(老朽空家) 1/2補助
常総市 空家等バンク活用支援補助金(各上限100万)
龍ケ崎市 上限50万円 1/2補助
牛久市 親子特区!!うしく空家活用応援補助金(改修用・上限50万)
坂東市 危険ブロック塀等撤去等支援補助金(上限10万)
つくば市 つくば市空家活用補助金(改修用・上限50万)
土浦市 危険ブロック塀等撤去補助金(上限10万)
阿見町 阿見町空家等活用補助金(改修用・上限50万)
美浦村 上限30万円 1/3補助
稲敷市 危険ブロック塀等撤去補助金(上限20万)
河内町 上限50万円 1/2補助
かすみがうら市 空家等バンク登録奨励金・リフォーム補助
石岡市 上限30万円 1/3補助
境町 危険ブロック塀等撤去補助
古河市 上限50万円 1/2補助
下妻市 上限30万円 1/2補助(2026年7月開始)
八千代町
結城市 上限30万円 1/2補助
筑西市 上限50万円 1/3補助
桜川市 上限50万円 1/2補助(点数順採択)
小美玉市 上限50万円 1/2補助
茨城町 上限50万円 40%補助(跡地10年無償貸与が条件)
笠間市 上限50万円(原則、特例期間中)/80万円・200万円(誘導区域) 1/2補助
水戸市 危険ブロック塀等撤去補助金(上限20万)
大洗町 上限30万円+跡地利用20万円 1/3補助+1/6補助
ひたちなか市 危険ブロック塀撤去補助(上限15万)
城里町 危険ブロック塀撤去補助
那珂市 危険ブロック塀等除却補助
東海村 上限80万円(市内業者は100万円) 2/3補助
鉾田市 上限50万円 1/2補助
行方市 上限100万円(県内最高水準) 1/2補助
潮来市 耐震改修補助・空家バンク
利根町 空き家子育て活用促進奨励金・リフォーム助成
神栖市 上限100万円(3段階) 1/2補助
鹿嶋市 上限50万円 4/5補助
日立市 上限50万円(利活用型)/30万円(宅地再生創出型) 1/3補助
常陸大宮市 上限30〜50万円(区域による) 1/2補助
常陸太田市 空き家家財道具等処分費用助成金(上限20万)
大子町 空き家片付け支援(上限10万)・バンクリフォーム助成
五霞町 上限30万円 1/3補助
高萩市 上限30万円 1/3補助(2026年5月新設)
北茨城市 耐震診断・耐震改修・危険ブロック塀等撤去補助

※上記44市町村は、解体Do!が公式サイト・要綱で一次確認済みの情報のみを掲載しています。市町村名をクリックすると、その市町村の詳しい条件・申請の順番・注意点を解説した解体Do!の記事をご覧いただけます。制度は年度ごとに改廃されるため、着工前に必ず担当課への確認をお願いします。

早見表からわかること

ひとつの図にまとめると、判断のポイントがより見えてきます。

解体補助金を使う前に確認すべき3つのポイント(補助金の有無・跡地条件・着工前申請)の図解

県内44市町村を見渡すと、次のような傾向があります。

  • 県南・県西エリア(つくば市・取手市・守谷市・つくばみらい市周辺)は、解体そのものへの補助が無く、改修や活用側に補助が寄っている市町村が目立ちます。
  • 県央・鹿行エリア(神栖市・行方市・鉾田市・東海村など)は、上限50万〜100万円クラスの手厚い解体補助を用意している市町村が複数あります。水戸市を中心とする県央エリアの不動産売却全般については、茨城県央エリアの不動産売却|水戸市など9市町の相場でまとめています。
  • 解体補助が無い市町村でも、危険ブロック塀等撤去補助・3,000万円特別控除(相続空き家)・空き家バンク関連の助成金など、代わりに使える制度がほぼ必ず存在します。「この市には何も無い」と決めつけず、代替制度まで確認することが大切です。

申請の一般的な流れと注意点

市町村ごとに細かい違いはありますが、ほとんどの制度に共通する「落とし穴」があります。

共通の落とし穴1:着工前申請が絶対条件

ほぼすべての制度で、「交付決定通知を受け取る前に契約・着工すると補助対象外」と定められています。「まず解体してから、あとで補助金を申請しよう」という順番は通用しません。売却を急ぐあまり業者に先に発注してしまうと、使えたはずの補助金が丸ごと消えることになります。

共通の落とし穴2:事前調査・現地確認が必要

「特定空家等」「不良住宅」等の判定を受けるための事前調査には、数週間から1か月程度かかることが一般的です。売却のスケジュールを立てる際は、この期間も見込んでおく必要があります。

共通の落とし穴3:予算枠・先着順という制約

下妻市(予算90万円・実質3件程度)や鉾田市のように、年度の予算に達し次第、期間内でも受付を終了する市町村が多数あります。「上限額」だけを見て安心せず、その年度にまだ枠が残っているかを早めに確認することが重要です。

一般的な申請の流れ(多くの市町村で共通)

  1. 事前相談・要件確認(市町村の担当課へ問い合わせ)
  2. 事前調査の申込み・現地確認(該当判定を受ける)
  3. 交付申請(工事契約前に行う)
  4. 交付決定通知の受領
  5. 解体工事の契約・着工
  6. 工事完了・実績報告・請求
  7. 補助金の交付(多くが後払い)

補助金は工事費を先払いしたあとに交付される「後払い」が基本です。資金計画を立てる際は、この立て替えも考慮しておく必要があります。

解体しない選択肢|現況買取との比較

ここまで解体補助金の話をしてきましたが、そもそも「解体せずに、建物が残ったまま売る(現況買取)」という選択肢もあります。私たちハウスドゥグループでは、この選択肢を含めて総合的にご提案しています。

選択肢メリット注意点
補助金を使って解体してから売る更地は買い手がイメージしやすく、住宅需要のあるエリアでは売却期間が短くなりやすい申請〜交付決定まで数か月かかる。跡地条件付きの制度もある
補助金を使わず解体してから売る跡地の使い道を自由に決められる。売却タイミングを待たなくてよい数十万円の補助を受けられる可能性を放棄することになる
解体せず現況のまま買取解体費用の立て替えが不要。申請・工期を待たずに現金化できる更地渡しに比べて買取価格が下がることがある(建物の状態による)

解体費用は建物の規模や構造(木造・鉄骨・RC)、アスベストの有無などによって数十万円〜200万円以上と幅があります。補助金の上限額が30万〜50万円程度にとどまる市町村が多いことを踏まえると、「補助金があるから必ず得」とは限らず、解体費用の見積もり・補助額・現況買取の査定額を並べて比較することが、後悔しない判断につながります。

私たちハウスドゥグループの強み|地域密着で制度を把握した売却提案

私たちハウスドゥグループ茨城は、つくば・取手戸頭・守谷・水戸の4店舗で茨城県内の不動産売却を担当しています(茨城県内全域の情報発信はこのhousedo.groupが担い、店舗サイトは各エリアの売却相談を承っています)。

解体工事そのものは専門の解体業者にしか手がけられませんが、私たちは不動産会社として、次のような形でお手伝いできます。

  • お住まいの市町村に、いま使える補助金・代替制度があるかを一緒に確認(制度は年度で変わるため、売却相談のタイミングで最新情報をお伝えします)
  • 「解体してから売る」「現況のまま売る」のどちらが手取りで有利かを、査定額と概算解体費から試算
  • 解体を選ばれる場合は、姉妹サイト「解体Do!」(茨城県内の解体工事専門・取手戸頭店を拠点に県内対応)と連携したご紹介も可能です
  • 各店舗のエリア(つくば市取手市守谷市水戸市)は、それぞれの店舗サイトでより詳しい売却相談を承っています

「補助金の申請書類が難しそう」「解体と売却、どちらを先にすべきかわからない」という段階でも構いません。まずは無料査定・ご相談からお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q1. 解体補助金が無い市町村では、何も使える制度が無いのでしょうか?

いいえ。解体そのものへの補助が無い市町村でも、危険ブロック塀等撤去補助金、空き家バンク関連の助成金、相続空き家の3,000万円特別控除(譲渡所得税の軽減)など、代わりに使える制度があることが多いです。市町村ごとの詳細は早見表内のリンクからご確認ください。

Q2. 補助金の申請は、解体工事を依頼する業者にすべて任せられますか?

事前調査の申込みや交付申請の書類作成は所有者ご自身(または委任された代理人)が行うのが基本です。解体業者によっては書類作成のサポートを行っている場合もありますが、申請主体はあくまで所有者です。契約前に、どこまでサポートしてもらえるか確認しておくと安心です。

Q3. すでに解体してしまった建物にも、あとから補助金を申請できますか?

多くの市町村で「交付決定通知の前に着工した工事は対象外」と定められており、解体後の遡及申請はできないのが原則です。解体をお考えの場合は、着工前に必ず市町村へ確認することが重要です。

Q4. 補助金を使って解体した土地は、すぐに売却してよいのでしょうか?

制度によって異なります。多くの市町村では売却時期の制限はありませんが、茨城町のように「跡地を10年以上、地元自治会へ無償で貸し出す」ことが条件になっている制度もあります。また、水戸市のように「販売を目的とする土地に存するものでないこと」を条件とする制度では、先に売却してしまうと補助自体を受けられません。制度ごとの条件は、記事内の早見表リンクから各市町村の詳細をご確認ください。

Q5. 解体補助金の金額だけで、解体するかどうかを決めてよいですか?

おすすめしません。補助金の上限額は多くの市町村で30万〜50万円程度にとどまり、実際の解体費用(数十万円〜200万円以上)の一部にしかならないことがほとんどです。解体費用の見積もり、補助金額、更地にした場合の売却見込み、現況のまま売る場合の査定額を並べて比較したうえで判断することをおすすめします。

Q6. 相続した実家がどの市町村の制度に該当するか分かりません。どこに相談すればよいですか?

まずは物件がある市町村の空き家対策担当課へ確認いただくのが確実です。あわせて、売却も選択肢に入れてご検討の場合は、私たちハウスドゥグループへご相談いただければ、査定額とあわせて制度の有無もご案内します。

まとめ

茨城県内44市町村の解体補助金は、金額も条件もばらばらで、「ある市町村」と「無い市町村」がほぼ半々というのが実情です。そして補助金があっても、跡地の利用条件や申請の順番を誤ると、かえって売却の妨げになることがあります。

大切なのは、「補助金があるかどうか」だけでなく、「その補助金を使うことが、ご自身の売却計画にとって本当に得なのか」を見極めることです。解体の詳しい条件・申請手続きは姉妹サイト「解体Do!茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧」で、売却のご相談は私たちハウスドゥグループでお気軽にどうぞ。

建物の解体とあわせて、古いブロック塀が残っている場合は「茨城県のブロック塀撤去補助金28市町村一覧【2026】」もご確認ください。解体補助金とは別の制度・別の予算枠のため、条件を満たせば両方申請できる場合があります。