「相続した土地を売りたい」「使っていない土地があるので手放したい」——そう思ったとき、何から手をつければよいか分からず立ち止まってしまう方は多い。土地の売却は、建物付きの不動産と違って測量や境界確認など特有の準備が必要になることもある。この記事では、土地を売りたいと考え始めた段階で確認すべきこと、相談先の選び方、売却方法の決め方、そして契約までの流れを、順を追って解説する。
土地を売りたいと思ったら最初に確認すべきこと
①所有者は誰か(名義・共有者の確認)
登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、現在の名義人を確認する。相続した土地で名義変更(相続登記)がまだの場合、2024年4月から相続登記が義務化されており、売却の前提として相続登記を済ませる必要がある。共有名義の土地は、原則として共有者全員の同意がなければ売却できない点にも注意したい。
②境界は確定しているか
隣地との境界標が現地にあるか、確定測量図が手元にあるかを確認する。境界が未確定の場合、売却時に測量を求められることが多く、これに数十万円と数か月の期間がかかることがある。
③どのような土地か(用途地域・接道状況)
都市計画図で用途地域を確認し、建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接しているか)を満たしているかを確認する。これらの条件によって、売却方法や価格の想定が大きく変わる。
④住宅ローンや抵当権が残っていないか
土地に抵当権が設定されている場合、売却時に残債を完済して抵当権を抹消する必要がある。登記事項証明書の「乙区」欄で確認できる。

相談先の選び方
不動産会社(仲介・買取)
売却全般の相談窓口として最も一般的なのが不動産会社である。査定から契約、引き渡しまで一貫してサポートしてくれる。複数の会社に相談し、対応や説明の分かりやすさを比較するとよい。
土地家屋調査士(境界・測量)
境界が未確定の場合や、分筆(土地を分けて売る)を検討する場合は、土地家屋調査士への相談が必要になる。不動産会社経由で紹介を受けられることも多い。
税理士(譲渡所得・特例の確認)
売却によって利益(譲渡所得)が生じる場合や、相続した土地の特例(取得費加算の特例など)を使いたい場合は、事前に税理士へ相談しておくと、確定申告時にあわてずに済む。
司法書士(登記・相続登記)
相続登記がまだの場合や、抵当権抹消登記が必要な場合は司法書士に依頼する。多くの場合、不動産会社や金融機関から紹介を受けられる。
売却方法を決める|仲介と買取の違い
仲介:時間をかけて市場価格に近い売却を狙う
不動産会社に買主を探してもらう方法。市場価格に近い価格での成約が期待できる一方、買主が見つかるまで数か月〜1年以上かかることもある。
買取:不動産会社が直接購入し早期の現金化ができる
不動産会社自身が買主となる方法。査定額に納得すればすぐに契約に進めるため、早ければ数日〜1か月程度で現金化できる。価格は仲介の想定価格のおおむね7〜8割が目安とされるが、再建築不可や境界未確定など仲介で買い手がつきにくい土地では現実的な選択肢になる。
迷ったら両方の見積もりを取る
どちらが自分の状況に合うか判断がつかない場合は、仲介での想定売却価格と買取での査定額の両方を確認し、価格差と期間を比較したうえで決めるとよい。
土地を売りたいと思ったら|売却の流れ7ステップ

ステップ1:相場を調べる
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や、都道府県が公表する地価公示・地価調査のデータで、周辺の土地の取引価格の目安を確認できる。ただしこれらはあくまで目安であり、個別の土地の実勢価格とは異なる。
ステップ2:不動産会社に査定を依頼する
複数の不動産会社に机上査定・訪問査定を依頼し、価格とその根拠を比較する。査定額の根拠を具体的に説明してくれる会社かどうかも、信頼できるかどうかの判断材料になる。
ステップ3:媒介契約または買取の条件を決める
仲介の場合は媒介契約(一般・専任・専属専任のいずれか)を結ぶ。買取の場合は査定額と引き渡し条件を確認したうえで契約に進む。
ステップ4:売却活動・買主探し(仲介の場合)
不動産ポータルサイトへの掲載や、購入希望者への現地案内などが行われる。買取の場合はこのステップがなく、次の契約に進む。
ステップ5:売買契約の締結
買主(または買取業者)が決まったら、宅地建物取引士による重要事項説明を受けたうえで売買契約を締結する。
ステップ6:決済・引き渡し
残代金の受領と同時に、所有権移転登記の手続きを行い、土地を引き渡す。
ステップ7:確定申告(譲渡益が出た場合)
売却によって利益が出た場合は、翌年の確定申告で譲渡所得を申告する必要がある。
売れやすい土地・売れにくい土地の違い
売れやすい土地の特徴
接道義務を満たしている、境界が確定している、整形地(形状が四角形に近い)、インフラ(上下水道・ガス)が整っている、といった条件を満たす土地は、仲介でも比較的早く買い手が見つかりやすい。
売れにくい土地の特徴と対策
再建築不可、市街化調整区域、境界未確定、旗竿地・傾斜地などの変形地、権利関係が複雑(借地権・共有名義)といった事情がある土地は、仲介では長期化しやすい。こうした土地は、買取という選択肢や、専門的なノウハウを持つ不動産会社への相談が現実的な対策になる。
土地を売る際にかかる費用と税金
仲介手数料(仲介の場合のみ)
売買価格400万円超の部分について「価格×3%+6万円(+消費税)」が仲介手数料の上限となる速算式が使われる。買取の場合は不要である。
印紙税
売買契約書に貼付する印紙税は、記載金額が10万円を超える契約書について、2027年3月31日までに作成されたものは軽減税率が適用される。
登記費用(抵当権抹消登記など)
売主側で抵当権抹消登記が必要な場合、登録免許税(不動産1個につき1,000円)と司法書士報酬がかかる。
譲渡所得税・住民税
売却益(譲渡所得)が出た場合、所有期間5年超の長期譲渡は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)、5年以下の短期譲渡は39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)が原則の税率になる。取得費が分からない場合は譲渡価額の5%を取得費とみなす概算取得費が使える。
土地の売却でよくあるトラブルと注意点
相続登記をしないまま売却しようとしてしまう
2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記しないと過料の対象になる可能性がある。売却の前提として、まず相続登記を済ませる必要がある。
複数の相続人がいるのに1人で話を進めてしまう
共有名義の土地は共有者全員の同意が必要である。売却を検討し始めた早い段階で、他の共有者と方針をすり合わせておくとトラブルを防ぎやすい。
境界確認を後回しにしてしまう
境界確認は時間がかかる作業のため、売却を決めてから着手すると、想定より引き渡しが遅れる原因になる。早い段階で確認しておくとよい。
売却以外の選択肢も検討したい場合
分筆して一部だけ売る
広い土地の場合、全体を一度に売却するのではなく、土地家屋調査士に依頼して分筆(土地を複数の区画に分けること)し、一部だけを売却するという方法もある。買い手が見つかりやすい規模まで小さくすることで、売却しやすくなることがある一方、分筆費用(測量・登記費用)がかかる点は考慮しておきたい。
土地活用と比較検討する
すぐに現金化する必要がない場合は、駐車場経営や太陽光発電用地としての賃貸など、売却せずに活用する方法と比較検討する余地もある。ただし初期費用や維持管理の手間がかかるため、長期的な視点での比較が必要になる。
さらに詳しく
早期の現金化や、再建築不可・境界未確定などの事情がある土地については「土地買取とは|相場・流れ・業者の選び方【2026年版】」、なかなか買い手が見つからない場合の原因と対策は「土地が売れない7つの原因と売却の対策【2026年版】」で詳しく解説している。
茨城県内で土地を売りたい方へ
茨城県内4店舗体制で対応
ハウスドゥは茨城県内に取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗を構え、相続した土地、境界未確定の土地、再建築不可の土地など、さまざまな事情のある土地の売却相談に対応している。
まずは無料査定から
「何から始めればよいか分からない」という段階でも、無料査定を通じて土地の状況を整理しながら相談できる。仲介・買取どちらが向いているかも、あわせて確認できる。
よくある質問
Q1. 土地を売りたいと思ったら、まず何をすればいいですか?
まずは登記事項証明書で名義・権利関係を確認し、境界標の有無を確認することから始めるとよい。そのうえで不動産会社に相談し、複数社の査定を比較することをすすめる。
Q2. 相続した土地でも、すぐに売却できますか?
相続登記(名義変更)が済んでいることが前提になる。未登記の場合は、まず相続登記の手続きが必要である。2024年4月から相続登記は義務化されている。
Q3. 査定は無料ですか?
一般的に、机上査定・訪問査定ともに無料で行う不動産会社が多い。
Q4. 売却までどのくらいの期間がかかりますか?
仲介の場合は数か月〜1年以上、買取の場合は最短数日〜1〜2か月程度が目安になる。土地の状況(境界確定の有無など)によっても変わる。
Q5. どこに相談すればいいか分かりません
まずは不動産会社に相談するのが一般的である。境界や測量に関する専門的な相談は土地家屋調査士、税金に関する相談は税理士が窓口になる。不動産会社経由でこれらの専門家を紹介してもらえることも多い。
Q6. 古い家が建ったままでも売却の相談はできますか?
古家付きのまま相談することは可能である。解体してから売るべきかどうかも含めて、不動産会社に相談しながら判断できる。
相場そのものの調べ方や査定額の決まり方を詳しく知りたい方は「家の売却相場の調べ方|査定額はどう決まる?【2026年版】」もあわせて参考にしてほしい。
まとめ
土地を売りたいと思ったら、まず名義・境界・権利関係といった土地の状況を確認し、そのうえで仲介と買取のどちらが自分の事情に合うかを検討することが第一歩になる。一人で判断が難しい場合も、不動産会社への相談を通じて、査定額の比較や必要な専門家(土地家屋調査士・税理士・司法書士)につないでもらいながら進めることができる。まずは無料査定で、自分の土地の状況を整理することから始めてみてはどうだろうか。
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