「実家の裏にある父の別荘、あれからずっと空いたままだけど、どうしたらいいんだろう」——茨城県で不動産のご相談を受けていると、こうした声に出会うことが少なくありません。茨城県は太平洋沿岸から筑波山麓まで自然に恵まれ、昭和から平成にかけて数多くの別荘・セカンドハウスが分譲されてきました。しかし総務省の統計を見ると、その数は静かに、しかし確実に減少しています。本記事では一次資料に基づき、茨城県の別荘・セカンドハウス事情を数字と地域の実情から整理します。
この記事でわかること
- 茨城県の別荘・セカンドハウス(二次的住宅)の統計上の実数と推移
- 県内で別荘地として知られてきたエリアの特徴
- 別荘が「空き家化」しやすい制度的な背景
- 別荘・セカンドハウスの売却や相続で気をつけたいポイント
茨城県の別荘・セカンドハウスの全体像|統計に見る実数
総務省統計局が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」では、住宅を「居住世帯のある住宅」「空き家」などに区分し、空き家はさらに「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」「二次的住宅」「その他の住宅」の4類型に分類しています。このうち「二次的住宅」が、いわゆる別荘やセカンドハウスにあたる区分です。
二次的住宅とは何か
総務省の定義では、二次的住宅は「別荘」(週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用され、ふだんは居住しない住宅)と「その他」(残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりする人がいる住宅)に分かれます。本記事では、このうち生活実感として「別荘・セカンドハウス」に近い二次的住宅全体の推移を見ていきます。
茨城県の二次的住宅数【目安】
茨城県企画部統計課が公表した「令和5年住宅・土地統計調査の結果の概要」によると、茨城県内の二次的住宅数は2023年時点で6,800戸です。これは県内総住宅数139万900戸のうちの0.5%、空き家総数19万6,200戸のうちの3.5%にあたります。
前回の平成30年(2018年)調査では9,000戸だったため、5年間で2,200戸減少し、増減率はマイナス24.4%という目安になります。全国の二次的住宅数は2023年時点で38.4万戸、総住宅数に占める割合は0.6%、空き家総数に占める割合は4.3%で、茨城県の割合はいずれも全国平均をやや下回る水準です。
※本記事の統計数値はいずれも茨城県公式サイトで公表されている令和5年住宅・土地統計調査の結果を一次資料とした「目安」であり、個々の物件・地域を保証するものではありません。市町村別の二次的住宅数は、今回参照した公表資料の範囲では確認できませんでした。

なぜ減っているのか
二次的住宅が5年間で4分の1近く減少した背景として、統計上の直接的な因果関係は公表資料からは分かりませんが、一般的には次のような要因が指摘されます。
- 別荘を購入した世代の高齢化が進み、利用頻度が減っている
- 相続をきっかけに、別荘としての利用をやめて売却・解体・空き家化するケースがある
- 維持管理費や固定資産税の負担感から手放す判断をする所有者が増えている
県内の地域差・別荘地として知られるエリア
茨城県には、統計上「別荘地」として区分された公式データはありませんが、歴史的に別荘・保養所の分譲が盛んだったエリアがいくつか存在します。ここでは公的資料や自治体の取り組みが確認できる地域を中心に紹介します。
鉾田市(旧大洋村)|別荘分譲地の代表例
鉾田市は2005年に旧鉾田町・旭村・大洋村が合併して誕生しました。このうち旧大洋村エリアは、太平洋に面した立地を生かし、1970年代から90年代にかけて別荘地としての分譲が盛んに行われた地域として知られています。
鉾田市は「鉾田市空家等対策計画」を平成30年度に策定し、令和4年度の計画期間満了に伴い改定しています(同計画は鉾田市公式サイトで公開)。同市はこの計画に基づき、公益社団法人茨城県宅地建物取引業協会と協力して「鉾田市空家バンク」を開設し、空き家の利活用を促進しています。空家バンクを通じてこれまでに成約した実績は9件(売買8件・賃貸1件、2026年時点の公式サイト掲載分)で、契約成立時には修繕費補助(最大50万円)や5年居住した場合の居住助成金(一律10万円)といった支援制度も用意されています。
旧大洋村地域における別荘分譲地の総戸数について、鉾田市の公式統計としての公表は今回確認できませんでしたが、同エリアが別荘分譲の中心地であったこと自体は市の空き家対策の枠組みからも読み取れます。

大洗町・ひたちなか市(那珂湊)など沿岸エリア
大洗町やひたちなか市那珂湊地区など、太平洋に面した県央・県北の沿岸エリアも、海を望むセカンドハウスの立地として知られてきました。ただし、これらのエリアについて市町村別の二次的住宅数を示す公的統計は今回の調査範囲では確認できていません。海水浴・サーフィン・釣りといったレジャー需要と結びついた保養目的の住宅利用があると考えられますが、統計的な裏付けが取れる範囲でのみ記載する方針から、本記事では定性的な紹介にとどめます。
筑波山麓・県西エリア
つくば市や桜川市など筑波山麓に広がるエリアも、自然環境を求めた別荘・セカンドハウス的な利用がされてきた地域とされます。つくばエクスプレス沿線の宅地開発が進む一方で、筑波山に近い山間部には昭和期の別荘分譲の名残が見られる場所もあります。こちらも市町村別の統計上の裏付けは確認できていないため、参考情報としての紹介です。
推移とその背景|二拠点居住の新しい動き
コロナ禍以降の「二地域居住」への関心
国土交通省は令和6年11月1日に、二地域居住等を促進する改正広域的地域活性化法を施行しました。さらに令和7年度補正予算による「二地域居住先導的プロジェクト実装事業」の1次公募(令和8年1月30日〜2月27日実施)では、官民連携コンソーシアム9団体への交付決定が令和8年3月26日に発表されています。この採択団体の中には、茨城県境町がさかいまちづくり公社と連携し、デジタル住民票を活用した先導的プロジェクトに取り組むという情報もあります(詳細は国土交通省の別紙資料の確認が必要です)。
従来型の「所有する別荘」から、行政施策としての「二地域居住」「ワーケーション」といった新しい住まい方への関心が全国的に広がりつつある中、茨城県内でも同様の動きが一部の自治体で始まっていると言えます。
減少トレンドと新しい需要の交差点
統計上の二次的住宅数は減少している一方で、二地域居住という新しい形の「もう一つの住まい」への関心は高まっています。これは、旧来の「バブル期に分譲された別荘を維持し続ける」というスタイルから、「必要なときだけ借りる・使う」という柔軟なスタイルへの移行を示唆しているとも考えられますが、これはあくまで一般的な傾向の指摘であり、茨城県固有の因果関係を示す統計は確認できていません。
生活者・所有者から見た意味|税金と管理の悩み
別荘の固定資産税は軽くならないことが多い
住宅用の土地には、固定資産税の負担を軽減する「住宅用地特例」という制度があります。小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準額が6分の1に、一般住宅用地(200㎡を超える部分)は3分の1に軽減される仕組みです。
ただし、この特例は「居住の用に供する家屋の敷地」であることが前提です。国土交通省の資料によると、総務省通知(平成27年固定資産税課長通知)により、居住のために必要な管理を怠り、今後居住の見込みがないと認められる家屋の敷地は、特例の対象となる「住宅」に該当しないとされています。市区町村長から「特定空家等」「管理不全空家等」として勧告を受けた敷地は、住宅用地特例の適用対象から除外されます(全国で平成27年5月から令和5年3月までの累計勧告件数3,078件、国土交通省資料より)。
一般に、日常的な居住実態のない「別荘」は住宅用地特例が適用されにくく、月1日以上の使用実態があり「セカンドハウス」として認定を受けた場合には軽減対象となり得る、という制度上の違いがあります。ただし個別の適用可否は市町村の判断によるため、正確な取り扱いは所在地の市町村役場・税務課に確認することをおすすめします。
管理の悩みと「空き家化」のリスク
茨城県土木部住宅課が公表する「県内の空家の状況」(2025年12月5日更新)によると、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は10年間で約1.4倍(6.7万戸から9.3万戸)に増加しています(全国は約1.2倍)。二次的住宅そのものは別カテゴリの集計ですが、管理されないまま放置された別荘が、この「その他の空き家」に移行していくケースは想像に難くありません。
離れた場所にある別荘・セカンドハウスは、庭木の手入れ、雨漏りの点検、台風後の見回りなど、日常的な管理の手間がかかります。所有者の高齢化や、遠方に住む相続人が管理を引き継げないといった事情から、次第に手が回らなくなるケースが増えているのが実情です。
住まい・不動産への接点|売却や相続で考えたいこと
「使わない別荘」をどうするか、早めの検討を
別荘・セカンドハウスは、住宅用地特例が適用されにくいという制度上の事情もあり、保有し続けるほど固定資産税・都市計画税や管理費の負担が積み重なっていきます。「いつか使うかもしれない」と持ち続けるうちに老朽化が進み、いざ売却しようとしたときに買い手がつきにくくなる、というケースも少なくありません。使う予定が具体的にないのであれば、早めに売却や活用方法を検討することが、結果的に負担を抑えることにつながります。
別荘の売却を具体的に検討する際の仲介・買取の選び方、費用と税金、地域別の相場観については、当グループの別記事「別荘 売却 茨城県|高値で成功する5つの秘訣」で詳しく解説しています。
相続した別荘が「空き家」になったとき
親や祖父母が所有していた別荘を相続したものの、遠方に住んでいて利用予定がない、というご相談も増えています。相続した空き家の扱いについては、当グループの「茨城県の農家住宅・古民家の実情」でも触れているとおり、放置すればするほど老朽化と資産価値の低下が進みます。建物の状態によっては、解体して更地として売却する選択肢も検討の余地があります。解体をご検討の場合は、茨城県内で解体工事を専門に行う「解体Do!」にもご相談いただけます。
店舗サイトでの個別相談
茨城県内の別荘・セカンドハウスの売却・相続に関するご相談は、物件の所在地に応じて次の店舗サイトでも承っています。
- つくば市・県南エリアの別荘・セカンドハウス:ハウスドゥ つくば研究学園都市
- 水戸市・県央エリアの別荘・セカンドハウス:ハウスドゥ 県庁水戸
- 取手市・県南エリアの別荘・セカンドハウス:ハウスドゥ 取手戸頭
- 守谷市・県南エリアの別荘・セカンドハウス:ハウスドゥ 守谷
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- 茨城県の海(太平洋沿岸)と暮らし
- 茨城県の湖沼|霞ヶ浦・涸沼と周辺地域
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- 茨城県の温泉地|源泉157本の分布と泉質
- 茨城県の中古住宅市場の特徴
- 茨城県の土地の広さの特徴
よくあるご質問
Q1. 茨城県の別荘・セカンドハウスの数は増えていますか、減っていますか?
A. 総務省統計局・茨城県公表の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、茨城県内の二次的住宅(別荘・セカンドハウス等)は2023年時点で6,800戸で、2018年の9,000戸から2,200戸減少しています(目安・増減率マイナス24.4%)。
Q2. 別荘とセカンドハウスは税金の扱いが違うのですか?
A. 一般的な制度として、日常的な居住実態のない「別荘」は固定資産税の住宅用地特例が適用されにくい一方、月1日以上の使用実態がある「セカンドハウス」として認定されれば軽減対象となり得るとされています。個別の適用可否は所在地の市町村役場・税務課への確認が必要です。
Q3. 茨城県で別荘地として知られているのはどのあたりですか?
A. 鉾田市(旧大洋村)は1970〜90年代に別荘分譲が盛んに行われた地域として知られ、現在は空家バンク等の対策が進められています。大洗町・ひたちなか市那珂湊などの沿岸エリア、筑波山麓エリアなども別荘・セカンドハウス的な利用がされてきたとされますが、市町村別の統計データは今回確認できていません。
Q4. 使っていない別荘を放置するとどうなりますか?
A. 管理が行き届かなくなると、老朽化が進み「特定空家等」に指定されるリスクが生じます。指定されると固定資産税の住宅用地特例が適用除外となり、税負担がかえって増える可能性があります。早めに売却や活用方法を検討することが望ましいといえます。
Q5. 相続した別荘を手放したい場合、どこに相談すればよいですか?
A. 物件の所在地に応じて、ハウスドゥの茨城県内4店舗(つくば・水戸・取手戸頭・守谷)でご相談を承っています。解体を含めた検討をしたい場合は「解体Do!」にもご相談いただけます。
Q6. 鉾田市の空家バンクではどんな支援が受けられますか?
A. 鉾田市公式サイトによると、空家バンクを通じて契約が成立し居住される場合、修繕費の一部を補助する「修繕補助金」(売買契約のみ、最大50万円)や、5年間居住した場合の「居住助成金」(売買・賃貸とも一律10万円)が用意されています(支給要件あり)。
Q7. 二地域居住とはどのような施策ですか?
A. 国土交通省が推進する、都市と地方など複数の地域に生活拠点を持つ暮らし方を支援する施策です。令和6年11月に改正広域的地域活性化法が施行され、令和8年3月には二地域居住先導的プロジェクト実装事業で全国9団体への支援が決定しています。
まとめ|統計は減少、でも「新しい形」への関心は続く
茨城県の別荘・セカンドハウス(二次的住宅)は、統計上は2018年から2023年の5年間で約4分の1減少しました。かつて別荘分譲で知られた鉾田市(旧大洋村)などでは、空き家対策として空家バンクの整備が進んでいます。一方で、国の二地域居住施策のように「所有」にこだわらない新しい住まい方への関心も広がりつつあります。
「使っていない別荘をどうするか」でお悩みの方は、まず現在の資産状況を整理することから始めてみませんか。ハウスドゥの茨城県内4店舗では、別荘・セカンドハウスを含む不動産の売却・相続に関するご相談を承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
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