「実家を相続したけれど、税金がいくつも関係すると聞いて何から確認すればいいかわからない」——相続した家(不動産)には、相続税だけでなく、名義変更(相続登記)でかかる登録免許税、持ち続ける間の固定資産税、売却するときの譲渡所得税など、段階ごとに異なる税金が関わってきます。この記事では、それぞれの税金の種類・申告期限・納税のタイミングを整理して解説します。
相続した家にかかる税金の全体像
まずは「いつ」「何に対して」税金がかかるのかを整理します。
相続時・登記時・保有中・売却時の4段階でかかる税金
相続した家に関わる税金は、大きく分けて(1)相続税(遺産を受け取ったことに対する税金)、(2)登録免許税(相続登記=名義変更の際にかかる税金)、(3)固定資産税(保有している間、毎年かかる税金)、(4)譲渡所得税・住民税(売却して利益が出た場合にかかる税金)の4段階に分かれます。すべてが必ず発生するわけではなく、遺産総額が基礎控除以下なら相続税はかからない、売却しなければ譲渡所得税もかからない、といったように条件によって変わります。
誰が・いつ払うのかの早見表
相続税は相続人(財産を受け取った人)が申告・納付し、登録免免許税は相続登記を申請する人が法務局へ納付します。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に市区町村から納税通知書が届き、譲渡所得税は売却した年の翌年に確定申告して納めます。次の章から、それぞれの税金について具体的な期限と金額の考え方を解説します。

相続税|申告期限と基礎控除の考え方
相続税は、遺産総額が一定額を超える場合にのみ申告・納税が必要になる税金です。
相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」
相続税の申告・納税期限は、相続の開始(被相続人の死亡)があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内と定められています。期限日が土日・祝日にあたる場合は翌日が期限になります。期限内に遺産分割協議がまとまらない場合でも、いったん法定相続分で申告し、後日修正申告する方法があります。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生することがあるため、早めの準備が重要です。
基礎控除額の計算方法
相続税には基礎控除があり、遺産総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」以下であれば相続税はかからず、申告も原則不要です。例えば法定相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円になります。遺産総額がこの金額を超える場合に、超えた部分に対して相続税がかかる仕組みです。
相続税はいつ・どうやって払う?
相続税は、申告期限と同じ「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」に、原則として現金で一括納付します。まとまった現金が用意できない場合は、分割で納める「延納」や、不動産などの財産で納める「物納」という制度もありますが、いずれも一定の要件を満たす必要があります。
相続登記(不動産の名義変更)でかかる登録免許税
相続した不動産は、被相続人から相続人への名義変更(相続登記)が必要です。
相続登記は2024年4月から義務化・期限は3年以内
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に登記申請をすることが義務付けられました。制度開始前に相続した不動産も対象になり、経過措置として2027年3月31日までに登記を完了させる必要があります。正当な理由なく期限内に登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
登録免許税の税率と免税措置
相続による所有権移転登記(相続登記)の登録免許税は、原則として固定資産税評価額の0.4%です。例えば固定資産税評価額1,000万円の土地であれば、登録免許税は4万円が目安になります。なお、一定の要件を満たす土地については登録免許税の免税措置が設けられている場合があるため、法務局や司法書士に確認することをおすすめします。
相続した家を保有し続ける場合にかかる固定資産税
相続登記が完了した後、その家に住む・空き家のまま保有するなど、持ち続ける場合は毎年固定資産税がかかります。
固定資産税は相続後いつから・誰に請求される?
固定資産税は毎年1月1日時点の登記簿上の所有者に対して課税されます。相続登記が済んでいない場合でも、市区町村は相続人代表者に納税通知書を送付することがあります。相続登記を済ませておくことで、次年度以降の納税義務者が明確になります。
空き家のまま放置すると税額が上がるリスク
相続した家を誰も住まないまま放置し、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがあると市区町村から「特定空き家」に指定された場合、住宅用地の固定資産税の軽減特例が解除され、税額が上がることがあります。相続後に空き家のまま維持するか、売却・活用するかを早めに検討することが、税負担を抑えることにもつながります。
相続した家を売却するときにかかる税金
相続した家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税・住民税がかかります。
譲渡所得税・住民税の納税時期
不動産を売却して利益が出た場合は、売却した年の翌年に確定申告を行い、譲渡所得税と住民税を納めます。納税の具体的な時期や計算方法については「不動産売却の税金はいつ払う?納税時期の解説」で詳しく解説しています。
取得費加算の特例・空き家の3,000万円特別控除
相続した不動産を一定期間内に売却した場合、相続税額の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」や、一定の要件を満たす空き家を売却した場合に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」など、税負担を軽減できる特例があります。適用には期限や建築時期などの要件があるため、対象になるかどうかは早めに確認しておくと安心です。
相続税の申告・納税で注意したいポイント
相続税の実務でつまずきやすいポイントを紹介します。
遺産分割協議が終わっていない場合の申告
申告期限までに相続人同士の遺産分割協議がまとまらない場合でも、申告期限は延長されません。この場合は、いったん法定相続分で遺産を取得したものとして申告・納税し、協議がまとまった後に修正申告や更正の請求を行うのが一般的な対応です。ただし、この方法では配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など一部の特例が使えなくなることがあるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
延納・物納という選択肢
相続税を現金で一括納付できない場合は、分割払いの「延納」や、不動産などの財産で納める「物納」という制度があります。いずれも税務署への事前の申請と審査が必要で、担保の提供などの要件もあるため、利用を検討する場合は早めに税理士や税務署に相談しましょう。
茨城県内での相続不動産のご相談
ハウスドゥでは、茨城県内4店舗(つくば研究学園都市店・県庁水戸店・取手戸頭店・守谷店)で、相続した不動産の売却・活用に関するご相談を承っています。相続税や登録免許税の細かな計算・申告手続きは税理士・司法書士の専門領域になりますが、「相続した家をどうするか」「売却した場合にいくらになるか」といった不動産としての価値・活用方法のご相談はお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q1. 相続税の申告期限はいつまでですか?
相続の開始(被相続人の死亡)があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。期限日が土日・祝日にあたる場合は翌日が期限になります。
Q2. 相続税の基礎控除額はどう計算しますか?
「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。遺産総額がこの金額以下であれば、相続税はかからず申告も原則不要です。
Q3. 相続登記はいつまでにしなければいけませんか?
2024年4月1日からの義務化により、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に登記申請が必要です。正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料が科される可能性があります。
Q4. 相続登記の登録免許税はいくらですか?
原則として固定資産税評価額の0.4%です。一定の要件を満たす土地には免税措置が設けられている場合があるため、法務局や司法書士に確認することをおすすめします。
Q5. 相続した家の固定資産税は誰が払いますか?
毎年1月1日時点の登記簿上の所有者に課税されます。相続登記が済んでいない場合でも、市区町村が相続人代表者へ納税通知書を送付することがあります。
Q6. 相続した家を売却すると税金はどうなりますか?
売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、翌年に確定申告を行い譲渡所得税・住民税を納めます。取得費加算の特例や空き家の3,000万円特別控除など、要件を満たせば税負担を軽減できる制度もあります。
あわせて読みたい:不動産売却時の税金の納税時期は「不動産売却の税金はいつ払う?納税時期の解説」、相続不動産の評価額については「不動産相続税の評価額を80%減額する3つの方法」もご覧ください。
まとめ
相続した家には、相続税・登録免許税・固定資産税・譲渡所得税という段階の異なる税金が関わります。相続税の申告期限は知った日の翌日から10ヶ月以内、相続登記は2024年4月の義務化により原則3年以内という期限があるため、まずはこの2つの期限を意識することが大切です。保有し続けるか売却するかによって税負担も変わるため、早めに専門家や不動産会社へ相談し、ご自身の状況に合った選択肢を検討することをおすすめします。
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