結論:不動産売買の金銭の授受は、「契約時に手付金」「決済・引渡し時に残代金」の2回が基本で、現金ではなく銀行振込で行うのが一般的です。高額な取引だからこそ、いつ・誰が・誰に・いくら支払うのかを事前に整理しておくと、当日に慌てることがありません。この記事では、ハウスドゥ茨城(取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗)が、手付金・中間金・残代金の違い、決済当日のお金の動き、現金授受のリスク、領収書や印紙、売主の手取りの考え方まで、はじめての方にもわかりやすく解説します。
不動産売買における金銭の授受とは?基本の考え方
「授受」とは、お金のやり取りのこと
授受(じゅじゅ)とは、物やお金を渡す側と受け取る側の双方向のやり取りを指す言葉です。不動産売買では、買主が売主へ売買代金を支払う動きが中心ですが、実際には仲介手数料、登記費用、固定資産税の精算金など、複数の当事者の間でいくつものお金が動きます。
主なお金の種類は3つ
代金そのものに関わるお金は、大きく分けて手付金、中間金、残代金の3つです。このほかに、仲介手数料、登録免許税や司法書士報酬といった登記関連費用、固定資産税・都市計画税の精算金、ローン関連の費用などが加わります。全体像は下の図のとおりです。

授受のタイミングは「契約」と「決済」が軸
多くの取引では、売買契約を結ぶ日に手付金を、決済・引渡しの日に残代金を支払います。売買の流れ全体は不動産の売買とは?仲介と買取の違い・流れ・費用や税金まで完全ガイドでも整理しているので、あわせて確認してみてください。
手付金|契約時に支払うお金
手付金の役割
手付金は、売買契約の成立を示すために、契約時に買主から売主へ支払うお金です。通常は、残代金を支払う際に売買代金の一部へ充当されます。「契約した」という証拠になるだけでなく、後述する解約手付として、契約解除の目安にもなります。
金額の目安は代金の5〜10%程度
手付金の額に法律上の決まった割合はなく、売主と買主の合意で決まります。実務では売買代金の5〜10%程度とされることが多く、たとえば3,000万円の物件なら150万〜300万円が目安です。ただし、あくまで目安であり、物件や当事者の事情で変わります。売主が宅建業者の場合は、手付金の上限が売買代金の20%までと定められています。
手付金は「解約手付」として扱われるのが一般的
手付金は、買主が手付を放棄するか、売主が手付の倍額を支払うことで、相手方が履行に着手するまでは契約を解除できる「解約手付」として扱われるのが一般的です。詳しい期限や考え方は、解約手付とは?手付解除の期限・放棄と倍返し・返還をわかりやすく解説で解説しています。
売主が宅建業者の場合は保全措置も
売主が宅建業者で、未完成物件などの場合には、手付金等が一定額を超えると保全措置が必要になります。仕組みは手付金等の保全措置とは?対象・限度額・方法をわかりやすく解説を参照してください。個人間の売買や中古住宅の仲介では、通常は関係しません。
中間金|契約と決済の間に支払うお金
中間金は必須ではない
中間金(内金)は、契約から決済までの期間が長い場合などに、契約書の定めに従って支払うお金です。すべての取引にあるわけではなく、新築の建築中や、引渡しまで数か月かかる土地取引などで設定されることがあります。
中間金を設定するときの注意点
中間金を支払う時期や金額は、契約書に明記します。売主にとっては資金計画を立てやすい一方、万一契約が解除された場合の返還ルールが複雑になりがちです。設定する場合は、返還の条件を契約前に必ず確認しましょう。
残代金|決済・引渡しで支払う最後のお金
残代金の支払いと引渡しは同時が原則
残代金は、売買代金から手付金などを差し引いた残りの金額です。決済日に買主が支払い、売主は入金を確認して物件を引き渡し、同時に所有権移転登記の手続きを進めます。「代金の支払い」と「物件の引渡し・登記」を同時に行うことで、双方のリスクを減らします。
決済当日の一般的な流れ
決済は、買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関の応接室などで行うのが一般的です。おおまかな流れは、当事者と司法書士による本人確認と書類の確認、融資の実行と残代金の振込、売主側の入金確認、各種費用の精算、鍵や書類の引渡し、という順番です。
固定資産税・都市計画税の精算
固定資産税と都市計画税は、1月1日時点の所有者に課される税金です。引渡し日を基準に、売主と買主で日割り計算をして精算するのが慣習になっています。この精算金も、決済日に買主から売主へ支払われます。
決済当日に動くお金の早見表
誰が・誰に・何を払うか
決済日には、残代金のほかにも複数のお金が動きます。下の表は、一般的な例を整理したものです。実際の取り扱いは契約書や重要事項説明書によって異なります。

| 項目 | 誰から→誰へ | ポイント |
|---|---|---|
| 残代金 | 買主→売主 | 銀行振込が一般的 |
| 固定資産税等の精算金 | 買主→売主 | 引渡し日を基準に日割り |
| 仲介手数料(残り) | 売主・買主→仲介会社 | 契約時に半額、決済時に残りが一般的 |
| 登記費用・司法書士報酬 | 各自→司法書士 | 抵当権抹消は売主、所有権移転は買主が負担するのが一般的 |
| ローン完済額 | 売主→金融機関 | 残代金から充当するのが一般的 |
仲介手数料の支払い時期
仲介手数料は、売買契約の成立時に半額、決済・引渡し時に残りを支払う形が一般的ですが、会社によって異なります。手数料の上限は速算式で求められます。具体的な計算は不動産売却の仲介手数料計算|3秒シミュレーションで確認できます。仲介の仕組みそのものは不動産仲介業とは|仕組み・仲介手数料・免許と不動産業との違いも参考になります。
現金で授受してもよい?銀行振込が基本の理由
現金の授受は法律で禁止されていないが、リスクが高い
不動産の売買代金を現金で授受すること自体は、法律で禁止されているわけではありません。ただし、数百万〜数千万円の現金を持ち運ぶのは、紛失や盗難、数え間違いのリスクがあり、現実的ではありません。そのため、実務では銀行振込が基本となっています。
振込にすると記録が残る
銀行振込なら、いつ・いくら・誰が支払ったかが客観的に記録に残ります。後日「受け取っていない」「支払ったはず」といった行き違いが起きたときにも、証拠として役立ちます。手付金のような少額でも、できるだけ振込を選び、控えを保管しておくと安心です。
手付金だけ現金で渡す場合の注意
契約の場で手付金を現金で渡す場合は、その場で受領書を受け取り、金額・日付・物件・当事者名が書かれているかを確認します。後で口座に入金して記録を残す、仲介会社の預り金口座を経由するなど、手続きを仲介会社に確認しておくと、トラブルを防げます。
領収書・印紙税の考え方
売買契約書には印紙税がかかる
不動産の売買契約書には、売買金額に応じた印紙税がかかります。軽減措置の適用期限などは見直されることがあるため、最新の税額は不動産売却の印紙税|最新税額早見表と注意点や国税庁の案内で確認してください。
代金の領収書(受取書)について
売買代金を受け取ったときの領収書(受取書)も、金額や記載内容によっては印紙税の課税文書になる場合があります。銀行振込で授受し、振込の控えを証拠とするケースも多く、取り扱いは契約内容や支払い方法によって異なります。迷ったときは、仲介会社や税務署に確認するのが確実です。
授受でよくあるトラブルと防ぎ方
手付金を支払ったのに契約が解除になった
買主が手付を放棄して解除する場合や、売主が倍額を返還して解除する場合など、手付解除のルールは契約書で決まります。住宅ローン特約による白紙解約では手付金が返還されるのが一般的ですが、条件や期限は契約書の記載が優先です。違約金との違いは不動産売買契約の違約金とは?相場・手付解除との違いでわかりやすく解説しています。
決済日に入金が間に合わない
住宅ローンの融資実行が遅れるなどして、決済日に残代金の入金が間に合わない場合、契約違反になるおそれがあります。ローンの審査や必要書類は、余裕を持って準備しておくことが大切です。
精算金の計算ミスや認識違い
固定資産税の日割り精算や、水道光熱費などの精算は、計算方法の認識違いが起きやすい部分です。精算書で計算の根拠を確認し、不明点は決済前に仲介会社へ質問しておきましょう。
売主の手取りはどう決まる?
売却代金から引かれるお金を整理する
売主の手取りは、売却代金から、ローン残債、仲介手数料、登記費用、印紙税、測量費用や解体費用(必要な場合)などを差し引いて計算します。さらに、利益が出た場合は譲渡所得税・住民税がかかり、居住用財産の3,000万円特別控除などの特例が使えるケースもあります。
早めの資金計画がトラブル回避の近道
決済日にいくら入金され、いくら支払うのかを、売却の早い段階で試算しておくと、新居の購入資金や引っ越し費用の計画が立てやすくなります。ハウスドゥ茨城では、手取り額のシミュレーションも無料でお手伝いしています。
手付金の受領・交付と法律のポイント(民法・宅地建物取引業法)
手付金の金額と受領時の確認事項
手付金の金額は、売主と買主の合意で決まります。売主が手付金を受領するときは、金額・受領日・物件・当事者名が記載された受領書を交付するのが一般的です。買主側も、支払った金額と日付が分かる書面や振込の控えを必ず保管しておきましょう。
民法における手付解除(契約解除と倍返し)
民法では、手付を交付した場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供することで契約解除ができると定められています。いわゆる「倍返し」と呼ばれる仕組みで、どちらの方法を選ぶかは、解除する側が自らの意思で決めます。
宅地建物取引業法による手付金の制限
売主が宅地建物取引業者(宅建業者)で、買主が宅建業者でない個人の場合、宅地建物取引業法により、手付金の額は売買代金の20%までと制限されています。また、買主に不利になる特約は無効とされます。個人間の売買では、この制限は直接適用されませんが、金額の目安として参考になります。
マンション・土地・戸建てでも授受の基本は同じ
マンション、戸建て、土地のいずれでも、宅地や建物の売買における金銭の授受の基本は変わりません。ただし、住宅ローンの利用や引渡し時期、内金(中間金)の有無によって、支払いのタイミングが変わります。お金の支払い方に不安があれば、契約前に仲介会社へ相談し、双方の合意内容を契約書に明記しておくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
不動産売買での金銭の授受とは何ですか?
不動産の売買で、買主から売主へ手付金・中間金・残代金などの代金を支払い、あわせて仲介手数料や登記費用、固定資産税の精算金などをやり取りすることをいいます。多くの場合、契約時の手付金と、決済・引渡し時の残代金の2回に分けて授受します。
手付金はいくらが目安ですか?
一般的には売買代金の5〜10%程度が目安といわれますが、法律で一律に決まっているわけではなく、売主と買主の話し合いで決まります。売主が宅地建物取引業者の場合は、手付金の上限が売買代金の20%までと定められています。
不動産売買の代金は現金で受け渡してもよいですか?
法律で禁止されているわけではありませんが、高額になるため、安全面や記録の面から銀行振込で行うのが一般的です。決済は金融機関などで、振込の入金確認をしたうえで物件を引き渡す流れが多く、現金の持ち歩きは避けるのが無難です。
決済当日、売主は何にお金を使いますか?
売却代金から、住宅ローンが残っていればその完済、抵当権の抹消登記費用、仲介手数料の残り、場合によっては解体費用や測量費用などを精算するのが一般的です。差し引いた残りが手取り額になります。
領収書や印紙は必要ですか?
売買契約書には印紙税がかかります。代金を受け取ったときの領収書(受取書)も、金額や形式によっては課税文書になる場合があります。取り扱いは契約内容や支払い方法で変わるため、仲介会社や国税庁の案内で確認すると安心です。
手付金は返してもらえますか?
買主が手付を放棄する、あるいは売主が倍額を支払うことで、相手方が契約の履行に着手する前であれば契約を解除できるのが「解約手付」の仕組みです。ローン特約による白紙解約など、契約書の定めで手付金が返還されるケースもあります。
手付金の受領に関する質問
売主が手付金を受け取るときは、受領書の交付と、手付金の性質を契約書に明記することが大切です。詳しくは上の「手付金の受領・交付と法律のポイント」もご覧ください。
茨城県の不動産売却はハウスドゥ茨城へ
金銭の授受の不安も、担当者が一つずつ整理します
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