親から住宅取得資金の贈与を受けて非課税の特例を使うには、贈与を受けた翌年に必ず贈与税の申告をしなければなりません。住宅取得資金の贈与の非課税|要件と申告の全体像は理解していても、実際に申告書を書こうとすると「結局どの書類を、どこで、いつまでに集めればいいのか」でつまずく人が多いのが実情です。この記事では、住宅取得資金の贈与の非課税特例を申告するときに必要な書類を、取得先・省略できるケース・準備の順番まで含めて具体的に解説します。
住宅取得資金の贈与は「申告書+添付書類」がそろって初めて非課税になる
住宅取得資金の贈与の非課税特例(措置法70条の2)は、要件を満たしているだけでは適用されません。贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、戸籍の謄本や契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。添付書類が1つでも欠けていると、税務署から追完を求められて手続きが長引いたり、最悪の場合は申告期限に間に合わず非課税の適用を受けられなくなったりするおそれがあります。
必要書類一覧【早見表】
住宅取得資金の贈与の非課税特例で必要になる主な書類は、次のとおりです。
- 贈与税の申告書(第一表)
- 住宅取得等資金の非課税の計算明細書(申告書第一表の二)
- 受贈者の戸籍の謄本(贈与者との続柄がわかるもの)
- 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
- 源泉徴収票など合計所得金額を証明する書類
- 新築・取得の契約書の写し(売買契約書または工事請負契約書)
- 土地・建物の登記事項証明書(一定の場合は添付省略可)
- 【省エネ等住宅の場合のみ】住宅性能証明書などの証明書類
- 【増改築等の場合のみ】確認済証の写し・検査済証の写し・増改築等工事証明書のいずれか

以下、それぞれの書類について、どこで手に入るか・注意点は何かを詳しく見ていきます。
戸籍関係の書類
受贈者の戸籍の謄本
贈与者(親や祖父母)と受贈者(子や孫)の続柄を証明するために必要です。本籍地の市区町村役場の窓口のほか、マイナンバーカードがあればコンビニ交付、遠方であれば郵送請求でも取得できます。令和6年以降は戸籍謄本の広域交付制度により、本籍地以外の市区町村役場でも一定範囲の戸籍を取得できるようになりました。
本人確認書類
マイナンバー(個人番号)を記載した申告書を提出する際は、マイナンバーカードなど一定の本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。マイナンバーカードがない場合は、通知カードと運転免許証など「番号確認書類」と「身元確認書類」の組み合わせでも対応できます。
契約書・登記関係の書類
売買契約書・工事請負契約書の写し
住宅の新築や取得、増改築等の対価として住宅取得等資金を充てたことを示すために、不動産会社や施工会社と交わした契約書の写しを添付します。契約書を紛失している場合は、契約した不動産会社やハウスメーカーに再発行を依頼できることが多いため、早めに相談しておくと安心です。
登記事項証明書は添付を省略できる場合がある
土地・建物の登記事項証明書は本来必要な書類ですが、贈与税の申告書に不動産番号を記載することで、添付を省略できます。不動産番号は登記事項証明書や固定資産税の納税通知書などで確認できるため、一度取得した登記事項証明書があれば、そこに記載された不動産番号を申告書に書き写すだけで済み、再度法務局へ足を運ぶ手間を省けます。証明書自体が必要な場合も、登記所の窓口・郵送に加えて、法務局のオンライン請求サービスを使えば手数料を抑えつつ自宅から請求できます。
住宅の性能や工事内容を証明する書類(該当する人のみ)
省エネ等住宅として1,000万円の非課税枠を使う場合
非課税限度額は、省エネ等住宅であれば1,000万円、それ以外の一般住宅であれば500万円です。省エネ等住宅として高い方の非課税枠を使うには、住宅性能証明書など、一定の省エネルギー性能・耐震性能・バリアフリー性能のいずれかを満たすことを証明する書類を申告書に添付する必要があります。証明書は住宅会社や登録住宅性能評価機関に発行を依頼するのが一般的で、新築の引き渡し前後に取得しておくとスムーズです。
増改築等の場合に追加で必要な書類
増改築等で非課税の特例を使う場合は、工事が一定の要件に該当することを「確認済証の写し」「検査済証の写し」「増改築等工事証明書」のいずれかで証明する必要があります。また増改築等に要した費用が100万円以上であることも要件のため、工事請負契約書や領収書もあわせて保管しておきましょう。
書類はいつまでに準備すればいい?申告スケジュールの目安
非課税の特例の申告期限は、贈与を受けた年の翌年3月15日までです。戸籍謄本や登記事項証明書は郵送請求だと数日から2週間程度かかることがあり、確定申告シーズンの2月〜3月は税務署や金融機関の窓口も混み合います。住宅の引き渡しを受けたら、契約書や登記関連の書類はコピーを取って早めに手元にまとめておき、年明け1月中には戸籍謄本の請求に着手しておくと、期限直前に慌てずに済みます。
提出先と提出方法
申告書と添付書類は、受贈者の納税地(原則として住所地)を所轄する税務署に提出します。窓口への持参・郵送のほか、国税電子申告・納税システム(e-Tax)を使えばオンラインでも提出可能です。e-Taxを利用する場合も、戸籍謄本や契約書の写しなど紙の証明書類はスキャンしてPDFなどで添付するか、別途「添付書類等」として郵送・持参する必要がある書類があるため、事前に国税庁の手引きで対象書類を確認しておくと安心です。
書類に不備があるとどうなる?期限に間に合わないときの注意点
添付書類に不備があると、税務署から追加提出や補正を求められることがあります。軽微な不備であれば期限後でも対応できるケースはありますが、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した申告書自体を期限内に提出していないと、原則として特例は適用されず、贈与税が課税されてしまいます。「書類がそろわないから申告を先延ばしにする」のではなく、まずは期限内に申告書を提出し、不足書類は税務署の案内に従って追完する、という順番を意識しておくことが重要です。
必要書類の準備、自分でやる?専門家に頼む?
戸籍謄本の取得や登記事項証明書の確認程度であれば、自分で対応できる人がほとんどです。一方で、増改築の要件確認や省エネ等住宅の証明書取得、相続時精算課税との併用判断など制度の細かい部分が絡む場合は、税理士や、登記・住宅性能証明に詳しい司法書士・建築士などの専門家に相談した方が、書類の不備や適用要件の見落としを防げます。当社ハウスドゥ茨城グループでも、住宅取得資金の贈与を受けて茨城県内で不動産を購入・買い替えされる方から、必要書類や手続きの流れについてご相談をいただくことがあります。税務判断そのものは税理士のご案内となりますが、契約書や登記関係の書類がそろっているかどうかの確認、司法書士のご紹介などはお気軽にご相談ください。
なお、住宅ローン控除など他の制度とあわせて活用したい場合は、住宅取得資金の贈与は住宅ローン控除と併用できる?計算方法と注意点2つもあわせてご確認ください。
よくある質問
Q1. 戸籍謄本はコピーでも大丈夫ですか?
原本の提出が基本ですが、マイナンバーカードを使ったコンビニ交付や郵送請求で取得したものであれば、そのまま提出用として利用できます。念のため提出前にコピーを取って手元に控えを残しておくことをおすすめします。
Q2. 登記事項証明書の代わりに不動産番号だけ書けば本当に省略できますか?
贈与税の申告書に不動産番号を正しく記載すれば、登記事項証明書そのものの添付を省略できます。不動産番号は登記事項証明書や登記識別情報通知、固定資産税の課税明細書などで確認できます。
Q3. 契約書を紛失してしまいました。どうすればいいですか?
契約した不動産会社やハウスメーカー、工務店に再発行を依頼できる場合が多いです。仲介した不動産会社の控えが残っていることもあるため、早めに問い合わせておきましょう。
Q4. 必要書類はすべて原本でそろえないといけませんか?
契約書は「写し」の添付で構いません。一方、戸籍謄本や住宅性能証明書などは原本の提出を求められるのが一般的です。詳細は提出先の税務署の手引きで確認してください。
Q5. マイナンバーカードを持っていない場合はどうすればいいですか?
マイナンバーカードがない場合は、通知カードなどの番号確認書類と、運転免許証などの身元確認書類を組み合わせて提出することで対応できます。
Q6. 必要書類の準備が申告期限に間に合いそうにありません。
まずは早めに所轄の税務署へ相談してください。書類が完全にそろっていなくても、期限内に申告書を提出したうえで、不足分を追って提出できる場合があります。自己判断で申告そのものを遅らせてしまうと、非課税の特例が受けられなくなるリスクが高くなります。
まとめ
住宅取得資金の贈与の非課税特例は、要件を満たすだけでなく「申告書+必要書類」を期限内にそろえて提出して初めて適用されます。戸籍謄本・本人確認書類・契約書の写し・登記事項証明書(または不動産番号の記載)を基本に、省エネ等住宅や増改築等の場合は追加の証明書類が必要になる点を押さえ、贈与を受けたら早めに準備を始めましょう。書類の準備や住宅の購入・買い替えに関するご相談は、ハウスドゥ茨城グループの各店舗まで、お気軽にお問い合わせください。
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