結論:地積更正登記(ちせきこうせいとうき)とは、登記簿に載っている土地の面積が実際の面積と違うときに、法務局の記録を実測値に直す手続きです。登記簿の面積と実際の面積がずれていても、直ちに問題になるとは限りませんが、土地を売るとき・分筆するとき・相続するときに、この差が大きなトラブルの種になります。登録免許税はかからず、費用の中心は土地家屋調査士への報酬と測量費で、目安は30万円〜80万円程度、期間は測量から登記完了まで数か月が目安です。この記事では、地積更正登記の意味、必要になる場面、必要書類、費用の相場、期間、申請の流れ、やらないデメリット、自分でできるのかまで、茨城県のハウスドゥがわかりやすく解説します。
地積更正登記とは?登記簿の面積と実際の面積を合わせる手続き
地積更正登記の意味と読み方
地積更正登記の読み方は「ちせきこうせいとうき」です。「地積」とは土地の面積のこと、「更正」とは誤りを正すことを意味します。つまり、法務局に備え付けられた登記記録(登記簿)の表題部にある土地の面積を、正しい実測面積に訂正するための登記です。権利の登記(所有権の移転や抵当権など)ではなく、土地の物理的な状況を記録する「表示に関する登記」に分類されます。
登記簿の面積と実測面積がずれる主な原因
面積のずれが生じる主な原因は、昔の測量精度の低さです。明治時代の地租改正のころに作られた土地台帳をもとにした古い土地では、実際より狭く登記された「縄縮み(なわちぢみ)」や、反対に実際より広く登記された「縄伸び(なわのび)」が見られます。ほかにも、分筆や合筆の際の計算ミス、地形の変化、測量方法の違いなどが原因になります。茨城県でも、古くからの農地・山林・分譲地などでは、登記簿面積と実測の差が出やすい傾向があります。
地積更正登記と分筆登記・表題登記との違い
地積更正登記は「すでにある土地の面積を直す」手続きです。これに対して、分筆登記は1筆の土地を複数に分ける登記、表題登記は新しく建物や土地の登記記録をつくる最初の登記です。建物側の登記については、建物の登記とは?表題登記・保存登記の違いや、表題登記とは?表示登記との違いで詳しく解説しています。
地積更正登記が必要になる場面と「しない」とどうなるか
土地を売却するとき
もっとも多いのが売却の場面です。買主が土地の購入にあたって確定測量を求めたり、住宅ローンの審査で境界や面積の確認が必要になったりします。測量の結果、登記簿の面積と実測面積に大きな差があれば、売却前に地積更正登記をしておくとスムーズです。売却全体の費用は不動産売却の費用目安はいくら?もあわせてご覧ください。
分筆・相続・隣地との境界確定のとき
土地の一部を売るために分筆するとき、登記簿の面積と実測面積の差が大きいと、先に地積更正登記が必要になる場合があります。また、相続した土地を分けたり、売却したりするときにも、面積を正確にしておくことが役立ちます。隣地との境界がはっきりしないときは、境界確定の作業の流れで、あわせて更正登記を行うことがあります。茨城県内の境界問題の実情は、茨城県の境界未確定土地の実情が参考になります。
地積更正登記をしないデメリット
地積更正登記をしない場合のデメリットは、主に次の3つです。1つ目は、売却時に買主から面積の差を指摘され、価格交渉や契約の解除につながること。2つ目は、融資の審査で担保評価が下がる、または融資が受けられないこと。3つ目は、隣地との境界トラブルを先送りにして、将来さらに解決が難しくなることです。一方で、公差の範囲内であれば、更正登記をしないまま売却できるケースもあります。
地積更正登記をするメリット
メリットは、登記簿の面積が正確になり、買主や金融機関への説明がしやすくなることです。隣地所有者との間で筆界(土地の境)の確認が済んでいるため、境界トラブルの予防になります。さらに、実測面積が登記簿より大きかった場合は、売却価格に反映できる可能性があります。ただし、面積が増えると、固定資産税や相続税評価額などに影響する場合があるため、税務面も事前に確認しておきましょう。
地積更正登記の申請人・誰がやる?義務はあるのか
申請人は土地の所有者
地積更正登記の申請人は、原則としてその土地の所有者(表題部所有者または所有権の登記名義人)です。土地を複数人で共有している場合は、共有者全員で申請するのが基本で、共有者の一部の申請で足りる扱いもあるため、土地家屋調査士に確認しましょう。相続登記が済んでいない土地は、先に相続登記を行う必要がある場合があります。
実際に手続きをするのは土地家屋調査士
誰がやるのかといえば、測量・図面作成・申請の代理は、法律上「土地家屋調査士」の専門領域です。所有者が自分で行うことも法的には可能ですが、実務上は調査士に委任するのが一般的です。依頼するときは委任状に実印を押す場合があります。
地積更正登記に申請の義務はあるのか
土地の地目変更や分筆のように、期限内の申請義務がある「変更登記」と異なり、地積更正登記は、一般に期限や罰則の定めがない任意の手続きとされています。ただし、売却・分筆・融資などで必要になる場面が多いため、実務上は「いつかは必要になる手続き」と考えておくとよいでしょう。制度の運用は変わることがあるため、最新の扱いは法務局や土地家屋調査士に確認してください。
地積更正登記の必要書類と申請書記載例
主な必要書類の一覧
必要書類は、土地の状況によって変わりますが、一般的には次のとおりです。①登記申請書、②地積測量図、③筆界確認書(隣地所有者の確認を得たことがわかる書類)、④登記原因証明情報、⑤委任状(代理人に依頼する場合)、⑥所有者の本人確認に関する書類(印鑑証明書など)です。ほかに、公図や登記事項証明書など、調査のための資料も必要になります。
地積測量図とは
地積測量図とは、土地の形・各辺の長さ・面積・境界点の位置などを記した図面で、法務局に備え付けられ、誰でも写しの交付を受けられます。地積更正登記では、新しく作成する地積測量図が、更正後の面積の根拠になります。すでに法務局にある測量図の取得は、数百円程度の手数料で行えます。
申請書の書き方と記載例のポイント
申請書には、登記の目的(「地積更正」)、登記原因(「錯誤」など)、不動産の表示(所在・地番・地目・更正前の地積・更正後の地積)、申請人、添付情報、代理人などを記載します。記載例は法務局のホームページに掲載されていますが、土地の状況によって記載が変わるため、書き方に迷ったら調査士に任せるのが安全です。
地積更正登記の費用の相場と登録免許税
登録免許税はかからない
地積更正登記のような「表示に関する登記」は、登録免許税がかかりません。したがって、法務局に支払う費用は、書類の交付手数料くらいです。登記費用の大半は、専門家への報酬と測量にかかる実費で占められます。
土地家屋調査士への報酬と測量費の目安
費用の相場は、土地の広さ、形、隣接地の数、境界標の有無、官民境界の協議の有無によって大きく変わります。一般的な住宅地で、確定測量から更正登記までをまとめて依頼した場合は、30万円〜80万円程度が目安といわれます。隣地が多い、道路や水路などの官有地に接している、山林や農地で面積が広い場合は、さらに高くなることがあります。
| 項目 | 費用の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 確定測量・地積測量図の作成 | 数十万円程度 | 隣接地の数・土地の広さで変動 |
| 地積更正登記の申請報酬 | 数万円〜10万円台 | 調査士事務所により異なる |
| 登録免許税 | 0円 | 表示に関する登記は非課税 |
| 官民境界の協議・立会 | 状況による | 道路・水路に接する場合に発生 |
※上記はあくまで一般的な目安です。実際の金額は、現地の状況と依頼先によって異なります。
費用を抑えるコツと見積りの取り方
費用を抑えるには、複数の土地家屋調査士事務所から見積りを取り、内訳を比較するのが基本です。すでに隣地所有者との境界確認ができている場合や、過去の測量図が残っている場合は、作業が減って費用が下がることがあります。売却を前提にするなら、不動産会社に相談して、測量の要否を先に確認すると無駄が出にくくなります。
地積更正登記の期間と申請の流れ
全体の期間は数か月が目安
法務局に申請してから登記が完了するまでは、補正がなければ1〜2週間程度が目安です。ただし、その前に、現地調査、測量、隣地所有者の立会いと確認、官民境界の協議といった工程があり、全体の期間は数か月かかるのが一般的です。売却のスケジュールが決まっている場合は、余裕を持った計画が必要です。
申請の流れ6ステップ
流れは次の6ステップです。①土地家屋調査士への相談・依頼、②資料調査(公図・登記簿・過去の測量図)、③現地での確定測量、④隣地所有者・官民境界の立会いと筆界確認、⑤地積測量図の作成と申請書類の準備、⑥法務局への申請と登記完了です。

法務局での審査と注意点
申請を受けた法務局の登記官は、書類の内容を審査し、必要に応じて現地調査を行います。面積の増減が大きい場合や、隣地の確認書類が不十分な場合は、補正を求められたり、却下されたりすることがあります。管轄は土地の所在地で決まり、茨城県では水戸地方法務局とその支局・出張所が窓口です。
地積更正登記と確定測量・公差(誤差の範囲)
確定測量とは
確定測量とは、隣地所有者や道路・水路の管理者の立会いを得て、境界を確認したうえで行う測量です。地積更正登記の前提になる、もっとも重要な工程で、結果は境界確認書(筆界確認書)として書面に残ります。
公差とは?誤差が許容される範囲
測量には必ず誤差が生じるため、法令(不動産登記規則)では、土地の地域区分や面積に応じて許される誤差の限度「公差」が定められています。実測面積と登記簿面積の差が公差の範囲内であれば、一般に更正登記は不要とされます。公差表は法務局や土地家屋調査士に確認できます。
筆界と所有権界の違い
筆界とは、登記上の土地の境界で、所有者同士の合意だけで動かせません。一方の所有権界は、所有者間の話し合いで決められる境です。地積更正登記では、筆界を確認することが前提で、隣地との合意があっても筆界と異なる場合は申請できません。
公簿売買と実測売買|売却時の地積更正登記の考え方
公簿売買とは
公簿売買とは、登記簿に記載された面積を基準に売買代金を決める方法です。実測面積と差があっても、代金を精算しない特約を付けるのが一般的で、売主は測量費用をかけずに済みます。茨城県の郊外にある古い土地や広い土地の売買で、広く採用されています。
実測売買とは
実測売買とは、実際に測量した面積を基準に、価格を決める売買方法です。実測面積が契約書の面積と違えば、単価をもとに精算します。買主にとっては安心ですが、売主は確定測量の費用と時間を負担する必要があります。

売却前に地積更正登記をしておくべきケース
買主が確定測量を条件にしている、融資が実測面積を基準にしている、登記簿との差が公差を超えそうだ、隣地との境界があいまいだ、といった場合は、売却前の更正登記が有効です。売却手続き全体の考え方は、不動産の売買とは?仲介と買取の違い・流れをご覧ください。敷地の考え方については敷地とは?も役立ちます。
地積更正登記は自分でできる?共有名義・隣地が協力しないとき
自分で申請する場合の難しさ
本人申請は可能ですが、地積測量図の作成には測量機器と専門知識が必要で、隣地所有者との交渉や官民境界の協議も自分で行う必要があります。書類の不備で補正や却下になると、かえって手間と時間がかかるため、一般には調査士に依頼するほうが確実です。
共有名義の土地の場合
共有の土地では、共有者間の意思確認が必要です。共有者のうち一人が反対、または連絡が取れない場合は、手続きが止まる原因になります。共有持分の売却や相続が絡むときは、先に整理しておくと安心です。
隣地が協力してくれない場合
隣地所有者が立会いや署名を拒む場合は、法務局の筆界特定制度を利用する方法や、境界確定訴訟を起こす方法があります。ただし、費用も時間もかかるため、まず土地家屋調査士や不動産会社に相談し、現実的な進め方を決めましょう。
地積更正登記の概要を取引・現況・図面の関係から整理
現況測量と確定測量の違い
土地の現況(いま実際にある状態)を測るだけの現況測量は、隣地所有者の立会いを伴わないため、地積更正登記の根拠にはなりません。登記に使えるのは、境界の確認を経た確定測量による図面です。取引の場面で「測量済み」と言われても、どちらの測量か確認しておくと安心です。
専門家・事務所との関係と業務範囲
土地家屋調査士の業務は、表示に関する登記の申請代理と、そのための土地の調査・測量です。これに対して、所有権移転などの権利の登記は司法書士の業務で、両者の関係を知っておくと依頼先を間違えません。事務所ごとに得意分野や対応エリアが異なるため、相談時に類似の事例を確認するのも一つの方法です。
手続きが難しいと感じたときの対応
資料の収集や隣地との交渉が難しいと感じたら、まず不動産会社や専門家に相談して、必要な図面や資料の整理から始めましょう。概要を把握してから動くだけでも、不動産取引でのやり直しや余計な費用を減らせます。
茨城県で地積更正・境界確認が必要な土地を売るなら
茨城県は、古くからの農地・山林・分譲地が多く、登記簿面積と実測面積の差や、境界があいまいな土地が少なくありません。ハウスドゥは、茨城県内の取手・守谷・つくば・水戸の4店舗で、不動産の売却・買取のご相談をお受けしています。測量や登記が必要かどうか分からない段階でも、土地の所在地と状況をお知らせいただければ、売却に向けた進め方をご案内します。測量済みでない土地や、境界がはっきりしない土地も、状況に応じた売却方法をご提案します。
土地の売却・買取のご相談は無料です。お電話(0120-565-072)、またはお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
地積更正登記に関するよくある質問(FAQ)
Q. 地積更正登記とは何ですか?
登記簿に記載された土地の面積(地積)が実際の面積と違うときに、法務局の登記記録を実測に合わせて直す手続きです。土地家屋調査士が測量して地積測量図をつくり、隣地所有者の確認を得たうえで申請します。
Q. 地積更正登記は義務ですか?しないとどうなりますか?
土地の面積を変更するだけの更正登記は、一般に期限や罰則の定めがない任意の手続きとされています。ただし、売却・分筆・相続などの場面で、買主や金融機関から求められて必要になることがあります。しないまま放置すると、売却時に面積の差でトラブルになるおそれがあります。
Q. 地積更正登記の費用の相場はいくらですか?
登録免許税はかからず、費用の大半は土地家屋調査士への報酬と測量費です。土地の広さや隣接地の数、官民境界の協議の有無で変わり、一般的には30万円〜80万円程度が目安といわれます。必ず複数の事務所で見積りを取りましょう。
Q. 地積更正登記は自分でできますか?
本人申請は法律上可能ですが、地積測量図の作成、隣地所有者の筆界確認、官民境界の協議など専門性が高く、現実的には土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
Q. 地積更正登記にかかる期間はどのくらいですか?
法務局への申請から登記完了までは1〜2週間程度が目安ですが、測量、隣地の立会い、官民境界の協議を含めると、全体で数か月かかることがあります。売却を予定している場合は、早めの着手が大切です。
Q. 隣地の所有者が協力してくれないときはどうなりますか?
筆界確認書への署名・押印が得られないと、申請が受理されない、または認められない場合があります。その場合は、法務局の筆界特定制度や、裁判所での境界確定訴訟などの手段がありますが、時間と費用がかかるため、まず土地家屋調査士に相談してください。
Q. 現況測量と確定測量はどう違いますか?
現況測量は現在の土地の状態を測るもので、隣地の立会いは不要です。確定測量は隣地所有者や道路管理者の立会いで境界を確認する測量で、地積更正登記には確定測量の結果が必要になります。
Q. 登記簿の面積のまま土地を売ってもよいですか?
売れます。登記簿の面積で価格を決める「公簿売買」なら、実測との差があっても精算しない契約が可能です。ただし、買主の要望や融資条件で確定測量が必要になることがあり、後から面積の差でもめないよう、契約書に取り決めを明記しておく必要があります。
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