茨城県で住宅を購入・売却する際、多くの方が向き合うのが住宅ローンです。県内には全国的な都市銀行だけでなく、地元に根差した地方銀行(常陽銀行・筑波銀行)や信用金庫・信用組合が数多く存在し、それぞれ特徴の異なる住宅ローンを扱っています。本記事では、帝国データバンクや住宅金融支援機構など公的・専門機関の一次データをもとに、茨城県における住宅ローンの窓口事情を整理します。金利の優劣を比較するものではなく、「県内でどの金融機関がどのような役割を担っているか」という地域構造を理解し、住宅購入・住み替え・売却の判断材料にしていただくことが目的です。
茨城県の住宅ローン事情を知っておくべき理由
住宅ローンは数千万円単位の長期契約であり、どの金融機関を窓口にするかによって金利タイプの選択肢や審査の進み方が変わります。特に茨城県のように地方銀行・信用金庫の存在感が大きい地域では、全国一律の情報だけでなく、県内特有の金融機関の勢力図を把握しておくことが、住宅取得や住み替えの計画を立てるうえで役立ちます。
県単位でまとめる意味
住宅ローンの金利や商品性は日々変動し、地域によって取扱金融機関にも差があります。本記事では市町村ごとの違いではなく、茨城県全体でどのような金融機関が住宅ローンの主な窓口になっているかを一次資料から整理します。個別の市町村における店舗網の詳細は、各地域を担当する店舗サイトもあわせてご参照ください。
茨城県内企業のメインバンク動向|地方銀行の存在感
住宅ローンそのものの県別集計は公表資料が限られていますが、茨城県内における金融機関の相対的な存在感を知る一次情報として、帝国データバンク水戸支店が毎年公表している「メインバンク動向調査」があります。これは個人の住宅ローンではなく、県内企業がどの金融機関を主要取引先と認識しているかを示すデータですが、地域における金融機関の勢力図を把握するうえで参考になります。
2025年調査の結果
2025年10月末時点の企業データベース「COSMOS2」(茨城県内企業約2.9万社収録)をもとにした帝国データバンク水戸支店の調査によると、茨城県内企業のメインバンクとして最も多く選ばれているのは常陽銀行で、シェアは46.56%(1万3672社)でした。業種別・売上規模別のいずれで見ても常陽銀行がトップという結果です。
上位5行で86%超という集中度
同調査では、上位5位までの金融機関がすべて茨城県内に本店を置く地元金融機関で占められ、合計シェアは86%を超えるとされています。全国型のメガバンクよりも地元金融機関が中小企業取引の中心にあるという、地方県特有の構造がうかがえます。

2位以下の顔ぶれ
2024年時点の同種調査(対象企業約2.9万社)では、2位が筑波銀行(18.73%)、3位が茨城県信用組合(10.75%)、4位が水戸信用金庫(7.62%)、5位が結城信用金庫(3.69%)という順でした。2025年調査でも上位の顔ぶれは概ね同様の傾向が続いています。筑波銀行は前年比の増加社数が最も多かった金融機関としても紹介されています。
企業向けデータであることの留意点
ここで紹介したのはあくまで「企業のメインバンク」としての調査結果であり、個人の住宅ローン利用実績の統計ではありません。ただし、地域内での金融機関同士の相対的な存在感を知る手がかりとして、住宅ローンの窓口選びの参考情報になります。
茨城県の主な金融機関一覧
一般社団法人全国銀行協会が公開する「銀行の店舗を探す」(都道府県別支店検索)によると、茨城県に支店を持つ銀行は都市銀行・地方銀行・県外地銀・ネット銀行を含め15行にのぼります(2026年時点)。このうち茨城県に本店を置く地方銀行は常陽銀行(金融機関コード0130)と筑波銀行(金融機関コード0131)の2行です。
常陽銀行
水戸市に本店を置く地方銀行で、県内最大の店舗網を持ちます。前述のとおり企業のメインバンクシェアで県内トップです。
筑波銀行
土浦市に本店を置く地方銀行です。県南・県西エリアを中心に店舗を展開し、企業のメインバンクシェアでは県内2位につけています。
信用金庫・信用組合
水戸信用金庫、結城信用金庫、茨城県信用組合など、県内には複数の信用金庫・信用組合があり、地域や業種に応じた個人向け住宅ローンを取り扱っています。全国的な地方銀行と比較して、より地域密着型の審査・相談対応を特徴とすることが多いとされます。
都市銀行・ネット銀行
みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行などの都市銀行も茨城県内に支店を構えています。近年は店舗を持たないネット銀行・ネット専業の住宅ローンを利用する動きも全国的に広がっており、金利水準の比較材料として選択肢に入る場合があります。
フラット35の取扱いと茨城県
住宅金融支援機構が扱う全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」は、直接融資ではなく提携する取扱金融機関を通じて契約します。同機構が公開する「取扱金融機関」一覧(2025年5月7日更新)では、関東・甲信越地方のブロックに常陽銀行(茨城県)が明記されています。
フラット35を検討する際の注意点
取扱金融機関一覧や金利は変更されることがあるため、実際の申込みにあたっては住宅金融支援機構の公式サイトまたは各金融機関の窓口で最新情報を必ず確認してください。フラット35は融資実行時の金利が適用される全期間固定金利型で、変動金利型とは商品性が異なります。
変動金利と固定金利の考え方
住宅ローンには大きく分けて、市中金利の変動に応じて返済額が変わる「変動金利型」と、契約時点の金利が完済まで変わらない「全期間固定金利型(フラット35など)」、一定期間だけ固定する「固定期間選択型」があります。どのタイプを選ぶかは、返済期間の長さやライフプラン、金利上昇時のリスク許容度によって異なるため、複数の金融機関で試算してから判断することをおすすめします。
住宅ローンの窓口を選ぶときの視点
茨城県内で住宅ローンの窓口を選ぶ際、金利の高低だけでなく、次のような視点で比較検討すると判断しやすくなります。
視点1:店舗網とアクセス
常陽銀行・筑波銀行はいずれも県内に広い店舗網を持ち、相談窓口へのアクセスがしやすい点が特徴です。信用金庫・信用組合も本店周辺エリアでの相談対応に強みがあります。
視点2:勤務先・事業とのつながり
給与振込口座や事業用口座として日頃取引のある金融機関は、審査時に取引実績を考慮してもらえる場合があります。地方銀行・信用金庫は特に地域内の取引実績を重視する傾向があるとされます。
視点3:団体信用生命保険の内容
住宅ローン契約時にセットとなる団体信用生命保険(団信)は、金融機関や商品によって保障範囲・保険料の扱いが異なります。金利だけでなく団信の内容も比較材料に含めることが重要です。
視点4:繰上げ返済・借り換えのしやすさ
将来的な繰上げ返済や他行への借り換えを想定する場合、手数料体系や手続きの柔軟性も金融機関によって異なります。契約前に確認しておくと安心です。
住み替え・売却時に住宅ローンで気をつけたいこと
不動産の売却を検討する際、住宅ローンが残っている状態(残債あり)での売却には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
抵当権の抹消手続き
住宅ローンを利用して購入した不動産には、金融機関による抵当権が設定されています。売却時には売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する登記手続きが必要です。この手続きは司法書士が担うのが一般的で、決済日にあわせて金融機関・司法書士・買主・売主の関係者が同席して進めます。
オーバーローンの場合の選択肢
売却代金だけではローンを完済できない「オーバーローン」の状態では、自己資金での補填や、金融機関の同意を得て売却を進める「任意売却」という方法があります。早い段階で契約中の金融機関と当社の双方に相談することで、選択肢を広げられる可能性があります。
借り換えを検討するタイミング
売却せず住み続ける場合でも、契約時より金利情勢が変わっていれば、他の金融機関への借り換えによって総返済額を抑えられる可能性があります。借り換えには事務手数料や登記費用がかかるため、削減できる利息額とのバランスを確認して判断します。
茨城県内で住宅ローンを組む3つの窓口タイプ
ここまで見てきた内容を、窓口のタイプ別に整理します。

地方銀行(常陽銀行・筑波銀行)
県内最大級の店舗網を持ち、住宅ローンのメニューも幅広いのが特徴です。フラット35の取扱いもあり、選択肢の多さが強みです。
信用金庫・信用組合
水戸信用金庫・結城信用金庫・茨城県信用組合などが県内に本店を構え、地域密着型の相談対応を行っています。個人事業主や中小企業に勤める方の相談先としても利用されています。
都市銀行・ネット銀行
全国一律の審査基準・金利メニューが特徴で、店舗を持たないネット銀行は近年金利面で選択肢に入ることが増えています。
茨城県4店舗への相談窓口
当社は茨城県内で4店舗(つくば研究学園都市・県庁水戸・取手戸頭・守谷)を運営しており、住宅ローンの相談を含め、不動産の売却・購入に関するご相談を承っています。住宅ローンの残債がある物件の売却や、住み替えに伴う借り換えのご相談も、地域ごとの担当店舗にてお気軽にご相談ください。
つくば市・研究学園エリアの方
つくば市周辺の不動産売却・住み替えについては、ハウスドゥ つくば研究学園都市店がご相談を承ります。
水戸市・県央エリアの方
水戸市を中心とした県央エリアについては、ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸がご相談を承ります。
取手市・県南エリアの方
取手市周辺のご相談は、ハウスドゥ 取手戸頭にお問い合わせください。
守谷市・つくばみらい市周辺の方
守谷市・つくばみらい市周辺のご相談は、ハウスドゥ 守谷にお問い合わせください。
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よくある質問
Q. 茨城県で住宅ローンを組むなら地方銀行と信用金庫のどちらがいいですか?
一概にどちらが良いとは言えません。地方銀行(常陽銀行・筑波銀行)は取扱店舗数が多く金利メニューも幅広い一方、信用金庫・信用組合(水戸信用金庫・結城信用金庫・茨城県信用組合など)は地域や勤務先とのつながりを審査で重視する傾向があります。複数の窓口で事前審査を受け、金利だけでなく団体信用生命保険の内容や手数料も比較することをおすすめします。
Q. 常陽銀行が茨城県で選ばれている理由は何ですか?
帝国データバンク水戸支店の調査(2025年)によれば、常陽銀行は茨城県内企業のメインバンクとして46.56%のシェアを持ち、業種・売上規模を問わずすべてでトップです。県内に長年にわたる支店網を持ち、地元での取引実績が豊富であることが背景にあります。ただし企業のメインバンクシェアと個人の住宅ローン利用実績は同じ調査ではないため、住宅ローンの金利・条件は必ず個別に確認してください。
Q. フラット35は茨城県のどの金融機関で申し込めますか?
住宅金融支援機構の「取扱金融機関」一覧(2025年5月7日更新)によると、関東・甲信越地方の取扱金融機関として常陽銀行(茨城県)が明記されています。このほか全国対応の都市銀行やモーゲージバンク、ネット銀行の窓口でも申し込みが可能です。取扱いの有無や金利は変更されることがあるため、申込み前に各金融機関または住宅金融支援機構の公式サイトで最新情報を確認してください。
Q. 住宅ローンの審査に地元の金融機関を使うメリットはありますか?
地方銀行や信用金庫は、勤務先や物件所在地が地域内であることを審査上のプラス材料とする場合があります。特に自営業者や地域密着企業に勤める方は、全国一律の審査基準を持つメガバンクよりも柔軟な相談に応じてもらえるケースがあるとされます。ただし最終的な可否・金利は各金融機関の個別審査によるため、一律の保証はできません。
Q. 売却で住宅ローンが残っている場合、地元金融機関に相談すべきですか?
はい。住み替えや売却でローンの一括返済・借り換えが必要になる場合、現在契約している金融機関(地方銀行・信用金庫等)にまず残債と抵当権抹消の手続きを確認するのが基本です。売却代金でローンを完済できない「オーバーローン」の場合は、任意売却などの選択肢もあるため、早い段階で弊社と金融機関の双方にご相談いただくことをおすすめします。
Q. 信用金庫・信用組合は個人でも住宅ローンを利用できますか?
多くの信用金庫・信用組合は個人向け住宅ローン商品を扱っています。組合員・会員制度がある場合もありますが、多くは加入手続きを併せて行うことで利用可能です。茨城県内では水戸信用金庫・結城信用金庫・茨城県信用組合などが本店を構えており、詳細な商品性は各金融機関の窓口で確認してください。
まとめ
茨城県の住宅ローン事情は、常陽銀行・筑波銀行という2つの地方銀行と、水戸信用金庫・結城信用金庫・茨城県信用組合などの信用金庫・信用組合が中心的な役割を担う構造にあります。帝国データバンク水戸支店の調査(2025年)では、常陽銀行が県内企業のメインバンクとして46.56%のシェアを占め、上位5行はすべて地元金融機関という結果でした。フラット35についても住宅金融支援機構の取扱金融機関一覧に常陽銀行が明記されるなど、地元金融機関が県内の住宅資金の窓口として存在感を持っています。どの金融機関を選ぶかは金利だけでなく、店舗網・団信の内容・繰上げ返済のしやすさなど複数の視点で比較することが重要です。住宅ローンが残る不動産の売却や住み替えをご検討の際は、地域の担当店舗までお気軽にご相談ください。
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