「実家の土地を相続したら、建て替えができない『再建築不可物件』だった」「今の家を建て替えようとしたら、市役所に『再建築はできません』と言われた」——茨城県内でも、こうしたご相談は珍しくありません。とくに水戸市・土浦市・古河市などの中心市街地や、古くからの住宅密集地には、狭い路地に面した敷地が数多く残っています。

この記事では、再建築不可物件とはそもそも何か、なぜ茨城県内にも多いのか、売却できるのか、できるとしたらどんな方法があるのかを、茨城県内でハウスドゥの店舗を4店舗運営する当社が、実務の視点で解説します。数字や制度は国土交通省・自治体の公表情報にもとづき、当社独自の推測や誇張は避けています。

目次
  1. 再建築不可物件とは|「今の建物は建っているのに、建て替えられない」土地
    1. 建築基準法が定める「接道義務」に由来する
    2. なぜ「建っているのに建てられない」状態が生まれるのか
  2. なぜ茨城県内にも再建築不可物件が多いのか
    1. 理由1:旧市街地の細い路地に接した敷地が多い
    2. 理由2:市街化調整区域が広く、都市計画法上の制限も重なる
  3. 自分の土地が再建築不可かどうかの調べ方
    1. 方法1:市町村の建築指導課で「道路種別」を確認する
    2. 方法2:登記事項証明書と公図で接道状況を確認する
    3. 方法3:不動産会社に現地調査を依頼する
  4. 再建築不可物件が売れにくいと言われる理由
    1. 理由1:買主が住宅ローンを組みにくい
    2. 理由2:建て替え・増築ができない
    3. 理由3:2025年4月の建築基準法改正でリフォームの制限も強まった
  5. 再建築不可物件を売却する4つの方法
    1. 方法1:再建築可能な状態にしてから売る
    2. 方法2:再建築不可のまま隣地所有者に売却する
    3. 方法3:仲介でそのまま売却する
    4. 方法4:買取専門会社に直接売却する
  6. 再建築不可物件の売却相場の目安
  7. 売却前にやってはいけない3つのこと
    1. 1. 独断で建物を解体してしまう
    2. 2. 独断で大規模なリフォームをしてしまう
    3. 3. 相場を調べず「売れないだろう」と諦めてしまう
  8. 相続した再建築不可物件で注意したいこと
    1. 相続税評価額は補正計算される
    2. 相続放棄は「その不動産だけ」を選べない
  9. 当社が再建築不可物件のご相談に対応できる理由
  10. よくあるご質問
    1. Q. 再建築不可物件はどうすればいいですか?
    2. Q. 再建築不可物件はリフォームできますか?
    3. Q. 再建築不可物件を相続したらどうすればいいですか?
    4. Q. 再建築不可物件の相場はどれくらい下がりますか?
    5. Q. 再建築不可物件は住宅ローンを組めますか?
    6. Q. 43条但し書きとは何ですか?
  11. あわせて読みたい記事
  12. まとめ|再建築不可でも、査定を受けてから判断を

再建築不可物件とは|「今の建物は建っているのに、建て替えられない」土地

再建築不可物件とは、今建っている建物を取り壊すと、同じ場所に新しい建物を建てられなくなる土地のことです。「今住んでいる分には問題ないが、解体すると更地のまま何も建てられなくなる」という点が最大の特徴で、多くの所有者がこの事実を相続や売却の場面で初めて知ります。

建築基準法が定める「接道義務」に由来する

再建築不可となる根拠は、建築基準法第43条が定める「接道義務」です。この規定により、建物を建てる敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないとされています。単に道路に面していればよいわけではなく、その道路が建築基準法上の「道路」として認定されているかどうかが問われます。

建築基準法上の道路は、原則として幅員4m以上の道を指します(一部区域は6m)。昔からある里道や、私人が管理する私道の中には、この基準を満たさないものが少なくありません。敷地が道路に接していない、接している道の幅が足りない、道路に接する間口が2m未満といったケースでは、再建築不可と判定されます。

なぜ「建っているのに建てられない」状態が生まれるのか

接道義務は1950年の建築基準法制定時に設けられた規定です。それ以前から建っていた建物や、法改正前の基準で建てられた建物は、当時は適法でも現在の基準には合わない「既存不適格」の状態のまま存在し続けています。取り壊すと新しい基準が適用されるため、同じ場所には建て替えができなくなるのです。

なぜ茨城県内にも再建築不可物件が多いのか

再建築不可物件というと大都市の密集地を思い浮かべがちですが、茨城県内にも該当する土地は少なくありません。理由は大きく2つあります。

理由1:旧市街地の細い路地に接した敷地が多い

水戸市の旧城下町エリア、土浦市の中心市街地、古河市・下妻市・石岡市など古くからの宿場町・城下町を起源とする地域では、区画整理が及ばないまま宅地化が進んだ結果、幅4m未満の細い道に面した敷地が今も残っています。こうした土地は、建て替えのタイミングで初めて再建築不可であることが判明するケースが多くあります。

理由2:市街化調整区域が広く、都市計画法上の制限も重なる

茨城県は県土に占める市街化調整区域の割合が比較的広いエリアです。市街化調整区域では、接道義務を満たしていても、都市計画法第34条の規定により新築や建て替えそのものに開発許可が必要になる場合があります。接道義務(建築基準法)と市街化調整区域の建築制限(都市計画法)は別の規制であり、両方に該当すると、売却の難易度がさらに上がる点に注意が必要です。自分の土地がどちらに該当するかは、各市町村の都市計画課・建築指導課の窓口で確認できます。

接道義務 再建築不可 茨城県 図解
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自分の土地が再建築不可かどうかの調べ方

売却や建て替えを検討する前に、まず現状を正確に把握することが欠かせません。次の3つの方法で確認できます。

方法1:市町村の建築指導課で「道路種別」を確認する

最も確実な方法は、物件所在地の市町村役場(建築指導課・都市計画課など、名称は自治体により異なる)で、接する道が建築基準法上の道路として認定されているかを確認することです。「道路種別証明」や「建築基準法上の道路調書」といった形で回答してもらえる自治体もあります。茨城県内は市町村ごとに窓口の名称や運用が異なるため、事前に電話で確認してから訪問すると効率的です。

方法2:登記事項証明書と公図で接道状況を確認する

法務局(水戸地方法務局とその支局・出張所)で登記事項証明書と公図を取得すると、敷地の形状や道路との位置関係を把握できます。ただし公図は必ずしも現況と一致しないため、道路の種別判定そのものは市町村への確認が必要です。

方法3:不動産会社に現地調査を依頼する

役所調査や登記記録の読み方に不慣れな場合は、不動産会社に現地調査を依頼する方法もあります。当社では、査定のご依頼をいただいた際に、接道状況の確認まで含めてお調べしています。

再建築不可物件が売れにくいと言われる理由

理由1:買主が住宅ローンを組みにくい

金融機関は住宅ローンの担保評価にあたって「再建築が可能かどうか」を重視します。再建築不可物件は担保価値が低いと判断されやすく、住宅ローンの審査に通りにくい、あるいは融資額が希望額に届かないことがあります。買主の選択肢が現金一括か一部の専門ローンに限られるため、通常物件より買い手の母数が少なくなります。

理由2:建て替え・増築ができない

再建築不可物件は、建物を解体すると新築できません。リフォームや修繕は可能な場合が多いものの、建築確認申請が必要な大規模な増改築や、柱・梁を含む大規模な模様替えは制限されます。老朽化した建物を根本的に建て替えられない点が、資産としての将来性への不安につながります。

理由3:2025年4月の建築基準法改正でリフォームの制限も強まった

2025年4月に施行された改正建築基準法では、木造2階建てなどに適用されていた「4号特例」の対象が縮小されました。これにより、これまで建築確認が不要だった規模のリフォームでも、省エネ基準への適合など新しい審査項目への対応が必要になる場合があります。再建築不可物件はもともと建て替えができないぶんリフォームに頼る比重が大きいため、この改正は再建築不可物件の所有者・買主双方にとって影響の大きい変更です。個別の工事が新基準の対象になるかどうかは、着工前に建築士・自治体へ確認することをおすすめします。

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再建築不可物件を売却する4つの方法

再建築不可物件は「売れない」わけではありません。方法を選べば売却できます。当社の買取実績も踏まえ、主な4つの方法を整理します。

方法1:再建築可能な状態にしてから売る

接道義務を満たすように条件を整えれば、再建築不可の制約そのものを外すことができます。代表的な方法は次の3つです。

  • 隣地の一部を買い取る……間口が2m未満の場合、隣接地の一部を購入して間口を広げれば接道義務を満たせることがあります。
  • セットバックする……道路の幅員が4m未満の場合、敷地の一部を道路として提供(後退)することで、将来的に幅員4mを確保する方法です。
  • 43条但し書き(43条2項)の許可・認定を受ける……敷地の周囲に広い空地があるなど一定の条件を満たし、特定行政庁の建築審査会の同意を得られれば、例外的に建築が許可される場合があります。

いずれも隣地所有者との調整や行政手続きに時間がかかるため、売却を急ぐ場合には不向きなこともあります。

方法2:再建築不可のまま隣地所有者に売却する

隣地の所有者にとっては、自分の敷地と一体化することで土地の使い勝手が向上するため、市場価格より高く買い取ってもらえることがあります。ただし交渉相手が1人に限られるため、必ず成立するとは限りません。

方法3:仲介でそのまま売却する

再建築不可物件を専門に扱う投資家・リフォーム前提の買主向けに、仲介で売却する方法です。買主が限られるため、通常物件より販売期間が長くなる傾向があります。

方法4:買取専門会社に直接売却する

販売期間をかけられない場合や、隣地交渉・行政手続きの負担を避けたい場合は、買取専門会社への売却が選択肢になります。買主を探す必要がなく、契約不適合責任を免責する契約にできることが多いため、後々のトラブルを避けやすいという特徴があります。当社も再建築不可物件の買取に対応しています。

再建築不可物件 売却方法4パターン 茨城県
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再建築不可物件の売却相場の目安

再建築不可物件の売却価格は、再建築が可能な同条件の土地と比べておおむね5〜7割程度が目安とされています。これは全国的な傾向として複数の不動産専門メディアで示されている水準であり、実際の減額幅は接道状況、隣地との関係、建物の状態、エリアの需要によって変わります。正確な金額は個別の査定が必要です。

茨城県内は公示地価そのものが都市部と比べて低い水準にあるため、同じ「5〜7割」という減額率でも、金額の絶対的な下げ幅は都市部より小さく収まる傾向があります。一方で、買主の絶対数が都市部より少ないエリアでは、売却までの期間が長引きやすい点は意識しておく必要があります。

売却前にやってはいけない3つのこと

1. 独断で建物を解体してしまう

再建築不可物件は「建物がある状態」であれば住み続けたりリフォームしたりできますが、更地にすると新築できなくなります。解体してしまうと土地としての使い道が大きく狭まり、買主も見つかりにくくなります。売却を検討する段階では、先に解体しないことが原則です。

2. 独断で大規模なリフォームをしてしまう

建築確認が必要な規模のリフォームは、再建築不可物件では原則として実施できません。「売れやすくするために直しておこう」と着手する前に、その工事が建築確認を要するかどうかを確認する必要があります。

3. 相場を調べず「売れないだろう」と諦めてしまう

再建築不可というだけで「売却は不可能」と思い込み、放置してしまうケースも見られます。放置すると、老朽化が進んで建物の価値が下がるだけでなく、特定空家に指定された場合には固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増えるおそれもあります。売れるかどうかは、査定を受けてから判断しても遅くありません。

相続した再建築不可物件で注意したいこと

再建築不可物件は、相続の場面で問題が表面化することが多い資産です。

相続税評価額は補正計算される

接道義務を満たさない宅地は、相続税の財産評価において無道路地としての補正計算が行われる場合があります。評価額の算定は個別性が高いため、正確な金額は税理士に確認することをおすすめします。当社では税務上の判断そのものは行わず、必要に応じて提携先の専門家をご案内しています。

相続放棄は「その不動産だけ」を選べない

「再建築不可の実家だけ相続したくない」という場合でも、相続放棄は資産全体を対象とするもので、特定の不動産だけを放棄することはできません。他に相続したい資産がある場合は、まず専門家に相談したうえで判断する必要があります。

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当社が再建築不可物件のご相談に対応できる理由

当社は「ハウスドゥ」ブランドのもと、茨城県内で4店舗(つくば市・水戸市・取手市・守谷市)を運営し、買取を専門に行っています。運営会社は株式会社トーマン(茨城県知事(1)第7579号)と株式会社JOB HOPE(茨城県知事(2)第7366号)の2社で、いずれも宅地建物取引業の免許を公開しています。

再建築不可物件は、住宅ローンが使えないという性質上、一般の仲介市場では買主を見つけにくい物件です。当社は自社で直接買い取る買取専門の体制のため、買主を探す期間を待たずに現金化できる点が強みです。契約不適合責任を免責とする契約が可能な点も、将来のトラブルを避けたい売主様にはメリットとなります。

よくあるご質問

Q. 再建築不可物件はどうすればいいですか?

まず現状の建物に住み続ける、リフォームで維持する、隣地との条件を整えて再建築可能にする、売却するという選択肢があります。売却する場合も、隣地所有者への打診、仲介、買取専門会社への売却など複数の方法があるため、査定を受けたうえで比較検討することをおすすめします。

Q. 再建築不可物件はリフォームできますか?

建築確認が不要な範囲の修繕・模様替えは可能です。ただし柱・梁を含む大規模なリフォームや増築は、建築確認が必要となり原則としてできません。2025年4月の建築基準法改正で審査対象が広がったため、着工前に建築士や自治体へ確認する必要があります。

Q. 再建築不可物件を相続したらどうすればいいですか?

相続登記を済ませたうえで、住み続ける・売却する・隣地と条件を調整するといった選択肢を検討します。相続税評価額は無道路地として補正計算される場合があるため、税務面は税理士への確認をおすすめします。「その不動産だけ相続放棄する」ことはできない点にも注意が必要です。

Q. 再建築不可物件の相場はどれくらい下がりますか?

再建築可能な同条件の土地と比べて、おおむね5〜7割程度が目安とされています。実際の下落幅は接道状況・隣地との関係・建物の状態・エリアの需要によって異なるため、正確な金額は個別の査定が必要です。

Q. 再建築不可物件は住宅ローンを組めますか?

一般的な住宅ローンは組みにくいとされています。金融機関が担保評価を低く見積もる傾向があるためです。買主が現金での購入か、一部のノンバンク・リフォームローンなど限られた選択肢になることが、買い手の少なさにつながっています。

Q. 43条但し書きとは何ですか?

建築基準法第43条2項に基づき、敷地の周囲に広い空地があるなど一定の条件を満たし、特定行政庁の建築審査会の同意を得た場合に、例外的に建築を認める制度です。認定・許可には申請と審査が必要で、必ず認められるとは限りません。該当するかどうかは物件所在地の自治体窓口で確認します。

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まとめ|再建築不可でも、査定を受けてから判断を

再建築不可物件は、建て替えができない、住宅ローンが使いにくいという制約から「売れない」と思われがちですが、方法を選べば売却は可能です。茨城県内は旧市街地の細街路や市街化調整区域が多く、再建築不可の土地は珍しくありません。まずは自分の土地がどの状態にあるかを正確に把握し、解体やリフォームに着手する前に査定を受けることをおすすめします。