結論:地すべり等防止法とは、地すべり(とぼた山の崩壊)による被害から国民の生命・財産を守るため、危険な土地を「地すべり防止区域」に指定し、工事の制限や防止施設の整備を行うための法律です。区域内で切土・盛土や地下水に影響する工事などをするには、都道府県知事の許可が必要です。不動産売却では、売る土地が区域内にあれば重要事項説明で買主に伝える義務があり、事前の確認が欠かせません。茨城県でハウスドゥ茨城が土地・戸建ての売却相談を受ける立場から、基本と実務をわかりやすくまとめました。

地すべり等防止法と砂防法・急傾斜地法・土砂災害防止法の違いの比較図|ハウスドゥ茨城
目次
  1. 地すべり等防止法とは?3分でわかる基本
    1. 地すべり等防止法の目的
    2. 地すべりとほかのがけ崩れ・土石流との違い
    3. 所管(どの省庁が担当するか)
  2. 地すべり防止区域とは?指定される範囲
    1. 区域指定の考え方
    2. 区域内の土地の所有・利用はどうなる?
  3. 許可が必要な行為(第18条)とは?
    1. 制限行為の例
    2. 許可が必要か迷ったら
  4. 第18条で許可対象になる行為の主な例(早見表)
    1. 立木・竹の伐採や土石の採取も制限される理由
  5. 地すべり防止区域の管理と防止工事のしくみ
    1. 国・都道府県による防止工事の実施
    2. 管理者以外の者が守るべきこと
    3. 概要のおさらい:売主が最初にすべきこと
  6. 砂防三法と土砂災害防止法の違い
  7. 地すべり防止区域の土地を売却するときの注意点
    1. 重要事項説明で必ず説明が必要
    2. 買主の融資・建築計画への影響
    3. 価格・売却期間への影響
    4. 仲介と買取、どちらが向いているか
  8. 地すべり防止区域かどうかの調べ方
    1. 重ねるハザードマップで確認する
    2. 都道府県の担当窓口で確認する
    3. 不動産会社に調査を依頼する
  9. 宅建試験での地すべり等防止法のポイント
  10. 地すべり等防止法に関連する法令と、土地の売却で一緒に確認したいこと
    1. 都市計画法・開発許可との関係
    2. 土地の形質変更・農地転用との関係
  11. 地すべり防止区域の売却でよくある失敗と対策
    1. 失敗例1:区域内と知らずに売り出してしまう
    2. 失敗例2:許可が必要な工事を事前に確認しない
    3. 失敗例3:説明資料がなく買主が不安になる
  12. 地すべり防止区域の土地のご相談はハウスドゥ茨城へ
  13. 地すべり等防止法に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1. 地すべり等防止法とは簡単に言うとどんな法律ですか?
    2. Q2. 地すべり防止区域内の土地は売却できますか?
    3. Q3. 地すべり等防止法の許可は誰に申請しますか?
    4. Q4. 地すべり防止区域かどうかはどこで調べられますか?
    5. Q5. 地すべり防止区域と土砂災害警戒区域は同じですか?
    6. Q6. 地すべり等防止法は宅建試験にも出ますか?
    7. Q7. 地すべり防止区域の土地は買取してもらえますか?
    8. Q8. 無許可で工事をするとどうなりますか?
    9. Q9. 地すべり防止区域内で木を切ったり土を掘ったりするのに許可は必要ですか?

地すべり等防止法とは?3分でわかる基本

地すべり等防止法の目的

地すべり等防止法は、地すべりやぼた山の崩壊を防止し、国土の保全と国民の生命・財産の保護に役立てることを目的とした法律です。地すべりとは、斜面の土塊が地下水などの影響でゆっくりすべり落ちる現象で、いったん動き出すと家屋・道路・農地など広い範囲に被害が及びます。法律では、危険な区域を指定して工事を制限し、国や都道府県が防止工事を行う仕組みを定めています。わかりやすく言えば、「すべりやすい斜面に余計な手を加えさせず、必要な対策を行う」ための法律です。

地すべりとほかのがけ崩れ・土石流との違い

地すべりは、比較的ゆるい斜面でも起こり、広い面積の土地がまとまってゆっくり動くのが特徴です。一方、がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)は急な斜面が突然崩れ落ちる現象、土石流は水と土砂が一気に流れ下る現象です。それぞれ対応する法律が分かれており、地すべりは本法、急傾斜地は急傾斜地法、土石流などは砂防法が中心になります。

所管(どの省庁が担当するか)

地すべり等防止法は、国土交通省、農林水産省(農村振興局・林野庁)が所管する法律です。区域がどの分野の土地にあたるか(河川・道路・農地・森林など)によって、指定を行う大臣が分かれています。実際の許可の窓口は都道府県が担い、茨城県で土地を扱う場合も、県の担当窓口が確認先になります。

地すべり防止区域とは?指定される範囲

区域指定の考え方

地すべり防止区域は、地すべりしている区域、または地すべりするおそれがきわめて大きい区域(地すべり区域)と、これに隣接して地すべりを助長・誘発するおそれがきわめて大きい地域を、国土交通大臣または農林水産大臣が指定します。指定には一定の規模などの基準(政令=施行令・施行規則で定めます)があり、人家や公共施設に被害が及ぶおそれが大きいかどうかも考慮されます。

区域内の土地の所有・利用はどうなる?

地すべり防止区域に指定されても、土地の所有権が取り上げられるわけではありません。農地や山林としての利用、住宅としての利用も続けられますが、地すべりを助長する行為(制限行為)には許可が必要になります。また、国や都道府県が防止工事を行うため、土地への立入りや工事への協力を求められることがあります。

許可が必要な行為(第18条)とは?

制限行為の例

地すべり防止区域内では、地すべりを助長・誘発しかねない行為が制限されます。第18条にもとづき、次のような行為は原則として都道府県知事の許可が必要です(詳細は政令・規則で定められるため、個別の工事は必ず窓口で確認してください)。

  • 地下水を増やす、あるいは排水の機能を妨げる行為(ため池・用水路などの設置や改造、排水施設への影響など)
  • のり切り・切土・掘削など、斜面や地盤を変える行為
  • 盛土や工作物の新築・改築など、土地に荷重や影響を与える行為
  • その他、地すべりを助長・誘発するおそれのある行為

許可が必要か迷ったら

「駐車場にするために少し地面をならす」「擁壁を直す」といった軽い工事でも、区域内では許可の対象になる場合があります。自己判断で始めず、着工前に県の担当窓口へ相談してください。許可を得ずに行った場合は、知事から工事の中止・原状回復を命じられることがあり、罰則の定めもあります。売却を考えている土地の造成を売主が行うときも同様です。

第18条で許可対象になる行為の主な例(早見表)

第18条の許可対象は、地すべりを助長・誘発する行為を中心に政令(施行令)で具体的に定められています。以下は一般的な目安で、実際に許可が必要かどうかは、工事の内容と場所ごとに県の窓口で確認してください。

行為の種類 具体例 注意するポイント
地表水・地下水に関する行為 地下水の誘致・増加・停滞をまねく施設、地表水の放流・停滞、ため池・用水路の設置や改良 水が斜面に入り込むと地すべりを助長しやすいため、特に厳しく見られます
排水施設に関する行為 地下水の排除施設の機能を阻害する行為、排水路をふさぐ工事 既存の防止施設の機能を妨げない配慮が必要です
地形を変える行為 のり切り・切土、土石の採取・集積、盛土 小規模な造成でも許可の対象になる場合があります
施設・工作物 地すべり防止施設以外の施設や工作物の新築・改良 擁壁・建物・駐車場などの設置は事前確認が必須です
立木・竹の伐採 立木竹の伐採、木竹の搬出など 森林の保水機能は斜面の安定にかかわるため、制限される場合があります

立木・竹の伐採や土石の採取も制限される理由

斜面の木々は根で土を押さえ、雨水の浸透をやわらげる役割をしています。そのため、立木や竹の伐採、土石の採取・集積といった、一見すると小さな行為も、地すべりを助長しないかどうかの観点で制限対象になる場合があります。売却前に土地をきれいに整えたい場合も、まず許可の要否を確認してください。

地すべり防止区域の管理と防止工事のしくみ

国・都道府県による防止工事の実施

地すべり防止区域では、国や都道府県などの管理者が、地すべり防止施設の建設・改良・維持管理を推進します。排水施設(集水井・排水ボーリングなど)や抑止杭などの施設が代表例で、公共の安全と防災を目的として、箇所ごとに計画的に実施されます。区域内の土地所有者には、工事のために土地への立入りなどの協力を求められることがあります。

管理者以外の者が守るべきこと

防止施設の機能を妨げないこと、許可を得ない造成を行わないこと、異常(地割れ・湧水の増加など、地すべりの兆候)を見つけたら速やかに県の事務所や担当課へ連絡することなどが、土地所有者に求められます。環境や産業(農林業)への影響も考慮されるため、農地・山林の売買でも確認が重要です。

概要のおさらい:売主が最初にすべきこと

地すべり等防止法の概要を一言でまとめると、「区域かどうかを確認し、許可が必要な行為を把握し、重要事項説明で買主に伝える」の3点です。この3つを売り出し前に済ませておくと、軽減できるトラブルは少なくありません。

砂防三法と土砂災害防止法の違い

土砂災害関連の法律は、名前が似ていて混同しやすい分野です。上の比較図のとおり、地すべり等防止法は「地すべり」、急傾斜地法は「急傾斜地の崩壊」、砂防法は「土石流など」を対象にしています。これらは「砂防三法」と呼ばれることがあります。

一方、土砂災害防止法は、土砂災害のおそれがある区域を土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域として指定し、警戒避難体制の整備や建築制限などを定める法律です。地すべり防止区域と土砂災害警戒区域は別の制度のため、売却する土地がそれぞれに該当するかを分けて確認する必要があります。特別警戒区域の建築制限については土砂災害特別警戒区域とは?建築制限の内容と売却時の注意点、がけ地そのものの注意点は傾斜地とは?擁壁・がけ条例・急傾斜地法と売却の注意点で詳しく解説しています。

地すべり防止区域の土地を売却するときの注意点

地すべり防止区域の土地を売却する流れ4ステップの図解|ハウスドゥ茨城

重要事項説明で必ず説明が必要

宅地建物取引業法では、売買の際に買主へ説明する「重要事項」の中に、法令上の制限が含まれます。地すべり等防止法による地すべり防止区域は、その説明対象の一つです。売却を依頼された不動産会社は区域内かどうかを調べて重要事項説明書に記載します。売主さまにも、わかっている情報(過去の工事・許可の履歴、標識の有無など)の共有が求められます。書面の読み方は重要事項説明書とは?記載事項・読み方・当日の流れもご参照ください。

買主の融資・建築計画への影響

区域内の土地は、新築や増築、造成を行う際に許可の要否や追加の対策が必要になる場合があります。金融機関によっては担保評価や融資の可否に影響することもあり、買主が慎重になりやすい分野です。そのため、売り出し前に許可の要否や制限の範囲を整理し、買主へ提示できる資料をそろえておくと、商談が進みやすくなります。

価格・売却期間への影響

制限があるため、一般の宅地より売却に時間がかかる、価格交渉が入りやすい、といった傾向があります。ただし、影響の大きさは区域の内容や土地の状態、立地によって異なり、一律には言えません。複数の売却方法を比較して判断することが大切です。

仲介と買取、どちらが向いているか

早く確実に手放したい場合は不動産会社による買取、時間をかけても高く売りたい場合は仲介、という使い分けが一般的です。区域内の土地は買い手が限られやすいため、買取の選択肢も含めて比較する価値があります。ハウスドゥ茨城は仲介と買取の両方に対応しています。

地すべり防止区域かどうかの調べ方

重ねるハザードマップで確認する

国土交通省の「重ねるハザードマップ」では、土砂災害のリスクとあわせて、地すべり防止区域や急傾斜地崩壊危険区域などを地図上で確認できます。住所を入力して重ねて表示すれば、ご自身の土地がどこに当たるかおおよそ把握できます。水害・土砂災害全般の見方は茨城県の水害・ハザードマップと不動産売却でも解説しています。

都道府県の担当窓口で確認する

正式な指定の有無や区域の範囲、許可の要否は、都道府県の砂防・地すべり担当窓口で確認するのが確実です。電話や窓口で、所在地(地番)を伝えて問い合わせます。茨城県内の土地について、県内での指定状況や最新の区域は、必ず担当窓口の公表情報を確認してください。

不動産会社に調査を依頼する

売却を前提とする場合は、媒介を依頼する不動産会社が、役所調査の一環として区域の確認を行います。複数の法令の区域が重なる土地もあるため、専門家に一括で調査してもらうと見落としを防げます。

宅建試験での地すべり等防止法のポイント

宅地建物取引士の試験を受ける方向けに触れておくと、地すべり等防止法は、法令上の制限(その他の法令)の分野で扱われることがあります。ポイントは、地すべり防止区域内で一定の行為をするには知事の許可が必要であること、そして重要事項説明の対象になることです。ほかの法令の全体像は法令上の制限とは?不動産売却に関わる主要7法令の一覧と宅建試験の覚え方にまとめています。なお、試験の出題範囲や数値は年度で変わるため、最新の公式情報をご確認ください。

地すべり等防止法に関連する法令と、土地の売却で一緒に確認したいこと

都市計画法・開発許可との関係

都市計画法の開発許可の場面では、地すべり防止区域などの災害の危険がある区域は、原則として開発区域に含めないとされています。土地の造成や分譲を考える場合、区域内かどうかが事業計画に直結します。

土地の形質変更・農地転用との関係

区域内の土地では、別の法律による手続きとあわせて確認が必要になることがあります。造成など土地の形状を変える場合の届出の考え方は土地の形質の変更とは?定義・届出が必要な基準・売却への影響で整理しているので、あわせて押さえておくと安心です。農地や山林の場合は、農地法や森林法の手続きが別に必要になる点にも注意してください。

地すべり防止区域の売却でよくある失敗と対策

失敗例1:区域内と知らずに売り出してしまう

査定や契約の段階で区域内と判明し、説明のやり直しや価格の見直しになるケースがあります。売り出し前の調査で防げます。

失敗例2:許可が必要な工事を事前に確認しない

売却前に更地化や整地をしようとして、許可の要否を確認せず工事に着手し、中止を求められるのは避けたいところです。工事は許可の確認が済んでからにしましょう。

失敗例3:説明資料がなく買主が不安になる

区域の内容・許可の要否・過去の工事履歴などを整理した資料があると、買主の不安が和らぎます。不動産会社と一緒に資料を作成しておきましょう。

地すべり防止区域の土地のご相談はハウスドゥ茨城へ

地すべり防止区域のように、法令上の制限が絡む土地は、調査と説明に専門的な知識が必要です。ハウスドゥ茨城は、つくば・水戸・取手・守谷の4店舗で、地域に密着した不動産売却・買取をサポートしています。古田敦也さんがイメージキャラクターを務めるハウスドゥのブランドで、仲介と買取の両方をご提案できます。山林・傾斜地・農地など、制限のある土地の売却もお気軽にご相談ください。

お電話:0120-565-072 / 無料査定・ご相談フォームはこちら

地すべり等防止法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 地すべり等防止法とは簡単に言うとどんな法律ですか?

地すべりやぼた山(石炭などの採掘くず)の崩壊による被害を防ぐため、危険な区域を地すべり防止区域に指定し、土地の使い方を制限して防止工事を進めるための法律です。区域内で一定の行為をするには都道府県知事の許可が必要になります。

Q2. 地すべり防止区域内の土地は売却できますか?

売却すること自体は可能です。ただし区域内であることは宅地建物取引業法上の重要事項説明の対象になるため、買主へ必ず説明が必要です。許可が必要な行為の制限や、融資・建築計画への影響から、一般の土地より売却に時間がかかる場合があります。

Q3. 地すべり等防止法の許可は誰に申請しますか?

地すべり防止区域内で制限される行為をする場合は、都道府県知事の許可が必要です。実際の窓口や必要書類は自治体ごとに異なるため、事前に県の砂防・地すべり担当窓口へ確認してください。

Q4. 地すべり防止区域かどうかはどこで調べられますか?

国土交通省の「重ねるハザードマップ」で地すべり防止区域などを確認できるほか、都道府県の担当窓口でも確認できます。売買を予定する場合は、不動産会社に調査を依頼する方法もあります。

Q5. 地すべり防止区域と土砂災害警戒区域は同じですか?

別の制度です。地すべり防止区域は地すべり等防止法による区域、土砂災害警戒区域は土砂災害防止法による区域で、根拠法も目的も異なります。同じ場所が両方に該当する場合もあるため、それぞれ確認が必要です。

Q6. 地すべり等防止法は宅建試験にも出ますか?

宅地建物取引士の試験では、法令上の制限(その他の法令)の分野で地すべり防止区域に関する許可・届出などが取り上げられることがあります。受験対策の細かい論点は最新の試験情報を確認してください。

Q7. 地すべり防止区域の土地は買取してもらえますか?

物件の状況によって異なりますが、ご相談は可能です。区域の内容や許可の要否を調査したうえで、仲介か買取かを比較してご提案します。まずは所在地をお知らせください。

Q8. 無許可で工事をするとどうなりますか?

知事から工事の中止や原状回復などを命じられることがあり、罰則の定めもあります。区域内で造成や掘削などを検討する場合は、必ず事前に許可の要否を確認してください。

Q9. 地すべり防止区域内で木を切ったり土を掘ったりするのに許可は必要ですか?

立木竹の伐採や土石の採取・集積、切土・掘削なども、内容や規模によって都道府県知事の許可が必要になる場合があります。小規模でも自己判断せず、着工前に県の担当窓口へ確認してください。

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