茨城県は、日本最大の流域面積を誇る利根川、那珂川、久慈川という3つの一級河川に育まれた県です。県西を流れる利根川、県央を流れる那珂川、県北を流れる久慈川は、それぞれ異なる地形・歴史・産業をこの地にもたらし、現在の市町村の姿や暮らし、そして不動産の評価にも関わっています。
本記事では、国土交通省 関東地方整備局の各河川事務所(利根川下流河川事務所・常陸河川国道事務所など)の公式情報をもとに、3河川の基礎データと歴史的背景、流域の暮らし、そして住まい・不動産を考えるうえで押さえておきたいポイントを整理します。複数の市町村が登場しますが、本記事は「茨城県の河川」という県単位の切り口で、各河川の流域を横断的に比較・紹介するものです。
1. 茨城県の河川の全体像
1-1. 茨城県を流れる3つの一級河川
茨城県には利根川・那珂川・久慈川という3つの一級水系の本流が流れています。利根川は県西部を、那珂川は県央部を、久慈川は県北部をそれぞれ流れ、県土をおおまかに3つの水系エリアに分ける役割を果たしています。いずれも国(国土交通省)が直轄管理する区間を持つ主要河川です。
1-2. 利根川とは(日本最大の流域面積)
利根川は流域面積が支流を含めて約16,840平方キロメートルにおよび、日本の河川の中で最大の流域面積を持ちます。流域は群馬県・栃木県・茨城県・埼玉県・千葉県・東京都の1都5県にまたがります。茨城県内では古河市・境町・五霞町・坂東市・取手市などが利根川沿いに位置し、千葉県・埼玉県との県境を形づくっています。
1-3. 那珂川とは(茨城県中央部を流れる水系)
那珂川は栃木県那須地方を水源とし、茨城県・栃木県、一部福島県にまたがる流域面積約3,270平方キロメートルの一級水系です。流路延長は幹川で約150キロメートルにおよびます。茨城県内では那珂市・城里町・那珂川沿いの水戸市周辺を経て、太平洋に注いでいます。
1-4. 久慈川とは(県北部を貫流する水系)
久慈川は茨城県・福島県・栃木県の県境に位置する八溝山(標高1,022m)を水源とし、山間部を北東に流れたのち、八溝山地と阿武隈山地の間の狭い平野部を南下し、日立市と東海村の間で太平洋に注ぎます。流域面積は約1,490平方キロメートル、流路延長は幹川で約124キロメートルです。

1-5. 3河川の規模比較でわかること
流域面積で見ると利根川(約16,840km²)は那珂川(約3,270km²)の5倍以上、久慈川(約1,490km²)の11倍以上の規模です。これは利根川が茨城県だけでなく関東平野の広範囲を流域に含むためで、那珂川・久慈川は茨城県北部を中心としたよりコンパクトな水系であることがわかります。
2. 流域ごとの地域差・比較
2-1. 利根川流域(県西エリア)の特徴
利根川沿いの県西エリアは、古河市・境町・五霞町・坂東市・取手市など、埼玉県・千葉県との県境に位置する市町が中心です。首都圏に近接した立地から、鉄道・道路網の整備が進み、都心への通勤圏として住宅需要がある一方、河川近接エリアでは浸水想定区域の確認が欠かせません。
2-2. 那珂川流域(県央エリア)の特徴
那珂川流域の県央エリアは、水戸市を中心とした茨城県の行政・商業の中心地です。那珂川流域では御前山から水戸市にかけて河岸段丘が発達しており、江戸時代には台地上の水不足を解消するため約30キロメートルにおよぶ用水路(岡堰用水)が整備されるなど、水利用の歴史が地域の農業を支えてきました。
2-3. 久慈川流域(県北エリア)の特徴
久慈川流域の県北エリアは、大子町・常陸太田市・日立市・東海村など、山間部から沿岸部にかけて広がるエリアです。上流部は久慈川渓谷などの自然景観に恵まれ、下流部は日立市・東海村の工業地帯に近接しています。県北は霞ヶ浦・涸沼のような大規模湖沼を持たない一方、久慈川という一級河川がこの地域の水資源・景観を形づくっています。
2-4. 3河川流域と店舗サイトの担当エリアの関係
ハウスドゥの店舗展開エリアとの関係で見ると、利根川流域は取手市(ハウスドゥ取手戸頭)、那珂川流域は水戸市(ハウスドゥ県庁水戸)が代表的な担当エリアにあたります。つくば市・守谷市はいずれの本流からも離れていますが、利根川の支流や霞ヶ浦水系の影響を受ける立地です。
2-5. 県境を形づくる河川という役割
利根川は茨城県と千葉県・埼玉県の県境、久慈川の一部は茨城県と福島県の県境の目安にもなっています。河川が県境を形づくっているエリアでは、生活圏が県境を越えて広がっているケースも多く、通勤・通学・買い物の動線が隣県にまたがる地域性も見られます。

3. 河川と治水の歴史・背景
3-1. 利根川東遷事業とは
Wikipediaや国土交通省の資料によれば、利根川はもともと関東平野中央部を南に流れ、荒川と合流して現在の隅田川筋を通り東京湾に注いでいたとされています。江戸時代初期、徳川家康の江戸入府後、約60年におよぶ河川の付け替え工事が行われ、利根川は太平洋(銚子方面)へ流れるようになりました。この一連の事業は「利根川東遷事業」と呼ばれ、現在の利根川の骨格を形づくりました。
3-2. なぜ利根川の流路が変えられたのか
利根川東遷事業の目的は、江戸の水害防止、新田開発による農地拡大、そして東北方面との水運路の確保など複数あったとされています。この大規模な治水事業により、江戸(東京)と茨城県を含む関東平野東部の土地利用の基盤が大きく変わりました。
3-3. 那珂川流域の灌漑事業の歴史
那珂川流域では、御前山から水戸市にかけて河岸段丘が発達しており、この河岸段丘上は慢性的な水不足に悩まされていました。1656年(明暦2年)には約30キロメートルにおよぶ用水路が整備され、現在も「岡堰用水」として重要な農業用水源になっています。この歴史は、那珂川流域の農地・集落の成り立ちを理解するうえで重要な背景です。
3-4. 久慈川流域の地形的な特徴
久慈川は八溝山地と阿武隈山地の間の狭い平野部を流れる河川で、上流は山がちな地形、下流は日立市・東海村の海岸部に近い地形という特徴を持ちます。この地形的な制約から、久慈川流域は霞ヶ浦・利根川流域と比べて可住地面積が限られる傾向があります。
3-5. 茨城県管理河川の洪水浸水想定区域図
那珂川水系・久慈川水系について、茨城県は「茨城県管理河川の洪水浸水想定区域図」を公表しています。国が管理する利根川・那珂川・久慈川の本川区間については、国土交通省 関東地方整備局(利根川下流河川事務所・常陸河川国道事務所など)が浸水想定区域図を公開しています。県管理区間・国管理区間で公表主体が異なる点は、実際にハザードマップを確認する際の注意点です。
4. 生活者から見た茨城県の河川
4-1. 利根川がもたらす農業・交通の恵み
利根川流域の県西エリアは、江戸期以来の新田開発の歴史を持つ農業地帯です。現在も広い平坦地が確保しやすいことから、住宅団地や物流施設の立地にも活用されています。国道4号・6号や圏央道など主要道路網とも近く、首都圏への交通結節点としての性格も持っています。
4-2. 那珂川と水戸市の暮らし
那珂川は茨城県の県都・水戸市の市街地に近接して流れ、河川敷の桜並木や公園など、市民の憩いの場としても親しまれています。上流部の御前山周辺は渓流釣りやアウトドアレジャーの場としても知られています。
4-3. 久慈川と県北の自然・産業
久慈川は上流部の渓谷美から、鮎釣りをはじめとする内水面漁業が盛んなことで知られています。茨城県内水面漁業協同組合連合会などの資料によれば、久慈川はアユ・サケなどの内水面漁業資源が豊富な河川のひとつとされています。下流部の日立市・東海村は工業・研究開発拠点としての性格も併せ持ち、川の恵みと産業集積が同居するエリアです。
4-4. 河川敷・サイクリングロードの活用
利根川・那珂川沿いには、河川敷を活用したサイクリングロードや遊歩道が整備されている区間があります。霞ヶ浦の「つくば霞ヶ浦りんりんロード」ほどの広域ネットワークではありませんが、地域住民の日常的な運動・レジャーの場として利用されています。
4-5. 河川がもたらす防災上の意識
茨城県内では過去に台風・大雨による河川の氾濫被害が発生した記録があり、沿岸市町村では防災訓練やハザードマップの周知に力を入れています。河川に近いエリアで暮らす・不動産を所有するということは、恵みとリスクの両方と向き合うことを意味します。
5. 住まい・不動産を考えるうえでの河川との付き合い方
5-1. 河川近接エリアは浸水想定区域図の確認が第一歩
利根川・那珂川・久慈川いずれも、国または県が洪水浸水想定区域図を公表しています。国管理区間は国土交通省 関東地方整備局の各河川事務所、県管理区間(那珂川水系・久慈川水系の一部支流など)は茨城県が公表主体です。売却・購入いずれの場面でも、対象物件がどちらの管理区間に近いか、どの浸水想定区域に該当するかを事前に確認することが重要です。
5-2. 河岸段丘・台地エリアは地盤面で比較的安定的な場合がある
那珂川流域に見られる河岸段丘のような台地エリアは、低地と比べて地盤が安定している場合があるとされています。一方で低地・氾濫原にあたるエリアは、液状化や浸水のリスク評価が必要になることがあります。実際の地盤の性質は個別の地盤調査で確認するのが確実です。
5-3. 河川沿いの土地利用規制
河川区域やその周辺には、河川法に基づく規制がかかる場合があります。河川区域内やその周辺での建築・造成には河川管理者(国または県)の許可が必要になるケースがあるため、河川に近接した土地の売買・開発を検討する際は、事前に河川管理者・市町村の都市計画担当課へ確認することが推奨されます。
5-4. 「河川からの距離」は資産価値の一要素
河川からの距離や堤防の高さ、過去の被災歴の有無は、物件の資産価値評価やローン審査、火災保険(水災補償)の保険料にも影響することがあります。売却を検討する際は、こうした情報を整理したうえで査定に臨むと、より正確な評価につながりやすくなります。
5-5. エリア別・売却相談の窓口
利根川流域(県西・県南の一部)や那珂川流域(県央)の不動産売却・空き家に関するご相談は、ハウスドゥの各店舗サイトでもエリアごとの実情に応じてご案内しています。housedo.groupでは茨城県全域の地域情報を、各店舗サイトでは市町村単位のより具体的な売却・査定情報を扱っています。
5-6. あわせて読みたい・関連情報
- 茨城県の湖沼|霞ヶ浦・涸沼と周辺地域【2026年】
- 茨城県の水害・ハザードマップと不動産売却【2026】
- 茨城県の地盤の特徴|液状化・軟弱地盤と売却への影響【2026】
- 茨城県南の不動産売却|つくば・土浦・牛久の相場【2026】
- 茨城県の山|筑波山と奥久慈【2026年】
市町村単位でより具体的な不動産売却・査定のご相談は、各エリアを担当する店舗サイトもご参照ください。
- 取手市の不動産売却・買取|ハウスドゥ取手戸頭(利根川流域)
- 水戸市の不動産売却・査定|ハウスドゥ県庁水戸(那珂川流域)
- つくば市の不動産売却・査定|ハウスドゥつくば
- 守谷市の不動産売却・買取|ハウスドゥ守谷
- 茨城県内の解体工事なら解体Do!(空き家・古家の解体をご検討の方へ)
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 茨城県には主にどんな河川がありますか?
A. 代表的なものとして、県西を流れる利根川、県央を流れる那珂川、県北を流れる久慈川の3つの一級河川があります。いずれも国が直轄管理する区間を持つ主要河川です。このほか霞ヶ浦・北浦・涸沼といった湖沼系の水域もあります。
Q2. 利根川の流域面積はどのくらいですか?
A. 支流を含めた流域面積は約16,840平方キロメートルで、日本の河川の中で最大の流域面積とされています。流域は群馬県・栃木県・茨城県・埼玉県・千葉県・東京都の1都5県にまたがります。
Q3. なぜ利根川は「東遷」したのですか?
A. もともと利根川は関東平野中央部を南に流れ東京湾に注いでいましたが、江戸時代初期に江戸の水害防止・新田開発・水運路確保などを目的として、約60年におよぶ河川の付け替え工事(利根川東遷事業)が行われ、現在のように太平洋(銚子方面)へ流れる姿になったとされています。
Q4. 那珂川はどのあたりを流れていますか?
A. 那珂川は栃木県那須地方を水源とし、茨城県中央部を流れて水戸市周辺を経て太平洋に注ぐ一級水系です。流域面積は約3,270平方キロメートル、幹川の流路延長は約150キロメートルです。
Q5. 久慈川の水源はどこですか?
A. 久慈川は茨城県・福島県・栃木県の県境にある八溝山(標高1,022m)を水源とし、山間部を流れたのち茨城県北部(日立市と東海村の間)で太平洋に注ぎます。流域面積は約1,490平方キロメートルです。
Q6. 河川に近いエリアの不動産は売却しにくいですか?
A. 一概にはいえません。景観や親水性の高さが評価されるケースがある一方、浸水想定区域に該当する場合はハザードマップの説明や火災保険(水災補償)の内容確認が必要になることがあります。査定・売却の際は、対象物件の浸水リスクや地盤の状況を正確に把握したうえで進めることが大切です。
Q7. 河川流域エリアの不動産売却はどこに相談すればよいですか?
A. housedo.groupでは茨城県全域の地域情報を発信していますが、実際の売却・査定は市町村ごとの実情に詳しい店舗サイトでの対応がスムーズです。利根川流域はハウスドゥ取手戸頭、那珂川流域はハウスドゥ県庁水戸など、エリアを担当する店舗へお気軽にご相談ください。
7. まとめ
茨城県は、日本最大の流域面積を持つ利根川、水戸市を貫流する那珂川、県北の山間部を流れる久慈川という3つの一級河川に恵まれた県です。利根川東遷事業のような大規模な治水の歴史を経て、それぞれの流域は農業・産業・暮らしの基盤を築いてきました。
河川沿いのエリアで不動産の売却・購入・空き家対策を検討する際は、景観や利便性だけでなく、浸水想定区域や地盤の特性、河川法上の規制もあわせて確認することが大切です。茨城県の地域情報を押さえたうえで、市町村単位の具体的なご相談は各店舗サイトをご活用ください。
茨城県内の不動産売却・空き家のご相談はハウスドゥへ
「実家が利根川・那珂川・久慈川の近くにある」「河川近くの土地をどう扱えばよいか分からない」といったお悩みも、地域事情に詳しいハウスドゥの各店舗が無料で査定・ご相談を承ります。
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