「実家の土地を生前贈与してもらう予定だけれど、贈与税がいくらになるのか自分で計算できない」——不動産の生前贈与を検討するとき、多くの方がつまずくのがこの贈与税の計算です。
贈与税は「誰から贈与を受けるか」「贈与される人の年齢」によって税率が変わる仕組みになっており、計算式を知らないと正確な金額を把握できません。この記事では、不動産の生前贈与にかかる贈与税の計算方法を、国税庁の速算表にもとづいて具体例つきで解説します。
贈与税の基本計算式
暦年課税による贈与税は、次の式で計算します。
贈与税額=(1年間にもらった財産の合計額−基礎控除110万円)×税率−控除額
不動産の場合、「財産の価額」は固定資産税評価額を基準に、国税庁の定める路線価方式や倍率方式で算出した「相続税評価額」を使うのが原則です。市場の売買価格(時価)とは異なる点に注意してください。
一般税率と特例税率の違い
贈与税の税率には「一般税率」と「特例税率」の2種類があり、どちらが適用されるかで税額が変わります。
特例税率が使えるケース
父母や祖父母など直系尊属から、贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上の子・孫への贈与は「特例税率」が適用されます。一般税率より低い税率が設定されており、税負担が軽くなります。
一般税率が適用されるケース
夫婦間・兄弟姉妹間の贈与、直系尊属からでも受贈者が18歳未満の場合などは「一般税率」が適用されます。同じ贈与額でも、特例税率より税額が高くなる傾向があります。
贈与税の速算表
基礎控除後の課税価格に応じて、税率と控除額は段階的に上がっていきます(国税庁公表の速算表にもとづく代表的な区分)。
特例税率(直系尊属から18歳以上の子・孫への贈与)
- 200万円以下:税率10%・控除額なし
- 400万円以下:税率15%・控除額10万円
- 600万円以下:税率20%・控除額30万円
- 1,000万円以下:税率30%・控除額90万円
- 1,500万円以下:税率40%・控除額190万円
- 3,000万円以下:税率45%・控除額265万円
- 4,500万円以下:税率50%・控除額415万円
- 4,500万円超:税率55%・控除額640万円
一般税率(夫婦間・兄弟間・18歳未満の子など)
- 200万円以下:税率10%・控除額なし
- 300万円以下:税率15%・控除額10万円
- 400万円以下:税率20%・控除額25万円
- 600万円以下:税率30%・控除額65万円
- 1,000万円以下:税率40%・控除額125万円
- 1,500万円以下:税率45%・控除額175万円
- 3,000万円以下:税率50%・控除額250万円
- 3,000万円超:税率55%・控除額400万円

不動産の贈与税シミュレーション【計算例3パターン】
ケース1:評価額500万円の土地を親から成人した子へ贈与(特例税率)
課税価格=500万円−110万円=390万円。390万円は「600万円以下」の区分に該当するため、税率20%・控除額30万円を適用します。贈与税額=390万円×20%−30万円=48万円です。
ケース2:評価額500万円の土地を夫婦間で贈与(一般税率)
課税価格は同じく390万円ですが、一般税率の「400万円以下」区分(税率20%・控除額25万円)を適用します。贈与税額=390万円×20%−25万円=53万円です。同じ評価額でも、特例税率のケース1より5万円高くなります。
ケース3:評価額1,500万円の実家を親から成人した子へ贈与(特例税率)
課税価格=1,500万円−110万円=1,390万円。「1,500万円以下」の区分(税率40%・控除額190万円)を適用し、贈与税額=1,390万円×40%−190万円=366万円です。評価額が上がるほど税率区分も上がり、税負担が急激に重くなることがわかります。
贈与税を抑える2つの制度
暦年課税の基礎控除(年110万円)を複数年に分けて使う
評価額の高い不動産をそのまま一括で贈与すると税率区分が上がってしまいますが、持分を分けて複数年にわたり贈与する方法もあります。ただし、不動産は現金と違って分割しての名義変更ごとに登記費用がかかるため、税負担の軽減効果と手続きコストを比較して判断する必要があります。
相続時精算課税を選ぶ
2024年の改正で新設された年110万円の基礎控除に加え、累計2,500万円まで贈与税がかからない相続時精算課税を使う方法もあります。ただし基礎控除を超えて非課税とした分は、贈与者が亡くなったときに相続財産へ加算され、相続税として精算される点に注意が必要です。一度選択すると暦年課税には戻せません。
そもそも贈与税がかからないケースはある?
不動産の生前贈与でも、次のようなケースでは贈与税がかからない、または軽減されることがあります。
評価額が基礎控除110万円以下の持分贈与
不動産の一部(共有持分)だけを贈与し、その評価額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。ただし、登記のたびに登録免許税・司法書士報酬がかかるため、複数回に分けることが必ずしも得とは限りません。
配偶者控除(おしどり贈与)の特例
婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産またはその取得資金を贈与する場合、基礎控除110万円に加えて最大2,000万円まで控除できる「贈与税の配偶者控除」という特例があります。適用には一定の要件(贈与を受けた翌年3月15日までに居住し、その後も住み続ける見込みがあること等)を満たす必要があり、同じ配偶者からの贈与について一生に一度しか使えない点にも注意してください。
住宅取得等資金の贈与の特例
直系尊属から住宅の新築・取得・増改築等のための資金の贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税が非課税となる特例もあります。制度の詳細や非課税限度額は税制改正で変わることがあるため、利用を検討する際は最新の国税庁の案内を確認してください。
贈与税の申告方法と納税期限
贈与税の申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。申告先は、原則として贈与を受けた人(受贈者)の住所地を管轄する税務署になります。納税も同じ期限内に一括で行うのが原則ですが、一定の要件を満たせば延納(分割払い)が認められる場合もあります。
計算を間違えやすいポイント
不動産の評価額は「時価」ではない
贈与税の計算で使う評価額は、固定資産税評価額や路線価にもとづく相続税評価額であり、実際の売買価格(時価)とは異なります。評価額を時価で計算してしまうと、税額を大きく見誤る原因になります。
基礎控除110万円は「もらった人ごと」に1年間で1回
基礎控除は贈与者ごとではなく、受贈者(もらう人)が1年間にもらった財産の合計に対して1回だけ適用されます。複数人から贈与を受けても、控除できるのは合計110万円までです。
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ハウスドゥでは、茨城県内4店舗(取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸)で、生前贈与にともなう不動産のご相談を承っています。贈与税額の概算はもちろん、名義変更の手続きや、将来的な売却を見据えた資産計画についても、買取・仲介の両面から中立にアドバイスできるのが私たちの強みです。
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よくあるご質問
Q. 不動産の贈与税はどうやって計算しますか?
(贈与を受けた不動産の評価額−基礎控除110万円)×税率−控除額で計算します。評価額は固定資産税評価額や路線価にもとづく相続税評価額を使います。
Q. 一般税率と特例税率、どちらが適用されますか?
父母・祖父母などの直系尊属から、贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上の子・孫への贈与は特例税率、それ以外(夫婦間・兄弟間・18歳未満の子など)は一般税率が適用されます。
Q. 不動産の評価額はどこで確認できますか?
固定資産税評価額は毎年送付される固定資産税の納税通知書や、市区町村役場で取得できる固定資産評価証明書で確認できます。
Q. 贈与税の申告はいつまでにすればいいですか?
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の住所地を管轄する税務署へ申告します。
Q. 基礎控除110万円は毎年使えますか?
はい、暦年課税の基礎控除は毎年使えます。ただし複数年に分けて贈与する場合は、登記費用が贈与のたびにかかる点や、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算される「生前贈与加算」の対象になる点に注意が必要です。
Q. 贈与税を払えない場合はどうなりますか?
期限内に納税できない場合、延滞税が発生します。一定の要件を満たせば延納(分割払い)も可能ですが、事前に税務署への相談が必要です。
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