「固定資産税の納付書が来ているのに、払えるお金がない」「うっかり忘れて督促状が届いた」——そんなとき、放置すると何が起きるのか不安に感じる方は少なくありません。固定資産税を滞納すると、延滞金が発生するだけでなく、最終的には財産の差し押さえや公売に至ることもあります。この記事では、固定資産税を払わないとどうなるのかを、滞納から差し押さえまでの流れに沿って解説し、払えないときに検討したい3つの対処法をご紹介します。
この記事のポイント
- 固定資産税を滞納すると、納期限の翌日から延滞金が発生する
- 納期限から20日以内に督促状が送られ、発送から10日経過すると法律上は差し押さえが可能になる
- 放置しても時効で自動的に消えることはほとんどなく、財産調査・差し押さえ・公売へと進んでいく
- 払えないときは「分割納付の相談」「徴収猶予制度」「売却して精算」の3つの選択肢がある
- 相続した空き家などを放置すると、固定資産税が上がるリスクもある
固定資産税はいつ・誰に課税される?
毎年1月1日時点の所有者に課税される仕組み
固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点で土地・家屋・償却資産を所有している人に対して、その不動産が所在する市区町村が課税する地方税です。年の途中で売却しても、その年度分は1月1日時点の所有者に納税義務があるのが原則で、実務上は決済時に日割りで精算するのが一般的です。
年4回の納期と自治体ごとの違い
納期は多くの自治体で年4期に分かれており、たとえば4月・7月・12月・2月といった時期に設定されています(自治体により異なります)。全期分をまとめて一括で納めることもできます。納期限は自治体ごとに異なるため、正確な日付は納付書や自治体窓口・公式サイトで確認してください。
固定資産税を滞納するとどうなる?差し押さえまでの流れ
STEP1:納期限を過ぎると延滞金が発生する
納期限の翌日から、納めていない税額に応じて延滞金が発生します。延滞金は日割りで加算されていくため、放置する期間が長くなるほど負担は増えていきます。
STEP2:督促状が届く(納期限から20日以内)
地方税法では、納期限までに納付がない場合、市区町村は納期限から20日以内に督促状を発送するよう定められています。督促状には、滞納している税額・延滞金・新しい納付期限などが記載されており、この段階で納付すれば差し押さえには至りません。
STEP3:督促状の発送から10日で差し押さえが法律上は可能に
地方税法第373条では、督促状を発した日から起算して10日を経過しても完納しないときは、徴税吏員は滞納者の財産を差し押さえなければならないとされています。ただし、実際には10日を過ぎてすぐに差し押さえが行われるケースは多くなく、催告書の送付や納付相談の案内など、複数の段階を経て手続きが進むのが一般的です。
STEP4:財産調査
納付や相談がないまま滞納が続くと、自治体は滞納者の給与・預貯金・生命保険・不動産といった財産の状況を調査します。勤務先や金融機関に照会が行われることもあります。
STEP5:差し押さえ
財産調査の結果に基づき、給与・預貯金・生命保険の解約返戻金・不動産などが差し押さえの対象になります。不動産が差し押さえられると、その旨が登記簿に記載されます。
STEP6:公売
差し押さえた不動産などの財産は、最終的に公売(自治体が行う競売のような手続き)にかけられ、その代金が滞納税額に充てられます。公売は一般的な任意売却に比べて売却価格が下がりやすい傾向があるとされています。
延滞金はいくらになる?2026年の税率で確認
納期限後1か月以内は年2.8%
延滞金の割合は「延滞金特例基準割合」をもとに毎年見直されます。2026年(令和8年)の延滞金特例基準割合は1.8%とされており、納期限の翌日から1か月以内は、この特例基準割合に年1%を加えた年2.8%が適用されます。
納期限後1か月を過ぎると年9.1%
納期限から1か月を過ぎると、延滞金特例基準割合に年7.3%を加えた年9.1%(原則の上限は年14.6%)に切り替わります。滞納が長期化するほど延滞金の負担が重くなる仕組みです。
計算はあくまで目安、正確な金額は自治体に確認を
延滞金の割合は年度によって変動するため、正確な金額は納付書や納税通知書、自治体の窓口・公式サイトで必ず確認してください。この記事の税率・金額は2026年時点の目安であり、将来にわたって同じ割合が適用されるとは限りません。
滞納しても時効で消えるとは限らない理由
地方税の徴収権には時効の制度がありますが、督促状の送付や差し押さえなどの手続きが行われるたびに時効の進行はリセット(中断)されます。そのため、「黙って放置していれば時効で消える」という考え方は現実的ではなく、督促や催告が続く限り、時効による消滅はほとんど期待できません。
払えないときの3つの選択肢
選択肢1:自治体に分割納付を相談する
一括での納付が難しい場合は、督促状が届く前でも、市区町村の税務担当窓口に早めに相談することが大切です。収入状況などに応じて分割納付に応じてもらえるケースがあります。連絡をせずに放置することが最もリスクが高い対応です。
選択肢2:徴収猶予・換価の猶予制度を使う
災害や病気、事業の休廃止、それに準ずる事実などにより納付が困難な場合には、地方税法に基づく徴収猶予・換価の猶予といった制度が用意されています。要件に該当するかどうかは自治体ごとに判断が異なるため、窓口での相談が必要です。
選択肢3:不動産を売却して精算する
そもそも所有し続けること自体が負担になっている不動産であれば、差し押さえや公売に至る前に、仲介や買取で売却して滞納分を精算するという選択肢もあります。特に「住んでいない実家」「相続したが活用予定のない土地」などは、保有を続けるほど固定資産税と延滞金が積み上がっていくため、早めの売却検討が有効な場合があります。
空き家・相続不動産の固定資産税で特に注意したいこと
相続人は滞納分も引き継ぐ
被相続人(亡くなった方)が固定資産税を滞納していた場合、その未納分は相続人に承継されます。相続放棄をすれば納税義務を免れることもできますが、他の財産も含めて一切相続できなくなる点に注意が必要です。
誰も住んでいない家でも課税は止まらない
空き家であっても、1月1日時点の所有者には変わらず固定資産税が課税されます。「使っていないから払わなくてよい」ということにはなりません。
特定空家に指定されると住宅用地の特例が外れる
適切に管理されず「特定空家等」に指定されると、市区町村からの勧告を経て、住宅用地に対する固定資産税の軽減特例(最大6分の1)の対象から外れ、税額が大きく上がる場合があります。特定空家等の指定や税額への影響については、自治体の空家対策担当窓口での確認が必要です。
差し押さえ・公売になる前に検討したい売却という選択肢
差し押さえや公売は、所有者にとっても自治体にとっても手間とコストのかかる手続きです。滞納が長期化する見込みがあるなら、そうなる前に任意売却や買取を検討することで、市場価格に近い金額での売却や、精神的な負担の軽減につながることがあります。すでに差し押さえの通知が来ている場合でも、公売の前であれば任意売却によって解決できるケースもあるため、早めの相談が重要です。
茨城県内での対応・ハウスドゥ4店舗体制
ハウスドゥは茨城県内に、取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗を展開し、地域に根差した不動産売却・買取のご相談をお受けしています。固定資産税の滞納でお悩みの不動産についても、仲介による売却だけでなく、スピード重視の買取査定にも対応可能です。「差し押さえの通知が来てしまった」「早く現金化したい」といったご事情に応じて、最適な売却方法をご提案します。まずは無料査定からお気軽にご相談ください。
まとめ|固定資産税は「放置」が一番のリスク
固定資産税を滞納すると、延滞金の発生→督促状→差し押さえ→公売という流れで手続きが進んでいき、放置していても時効で自動的に解決することはほとんど期待できません。払えない事情があるときほど、自治体への早めの相談や、不要な不動産の売却検討など、動き出すタイミングが大切です。
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よくある質問
Q. 固定資産税を1年滞納するとどうなりますか?
A. 1年間放置した場合、延滞金が積み上がるだけでなく、督促状・催告書を経て財産調査や差し押さえの手続きが進んでいる可能性が高い期間です。早急に自治体の税務担当窓口へ相談することをおすすめします。
Q. 差し押さえまでどのくらいの期間がかかりますか?
A. 法律上は督促状の発送から10日経過すると差し押さえが可能ですが、実際には財産調査や複数回の催告を経ることが多く、自治体や状況によって期間は異なります。正確な見通しは滞納先の自治体に確認する必要があります。
Q. 分割払いはできますか?
A. 収入状況などの事情によっては、自治体の判断で分割納付に応じてもらえる場合があります。督促状が届く前の早い段階で、税務担当窓口に相談することが重要です。
Q. 相続した家の固定資産税を滞納していた場合はどうなりますか?
A. 被相続人の滞納分は相続人に承継されます。相続放棄をすれば納税義務を免れられますが、他の財産も含めて一切相続できなくなる点に注意が必要です。
Q. 差し押さえられる前に売ることはできますか?
A. 差し押さえ・公売の手続きが始まる前であれば、任意売却や買取によって売却し、その代金で滞納分を精算できる可能性があります。既に差し押さえの通知が来ている場合も、公売前であれば対応できるケースがあるため、早めのご相談をおすすめします。
Q. 延滞金はどのくらいの金額になりますか?
A. 2026年の税率では、納期限の翌日から1か月以内は年2.8%、1か月を過ぎると年9.1%が目安です。ただし割合は年度により変動するため、正確な金額は納付書や自治体窓口でご確認ください。
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