結論:土地の寄付は「誰でも・どんな土地でも」できるわけではありません。自治体や法人は受け入れるかどうかを自分たちで判断でき、使い道のない土地や管理に費用がかかる土地は断られるのが一般的です。相続などで取得した土地なら、条件を満たせば「相続土地国庫帰属制度」で国に引き取ってもらう道もあります。また、個人が土地を寄付すると、お金を受け取っていなくても「時価で譲渡した」とみなされて税金がかかる場合があります(特例で非課税になることもあります)。この記事では、ハウスドゥ茨城(取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗)が、土地の寄付先ごとの違い、税金、手続き、断られたときの手放し方までをわかりやすく解説します。
- 土地の寄付とは?まず知っておきたい基本
- 土地の寄付先は4種類|それぞれの特徴と受け入れられやすさ
- 土地の寄付が断られる主な理由と、受け入れられやすい土地の条件
- 土地を寄付するときにかかる税金|みなし譲渡所得・寄付金控除・贈与税
- 土地を寄付する手続きの流れ【自治体・法人・個人向け】
- 国庫帰属制度を使う場合の流れと注意点
- 茨城県の土地で寄付を考えるときの注意点
- 土地の寄付が難しいときの5つの選択肢
- 寄付の前に確認したい土地の情報と調査の進め方
- 土地を寄付せずに放置するとどうなる?維持管理の負担と将来のリスク
- 土地の寄付に関するよくある質問(FAQ)
- まとめ|土地の寄付は「受け入れ先探し」と「税金の事前確認」が成功のカギ
土地の寄付とは?まず知っておきたい基本
「寄付」と「売却」「贈与」はどう違う?
土地の寄付とは、代金を受け取らずに自分の土地の所有権を相手に渡すことです。法律上は「贈与」にあたり、渡す側(寄付する人)と受け取る側が合意して、はじめて成立します。つまり、こちらが「差し上げたい」と思っても、相手が「いりません」と言えば成立しません。売却は代金を受け取る取引、寄付は無償で渡す取引、と覚えておくとわかりやすいでしょう。
土地を寄付したい人が増えている理由
茨城県でも、親から相続した土地が遠方にある、使う予定がない、毎年の固定資産税や草刈りの手間が負担、といった理由で「土地を手放したい」と考える方が増えています。売ろうとしても買い手がつかず、「それなら寄付したい」と考えるのは自然な流れです。ただし、土地は持っているだけで管理の責任が生じるため、受け取る側にとっても負担になります。その結果、寄付は簡単には受け入れられにくいのが実情です。
土地の寄付先は4種類|それぞれの特徴と受け入れられやすさ

土地を寄付できる先は、大きく分けて「国」「自治体」「法人・団体」「個人」の4つです。それぞれ受け入れの考え方が異なります。
| 寄付先 | 受け入れられやすさ | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 国(相続土地国庫帰属制度) | 要件を満たせば可能 | 相続・遺贈で取得した土地が対象。審査手数料と負担金が必要 |
| 自治体(市町村・県) | 公共利用の見込みがあれば可能性あり | 原則として自治体が受入れを判断。管理費がかかる土地は断られやすい |
| 法人・団体(NPO・宗教法人・認可地縁団体など) | 団体の活動目的に合えば可能性あり | 団体の定款や活動内容に合わないと受け入れられない |
| 個人(隣地の所有者など) | 合意できれば可能 | 贈与税が受け取る側にかかる場合がある |
国に寄付する|相続土地国庫帰属制度
2023年4月27日に始まった制度で、相続や遺贈(遺言による贈与)で土地を取得した方が、法務大臣の承認を受けて土地を国に引き渡せる仕組みです。「国に寄付する」といわれますが、正確には国庫帰属の承認申請をして、審査に通ったあとで負担金を納める形になります。審査手数料は土地1筆あたり1万4,000円で、承認後の負担金は土地の種類や面積に応じて決まります。宅地の場合は面積に応じた負担金(目安として20万円程度から)、とされています。詳しい要件や費用は、相続土地国庫帰属制度|申請の流れと費用で解説しています。
自治体に寄付する|「寄附採納」のハードル
市町村や県への寄付は、一般に「寄附の申出」を行い、自治体が受入れを決定して「採納(さいのう)」する流れです。道路の拡幅、公園、公共施設の用地など、公共に役立つ見込みがある土地であれば検討してもらえる可能性があります。一方で、更地でも利用目的がない、管理に費用がかかる、境界が不明確、といった土地は断られるのが一般的です。自治体ごとに受入れ基準が異なるため、まずは土地のある市町村の担当課へ相談するのが近道です。断られる理由と対処は、土地を自治体に無償譲渡できる?できない?断られる理由と手放す5つの方法でも詳しく説明しています。
法人・団体に寄付する|NPO・宗教法人・認可地縁団体など
社会福祉法人、学校法人、NPO法人、宗教法人、地域の自治会(認可地縁団体)などが、活動に必要な土地を寄付で受け入れるケースもあります。受け取る側は、自分たちの目的に使える土地かどうか、維持費を負担できるかを重視します。「土地を使ってくれる先を探している」場合は、近隣の団体に直接相談する方法もあります。ただし、寄付の可否や条件は団体ごとに異なるため、事前の確認が必須です。
個人に寄付(贈与)する|隣地所有者への譲渡
意外と現実的なのが、隣の土地の所有者に譲る方法です。隣地の方にとっては、敷地が広がり、形が整うメリットがあります。売却としても、贈与としても相談が可能です。ただし、受け取った人には贈与税がかかる場合があります(年間110万円の基礎控除を超えた場合など)。登記の費用負担や境界の確認も、合意前に話し合っておきましょう。
土地の寄付が断られる主な理由と、受け入れられやすい土地の条件
断られやすい土地の特徴
- 建物が残っている、またはごみ・古い設備(浄化槽・井戸など)がある
- 隣地との境界がはっきりしない、境界争いがある
- 抵当権などの担保権が付いている、他人が使う権利(通行や借地)が付いている
- 崖地、傾斜が急な土地、水害のリスクが高い土地など管理に費用がかかる
- 山林・原野で利用目的がない、アクセスできない(袋地)
- 土壌汚染や地下の埋設物の可能性がある
相続土地国庫帰属制度では、上記のような土地は「承認申請を却下される」「不承認となる」ことがあります。具体的な理由は、相続土地国庫帰属|却下・不承認となる10の理由を、山林の場合は山林は国庫帰属できる?要件と却下されやすいケースをご確認ください。
受け入れられやすい土地の条件
一般に、更地で形が整っていて、境界が確定しており、権利関係に問題がなく、道路に接している土地は、受け入れられる可能性が高まります。特に自治体は、公共用地として使える土地(道路拡幅用地、公園・防災用地など)であれば検討対象にしやすいといわれます。セットバック部分(建築の際に道路として後退して提供する部分)は、自治体が寄付を受け入れる制度を設けている場合があります。ただし、制度の有無や条件は自治体ごとに異なります。
土地を寄付するときにかかる税金|みなし譲渡所得・寄付金控除・贈与税

個人が寄付すると「みなし譲渡所得」がかかることがある
個人が土地を法人や自治体などに寄付すると、税務上は「その土地を時価で売ったもの」とみなされて、譲渡所得税(所得税・住民税)の対象になることがあります。これを「みなし譲渡所得課税」といいます。お金を受け取っていないのに税金が発生するため、驚く方も少なくありません。譲渡所得の計算の基本は、譲渡所得税とは?計算方法・税率・3,000万円特別控除をご覧ください。
国や自治体、公益法人への寄付で受けられる非課税の特例
国・地方公共団体、または一定の公益法人などへ土地を寄付した場合、国税庁長官の承認を受けるなど所定の要件を満たすと、みなし譲渡所得税が非課税になる特例があります。承認の手続きは寄付した年の翌年の確定申告期限までに必要になることが多いため、寄付の前に税務署へ確認しておくと安心です。特例を受けられるかどうかは個別の事情により異なります。
寄付金控除(所得控除)は受けられる?
国や地方公共団体への寄付金は、「特定寄附金」として所得控除(寄付金控除)の対象になることがあります。ただし、土地そのものを寄付した場合の評価の考え方は複雑で、土地の取得価額や時価の扱いがケースにより異なります。実際に控除を受けるには、確定申告で寄付先が発行する受領証明書などを添付する必要があります。控除の対象になるかどうかは、事前に税務署や税理士に確認してください。
法人・個人に寄付した場合の税金
受け取る側が法人の場合は、受け取った土地の価値が「受贈益」として法人税の課税対象になることがあります。受け取る側が個人の場合は、贈与税がかかる可能性があります(暦年課税の基礎控除は年間110万円)。どちらも、寄付を受け入れてもらうためには、受け取る側の税負担も事前に伝えて話し合うことが大切です。
寄付後の固定資産税・登記費用
土地の所有者は、毎年1月1日時点の登記上の所有者です。年の途中で寄付して所有権が移っても、その年の固定資産税の扱いは売買と同様に当事者間で精算を決めるのが一般的です。また、寄付(贈与)による所有権移転登記では、登録免許税や司法書士報酬、測量費用などがかかることがあります。登録免許税は、土地の固定資産税評価額に税率を掛けて計算し、贈与の場合は一般に評価額の2%とされています(軽減措置の有無は事前に確認してください)。税金がかからない土地の条件は、固定資産税がかからない土地とはも参考になります。
土地を寄付する手続きの流れ【自治体・法人・個人向け】
- 寄付したい土地の現状を調べる(登記事項証明書・公図・境界・建物・権利関係の確認)
- 寄付先の候補に事前相談する(自治体の担当課、団体、隣地所有者など)
- 寄付の可否の判断を待つ(現地確認・境界確認・使い道の検討があります)
- 必要書類を準備する(寄附申出書、登記事項証明書、公図、測量図など。必要書類は寄付先で異なります)
- 贈与契約書または寄附採納の手続きを進める
- 所有権移転登記を申請する(司法書士に依頼するのが一般的です)
- 税務署へ確定申告・承認申請の手続きをする(特例を受ける場合)
測量が必要になる場合、費用は土地の広さや形、境界の状況により大きく変わります。数十万円以上かかることもあるため、事前に見積もりを取って判断しましょう。
国庫帰属制度を使う場合の流れと注意点
国庫帰属制度で必要な費用と期間の目安
承認申請の際に、土地1筆あたり1万4,000円の審査手数料がかかります(不承認や取り下げでも返金されません)。承認後は負担金(10年分の管理費相当額)を納めると、土地が国のものになります。審査には一定の期間がかかるといわれ、数か月から1年程度かかることもあります。
国庫帰属制度で承認されない場合に注意すること
建物がある土地、担保権が設定されている土地、通路などに使われている土地、土壌汚染がある土地、境界が不明な土地などは、申請しても承認されません。承認申請の前に、建物の解体、境界の確認、残置物の撤去などを済ませておく必要があります。相続放棄との違いも重要です。相続放棄土地どうなる?管理責任と税金の落とし穴も併せてご覧ください。
茨城県の土地で寄付を考えるときの注意点
農地・山林・市街化調整区域は特に慎重に
茨城県は農地や山林が多く、土地の種類によって手続きが変わります。農地を第三者に贈与するには、農地法の許可(農業委員会)が必要になるのが一般的です。農地の手続きは農地の所有権移転登記は自分でできる?で整理しています。また、市街化調整区域の土地は建物を建てる自由度が低いため、受け取り手が見つかりにくい傾向があります。土地利用の基本は、茨城県の土地利用の解説も役立ちます。
地元の不動産会社に先に相談するメリット
「寄付先が見つからない」と悩む土地でも、立地や形状によっては買取や仲介で売却できる場合があります。茨城県内で長く営業している不動産会社であれば、近隣の買い手の動向や、隣地所有者の状況もある程度把握できます。ハウスドゥ茨城では、取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗で、売却・買取のご相談を承っています。
土地の寄付が難しいときの5つの選択肢
寄付先が見つからない場合でも、手放す方法がなくなるわけではありません。
- 隣地の所有者へ売却または贈与する
- 不動産会社の買取を利用する(売却価格は低くなる傾向ですが、早く手放せます)
- 空き地バンクに登録して買い手や借り手を探す(空き地バンクとは?空き家バンクとの違いと登録・活用の流れも参考になります)
- 活用して収益化する、または管理を委託して負担を減らす
- 司法書士・税理士・不動産会社など専門家に相談して、最適な出口を探す
「どの方法が自分の土地に合うか」は、土地の場所、形、権利関係で変わります。複数の窓口に同時に相談して比較するのが、結果的に早く解決するコツです。
寄付の前に確認したい土地の情報と調査の進め方
法務局で確認する登記情報と必要な資料
寄付を相談する前に、まず土地の基本情報を整理しておくと話が早く進みます。法務局で取得できる登記事項証明書(登記簿謄本)で所有者・地目・面積・抵当権の有無を確認し、公図や地積測量図で土地の形や境界を調べます。これらの資料は、自治体や法人に寄付を相談する際の提出資料としても求められるのが一般的です。物件の現況(建物・樹木・古い設備の有無)も、写真つきで内容を記録しておきましょう。
相続人が複数いる土地は、全員の同意が必要になる
名義が亡くなった親のままの土地や、相続人が複数いる共有の財産は、寄付の前に相続登記や遺産分割の整理が必要です。相続人全員の合意がないまま、処分(寄付や売却)を進めることはできません。相続登記は2024年4月から義務化されており、放置すると手続きがさらに複雑になります。相続人が遠方に住んでいる場合も、早めに連絡を取り、方針を共有することが大切です。
提出書類の作成と手続きの案内を受けるには
寄附申出書や承認申請書などの作成は、慣れていないと時間がかかります。自治体の担当課や法務局では、手続きの概要や必要な書類の案内を受けられます。登記の申請は司法書士、税金の判断は税理士、売却や買取の相談は不動産会社と、役割に応じて相談先を使い分けるとスムーズです。詳細な条件は自治体や制度ごとに変わるため、最新の情報を各窓口で確認してください。
土地を寄付せずに放置するとどうなる?維持管理の負担と将来のリスク
使わない土地をそのままにしておくと、毎年の固定資産税に加えて、草刈りや不法投棄の対策など維持管理の費用と手間がかかり続けます。管理が行き届かない土地は、近隣への迷惑や、ごみの投棄、害虫・害獣の発生につながることがあり、所有者として責任を問われる可能性もあります。将来、子どもや親族へ負担を引き継ぐことにもなるため、不要な土地は早めに処分や売却の方向を決めるのが得策です。放置期間が長いほど、境界の確認や相続人の調査も難しくなる点に注意しましょう。
土地の寄付に関するよくある質問(FAQ)
土地は誰にでも寄付できますか?
寄付は相手が受け入れて初めて成立します。自治体や法人は受け入れの判断を自分たちで行い、利用目的がない土地や管理に費用がかかる土地は断られるのが一般的です。相続などで取得した土地は、条件を満たせば相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらえる可能性もあります。
土地を自治体に寄付すると税金はかかりますか?
個人が寄付した場合、時価で譲渡したとみなされる「みなし譲渡所得課税」の対象になることがあります。国や地方公共団体への寄付などで所定の承認を受ければ、非課税になる特例があります。個別の判断は税務署や税理士にご確認ください。
土地の寄付に寄付金控除は使えますか?
国や地方公共団体への寄付は特定寄附金として所得控除の対象になることがあります。ただし、土地そのものを寄付した場合の評価の扱いはケースにより異なるため、確定申告の前に税務署や税理士へ確認してください。
相続した土地を国に引き取ってもらうには、いくらかかりますか?
相続土地国庫帰属制度では、審査手数料が土地1筆あたり1万4,000円、承認後に負担金(10年分の管理費相当額)が必要です。宅地の場合は面積に応じた負担金で、目安として20万円程度からとされています。建物があるなど要件を満たさない土地は承認されません。
土地の寄付で必要な費用にはどんなものがありますか?
登記の際の登録免許税や司法書士報酬、必要に応じた測量費用、残置物の撤去費などがかかることがあります。測量は土地の広さや境界の状況により大きく変わり、数十万円以上かかる場合もあります。
自治体に断られた土地はどうすればよいですか?
隣地の所有者へ売却・贈与する、不動産会社に買取や仲介を相談する、空き地バンクに登録する、活用や管理委託で負担を減らす、といった方法があります。土地の状況により向く方法が異なるため、複数の窓口に相談して比較しましょう。
農地や山林を寄付する場合の注意点はありますか?
農地は第三者へ贈与するときに農地法の許可が必要になるのが一般的で、山林は管理や境界の問題から受け入れ先が限られます。茨城県内の土地であれば、まず市町村の農業委員会や担当課、または地元の不動産会社に相談すると進めやすくなります。
ハウスドゥ茨城では土地の売却や買取の相談はできますか?
はい、取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗で、土地の売却・買取のご相談を承っています。寄付が難しい土地でも、状況によっては売却や買取でのご提案が可能です。お電話は0120-565-072、またはページ内の相談フォームからどうぞ。
相続人が複数いる土地を寄付するには、誰の同意が必要ですか?
相続登記が済んでいない土地や共有の土地は、相続人全員の同意が必要になるのが一般的です。まず相続登記や遺産分割の整理を行い、所有者を明確にしてから寄付先に相談します。相続登記は2024年4月から義務化されているため、お早めに司法書士などへご相談ください。
まとめ|土地の寄付は「受け入れ先探し」と「税金の事前確認」が成功のカギ
土地の寄付は、相手が受け入れてくれて初めて成立します。自治体・法人・個人・国それぞれに条件が異なり、更地で境界が明確な土地ほど受け入れられやすい傾向があります。個人が寄付すると、みなし譲渡所得課税などの税金がかかる場合があるため、特例の対象かどうかを事前に確認しましょう。どうしても寄付先が見つからないときは、隣地への譲渡、買取、空き地バンクなど別の選択肢も検討できます。土地の手放し方にお悩みの方は、お気軽にハウスドゥ茨城(フリーダイヤル0120-565-072)へご相談ください。
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