茨城県内で高校進学期のお子さんがいるご家庭から、住まい探しの際に「この地域だと県立高校はどこに通えますか」「私立の進学校は近くにありますか」というご相談をいただくことがあります。小中学校が住所によって通学区域(学区)が決まるのに対し、高校は茨城県内すべてが一つの学区(全県一学区)となっており、市町村の境界にとらわれず県内のほぼどこからでも希望の高校を目指せる仕組みになっています。この記事では、茨城県内の高校(公立・私立)の学校数・生徒数を最新の公的統計から確認したうえで、県内5地域(県北・県央・鹿行・県南・県西)ごとの分布傾向、通学区域制度の考え方、近年の高校再編の動きまでを一次情報にもとづいて整理します。
1. 茨城県内の高校(公立・私立)の全体像
1-1. 学校数・生徒数の最新データ
茨城県政策企画部統計課が公表した「令和7年度茨城の学校統計」によると、茨城県内の高等学校(全日制・定時制、公立・私立を含む)の状況は次のとおりです。
| 区分 | 学校数 | 内訳 | 生徒数 | 前年度比 |
|---|---|---|---|---|
| 高等学校(全日制・定時制) | 117校 | 公立93校・私立24校 | 67,119人 | 学校数▲1校/生徒数▲1,029人 |
| 中高一貫教育校(再掲・併設型) | 18校 | 公立10校・私立8校 | – | – |
| 中高一貫教育校(再掲・連携型) | 3校 | 公立1校・私立2校 | – | – |
| 通信制課程 | 15校 | 独立校11校(私立のみ)・併置校4校(公立1校・私立3校) | 38,287人 | 学校数+1校/生徒数+3,061人 |
出典:茨城県政策企画部統計課「令和7年度茨城の学校統計(学校基本調査結果報告書)」(令和8年3月公表)
1-2. 公立・私立の生徒数比率
全日制・定時制高校の生徒67,119人のうち、設置者別の内訳は公立47,673人・私立19,446人です。私立生徒の占める割合は29.0%で、前年度より0.2ポイント低下しています。おおむね「10人に3人弱が私立高校生」という比率が、ここ数年大きく変わらず続いていることがわかります。

1-3. 中学校卒業者との関係
参考として、茨城県内の中学校数は215校(公立204校・私立11校)で、高校とは別の統計区分です。中学校を卒業した生徒の多くが、県内の全日制高校117校のいずれかへ進学する構造になっています。
2. 通信制課程の急拡大という近年の変化
2-1. 通信制の生徒数は全日制の半分規模に
令和7年度の通信制課程の生徒数は38,287人(男17,311人・女20,976人)で、前年度より3,061人増加しました。全日制・定時制の生徒数67,119人と比較すると、通信制はすでにその5割以上の規模に達しています。学校数も15校と前年度より1校増加しました。
2-2. 独立校は私立のみという構造
通信制課程のうち、通信制のみを設置する独立校11校はすべて私立です。公立の通信制は、全日制課程などに併設される形の1校のみとなっています。私立の通信制高校が県内の学びの選択肢を広げている構図がうかがえます。
3. 学科別に見る生徒の進路傾向
3-1. 普通科が全体の8割弱を占める
本科(全日制・定時制)の生徒67,119人を学科別に見ると、普通科が52,105人で全体の77.8%と圧倒的多数を占めます。以下、工業に関する学科4,264人(6.4%)、商業に関する学科3,891人(5.8%)、総合学科2,858人(4.3%)、農業に関する学科1,414人(2.1%)と続きます。

3-2. 入学者数と進路の実績
本科の入学者数は22,750人で、前年度より131人減少しました。卒業者の進路は大学等進学率57.7%(前年度より0.2ポイント上昇)、就職者の割合17.6%(前年度より0.7ポイント上昇)となっており、進学と就職の両方が緩やかに増加している点が特徴です。
4. 県立高校の地域分布
4-1. 全県一学区という前提
茨城県教育委員会の公表情報によれば、茨城県の県立高校は特定の学区に区切られておらず、県内どこに住んでいても県内の県立高校を志願できる仕組みが取られています。小中学校の「住所で通学区域が決まる」学区制とは異なり、高校では住まいの場所そのものが直接の制約にはなりにくい点が大きな違いです(通学時間・交通手段など実務上の制約は別途生じます)。
4-2. 5地域それぞれに主要な県立高校が存在
茨城県教育委員会「茨城県立高等学校(全日制)一覧」によると、県立の全日制高校は84校あり、県内5地域(県北・県央・鹿行・県南・県西)それぞれに分布しています。地域の中心都市には複数の県立高校が集積する一方、郡部では1つの高校が広い範囲をカバーする構図です。たとえば県央地域の水戸市には9校、県北地域の日立市には8校が所在するなど、人口集積地に学校数が偏る傾向がみられます。
4-3. 地域による学校数の偏りとその意味
この偏りは、茨城県が県土面積の広い県であることと表裏一体です。人口の少ない地域では、1つの高校の通学圏が自然と広くなり、自宅からの距離や交通手段が進路選択に影響しやすくなります。茨城県内で住まいを検討する際、「最寄りの高校まで無理なく通えるか」という視点は、子育て世帯にとって現実的な検討材料の一つといえます。
5. 私立高校の地域分布
5-1. 私立高校24校のエリア別内訳
茨城県教育委員会「私立高等学校一覧」によると、全日制の私立高校は24校あり、エリア別の内訳は次のとおりです。
| エリア | 校数 | 主な所在市 |
|---|---|---|
| 県北 | 8校 | 日立市8校 |
| 県央 | 36校 | ※水戸市34校・笠間市1校・常陸大宮市1校(下記注参照) |
| 鹿行 | 5校 | 鹿嶋市4校・神栖市1校 |
| 県南 | 44校 | ※土浦市15校・取手市7校・つくば市10校・牛久市3校・石岡市4校・龍ケ崎市1校・稲敷市1校・かすみがうら市1校・阿見町2校・利根町1校 |
| 県西 | 13校 | ※古河市6校・結城市1校・常総市1校・筑西市4校・桜川市1校 |
出典:茨城県教育委員会公式サイト「私立高等学校一覧」の絞り込みカウント(校数は全日制課程の私立高校数)。なお県央・県南・県西の合計値はサイトの絞り込み表示(コース単位で複数カウントされる場合がある)に基づく参考値であり、実際の私立高校24校という総数と地域別カウント合計との対応関係は同ページの表示仕様によるものです。地域ごとの分布傾向(水戸市・土浦市・つくば市に集中している事実)を読み取る目的で掲載しています。
5-2. 水戸市・土浦市・つくば市への集中
私立高校の分布を市単位で見ると、水戸市・土浦市・つくば市の3市に集中していることが明確です。この3市はいずれも県内有数の人口集積地であり、生徒の通学圏として一定の人口規模を確保しやすいことが背景にあると考えられます。
5-3. 不動産購入検討層にもなじみのある進学校の存在
茨城県教育委員会公式の私立高校一覧に掲載される学校の中には、江戸川学園取手高等学校、土浦日本大学高等学校、茗溪学園高等学校、常総学院高等学校など、県内外で進学実績を通じて広く知られる学校も含まれます。こうした学校の存在は、進学を重視する子育て世帯が住まいを選ぶ際の検討材料の一つになり得ます。
6. 中高一貫教育校という選択肢
6-1. 併設型と連携型の違い
茨城県内には中高一貫教育校が併設型18校(公立10校・私立8校)、連携型3校(公立1校・私立2校)あります(いずれも高校の再掲データ)。併設型は同一の設置者が中学校と高校を一体的に運営する形態、連携型は既存の中学校と高校が教育課程などで連携する形態です。
6-2. 公立中高一貫校という選択肢の広がり
公立の中高一貫校が併設型10校・連携型1校と一定数存在することは、私立に限らず公立でも中高一貫という教育の選び方が県内に根付いていることを示しています。進学を重視する家庭にとって、公立・私立を問わず中高一貫校の所在地は住まい選びの検討軸になりやすい要素です。
7. 高校の通学区域制度と入試の考え方
7-1. 小中学校との違い(全県一学区)
茨城県教育委員会「高校教育・中高一貫教育」のページによれば、茨城県立高校の入学者選抜は県内全域を対象とした仕組みで運用されています。小中学校のように「住んでいる住所で通う学校が自動的に決まる」学区制とは異なり、志願者自身が県内の高校から志望校を選んで受験する制度です。ただし、通学区域制度の沿革や過去の学区区分の詳細な変遷については、本記事作成時点で参照した一次資料の範囲では確認できておらず、断定的な記載は避けています。
7-2. 入試情報は県教育委員会が一元公開
県立高校の入試に関する募集人員・選抜方法などの詳細情報は、茨城県教育委員会「県立学校入試情報」のページで一元的に公開されています。年度によって選抜方法や日程が変わることもあるため、実際の受験を検討する際は最新の公式情報を確認することが重要です。
7-3. 私立高校は独自の入試制度
私立高校は学校ごとに入試制度・募集人員・コース設定が異なります。県立高校とは別の日程・選考方法で実施されることが一般的で、併願先として県立高校と組み合わせて検討する受験生も多く見られます。
8. 少子化に伴う県立高校の再編
8-1. 中学校卒業者数の減少見込み
茨城県教育委員会「県立高等学校改革プラン実施プランII期」(令和6年1月策定)によると、茨城県内の中学校卒業者数は令和5年3月から計画終了年度の令和8年度までに約1,100人減少する見込みです。この生徒数の減少が、高校の学級数・学校規模の見直しにつながっています。
8-2. 対応の基本方針
同プランでは、対応の基本方針として①募集学級数の調整を原則とし、②3学級以下の小規模校でも志願状況によっては学級減を行うこと、③小規模化への対応として学校を統合せずに複数校を一体的に運営する「学校連携型キャンパス制」をモデル的に実施すること、④募集学級数の調整だけでは対応が難しい場合に統合や分校化を検討すること、が示されています。
8-3. 実際に進んでいる再編の例
同プランに基づく実施例として、明野高校が真壁高校へ機能統合され(令和7年度実施、明野高校は令和8年度末に閉校予定)、太田第一高校の定時制が閉課程となる予定(令和7年度実施、令和9年度末閉課程)、結城第一高校・鬼怒商業高校では学校を統合せず「学校連携型キャンパス制」が導入されています(令和7年度、統合はなし)。茨城県教育委員会は、こうした対応がエリアによって状況が大きく異なるとの立場を示しており、県内一律の方針ではなく地域ごとの実情に応じた再編が進められています。
8-4. 住まい選びへの示唆
高校の再編は今後も生徒数の動向次第で続く可能性があります。特定の高校の存続を前提に住まいを選ぶよりも、地域全体としてどのような教育環境が維持されているか、複数の選択肢があるかという視点で検討することが実務的といえます。
9. 高校の分布と住まい選びの関係
9-1. 進学期の住み替えで意識されるポイント
当社に寄せられるご相談の中には、お子さんの高校進学のタイミングで住み替えを検討されるご家庭もあります。全県一学区とはいえ、実際の通学は電車・バス・自転車などの現実的な移動手段に左右されるため、「志望校まで無理なく通えるか」は住まい選びの重要な視点です。
9-2. 地域による教育環境の違いを知っておく
本記事で見たとおり、私立高校は水戸市・土浦市・つくば市に集中し、県立高校も人口集積地に複数校が所在する一方、郡部では選択肢が限られる傾向があります。茨城県内で住まいを探す際は、こうした教育環境の地域差を踏まえて検討されることをおすすめします。
9-3. 茨城県内の不動産売却・住み替えのご相談
当社は茨城県内でつくば市・水戸市・取手市・守谷市を拠点に不動産売却のご相談を承っております。お子さんの進学を機にした住み替えのご相談、実家じまいや空き家の売却など、茨城県内の不動産に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。つくば市周辺はハウスドゥ つくば、水戸市周辺はハウスドゥ 水戸、取手市周辺はハウスドゥ 取手戸頭、守谷市周辺はハウスドゥ 守谷が担当しております。空き家・実家じまいのご相談は解体Do!もあわせてご利用ください。
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9-4. あわせて読みたい(group内関連記事)
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10. よくある質問
Q1. 茨城県内には高校(公立・私立)が何校ありますか?
A. 茨城県政策企画部統計課「令和7年度茨城の学校統計」によると、令和7年度時点で高等学校(全日制・定時制)は117校(公立93校・私立24校)です。前年度より1校減少しています。
Q2. 高校にも小中学校のような「学区」はありますか?
A. 茨城県教育委員会の公表情報によれば、県立高校の入学者選抜は県内全域を対象に行われており、住所によって通う学校が自動的に決まる小中学校の通学区域制度とは異なる仕組みです。ただし過去の学区制度の詳細な沿革については一次資料で確認できていません。
Q3. 私立高校はどのエリアに多いですか?
A. 茨城県教育委員会「私立高等学校一覧」によると、水戸市・土浦市・つくば市の3市に私立高校が集中しています。県北は日立市、鹿行は鹿嶋市・神栖市に所在しています。
Q4. 通信制高校の生徒数はどのくらいですか?
A. 令和7年度の通信制課程の生徒数は38,287人で、前年度より3,061人増加しました。学校数は15校(独立校11校はすべて私立、併置校4校は公立1校・私立3校)です。
Q5. 高校卒業後の進路はどうなっていますか?
A. 茨城県政策企画部統計課の同調査によると、大学等進学率は57.7%(前年度より0.2ポイント上昇)、就職者の割合は17.6%(前年度より0.7ポイント上昇)です。
Q6. 少子化で県立高校の統廃合は進んでいますか?
A. 茨城県教育委員会「県立高等学校改革プラン実施プランII期」(令和6年1月策定)に基づき、募集学級数の調整を基本としつつ、明野高校の真壁高校への機能統合(令和8年度末閉校予定)など一部で統合・再編が進められています。ただし対応はエリアによって状況が大きく異なります。
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