「親から相続した土地に借地人がいて、更新料や地代の交渉でもめている」「増改築の承諾を求められたが、いくら請求すればいいのかわからない」——底地(貸宅地)を所有していると、借地人とのこうしたトラブルに直面する地主さまは少なくありません。本記事では、底地トラブルでよくある7つのパターンと、それぞれの対応の流れ、承諾料・更新料の相場目安、話し合いで解決しないときの手続き、そしてトラブルを根本的に解消する「底地の売却」という選択肢まで、底地買取・借地権売却のご相談実績があるハウスドゥ茨城グループが解説します。
底地トラブルとは?なぜ地主と借地人でこれだけもめるのか
底地とは、借地権が設定された土地の所有権のことです。地主は地代を受け取る権利と土地そのものの所有権を持ちますが、借地人がいるため自由に使ったり売ったりすることができません。この「所有」と「利用」が分離した状態が長期間続くことが、トラブルの温床になります。
底地と借地権の違いをおさらい
底地=土地の所有権(地主側)、借地権=土地を借りて建物を建てる権利(借地人側)。1つの土地の上に2つの権利が共存するため、更新・建て替え・売却などの場面では、必ず相手の意向を確認する必要が生じます。
トラブルが起きやすい3つの背景
底地トラブルの多くは、次の3つが重なって発生します。
- 契約期間が数十年単位と長く、当初の取り決めの経緯が忘れられがちなこと
- 地主・借地人のどちらかに相続が発生し、代替わりで契約内容の認識がずれること
- 契約書に明記のないまま、口頭の慣習で運用されてきた項目が多いこと
底地トラブルの主な7パターン

①更新料をめぐるトラブル
契約書に更新料の支払いが明記されていない場合でも、慣習として支払われてきたケースは多くあります。借地人に相続が発生して代替わりした際、新しい借地人が「支払う義務はない」と主張し、トラブルになるのが典型例です。更新料を請求できるかどうかは契約書の特約が根拠になるため、まずは契約内容を必ず確認しましょう。
②地代の値上げ・値下げ(地代改定)トラブル
借地借家法11条は、公租公課の増減や土地価格の変動、近隣の地代水準との比較などを理由に、地主・借地人のどちらからも地代の増減を請求できると定めています。ただし、一定期間は値上げしないという特約がある場合、その期間中は増額を請求できません。話し合いで折り合わない場合は、調停や訴訟に発展することもあります。
③増改築・建て替え承諾料トラブル
借地契約で増改築や建て替えを制限する特約がある場合、借地人は事前に地主の承諾を得る必要があり、承諾料を支払う慣習があります。目安として、建て替え承諾料は非堅固建物(木造)で更地価格の2〜5%前後、堅固建物(鉄筋など)で8〜12%前後、増改築承諾料は増改築費用の10%程度とされることが多いですが、法律で定められた金額ではなく、地域や当事者間の合意によって幅があります。あくまで目安として捉え、実際の金額は不動産鑑定士など専門家に相談することをおすすめします。
④名義変更(譲渡)承諾料トラブル
借地人が借地権を第三者に譲渡・売却する場合も、地主の承諾と承諾料の支払いが必要になるのが一般的です。承諾を得ずに譲渡・転貸すると、契約解除の対象になり得るため注意が必要です。地主が承諾しない場合の対応は、次の「解決までの流れ」で解説する借地非訟手続きが選択肢になります。
⑤地代滞納による契約解除トラブル
地代の滞納だけで直ちに契約解除が認められるわけではなく、地主・借地人の信頼関係が破壊されたと言えるかどうかが裁判所の判断基準になります。目安として、土地の賃貸借(借地)では6か月前後の滞納が一つの分かれ目とされることが多く、部屋の家賃(建物賃貸借)より長い期間が必要とされる傾向があります。契約解除には原則として、支払いを求める「催告」の手続きが必要です。
⑥契約書が見当たらない・口約束のみのトラブル
先代からの底地では、契約書自体が見つからないケースも珍しくありません。この場合でも、地代の入金履歴や登記事項証明書から権利関係を整理し直すことは可能です。将来のトラブルを防ぐためにも、契約内容を書面化・更新しておくことが重要です。
⑦底地の売却・相続時に借地人ともめるトラブル
底地を第三者に売却しようとした際、借地人から「なぜ相談してくれなかったのか」「先に買い取らせてほしかった」といった反発を受けるケースもあります。法律上、底地の売却に借地人の承諾は不要ですが、良好な関係を保ちながら進めるには、事前に一声かけておくことが実務上のトラブル防止につながります。
承諾料・更新料の相場目安(あくまで目安)
更新料の相場
更新料の相場は更地価格の3〜5%程度とされることが多いですが、地域や契約内容によって幅があり、公的な統一基準はありません。契約書に更新料の定めがない場合は、支払い義務そのものが争いになることもあります。
建て替え承諾料・増改築承諾料の相場
建て替え承諾料は非堅固建物(木造)で更地価格の2〜5%前後、堅固建物(鉄筋コンクリート造など)で8〜12%前後、増改築承諾料は増改築費用の10%程度が目安とされています。いずれも法律上の定めではなく、当事者間の合意で決まるものです。
名義変更(譲渡)承諾料の相場
名義変更承諾料は、借地権価格の10%程度が目安とされるケースが多く見られます。ただし実際の金額は契約内容や地域の慣行によって異なるため、事前に地主・借地人双方で書面による合意を取っておくことが望ましいです。
底地トラブル解決までの流れ4ステップ

STEP1 契約書と登記を確認する
まずは契約書の有無・内容、土地の登記事項証明書を確認し、権利関係とこれまでの取り決めを整理します。契約書がない場合は、地代の入金履歴などから実態を確認します。
STEP2 話し合いで解決を試みる
多くの底地トラブルは、まず地主・借地人間の話し合いで解決を図ります。感情的な対立に発展する前に、不動産会社や司法書士など第三者を交えて条件を整理するのも有効です。
STEP3 話し合いで解決しないときは借地非訟手続き
建て替えや増改築、譲渡について地主の承諾が得られない場合、裁判所に「借地非訟事件」として申し立て、承諾に代わる許可を得る手続きがあります(借地借家法17条・19条など)。通常の訴訟より簡易な手続きとされますが、鑑定委員会の意見を踏まえた専門的な判断が必要になるため、弁護士に相談しながら進めるのが現実的です。
STEP4 弁護士・専門家に相談するタイミング
内容証明郵便でのやり取りが必要になった場合や、契約解除・明け渡しの話が出てきた場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。地代の滞納が続き契約解除に発展するケースでは、催告から明け渡し請求訴訟まで数か月単位の時間がかかることもあります。
地代滞納トラブルは要注意|契約解除までの実務ポイント
契約解除が認められるまでの目安
借地では地代滞納がおおむね6か月前後続くと契約解除が認められやすくなる傾向がありますが、金額や滞納理由、これまでの関係性によって判断は分かれます。地主側が「今すぐ出て行かせたい」と考えても、催告→契約解除通知→明け渡し請求という法的な手続きを踏まずに、鍵の交換など実力行使をすることはできません。
トラブルが解決しない・関係を続けたくないときは「底地の売却」という選択肢
借地人に買い取ってもらう
借地人にとっても底地を買い取れば完全な所有権を得られるメリットがあるため、打診してみる価値があります。相場は更地価格の約50%が目安です。
底地だけを第三者(専門買取業者)に売却する
借地人との交渉ごと専門業者に引き継げるため、精神的な負担を減らしたい場合に向いています。ただし価格は更地価格の10〜20%程度が目安と、他の売却先より低くなりやすい点は理解しておきましょう。詳しい相場や交渉のコツは茨城県の底地買取|相場と売却先4パターン・交渉のコツで解説しています。
借地権と底地を同時に売却する(共同売却)
借地人と協力して底地・借地権を同時に第三者へ売却する方法で、更地価格の80〜100%程度と最も高値になりやすい売り方です。借地人側から見た売却の方法や費用については借地権の売却、4つの方法と費用をプロが解説も参考にしてください。
茨城県内で底地トラブルにお悩みの方へ|ハウスドゥ茨城グループの対応
ハウスドゥ茨城グループは、つくば市・水戸市・取手市・守谷市の4店舗で、底地・借地権を含む「訳あり不動産」のご相談実績があります。借地人との話し合いが難航している底地についても、まずは現状のヒアリングと無料査定から対応いたします。古田敦也氏をイメージキャラクターに掲げるハウスドゥブランドの実績とネットワークを活かし、地域密着で対応いたします。ご相談・査定は無料です。
よくある質問(FAQ)
Q. 底地トラブルは弁護士に相談すべきですか?
話し合いで解決できる内容であれば必須ではありませんが、契約解除・明け渡し・借地非訟など法的手続きに発展しそうな場合は早めの相談をおすすめします。
Q. 更新料を払わないと契約は終了しますか?
更新料の支払い義務が契約書に明記されていない場合、支払わなくても直ちに契約が終了するわけではありません。ただし関係悪化の原因になりやすいため、話し合いでの解決が望ましいです。
Q. 借地人が増改築の承諾を求めてきましたが、承諾料はいくら請求すればよいですか?
一般的な目安は増改築費用の10%程度とされますが、法的に定められた金額ではないため、双方の合意で決めるのが原則です。
Q. 地代を何か月滞納したら契約解除できますか?
明確な基準はありませんが、借地では6か月前後の滞納が一つの目安とされることが多いです。最終的には信頼関係が破壊されたと言えるかどうかで裁判所が判断します。
Q. トラブルが続く底地は売ることができますか?
売却できます。借地人がいる状態でも、専門の買取業者であれば底地のまま買い取るケースが一般的です。
Q. 借地人に売却を反対されたら売れませんか?
底地の売却に借地人の承諾は法律上不要です。ただし良好な関係を維持したい場合は、事前に一声かけておくと後のトラブル防止につながります。
まとめ
底地トラブルの多くは、更新料・地代・承諾料といった「お金」に関するものと、契約書の不備や代替わりによる「認識のズレ」に起因します。まずは契約内容を整理し、話し合いで解決を図ることが基本ですが、それでも解決しない場合は借地非訟手続きや弁護士への相談、あるいは底地そのものを手放す売却という選択肢もあります。ハウスドゥ茨城グループでは、つくば市・水戸市・取手市・守谷市の4店舗で底地・借地権に関するご相談を無料で承っています。まずはお気軽にご相談ください。
あわせて、土地が売れない7つの原因と売却の対策もご覧ください。
地代の相場や増減額請求の手続きについては地代とは|相場・計算方法と値上げ交渉・底地売却の関係で詳しく解説しています。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。




