結論:住宅瑕疵担保履行法(じゅうたくかしたんぽりこうほう)とは、新築住宅の欠陥が見つかったときに、売主や施工業者が倒産していても買主が補修や賠償を受けられるよう、事業者に「保険への加入」か「保証金の供託」を義務づけた法律です。対象は新築住宅で、引渡しから10年間、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分が保証されます。この記事では、ハウスドゥ茨城(取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の4店舗)が、住宅瑕疵担保履行法の読み方と目的、対象となる住宅・事業者、保険と供託の違い、中古住宅との違い、家を売る人・買う人が確認しておきたいポイントまでを、はじめての方にもわかりやすく解説します。
無料相談はお電話 0120-565-072 または ページ内の相談フォーム から。
住宅瑕疵担保履行法とは?読み方と目的をわかりやすく
読み方は「じゅうたくかしたんぽりこうほう」
住宅瑕疵担保履行法は「じゅうたくかしたんぽりこうほう」と読みます。正式名称は「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」で、2007年に成立し、2009年10月1日以後に引き渡される新築住宅から全面的に適用されています。難しい名前ですが、ひと言でいえば「新築住宅の10年保証を、事業者が倒産しても守られるようにする仕組み」を定めた法律です。
法律ができた背景|事業者が倒産すると保証が受けられない問題
新築住宅の欠陥について、売主や施工業者が責任を負う仕組みは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって先に整えられていました。ところが、責任を負うはずの事業者が倒産してしまうと、買主は補修費用を請求する相手を失ってしまいます。こうした問題を防ぐために、事業者があらかじめお金を確保しておく仕組みとして定められたのが住宅瑕疵担保履行法です。
「瑕疵担保」と「契約不適合責任」の関係
「瑕疵(かし)」とは、本来あるべき品質や性能が備わっていない欠陥のことです。2020年4月の民法改正で、民法上の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと呼び方が変わりましたが、この法律の名称には「瑕疵担保」の言葉が残っています。両者の違いは瑕疵とは?契約不適合責任・瑕疵担保責任との違いでも詳しく解説しています。
住宅瑕疵担保履行法の対象になる住宅と事業者
対象は「新築住宅」|完成から1年以内で未入居のもの
対象となる新築住宅は、一般に、建設工事の完了から1年以内で、まだ人が住んだことのない住宅です。一戸建て、分譲マンション、賃貸住宅のいずれも含まれます。一方で、すでに誰かが住んだことのある住宅や、完成から1年を過ぎた住宅は、この法律の対象にはなりません。
義務を負うのは建設業者と宅建業者
資力確保措置の義務を負うのは、注文住宅などの工事を請け負う建設業者と、新築住宅を自ら売主として販売する宅地建物取引業者(宅建業者)です。買主が一般の個人である場合の取引が中心で、宅建業者どうしの取引は対象外となるのが一般的です。工務店やハウスメーカー、分譲住宅を販売する不動産会社は、この義務の対象になります。
10年間の保証範囲|構造耐力上主要な部分と雨水の浸入防止部分
保証の対象になるのは、引渡しから10年間、次の2つの部分の瑕疵です。
- 構造耐力上主要な部分:基礎、柱、梁、床版、壁、屋根など、建物を支える主要な構造部分
- 雨水の浸入を防止する部分:屋根、外壁、開口部(窓やサッシ)など、雨水が建物内に入らないようにする部分
設備機器の故障、内装のキズ、経年劣化によるもの、地震などの天災による損害は、一般にこの10年保証の対象とは別の扱いになります。
資力確保措置とは?保険と供託の違い
資力確保措置の2つの方法
資力確保措置とは、事業者が欠陥の補修や賠償に必要なお金を、あらかじめ確保しておく措置のことで、「住宅瑕疵担保責任保険への加入」または「保証金の供託」のどちらかを選びます。下の図が両者の違いです。

住宅瑕疵担保責任保険のしくみ
事業者が国土交通大臣の指定した保険法人と契約し、保険証券を発行してもらう方法です。保険期間は引渡しから10年間で、施工中に保険法人の検査員による現場検査が行われるのが一般的です。万一、事業者が倒産して補修できない場合は、買主が保険法人へ直接、保険金を請求できます。
保証金の供託のしくみ
事業者が、過去10年間に引き渡した新築住宅の戸数に応じた額の現金や有価証券を、法務局の供託所に預ける方法です。事業者が倒産した場合、買主は供託所から還付を受けられます。まとまった資金が必要になるため、供給戸数の多い事業者ほど負担が大きく、保険を選ぶ事業者が多いといわれています。
どちらでも買主へ書面で説明する義務がある
宅建業者が売主の場合は、売買契約を結ぶまでに、保険に加入しているのか供託をしているのかを書面で買主へ説明する必要があります。あわせて、重要事項説明書とは?記載事項・読み方・当日の流れにも関連する記載があるため、契約前に必ず目を通しておきましょう。
基準日と届出のしくみ|守らない事業者はどうなる?
年2回の基準日(3月31日・9月30日)
事業者は、毎年3月31日と9月30日を基準日として、保険の加入状況や供託の状況を、基準日から3週間以内に免許権者(宅建業者の場合)や許可行政庁(建設業者の場合)へ届け出る義務があります。
届出をしないと新築の契約ができなくなる
届出をしないまま基準日の翌日から50日を経過すると、その事業者は新たに新築住宅の売買契約や請負契約を結べなくなります。違反した場合は罰則の対象にもなります。買主から見ると、この届出制度が「事業者が資力確保措置を実際に守っているか」を行政がチェックする仕組みになっています。

新築と中古住宅の違い|住宅瑕疵担保履行法は中古に使えない
中古住宅は対象外|契約不適合責任と宅建業法で考える
住宅瑕疵担保履行法による10年保証と資力確保措置は、新築住宅だけが対象です。中古住宅の売買では、売主が個人なら民法の契約不適合責任、売主が宅建業者なら宅建業法により、引渡しから最低2年間は責任を負う、というのが基本の考え方です。個人どうしの売買では、契約で責任の期間を数か月に短くしたり、免責にしたりすることが一般的です。個人間の取引の流れは不動産の個人売買とは?家・マンションの流れ・契約書・税金も参考になります。
新築と中古の保証の違い(比較表)
| 項目 | 新築住宅 | 中古住宅 |
|---|---|---|
| 根拠となる法律 | 品確法・住宅瑕疵担保履行法 | 民法(契約不適合責任)・宅建業法 |
| 保証の期間 | 引渡しから10年(主要部分) | 個人売主は契約で定める/宅建業者売主は最低2年 |
| 倒産への備え | 保険加入または供託が義務 | 義務なし(任意の保険に加入できる場合あり) |
| 買主への説明 | 契約前に書面で説明(宅建業者売主) | 重要事項説明で契約不適合の取扱いを確認 |
任意で付けられる既存住宅売買瑕疵保険
中古住宅でも、事前の検査に合格すれば、任意で「既存住宅売買瑕疵保険」に加入できる場合があります。売主にとっては引渡し後のトラブルへの備えに、買主にとっては安心材料になります。ただし、加入条件や対象範囲は保険法人ごとに異なるため、利用を考える場合は事前に確認が必要です。
家を売る人が知っておきたい住宅瑕疵担保履行法のポイント
築浅の家を売るときは保険証券・保証書を準備する
新築から10年以内の家を売る場合、住宅瑕疵担保責任保険の保険証券や、ハウスメーカー・工務店の保証書が残っていれば、査定や売却活動で信頼性を示す資料になります。引渡しを受けた時の書類や、建築確認済証・検査済証などとあわせて、ひとまとめに保管しておくと安心です。保険の権利を次の所有者へ引き継げるかどうかは、保険法人や契約内容によって異なるため、売却を考えた段階で確認しましょう。
個人が新築を売る場合の注意
資力確保措置の義務は建設業者・宅建業者が対象のため、個人が売主になる場合には、通常この義務はかかりません。ただし、契約不適合責任など別の責任がかかわることがあるため、築浅の家を個人で売る場合は、契約書の内容を事前に専門家に確認してもらうと安心です。売却全体の注意点は家を売るときの注意点|査定前から引渡し後まで時期別チェックリストで整理しています。
契約不適合責任のリスクを減らしたいときの選択肢
売却後に不具合を指摘されるのが不安な場合は、売却前の建物状況調査(インスペクション)や、既存住宅売買瑕疵保険の利用が選択肢になります。また、不動産会社が直接買い取る方法では、条件によって引渡し後の責任の取り扱いが仲介と異なるのが一般的です。違いは戸建て買取とは?仕組み・相場の目安・仲介との違い・流れと費用で解説しています。
売買全体の流れを押さえておく
瑕疵に関する責任は、売買契約から引渡し、その後のアフターフォローまでつながっています。売却の全体像は不動産の売買とは?売主が知るべき流れ・費用・税金・契約の全体像をご覧ください。
新築住宅を買う人が契約前に確認したいチェックリスト
売主・施工業者が保険加入か供託か
契約前の説明書面で、保険加入か供託のどちらなのかを確認します。保険の場合は、保険法人の名前と保険証券の発行時期、供託の場合は供託所の名称と供託金額が記載されているかを見ておきましょう。
保証の範囲・期間・免責の内容
保険や供託の対象となる部分、保険金の支払限度額、自己負担(免責金額)の有無、保証が及ばない損害(天災、経年劣化、買主の故意・過失など)を確認します。10年保証といっても、設備や内装は対象外であることが多い点には注意が必要です。
引渡し後に不具合を見つけたときの連絡先
不具合を見つけたら、まず売主・施工業者へ連絡するのが基本です。事業者が倒産して連絡がつかない場合は、保険であれば保険法人へ、供託であれば供託所を管轄する法務局へ相談する流れになります。写真や日付を残し、保険証券や契約書をすぐ出せる場所に保管しておきましょう。
茨城県で新築・築浅の不動産を売買するときの相談先
茨城県内でも、つくば市・取手市・守谷市・水戸市などで新築や築浅の戸建て・マンションの売買は日常的に行われています。ハウスドゥ茨城は、取手戸頭店、守谷店、つくば研究学園都市店、県庁水戸店の4店舗で、売却査定から買取、売却後の不安のご相談まで対応しています。保険証券や保証書の確認、売却時に準備しておく書類など、気になる点は無料でご相談ください。
住宅瑕疵担保履行法の概要まとめと施行の経緯
概要を表で確認|対象・義務・保護される人
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管 | 国土交通省(保険法人の指定は国土交通大臣) |
| 対象となる住宅 | 新築住宅(完成から1年以内で未入居のもの) |
| 義務付けられる事業者 | 建設業者(発注者から請け負う場合)・宅建業者(売主となる場合) |
| 義務の内容 | 住宅瑕疵担保責任保険への保険契約、または保証金の供託 |
| 保護される人 | 新築住宅の発注者・買主(引き渡しを受けた人) |
| 保証の期間 | 引渡しから10年間 |
施行の経緯|2009年(平成21年)10月1日以降に引き渡す新築から
住宅瑕疵担保履行法は2007年に成立し、平成21年(2009年)10月1日以降に引き渡す新築住宅から全面的に施行されました。制度づくりの契機となったのは、2005年に発覚した構造計算書の偽装問題で、欠陥住宅の補修費用を負担できない事業者が出たことでした。この契機を受けて、買主や発注者を保護するために、事業者へ保険契約や供託を義務付ける制度が整えられたのです。
事業者の届出内容に変更があった場合
保険法人の変更や供託所の変更など、届出の内容に変更が生じた場合も、基準日の届出に反映する必要があります。この制度に基づき、行政が事業者の資力確保措置の実施状況を確認しているため、買主としては、契約前の説明書面で保険制度か供託かを確認しておくことが、自分の権利を守る第一歩になります。
住宅瑕疵担保履行法に関するよくある質問(FAQ)
住宅瑕疵担保履行法の読み方は?
「じゅうたくかしたんぽりこうほう」と読みます。正式名称は「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」で、略して「履行法」と呼ばれることもあります。
住宅瑕疵担保履行法は何のための法律ですか?
新築住宅に欠陥(瑕疵)が見つかったとき、売主や施工業者が倒産していても、買主が補修費用や損害賠償を受け取れるようにするための法律です。そのために、新築住宅を供給する事業者に、保険への加入または保証金の供託という「資力確保措置」を義務づけています。
どんな住宅が対象になりますか?
新築住宅が対象です。一般に、建設工事の完了から1年以内で、まだ人が住んだことのない住宅を新築住宅といいます。中古住宅は対象外です。なお、売主が個人の場合や、買主が宅建業者の場合の取引は、この法律の資力確保措置の対象にならないのが一般的です。
保証されるのはどの部分で、何年間ですか?
引渡しから10年間、構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁・壁・屋根の構造部分など)と、雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁・開口部など)の瑕疵が対象です。設備や内装の不具合などは、通常この10年保証の対象に含まれません。
保険と供託のどちらが多いのですか?
どちらを選ぶかは事業者の判断です。保険は施工中の検査があり、倒産時は買主が保険法人に直接請求できる点が特徴です。供託は法務局にお金を預ける方法で、供給戸数が多いほど必要額も大きくなるため、実際には保険を選ぶ事業者が多いといわれています。どちらの場合も、契約前に買主へ書面で説明することが求められます。
中古住宅には瑕疵担保責任の保証はありませんか?
住宅瑕疵担保履行法の10年保証は新築住宅が対象です。中古住宅は、売主が個人なら民法の契約不適合責任(契約で期間を短くしたり免責にしたりするのが一般的)、売主が宅建業者なら宅建業法により引渡しから最低2年の責任が基本となります。任意で「既存住宅売買瑕疵保険」を付けられる場合もあります。
「瑕疵担保責任」は今は「契約不適合責任」ではないのですか?
2020年4月の民法改正で、民法上の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。ただし、住宅瑕疵担保履行法の名称は法律名としてそのまま残っており、内容としては新築住宅の契約不適合責任を果たすための資力確保を定めた法律と理解すると分かりやすいです。
届出をしない事業者はどうなりますか?
事業者は、年2回の基準日(3月31日と9月30日)から3週間以内に、保険加入や供託の状況を免許権者・許可行政庁へ届け出る必要があります。届出をしないまま基準日の翌日から50日を経過すると、新たに新築住宅の売買契約や請負契約を結べなくなるほか、罰則の対象にもなります。
まとめ|住宅瑕疵担保履行法は新築の10年保証を支える制度
住宅瑕疵担保履行法は、新築住宅の売主・施工業者が倒産しても、10年間の保証が守られるように、保険加入または供託を義務づけた法律です。対象は新築住宅で、中古住宅は別の考え方になります。家を売る方は保険証券や保証書の保管、買う方は契約前の説明書面の確認が大切です。茨城県で売却や買取、築浅物件のご相談がある方は、ハウスドゥ茨城(0120-565-072)までお気軽にお問い合わせください。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。




