「茨城県への移住を考えているけれど、実際どれくらい暑いのか、雪は降るのか」「実家の売却を検討しているが、そもそも茨城県の気候はどんな特徴があるのか」——県外の方から不動産のご相談をいただく際、こうした気候に関する質問を受けることがあります。茨城県は南北に細長く、太平洋に面する沿岸部から阿武隈高地に連なる県北の山間部まで地形が変化に富むため、同じ県内でも気候にはっきりとした地域差があります。この記事では、気象庁が公表する観測データをもとに、茨城県の気温・降水量・日照時間の特徴を県単位で整理し、住まい選びとの接点まで解説します。
1. 茨城県の気候の全体像|太平洋側気候に属する
1-1. 茨城県は「太平洋側気候」に区分される
気象庁や気候区分の解説では、茨城県は「太平洋側気候」に属するとされています。冬は乾燥した晴天が多く、夏から秋にかけては梅雨や台風の影響で降水量が多くなるのが特徴です。沿岸部は海の影響を受けて気温の日較差(1日の最高気温と最低気温の差)が小さく、内陸部ほど日較差が大きくなる傾向があります。
1-2. 主語はあくまで「茨城県」
本記事はあくまで茨城県全体を主語とした県単位の記事であり、個別の市町村の天気予報や詳細な気候診断を行うものではありません。県内44市町村には気温・降水量に地域差がありますが、ここでは気象庁の観測データが公表されている代表地点(水戸・つくば)の値をもとに、県全体の傾向と大まかな地域差を横断的に整理します。個別エリアの暮らしについては、つくば・水戸・取手戸頭・守谷の各店舗までお問い合わせください。
1-3. 一次情報の出典
本記事の気温・降水量・日照時間のデータは、気象庁「過去の気象データ検索」の平年値(統計期間1991〜2020年の30年間平均)のうち、水戸地方気象台(水戸市)とつくば(館野)の観測地点データを一次情報として使用しています。県北・鹿行など他エリアの傾向は、水戸地方気象台が公表する「茨城県の四季」の解説を参考に、断定的な数値が確認できない部分は「傾向」として記載しています。
2. 茨城県の年間平均気温|水戸14.1℃・つくば14.3℃
2-1. 気象庁平年値(1991〜2020年)でみる年間気温
気象庁の平年値によると、水戸地方気象台(水戸市)の年平均気温は14.1℃、日最高気温の平均は19.2℃、日最低気温の平均は9.7℃です。一方、内陸に位置するつくば(館野)の年平均気温は14.3℃、日最高気温の平均は19.6℃、日最低気温の平均は9.3℃となっています。両地点とも年平均気温に大きな差はありませんが、つくばの方が日最高・日最低の差(日較差)がやや大きく、内陸性の気候の特徴がわずかに表れています。
2-2. 月別の気温推移|最も暑いのは8月、最も寒いのは1月
月別にみると、水戸では最も気温が高いのが8月(平均25.6℃・日最高平均30.0℃)、最も低いのが1月(平均3.3℃・日最低平均-1.8℃)です。つくばも同様の傾向で、8月が平均25.9℃・日最高平均30.6℃、1月が平均3.1℃・日最低平均-2.8℃となっており、内陸のつくばの方が冬の最低気温がやや低い点が特徴です。
2-3. 夏の暑さと熱中症への注意
近年は全国的に猛暑日(最高気温35℃以上)が増加傾向にあり、茨城県内も例外ではありません。気象庁は毎年、都道府県ごとの猛暑日・真夏日の日数を集計し公表しています。県南部や内陸部では夏場の気温上昇が顕著になる年があり、熱中症への注意が呼びかけられる機会が増えています。住宅の断熱性能や風通しは、こうした夏場の暑さ対策としても重要な要素です。

3. 茨城県の年間降水量|水戸1,367.7mm・つくば1,326.0mm
3-1. 全国平均と比べてどうか
気象庁平年値では、水戸の年間降水量は1,367.7mm、つくばは1,326.0mmです。日本全国の年平均降水量はおよそ1,700mm前後とされることが多く、これと比較すると茨城県は全国的にみて降水量がやや少なめの地域といえます(全国値は気象庁の全国観測地点集計に基づく一般的な目安であり、本記事では茨城県2地点の実測値を主として記載しています)。
3-2. 月別の降水量|9月・10月が最も多い
水戸の月別降水量をみると、最も多いのは9月(186.3mm)、次いで10月(185.4mm)で、これは秋雨前線や台風の影響を受けやすい時期にあたります。逆に最も少ないのは12月(49.6mm)・2月(53.8mm)・1月(54.5mm)で、冬場は乾燥した晴天が続く日が多くなります。つくばも同様に9月(187.6mm)・10月(193.5mm)が多く、1月(50.6mm)・2月(47.1mm)が少ないという、ほぼ同じ季節パターンを示しています。
3-3. 梅雨と台風|大雨への備え
水戸地方気象台の解説によれば、茨城県の梅雨は前半は北東気流や梅雨前線の影響でぐずついた天気が続き、後半は太平洋高気圧からの高温多湿な気流が入り大雨が降りやすくなるとされています。前線活動が活発になると集中豪雨が発生し、局地的に大きな被害をもたらすこともあります。秋には台風そのものの大雨に加え、遠方の台風が秋雨前線を刺激して長時間の大雨をもたらすケースもあり、1998年の那珂川洪水はこうした例として知られています。大雨や浸水のリスクについては、関連記事「茨城県の水害・ハザードマップと不動産売却」もあわせてご確認ください。
4. 茨城県の日照時間|つくば2,014.5時間・水戸2,000.8時間
4-1. 年間日照時間は全国的にも多め
気象庁平年値では、つくばの年間日照時間は2,014.5時間、水戸は2,000.8時間です。冬型の気圧配置が強まる1月〜2月は乾燥した晴天が多いため日照時間が長く、水戸で1月195.4時間・2月174.3時間、つくばで1月206.8時間・2月181.8時間と、いずれも年間の中でも上位の月照時間になっています。
4-2. 梅雨時期は日照時間が短くなる
一方、梅雨から夏にかけての6月は曇雨天が多いため日照時間が短くなり、水戸で137.8時間、つくばで129.3時間と年間で最も少ない月です。冬に晴天が多く夏に雨が多いという太平洋側気候の特徴が、日照時間のデータにも表れています。
4-3. 日照時間と住宅性能の関係
日照時間は太陽光発電の発電量や、住宅の日当たり計画にも関わる要素です。冬場の日照時間が比較的長い茨城県は、南面採光を活かした住宅設計や太陽光発電との相性が良いとされることがありますが、実際の発電量は屋根の向き・角度・周辺建物の影の有無など個別条件によって変わるため、断定的な数値はここでは記載しません。
5. 茨城県の四季の特徴(水戸地方気象台の解説より)
5-1. 春|3〜4日周期で変わる天気
水戸地方気象台の解説によると、春は日本海を発達した低気圧が通過すると南よりの風が強まり、県南部では風速10m/s前後となることがあります。高気圧と低気圧の通過にあわせて天気が3〜4日の周期で変わりやすいのも春の特徴です。強い寒冷前線の通過時には雷雨となり、ひょうを伴うと農作物に被害が出ることもあります。
5-2. 梅雨|後半は集中豪雨に注意
5月の「メイストーム」の時期が終わると梅雨に入り、北東気流や梅雨前線の影響でぐずついた天気が続きます。梅雨後半は太平洋高気圧から高温多湿の気流が入り大雨が降りやすくなり、前線活動が活発化すると局地的な集中豪雨が発生することがあります。
5-3. 夏|「梅雨明け10日」と雷雲
夏になると「梅雨明け10日」といわれるように暑い晴天が続く一方、積乱雲による熱雷(ねつらい)の季節でもあります。発達した雷雲の下では短時間の強い雨や落雷、突風、ダウンバーストなど激しい現象に見舞われることがあり、栃木県側から雷雲が進んでくることが多いため、県内は夜遅くまで影響を受ける傾向があるとされています。
5-4. 秋|台風と秋雨前線
秋は台風が日本付近へ接近・通過するようになる季節です。台風が直接もたらす大雨だけでなく、遠く離れた台風が秋雨前線を刺激して降らせる長時間の大雨にも注意が必要とされています。
5-5. 冬|西高東低と「木枯らし」
冬は西に気圧が高く東に低い、いわゆる冬型の気圧配置が現れます。強い冬型になると山間部(県北)では雪が舞い、平野部では北西の季節風「木枯らし」が強く吹きます。積雪や垂直積雪量など建築基準法上の取り扱いについては、関連記事「茨城県の除雪・冬の暮らし|県北と県南の差」で詳しく解説しています。
6. 茨城県内の気候の地域差|沿岸部・内陸部・県北山間部
6-1. 沿岸部(鹿行・県南東部)|海の影響で気温差が小さい
太平洋に面した鹿行地域や県南東部は、海洋の影響で気温の日較差が比較的小さいのが特徴です。夏は内陸部に比べて涼しく、冬は極端に冷え込みにくい、海洋性気候に近い傾向がみられます。
6-2. 内陸部(県央・県西)|日較差がやや大きい
水戸やつくばを含む県央・県西エリアは、沿岸部に比べて気温の日較差がやや大きくなる内陸性の傾向があります。冬場の放射冷却による冷え込みも、沿岸部より強まりやすいとされています。
6-3. 県北(久慈山地・阿武隈高地)|降水量が多く冬は積雪も
県北は阿武隈高地の山々が沿岸部近くまで迫り、海からの湿った風が山地にぶつかることで、年間を通じて地形の影響を受けた降水が多くなる傾向があります。冬は積雪もみられ、建築基準法上の垂直積雪量の区分でも県北エリアは県南より高い数値が設定されています(詳細は関連記事「茨城県の除雪・冬の暮らし」を参照)。
6-4. 霞ヶ浦など水域の存在と湿度
茨城県は太平洋のほか、霞ヶ浦や北浦など大きな水域を抱えているため、内陸県と比較して湿度が高くなりやすく、霧の発生も多いとされています。これは地形と水域の両方が影響する茨城県ならではの気候特性です。

7. 気候データが住まい選び・不動産売却に関わる3つの視点
7-1. 断熱・気密性能の重要性
年間を通じて気温差があり、夏は高温多湿、冬は乾燥した晴天が続く茨城県では、住宅の断熱性能・気密性能が快適な暮らしとエネルギーコストの両面に影響します。中古住宅の売却・購入の際、断熱性能は建物の評価ポイントの一つとして意識されることがあります。
7-2. 大雨・台風への備えと物件の立地
梅雨後半や台風シーズンの大雨は、低地や河川・用水路沿いの物件では浸水リスクの確認が欠かせません。売却時にも、過去の浸水履歴があるエリアでは告知義務が生じる場合があります。詳しくは関連記事「茨城県の水害・ハザードマップと不動産売却」をご覧ください。
7-3. 積雪・凍結への備えとエリア選び
県北エリアなど積雪のある地域への移住や不動産購入を検討する場合、除雪や凍結対策も暮らしの前提条件になります。県内でも県北と県南で積雪量に差があるため、エリアごとの特性を踏まえた住まい選びが重要です。
8. 茨城県の気候に関するよくある質問
Q1. 茨城県は暑い県ですか、涼しい県ですか?
気象庁平年値では年平均気温は水戸14.1℃・つくば14.3℃で、全国的にみて極端に暑い、あるいは涼しいというデータではありません。夏は高温多湿になる日があり、猛暑日が発生する年もありますが、内陸の盆地地形のような際立った酷暑地域ではありません。
Q2. 茨城県はどれくらい雨が降りますか?
気象庁平年値では年間降水量は水戸1,367.7mm・つくば1,326.0mmで、全国平均(目安1,700mm前後)と比較するとやや少なめです。9月・10月に降水量が多く、12月〜2月は少なくなる傾向があります。
Q3. 茨城県は日照時間が長いですか?
気象庁平年値では年間日照時間はつくば2,014.5時間・水戸2,000.8時間で、冬場(1月・2月)に日照時間が長くなる太平洋側気候の特徴が表れています。
Q4. 茨城県内で気候が最も異なるのはどのエリアですか?
一次資料で確認できる範囲では、県北の山間部は降水量・積雪が多く、沿岸部(鹿行等)は気温の日較差が小さい海洋性の傾向がある一方、内陸の県央・県西は日較差がやや大きくなる傾向がみられます。個別市町村の詳細な気候比較データは、気象庁の観測地点が限られるため断定的な数値としては公表されていません。
Q5. 茨城県は台風の影響を受けやすいですか?
水戸地方気象台の解説によれば、秋は台風が日本付近へ接近・通過するようになり、台風本体の大雨に加えて、遠方の台風が秋雨前線を刺激して長時間の大雨をもたらすこともあります。1998年の那珂川洪水はこうした例として知られています。
Q6. 気候データは不動産売却の際にどう関係しますか?
直接的な査定額の要素にはなりませんが、断熱性能・浸水リスク・積雪対応など、気候に由来する住宅性能や立地条件は、物件の魅力やメンテナンス状況を説明する際の材料になります。売却をご検討の際は、こうした地域特性も踏まえてご相談いただけます。
9. まとめ|茨城県の気候を知り、住まい選び・売却に活かす
茨城県は太平洋側気候に属し、年平均気温14℃前後・年間降水量1,300mm台・年間日照時間2,000時間前後という特徴を持ちながら、沿岸部・内陸部・県北山間部でそれぞれ異なる気候の顔を見せる県です。冬は乾燥した晴天、梅雨から秋にかけては大雨や台風への備えが必要になるなど、季節ごとの特徴を知っておくことは、これから茨城県で暮らす方にとっても、実家や所有不動産の売却を検討する方にとっても役立つ情報です。
茨城県内の不動産売却・実家じまい・空き家のご相談は、ハウスドゥの各店舗で承っております。お気軽にお問い合わせください。
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