「移住支援金って結局いくらもらえるの?」「地域おこし協力隊とは違うの?」——茨城県への移住を検討する際、制度の全体像がつかみにくいという声をよく聞きます。本記事では、茨城県が実施する「わくわく茨城生活実現事業」の5つの対象経路を横断的に整理したうえで、地域おこし協力隊、お試し居住、空き家バンク連携の市町村助成制度まで、県・国が用意する移住支援策の全体像を一次情報に基づいて解説します。

目次
  1. 茨城県の移住支援制度、全体像は3層構造
  2. 移住支援金(わくわく茨城生活実現事業)の基本
    1. 支給額は世帯100万円・単身60万円
    2. 対象となる「移住元」の条件
  3. 移住支援金 5つの対象経路を比較する
    1. ①一般の就業
    2. ②専門人材の就業
    3. ③テレワーク
    4. ④関係人口
    5. ⑤起業
  4. 移住支援金の対象市町村(2026年4月時点)
  5. 移住支援金を受け取れなかった場合の選択肢
  6. 地域おこし協力隊という選択肢
  7. お試し居住|移住前に「暮らし」を体験する
    1. 県北エリア(日立市・常陸太田市)
    2. 県央エリア(笠間市・那珂市・城里町)
    3. 鹿行エリア(神栖市・行方市)
  8. 市町村独自の空き家バンク連携助成制度
  9. 移住支援制度と住宅取得の関係|不動産会社の視点から
  10. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 移住支援金はどこに申請すればいいですか?
    2. Q2. 賃貸住宅に住みながらテレワーク経路の移住支援金を受け取れますか?
    3. Q3. 茨城県内のどこに移住しても移住支援金の対象になりますか?
    4. Q4. 移住支援金と地域おこし協力隊は併用できますか?
    5. Q5. お試し居住を利用した後、必ず移住しなければいけませんか?
    6. Q6. 移住支援金を受け取った後、すぐに転居してもいいですか?
  11. まとめ|移住支援制度は「入口」、住まい選びは専門家と
  12. あわせて読みたい
    1. 担当エリアの店舗はこちら
  13. 不動産のご相談はハウスドゥグループへ

茨城県の移住支援制度、全体像は3層構造

茨城県が用意する移住支援策は、大きく分けて3つの層で構成されています。

  • 第1層:移住支援金(わくわく茨城生活実現事業)——就業・起業等を条件に最大100万円超を支給
  • 第2層:お試し居住・地域おこし協力隊——移住前の体験、移住後の活動支援
  • 第3層:市町村独自の上乗せ助成——空き家バンク連携の改修費補助など

このうち最も金額が大きく、住宅取得に直結するのが第1層の移住支援金です。まずはこの制度から見ていきます。

移住支援金(わくわく茨城生活実現事業)の基本

茨城県公式サイト「わくわく茨城生活実現事業(茨城県移住支援金)」(2026年5月26日更新)によれば、この事業は移住に伴う経済的負担を軽減することで、県内中小企業への就業等を促進し移住につなげることを目的としています。

支給額は世帯100万円・単身60万円

東京23区に在住、または東京圏在住で23区に通勤する方が、茨城県内の対象市町村に移住し、一定の要件を満たす場合、以下の金額が支給されます。

移住形態 支給額 加算
世帯での移住 100万円 18歳未満の世帯員を帯同する場合、1人につき最大100万円を加算
単身での移住 60万円 加算なし

※移住支援金は国の補助を活用し、予算の範囲内で茨城県と県内市町村が共同して支給するものです。県または市町村の予算の上限に達した場合、年度途中であっても事業を終了する場合があります。

対象となる「移住元」の条件

支援金を受け取るには、まず「移住元」の要件を満たす必要があります。

  • 住民票を移す直前の10年間のうち、通算5年以上、東京23区内(または東京圏の条件不利地域以外)に在住し、東京23区内へ通勤していたこと
  • 住民票を移す直前に、連続して1年以上、同様の在住・通勤状態にあったこと

「東京圏」とは東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県を指しますが、これらの県の中でも山間部・離島部などの「条件不利地域」(檜原村、秩父市、銚子市、箱根町など)は対象外となる点に注意が必要です。

移住支援金 5つの対象経路を比較する

移住元の要件に加えて、以下5つの経路(①〜⑤)のいずれかに該当する必要があります。それぞれ要件が大きく異なるため、自分がどの経路に当てはまるかを最初に確認することが重要です。

移住支援金5つの対象経路比較
移住支援金の対象となる5つの経路(出典:茨城県公式サイト「わくわく茨城生活実現事業」実施要領を基に作成)

①一般の就業

茨城県の求人マッチングサイト「いばらき就職チャレンジナビ」に掲載された、移住支援金の対象求人へ週20時間以上の無期雇用契約で就業することが条件です。転勤や出向ではなく新規雇用であることが必須で、3親等以内の親族が経営する法人への就業は対象外です。

②専門人材の就業

プロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を利用して移住・就業する経路です。①と同様に週20時間以上の無期雇用が条件ですが、対象求人はマッチングサイト掲載分に限定されません。

③テレワーク

勤務先を変えずに移住先からテレワーク勤務を続ける経路です。2024年4月1日以降、「移住先の市町村において住宅を新築または購入したこと」が必須要件に追加されました。賃貸のままではこの経路を利用できません。週20時間以上のテレワーク実施も条件です。

④関係人口

特定の市町村や地域の人々と継続的に関わりを持つ「関係人口」に該当する方が対象です。2025年4月1日からは「農林水産業等への就業」が必須要件に加わりました。具体的な要件は市町村ごとに個別に定められており、県公式サイトで「市町村別関係人口要件」が公開されています。

⑤起業

茨城県または市町村が行う「地域課題解決型起業支援金」の交付決定を受けてから1年以内であることが条件です。移住とあわせて県内で起業を考えている方向けの経路です。

移住支援金の対象市町村(2026年4月時点)

移住支援金は県内すべての市町村が対象ではなく、実施を選択した市町村のみが対象です。2026年4月時点の実施市町村は以下のとおりです。

地域 実施市町村
県北地域 日立市・常陸太田市・高萩市・北茨城市・常陸大宮市・大子町
県央地域 水戸市・笠間市・那珂市・小美玉市・城里町
県南地域 土浦市・石岡市・龍ケ崎市・稲敷市・かすみがうら市・美浦村・河内町・利根町
県西地域 古河市・結城市・下妻市・筑西市・坂東市・桜川市・八千代町・境町
鹿行地域 潮来市・行方市・鉾田市

つくば市・つくばみらい市・守谷市・取手市・ひたちなか市・鹿嶋市・神栖市・茨城町・大洗町・東海村は、2026年4月時点でこの一覧に含まれていません(人口増加が続くエリアや、独自の移住施策を優先するエリアでは実施していないケースがあります)。移住先候補の市町村が対象かどうかは、着手前に必ず個別確認が必要です。

移住支援金を受け取れなかった場合の選択肢

5つの経路のいずれにも該当しない場合でも、移住を後押しする制度は他にもあります。ここからは移住支援金以外の県・市町村の取り組みを見ていきます。

地域おこし協力隊という選択肢

茨城県公式サイト「県内の地域おこし協力隊の状況について」(2026年8月7日更新)によれば、2026年4月1日現在、茨城県内では168人の地域おこし協力隊隊員が活動しています。市町村ごとの受け入れ人数を見ると、境町22人・県北振興局管轄25人(KENPOKU PROJECT)・下妻市12人・城里町11人・美浦村11人など、地域によって受け入れ規模に大きな差があります。

地域おこし協力隊は、都市部から地方に移住し、地域おこし活動に従事しながら定住・定着を図る国の制度です。任期は通常1〜3年で、活動中は自治体から一定の報償費が支払われます。任期終了後にそのまま地域に定住し、住宅を取得するケースも多く、市町村ごとに担当課(企画政策課、まちづくり推進課など)が窓口となっています。

お試し居住|移住前に「暮らし」を体験する

いきなり移住を決断するのではなく、まず短期滞在で地域の空気を確かめたいというニーズに応えるのが「お試し居住」制度です。いばらき移住定住ポータルサイト「Re:BARAKI」によれば、2026年8月時点で以下7市町村がお試し居住施設を運営しています。

お試し居住7市町村の料金比較
茨城県内「お試し居住」実施7市町村の料金・利用期間比較(出典:いばらき移住定住ポータルサイトRe:BARAKI)

県北エリア(日立市・常陸太田市)

日立市は日立駅から徒歩10分、海の見える築35年の一軒家をリノベーションした物件を無料で提供(3泊4日〜7泊8日、光熱水費含む)。常陸太田市は「田舎暮らしトライアルハウス」を2施設運営し、1週間〜4週間の滞在が可能です(2,000円/日、8日目以降1,000円/日)。

県央エリア(笠間市・那珂市・城里町)

笠間市はWi-Fi完備でリモートワークにも対応し、年度内2回まで利用可能(2,000円/日)。那珂市の「いぃ那珂暮らしハウス」は2LDKの広い間取りで女性・子連れにも配慮されています。城里町は最長30日まで滞在でき、1,000円/日と価格も抑えめです。

鹿行エリア(神栖市・行方市)

神栖市は空き家バンクを通じて賃貸した住宅をお試し住宅として無料提供しており、テレワークやワーケーション利用者も受け入れています。行方市は霞ヶ浦と北浦に挟まれた立地で、2日〜6日の短期体験が可能です。

なお、県南エリア・県西エリアには2026年8月時点でお試し居住の掲載実績が確認できませんでした。制度の有無や最新の受け入れ状況は、各市町村へ直接確認することをおすすめします(一次資料で確認できない情報を断定しないための注記です)。

市町村独自の空き家バンク連携助成制度

茨城県公式サイト「空家等対策」(2026年8月4日更新)によれば、県内市町村では空き家バンクに登録された住宅を購入した方やリフォームを行う方を対象とした独自の助成制度を実施しています。県が公開する「市町村空き家活用等事例集」から、実際に補助金を活用した実例の一部を紹介します。

  • 古河市:空き家解体費用への補助制度を活用した事例が公開されている
  • 龍ケ崎市:空き家バンク登録物件の改修工事費の一部を補助する制度があり、購入者の改修事例が公開されている
  • 笠間市:空き家改修への補助制度を活用した事例が複数公開されている
  • ひたちなか市・桜川市:それぞれ改修・解体事例が公開されている

これらの助成内容(補助率・上限額)は市町村ごとに異なり、年度によって内容が変更される場合もあるため、本記事では個別の金額を断定的に記載しません。移住予定の市町村の担当課、または空き家バンク窓口へ直接確認することが確実です。

移住支援制度と住宅取得の関係|不動産会社の視点から

ここまで見てきた制度に共通するのは、「移住」だけでなく「住宅の取得」がセットで設計されているケースが多いという点です。特にテレワーク経路(③)では2024年4月以降、住宅の新築または購入が必須要件化されました。つまり、移住支援金の申請と不動産取引のタイミングは切り離せない関係にあります。

また、地域おこし協力隊やお試し居住を経て本移住する方の多くが、空き家バンク登録物件や中古住宅の購入を選択肢に入れています。市町村の改修費補助と組み合わせることで、初期費用を抑えながら住まいを確保できるケースも少なくありません。

一方で、移住支援金には「支給後3年未満に転出すると全額返還」「3年以上5年以内の転出は半額返還」という返還制度があります。安易に住宅を選んでしまうと、後の住み替えの際に思わぬ制約になることもあるため、移住前の段階から地域の不動産事情に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 移住支援金はどこに申請すればいいですか?

申請先は転入した市町村です。県ではなく、移住先の市町村担当課(住宅政策課、企画政策課など市町村により名称が異なります)へ申請します。申請方法や様式は市町村ごとに異なるため、事前相談時に確認してください。

Q2. 賃貸住宅に住みながらテレワーク経路の移住支援金を受け取れますか?

受け取れません。2024年4月1日以降、テレワーク経路では「移住先の市町村において住宅を新築または購入したこと」が必須要件となっており、賃貸のままでは対象外です。

Q3. 茨城県内のどこに移住しても移住支援金の対象になりますか?

なりません。2026年4月時点で実施しているのは県内44市町村のうち一部の市町村に限られます。つくば市・守谷市など人口が増加しているエリアは対象外のケースがあるため、移住予定地が実施市町村かどうかを必ず確認してください。

Q4. 移住支援金と地域おこし協力隊は併用できますか?

制度の対象要件が異なるため、個別の確認が必要です。地域おこし協力隊として着任する場合は、移住支援金の「一般の就業」等の経路要件に該当するかどうかを、着任前に市町村の担当課へ確認することをおすすめします。

Q5. お試し居住を利用した後、必ず移住しなければいけませんか?

いいえ。お試し居住はあくまで体験制度であり、利用後に移住するかどうかは自由です。多くの市町村で年度内複数回の利用や、家族での利用も可能です。

Q6. 移住支援金を受け取った後、すぐに転居してもいいですか?

申請日から3年未満に受給した市町村から転出した場合は全額返還、3年以上5年以内の転出は半額返還が原則です(虚偽申請の場合も全額返還)。返還制度があることを踏まえたうえで住宅選びを行うことが重要です。

まとめ|移住支援制度は「入口」、住まい選びは専門家と

茨城県の移住支援制度は、移住支援金(5つの経路・最大200万円規模)、地域おこし協力隊(168人が活動中)、お試し居住(7市町村)、市町村独自の空き家バンク連携助成という重層的な仕組みで構成されています。制度は年度ごとに要件や実施市町村が変わることもあるため、着手前には必ず茨城県公式サイトや移住予定市町村への確認が欠かせません。

そして、これらの制度を活用した先にあるのが「実際にどの住宅を選ぶか」という住まい選びです。ハウスドゥは茨城県内4店舗(つくば・水戸・取手戸頭・守谷)を展開し、地域ごとの物件事情や空き家バンクとの連携実績を踏まえたご相談に対応しています。移住支援制度の活用を検討されている方は、住宅取得のタイミングも含めてお気軽にご相談ください。

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