リースバックを検討するとき、多くの方が最初に気にされるのは「いくらで売れるか」です。しかし実際に契約後の生活を左右するのは、「毎月いくら家賃を払うのか」のほうです。
そして、ここにリースバックの最大の落とし穴があります。売却価格を高くすると、家賃も高くなる——この2つは切り離せない関係にあるからです。「高く買ってもらえた」と喜んだ数年後に家賃が払えなくなる、というのがもっとも多い失敗パターンです。
この記事では、リースバックの家賃がどう決まるのか(計算式)、提示された家賃が適正かどうかの判断方法、売却価格と家賃のバランスの取り方を、茨城県で不動産の買取を行う立場から具体的に解説します。
リースバックの家賃の決め方|相場は「周辺家賃」ではなく「期待利回り」で決まる
最初に、いちばん大事なことをお伝えします。リースバックの家賃は、周辺の賃貸物件の家賃を基準に決まるのではありません。買い取った不動産会社が投資としていくら回収したいか(期待利回り)から逆算して決まります。
リースバックの家賃の計算式

年間家賃 = 売却価格(買取価格) × 期待利回り
月額家賃 = 売却価格 × 期待利回り ÷ 12
たとえば売却価格1,500万円、期待利回り10%の場合は次のようになります。
1,500万円 × 10% = 年間150万円
150万円 ÷ 12か月 = 月額 約12万5,000円
期待利回りの水準はどのくらいか
期待利回りは事業者や物件によって幅がありますが、おおむね8〜13%程度が一つの目安とされています。一般的に、次のような傾向があります。
- 都市部より地方のほうが利回りは高くなりやすい…将来の売却が読みにくいぶん、事業者はリスクを利回りに乗せます
- 築年数が古いほど利回りは高くなりやすい…修繕リスクを見込むため
- 戸建てはマンションより利回りが高くなりやすい…再販先が限られるため
- 買戻し前提の契約は利回りが高くなることがある…保有期間が短くなる前提のため
※上記は考え方の傾向であり、実際の利回りは事業者・物件・時期によって異なります。必ず提示された家賃の根拠として利回りを確認してください。
【シミュレーション】売却価格ごとの家賃の目安
売却価格と期待利回りの組み合わせで、月額家賃がどう変わるかを表にしました。あくまで計算上の目安ですが、金額感をつかむのに役立ちます。
| 売却価格 | 利回り8% | 利回り10% | 利回り12% |
|---|---|---|---|
| 800万円 | 月 約5.3万円 | 月 約6.7万円 | 月 約8.0万円 |
| 1,000万円 | 月 約6.7万円 | 月 約8.3万円 | 月 約10.0万円 |
| 1,500万円 | 月 約10.0万円 | 月 約12.5万円 | 月 約15.0万円 |
| 2,000万円 | 月 約13.3万円 | 月 約16.7万円 | 月 約20.0万円 |
| 2,500万円 | 月 約16.7万円 | 月 約20.8万円 | 月 約25.0万円 |
| 3,000万円 | 月 約20.0万円 | 月 約25.0万円 | 月 約30.0万円 |
※月額家賃=売却価格×利回り÷12で算出した計算例(目安)です。実際の家賃は個別の契約条件で決まります。また上記のほかに、共益費・管理費・火災保険料・保証会社の保証料などが別途かかる場合があります。
この表からわかる、いちばん重要なこと
表を横に見てください。売却価格が上がると、家賃は同じ利回りでも比例して上がります。3,000万円で売れば月20〜30万円の家賃です。これを年金収入だけで、10年、20年と払い続けられるか——リースバックの判断は、結局ここに尽きます。
「少しでも高く買ってほしい」というお気持ちは自然なものです。しかしリースバックにおいては、高く売ること=重い家賃を背負うことです。この一点だけは、契約前に必ずご家族と共有してください。
提示された家賃が「適正」かどうかを判断する4つの方法
方法1:周辺の同条件の賃貸と比べる
もっとも実務的な確認方法です。同じエリア・同じ広さ・同じ間取り・近い築年数の賃貸物件を、賃貸情報サイトで3件以上調べてください。それが市場家賃です。
リースバックの家賃は市場家賃より高くなることが多いのですが、市場家賃を大きく上回る(たとえば1.5倍を超えるような)提示は要注意です。「なぜこの金額なのか」を必ず質問してください。
方法2:利回りを逆算して確認する
提示された家賃から、事業者の期待利回りを逆算できます。
期待利回り = 月額家賃 × 12 ÷ 売却価格 × 100
たとえば売却1,200万円・月額家賃12万円なら、12万円×12÷1,200万円×100=12%です。この数字が15%、20%と高くなるほど、あなたにとって不利な条件だとご理解ください。
方法3:「売却価格を下げたら、家賃はいくらになるか」を聞く
これは誠実な事業者かどうかを見分ける質問でもあります。
「売却価格を1,500万円ではなく1,200万円にした場合、家賃はいくらになりますか?」
きちんとした事業者なら、その場で複数のパターンを出してくれます。「価格を下げても家賃は変わりません」と言われたら、その根拠を必ず確認してください。利回りから逆算しているなら、価格が下がれば家賃も下がるはずです。
方法4:家賃の総額を計算する
見落とされがちなのが累計額です。月12万円の家賃なら、
| 期間 | 家賃の累計 |
|---|---|
| 1年 | 144万円 |
| 5年 | 720万円 |
| 10年 | 1,440万円 |
| 15年 | 2,160万円 |
| 20年 | 2,880万円 |
売却で1,500万円を受け取っても、10年住めば家賃でほぼ同額を払う計算になります。リースバックが「売って終わり」ではなく長期の契約であることが、この表から見えてきます。
家賃は途中で上がるのか|賃料改定条項を必ず確認
契約書には賃料改定(家賃の見直し)に関する条項が入っているのが通常です。ここを読まずに契約すると、数年後に家賃が上がって驚くことになります。
確認すべき3点
- 改定のタイミング…「契約更新時」「2年ごと」など
- 改定の基準…「近隣相場の変動に応じて」「物価の変動に応じて」など
- 上限の定めがあるか…「1回の改定につき○%を上限とする」といった歯止めがあるか
とくに③の上限は重要です。上限の定めがなければ、理屈のうえでは大幅な値上げも起こり得ます。逆に、「契約期間中は家賃を据え置く」と明記してくれる事業者は信頼できると考えてよいでしょう。
契約の種類によって「住み続けられる年数」が変わる
| 普通借家契約 | 定期借家契約 | |
|---|---|---|
| 更新 | 借主が希望すれば原則として更新できる | 期間満了で契約は終了(再契約は貸主の判断) |
| 住み続けやすさ | 高い | 低い |
| 家賃 | やや高めになることがある | やや低めになることがある |
| 注意点 | — | 「3年後に出ていってください」と言われる可能性がある |
家賃の安さだけで定期借家契約を選ぶと、数年後に住まいを失うリスクを背負うことになります。「安いほうがいい」ではなく、「何年住みたいのか」から逆算して契約の種類を選んでください。
家賃のほかにかかるお金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 敷金 | 契約時に預けるお金。退去時に精算される |
| 礼金 | 契約時に支払う。返還されない(設定がない場合もある) |
| 共益費・管理費 | マンションの場合に発生することがある |
| 火災保険料 | 借家人賠償責任保険への加入を求められるのが一般的 |
| 家賃保証会社の保証料 | 初回に家賃の一定割合、以降は年ごとの更新料 |
| 更新料 | 契約更新時に発生する場合がある |
| 原状回復費 | 退去時。通常損耗の扱いを契約書で確認 |
「月○万円」という提示額だけで判断せず、これらを含めた「毎月の実質負担」と「初期費用の総額」を出してもらってください。
リースバックの家賃が払えなくなったらどうなるか
もっとも避けたい事態ですが、正確に知っておく必要があります。リースバック後のあなたは「所有者」ではなく「借主」です。
- 督促…滞納が発生すると事業者・保証会社から連絡が来ます
- 保証会社の代位弁済…保証会社が立て替え、あなたへ請求されます
- 契約解除・明渡し請求…滞納が続くと信頼関係が破壊されたとして解除されます
- 買戻し権の喪失…契約に「家賃の滞納があった場合は買戻しの権利を失う」と定められていることがあります
- 強制執行…最終的には退去を求められます
④は特に注意が必要です。「いつか買い戻す」つもりでリースバックを選んだのに、数か月の滞納でその権利が消える——という契約は実在します。買戻しを前提にしている方は、この条項を必ず確認してください。
払えなくなりそうなときは、早めに相談を
滞納してから動くのでは選択肢が減ります。「あと1年は払えるが、その先が不安」という段階で相談すれば、家賃の減額交渉、より安い賃貸への住み替え、買戻しの前倒しなど、取れる手が残っています。
家賃を抑えるには|「売却価格を欲張らない」が最大のコツ
コツ1:必要な金額だけを受け取る
リースバックで受け取るお金は、使いみちが決まっている金額だけにしましょう。住宅ローンの残債清算、事業資金、医療費など、必要額を先に確定させ、それを満たす最低限の売却価格で交渉するのが、家賃を抑えるいちばん確実な方法です。
コツ2:複数社の条件を「セット」で比較する
売却価格だけを並べても意味がありません。「売却価格・月額家賃・契約の種類・契約期間・買戻し価格」を1枚の表にして比較してください。A社は高く買ってくれるが家賃も高い、B社は価格は控えめだが家賃が安く長く住める——という違いが見えてきます。
コツ3:そもそも「住み続ける必要があるか」を問い直す
これはリースバックの会社としては言いにくいことですが、正直にお伝えします。リースバックは、必ずしも最適解ではありません。
| 状況 | リースバックより向いている選択肢 |
|---|---|
| 家に強い思い入れがない | 通常の売却・買取(家賃負担が一切ない) |
| 近くに手頃な賃貸がある | 売却して住み替え(家賃が市場価格になる) |
| 老後資金が目的・相続人がいない | リバースモーゲージ |
| 住宅ローンが払えない | 任意売却 |
とくに「売って住み替える」は、家賃が市場相場になるぶん月々の負担が大きく下がることが多い選択肢です。「家を出たくない」というお気持ちと、「毎月の家賃が生活を圧迫する」という現実を、どこで折り合わせるか。ここを一緒に考えるのが私たちの役割だと思っています。
茨城県でリースバック・売却をご検討の方へ
私たちは、茨城県内でハウスドゥの4店舗(つくば研究学園都市/県庁水戸/守谷/取手戸頭)を展開する地域密着の不動産会社です。ハウスドゥは元プロ野球選手・古田敦也さんをイメージキャラクターに起用する全国ブランドで、リースバック事業の草分けでもあります。
- 売却価格と家賃を、複数パターンでご提示——「この価格ならこの家賃」を並べてご説明します
- 利回りの根拠をご説明——なぜその家賃になるのかを数字でお伝えします
- 買取という選択肢もご提案——リースバックが向かない場合は、正直にそうお伝えします
- 茨城県全域に対応——県南・県西・県央・県北・鹿行まで、地域の家賃水準を把握しています
- ご相談・査定は無料——「まず金額だけ知りたい」で構いません
「他社から提示された家賃が適正か見てほしい」というセカンドオピニオンのご相談も歓迎します。契約書にサインをする前に、ぜひ一度お聞かせください。
リースバックの家賃に関するよくある質問(FAQ)
Q. リースバックの家賃相場はいくらですか?
A. 決まった相場額はなく、売却価格と事業者の期待利回りから決まります。計算式は「月額家賃=売却価格×期待利回り÷12」で、期待利回りはおおむね8〜13%程度が目安です。売却価格1,500万円・利回り10%なら月額約12.5万円になります。
Q. リースバックの家賃の計算方法を教えてください。
A. 年間家賃=売却価格×期待利回り、月額家賃=売却価格×期待利回り÷12で計算します。逆に、提示された家賃から利回りを逆算することもできます。期待利回り=月額家賃×12÷売却価格×100です。この数字が15%や20%と高いほど、売主にとって不利な条件になります。
Q. リースバックの家賃はなぜ高くなるのですか?
A. 家賃が周辺の賃貸相場ではなく、買い取った事業者の投資利回りから逆算して決まるためです。とくに売却価格を高くしてもらうと、同じ利回りでも家賃は比例して高くなります。「高く売る」と「家賃を抑える」は両立しない点にご注意ください。
Q. リースバックの家賃は途中で上がりますか?
A. 契約書の賃料改定条項によります。改定のタイミング(更新時・2年ごとなど)、改定の基準(近隣相場・物価の変動など)、1回あたりの上限の定めがあるかを必ず確認してください。契約期間中は家賃を据え置くと明記してくれる事業者もあります。
Q. リースバックの家賃が払えなくなったらどうなりますか?
A. 督促、保証会社の代位弁済、契約解除・明渡し請求、最終的には強制執行という流れになります。契約によっては家賃の滞納で買戻しの権利を失う定めがあるため、買戻しを前提にしている方は特に注意が必要です。払えなくなりそうな段階で早めにご相談ください。
Q. 提示された家賃が適正かどうか、どう判断すればよいですか?
A. 同じエリア・広さ・間取り・築年数の賃貸物件を3件以上調べて市場家賃を把握し、それと比べてください。あわせて期待利回りを逆算し、「売却価格を下げたら家賃はいくらになるか」を事業者に質問してください。複数パターンを提示できる事業者は誠実といえます。
Q. 家賃のほかにかかる費用はありますか?
A. 敷金・礼金、共益費や管理費、火災保険料(借家人賠償責任保険)、家賃保証会社の保証料、更新料、退去時の原状回復費などがかかる場合があります。月額の提示額だけでなく、初期費用の総額と毎月の実質負担を必ず確認してください。
Q. 普通借家契約と定期借家契約では、どちらが安心ですか?
A. 長く住み続けたい場合は普通借家契約のほうが安心です。定期借家契約は期間満了で契約が終了し、再契約は貸主の判断となるため、数年後に退去を求められる可能性があります。家賃がやや低く設定されることもありますが、住み続けられる年数から逆算して選んでください。
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