「リースバックを使ってみたけれど、家賃が思ったより重い。途中でやめられるのだろうか」「契約期間が終わったら、出ていかなければいけないのか」——リースバックのご相談で、契約後にいちばん多く出てくるのがこの2つの不安です。
結論を先にお伝えします。途中解約できるかどうか、そして期間満了で退去になるかどうかは、すべて「賃貸借契約の種類」で決まります。売買代金や家賃の額ではありません。この記事では、茨城県内でリースバックをご検討・ご利用中の方に向けて、ハウスドゥ 茨城グループが法律上のルールと実務の注意点を整理します。
リースバックは「2つの契約」でできている
売買契約と賃貸借契約は別物
リースバックは、①自宅を売る売買契約と、②売った家に住み続けるための賃貸借契約という、性質のまったく違う2つの契約の組み合わせです。
売買契約は引き渡しが終われば完了しますが、賃貸借契約はその後も何年も続きます。にもかかわらず、契約時は「いくらで売れるか」ばかりに注目が集まり、賃貸借契約の条件が読み込まれないまま署名されてしまうことが少なくありません。途中解約と退去の問題は、ほぼすべてこの賃貸借契約の中で起きます。
売った後の「大家さん」は買主
売却が終わると、あなたは所有者から借主に変わり、買主が貸主(大家さん)になります。したがって解約や退去の話は、借地借家法という法律のルールに従うことになります。
運命を分けるのは「普通借家」か「定期借家」か

普通借家契約|住み続けやすい
普通借家契約は、期間が来ても原則として更新されます。貸主が「更新しません」と言うには正当事由が必要で、これはかなり厳しい要件です。つまり、家賃をきちんと払っている限り、実質的にずっと住み続けられると考えてよい契約形態です。
定期借家契約|期間満了で確定的に終了する
一方の定期借家契約(定期建物賃貸借)は、更新という概念がありません。定められた期間が満了すれば、契約はそこで確定的に終了します。住み続けたい場合は「再契約」をお願いすることになりますが、再契約に応じるかどうかは貸主の自由です。応じてもらえなければ退去です。
リースバックの実務では、この定期借家契約が使われることが少なくありません。期間は2年、3年、5年など様々で、「とりあえず3年」で契約したものの、3年後に再契約を断られて住む場所を失う——これがリースバックの典型的な失敗パターンです。
契約書のどこを見れば分かるか
契約書の表題に「定期建物賃貸借契約書」とあれば定期借家です。また定期借家契約では、契約とは別に「更新がなく期間満了により終了する」旨を記載した書面(説明書)の事前交付と説明が必要とされています。この書面を受け取っているかどうかも判断材料になります。
茨城県で相談を受けるときに必ず確認すること
当社にご相談いただいた際、私たちが真っ先に確認するのは売却価格ではなく「契約書に定期と書いてありますか」「期間は何年ですか」「再契約の条件はどう書かれていますか」の3点です。ここが分かれば、その後どうなるかの見通しはおおむね立ちます。
借主から途中解約できるのか
普通借家の場合|特約があれば解約できる
普通借家契約では、借主からの中途解約を認める特約が置かれているのが一般的です。多くは「1か月前までに書面で申し入れる」といった内容で、この場合は申し入れから1か月後に契約が終了します。まずは契約書の「解約」の条項を確認してください。
定期借家の場合|原則として途中解約できない
定期借家契約は、期間を確定させることに意味がある契約なので、借主からの中途解約は原則としてできません。特約で中途解約権が留保されていれば別ですが、そうでなければ期間中の家賃を払い続ける義務が残ります。
定期借家でも解約できる法律上の例外
ただし借地借家法には例外が定められています。床面積200㎡未満の居住用建物について、転勤、療養、親族の介護などやむを得ない事情によりその建物を生活の本拠として使用することが困難になった場合、借主は解約の申入れができ、申入れから1か月の経過で契約が終了します。
一般的な戸建てやマンションはほぼ200㎡未満ですから、施設への入居や、子どもの家への転居といった事情であれば、この例外に当たる可能性があります。高齢のご両親のリースバックでは特に知っておきたいルールです。
違約金の特約に注意
中途解約が認められる場合でも、「残存期間の賃料相当額を支払う」といった違約金の特約が置かれていることがあります。3年契約の1年目で解約すると、残り2年分の家賃を請求される——という条件が書かれている契約も存在します。解約できるかどうかだけでなく、解約するといくらかかるかまで確認してください。
貸主(買主)から退去を求められるケース
①定期借家の期間満了
最も多いパターンです。貸主は期間満了の1年前から6か月前までの間に、終了する旨の通知をすることとされています(1年以上の契約の場合)。この通知が届いたら、再契約の意思を早めに伝え、応じてもらえない場合の住まいの手当てを始めてください。
②家賃の滞納
どの契約形態であっても、家賃の滞納が続けば契約を解除され、退去を求められます。リースバックは家賃が周辺相場より高めに設定されがちなため、生活が苦しくなって滞納に至るケースは実際にあります。契約前に「その家賃を10年払い続けられるか」を必ず試算してください。
③物件が第三者に転売された(オーナーチェンジ)
買主が物件をさらに別の投資家へ転売することがあります。この場合、建物の引き渡しを受けている借主は、新しい所有者に対しても賃貸借を主張できます(借地借家法の対抗力)。ですから、転売されただけで即退去ということにはなりません。
ただし定期借家であれば、期間満了時に再契約するかどうかは新オーナーの判断です。当初の買主が「ずっと住んでいいですよ」と口約束していても、新オーナーには引き継がれません。口約束ではなく契約書に書いてあるかどうかがすべてです。
④買戻しの期限が切れた
「いずれ買い戻せる」という前提で契約したものの、買戻しの権利に期限が設けられており、その期限を過ぎてしまったというケースもあります。買戻しの条件と期限は、賃貸借契約とセットで確認が必要です。
途中解約・退去を考えたくなる4つのきっかけ
①家賃が家計を圧迫してきた
リースバックの家賃は、売却価格に投資家の期待利回りを掛けて逆算されるのが一般的です。売却価格を高くしてもらうほど家賃は上がる、という関係にあります。契約時は払えても、年金生活に入って苦しくなる——という流れは珍しくありません。
②施設への入居が決まった
ご高齢の方のリースバックで最も多い解約理由です。前述のとおり、定期借家であっても「やむを得ない事情」に当たる可能性があるため、まずは契約書と法律上の例外を確認してください。
③相続が発生した
借主が亡くなった場合、賃借権も相続の対象となり、相続人に引き継がれます。同居していた家族がそのまま住み続けられることもありますが、誰も住まない場合は解約手続きが必要です。この場合も違約金の特約が適用されるのか、契約書を確認しておきましょう。
④住み替え先が決まった
前向きな理由での解約です。この場合は解約時期を新居の引き渡しに合わせる必要があるため、予告期間(通常1か月)を逆算してスケジュールを組みます。
退去するときに知っておきたいこと
原状回復|通常損耗は借主負担ではない
退去時の原状回復について、民法では通常の使用によって生じた損耗や経年変化については、借主は原状回復の義務を負わないとされています。日焼けによる壁紙の変色や、家具の設置跡といったものまで請求されるのは適切ではありません。
ただし、故意・過失による破損は借主負担です。また特約が置かれている場合もあるため、契約書の確認は必要です。もともと自分が住んでいた家であるという点も、リースバック特有の論点になります。
敷金の精算
敷金を差し入れている場合、未払い家賃や借主負担分の原状回復費を差し引いた残額が返還されます。明細を書面でもらうようにしてください。
退去のスケジュール
解約の申入れから終了までは通常1か月です。引越し先の確保、荷物の整理、公共料金の精算を考えると、実際には2〜3か月前から動き始めるのが安全です。
そもそも「途中解約したくならない」契約にするには
契約前に必ず確認したい7項目
- 賃貸借契約は普通借家か、定期借家か
- 定期借家の場合、期間は何年か
- 再契約の条件が契約書に明記されているか(口約束ではないか)
- 借主からの中途解約ができるか、予告期間は何か月か
- 中途解約したときの違約金はいくらか
- 家賃の改定条項はあるか(数年ごとに値上げされないか)
- 買戻しの価格・期限・条件はどうなっているか
その家賃を10年払えるか、紙に書いて確かめる
月8万円の家賃なら10年で960万円です。売却代金が2,000万円だったとしても、そのうち半分近くが家賃で戻っていく計算になります。手元に残る金額ではなく、10年・20年での収支で判断してください。
リースバック以外の選択肢と比べる
「住み続けたい」という目的だけなら、リースバック以外にも方法があります。
- そのまま売却して賃貸に住み替える:家賃は市場相場で済み、期間の縛りもありません
- 任意売却:住宅ローンが払えないことが理由なら、こちらが本筋です
- 親族間売買:ご家族に買ってもらい、貸してもらう方法
- リバースモーゲージ:自宅を担保に融資を受ける(売却ではありません)
当社では、リースバックありきではなくご事情に合った方法をご提案しています。
茨城県でリースバックの解約・退去にお困りの方へ
契約書を一緒に読むところから
「契約書を見ても、普通借家なのか定期借家なのか分からない」——これは決して珍しいことではありません。当社では契約書を拝見して、いまどういう状態にあるかを整理するところからお手伝いしています。
退去を迫られている場合の選択肢
期間満了の通知が届いてしまった場合でも、①再契約の交渉、②近隣での住み替え先の確保、③ご家族による買い取りの検討、といった手立てがあります。期限がある話なので、通知を受け取った時点でご相談ください。
ハウスドゥ 茨城グループについて
私たちは、元プロ野球選手・古田敦也さんをイメージキャラクターに起用する全国ブランド「ハウスドゥ」の加盟店として、茨城県内4店舗のネットワークで不動産の売却・買取をお手伝いしています。つくば市・水戸市・取手市・守谷市を拠点に、県南・県西・県央・県北・鹿行の各エリアに対応しています。
買取専門店として自社で直接買い取るため、投資家を探す時間が不要で、スピードが求められる場面に強いのが特徴です。ご相談・査定は無料です。
リースバックの途中解約・退去|よくある質問
Q. リースバックは途中で解約できますか?
A. 賃貸借契約の種類によります。普通借家契約なら、中途解約の特約(通常は1か月前予告)に従って解約できるのが一般的です。定期借家契約は原則として中途解約できませんが、特約があれば可能です。
Q. 定期借家でも途中解約できる例外はありますか?
A. あります。借地借家法では、床面積200㎡未満の居住用建物について、転勤・療養・親族の介護などやむを得ない事情でその建物を生活の本拠として使用することが困難になった場合、借主は解約を申し入れることができ、申入れから1か月の経過で契約が終了するとされています。
Q. 途中解約すると違約金はかかりますか?
A. 契約内容によります。「残存期間の賃料相当額を支払う」といった違約金の特約が置かれていることがあります。解約できるかどうかだけでなく、解約するといくらかかるかを契約書で必ず確認してください。
Q. 契約期間が終わったら必ず退去しなければなりませんか?
A. 普通借家契約なら、貸主に正当事由がなければ更新を拒めないため、住み続けられるのが原則です。定期借家契約は期間満了で確定的に終了し、再契約に応じるかどうかは貸主の判断になります。
Q. 家が転売されたら追い出されますか?
A. すぐに追い出されることはありません。建物の引き渡しを受けている借主は、新しい所有者に対しても賃貸借を主張できます。ただし定期借家の場合、期間満了時に再契約するかどうかは新オーナーの判断になります。
Q. 契約が普通借家か定期借家か、どこで見分けますか?
A. 契約書の表題に「定期建物賃貸借契約書」とあれば定期借家です。定期借家では、契約とは別に「更新がなく期間満了で終了する」旨を記載した書面の事前交付と説明が必要とされているため、その書面の有無も判断材料になります。
Q. 退去時の壁紙の張り替え費用は自分が払うのですか?
A. 民法では、通常の使用によって生じた損耗や経年変化について借主は原状回復義務を負わないとされています。日焼けによる変色などは原則として借主負担ではありません。ただし故意・過失による破損は借主負担で、特約が置かれている場合もあります。
Q. 借主が亡くなったら契約はどうなりますか?
A. 賃借権は相続の対象となり、相続人に引き継がれます。同居のご家族が住み続けることもできますが、誰も住まない場合は解約手続きが必要です。違約金の特約が適用されるかを確認してください。
まとめ|「売る前」に決まっている
リースバックで途中解約できるか、期間満了で退去になるか——その答えは、契約した瞬間にはもう決まっています。決めているのは売却価格ではなく、賃貸借契約が普通借家か定期借家か、そして特約に何が書かれているかです。
これから検討される方は、「いくらで売れますか」より先に「賃貸借契約は普通借家ですか」と聞いてください。すでに契約されている方も、契約書を読み直すことで打てる手が見えてきます。
ハウスドゥ 茨城グループでは、リースバックのご相談、契約内容の整理、そして他の選択肢との比較まで、無料でご相談を承っています。茨城県内4店舗のネットワークでお近くの店舗がご対応します。
▶あわせて読みたい:リースバックの失敗事例5選と契約前チェック/リースバックの家賃相場と適正価格/リースバックの審査に通らない5つの理由/リースバックと任意売却の違い
Q. リースバックを途中解約すると違約金はかかりますか?
A. 契約内容によります。残存期間の賃料相当額を支払うといった違約金の特約が置かれていることがあります。解約できるかどうかだけでなく、解約するといくらかかるかを契約書で必ず確認してください。
Q. リースバックした家が転売されたら追い出されますか?
A. すぐに追い出されることはありません。建物の引き渡しを受けている借主は新しい所有者に対しても賃貸借を主張できます。ただし定期借家の場合、期間満了時に再契約するかどうかは新オーナーの判断になります。
Q. リースバックの借主が亡くなったら契約はどうなりますか?
A. 賃借権は相続の対象となり相続人に引き継がれます。同居のご家族が住み続けることもできますが、誰も住まない場合は解約手続きが必要です。違約金の特約が適用されるかを確認してください。




