リースバックとは?費用・税金の前に押さえておきたい基本
「自宅に住み続けながらまとまった資金を得られる」として注目されているのがリースバックです。ただし実際に検討を始めると、「結局いくらかかるのか」「税金は普通の売却と違うのか」がわかりにくく、不安に感じる方が少なくありません。すでに公開している別記事「リースバック悪徳業者の一覧はある?公的に確認できる5つの方法」では手口や見分け方を解説しましたが、本記事では視点を変えて、費用・税金・家賃相場という「お金の中身」だけを1本にまとめて整理します。適正な費用感を知っておくことは、不当な請求をする悪質な業者を見抜く力にもつながります。
売買契約と賃貸借契約が同時に成立する仕組み
リースバックは、自宅をリースバック業者(または不動産会社)に売却する「売買契約」と、売却後もその家に住み続けるための「賃貸借契約」を同時に結ぶ取引です。通常の売却では引っ越しが前提になりますが、リースバックでは所有権だけが移転し、住まいはそのままという点が最大の特徴です。この「2つの契約が同時に走る」という構造が、費用や税金の考え方にも影響してきます。
通常の仲介売却と費用構造はどう違うのか
通常の仲介売却では、買主を探してもらう不動産会社に仲介手数料を支払うのが基本です。一方でリースバックは、リースバック業者自身が買主になる「直接買取」の形をとるケースが多く、この場合は仲介手数料が発生しません。ただし、業者によっては仲介会社を間に挟む場合もあり、その際は通常の売却と同様に仲介手数料がかかります。「費用がいくらかかるか」は、直接買取か仲介型かによって大きく変わる、という点をまず押さえておきましょう。
リースバックでかかる費用の全体像|内訳早見表
リースバックの費用は、大きく分けて「契約時に一度だけかかる費用」と「契約後に継続してかかる費用」の2種類があります。以下の表で全体像を確認してください。金額は物件価格や契約条件によって変わるため、あくまで目安として捉えてください。
| 費用の種類 | 発生タイミング | 目安・考え方 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 契約時(仲介型のみ) | 直接買取なら0円が一般的 |
| 印紙税 | 契約時(売買契約書のみ) | 売買代金に応じて軽減後1,000円〜数万円 |
| 消費税 | 契約時 | 個人の自宅売却は非課税が原則 |
| 登記関連費用 | 契約時 | 抵当権抹消登記がある場合に司法書士報酬等が発生 |
| 固定資産税 | 契約年のみ日割り精算 | 翌年以降は所有者(業者)負担に切り替わる |
| 譲渡所得税 | 売却の翌年(確定申告) | 要件を満たせば3,000万円特別控除の対象 |
| 家賃(リース料) | 契約後、毎月 | 売却価格に対する期待利回りから逆算されることが多い |

直接買取と仲介型で費用はどう変わるか
直接買取の場合、仲介手数料がかからない分、初期費用を抑えやすいのがメリットです。一方で「買取価格が仲介より安くなりやすい」という一般的な傾向もあるため、費用だけでなく買取価格・家賃・買戻し条件までを含めた総合的な比較が欠かせません。複数社から見積もりを取り、費用の内訳を明細で確認する習慣をつけましょう。
仲介手数料はかかる?かからない?
直接買取なら仲介手数料は原則0円
リースバック業者が自ら買主となる直接買取では、間に不動産会社を挟まないため仲介手数料は発生しないのが一般的です。「リースバックは仲介手数料が無料」と紹介されることが多いのはこのためです。
仲介を挟む場合の速算式
一方、不動産会社に仲介を依頼してリースバック業者とのマッチングをしてもらう場合は、通常の売却と同じ仲介手数料がかかります。売買金額が400万円を超える場合の速算式は次のとおりです。
仲介手数料(税別)= 売買代金 × 3%+6万円 ※これに別途消費税が加算されます。
例えば売買代金が1,500万円であれば、1,500万円×3%+6万円=51万円(税別)が目安です。見積もりを受け取ったら、この速算式で概算をチェックし、大きくかけ離れていないかを確認することをおすすめします。
消費税はかかるのか
個人の自宅売却は消費税非課税が原則
土地の譲渡はそもそも消費税の非課税取引です。また、建物についても、売主が事業者ではない個人(会社員など)で、生活のために使っていた自宅を売却する場合は、消費税の課税対象にはなりません。そのため、多くの個人の方によるリースバックでは、売買代金そのものに消費税はかからないと考えてよいでしょう。
事業用物件・法人所有の場合は要注意
これに対して、賃貸アパートや店舗など事業のために使っていた不動産、あるいは法人が所有する不動産をリースバックする場合は、建物部分の譲渡に消費税が課税されることがあります。事業目的の資産をお持ちの方は、この点を税理士に確認しておくと安心です。
仲介手数料には消費税がかかる
売買代金自体が非課税であっても、不動産会社に支払う仲介手数料は「サービスの対価」にあたるため消費税の課税対象です。見積書を受け取る際は、仲介手数料に消費税が含まれているかどうかも確認しておきましょう。
印紙税はいくらかかる?契約書ごとの違い
売買契約書には印紙税が必要(軽減措置は2027年3月31日まで)
不動産の売買契約書は、印紙税法上の課税文書にあたり、記載された契約金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。現在、不動産譲渡契約書については軽減措置が設けられており、2027年(令和9年)3月31日までに作成される契約書は、本来の税額より低い金額で済みます。目安は次のとおりです(国税庁の印紙税額の一覧表をもとにした概算です)。
| 契約金額 | 軽減後の印紙税額(目安) |
|---|---|
| 100万円超〜500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 30,000円 |
賃貸借契約書は非課税文書で印紙不要
一方、建物の賃貸借契約書は税務上「非課税文書」として扱われており、印紙を貼る必要はありません。リースバックでは売買契約書と賃貸借契約書の2つを結びますが、印紙税がかかるのは売買契約書だけと覚えておきましょう。
印紙代の負担者はどちらか
印紙税は法律上、契約書を作成した双方に納税義務がありますが、実務では売主・買主それぞれが自分の保有する契約書分(各1通ずつ)を負担するか、折半するケースが一般的です。契約前に、どちらがどの分を負担するのか見積書や重要事項説明で確認しておくとトラブルを避けられます。
固定資産税は誰が払う?契約後の扱い
所有権移転後は買主(リースバック業者)負担が原則
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税される税金です。リースバック契約によって所有権がリースバック業者に移れば、その後の固定資産税を納める義務も業者側に移ります。「リースバックすると固定資産税を払わなくてよくなる」と説明されるのはこのためです。
契約した年は日割り精算が通例
ただし、所有権が移転した年については、1月1日時点の所有者(まだ売主自身であることが多い)に1年分の納税義務があるのが原則です。そのため実務上は、決済日を基準に日割り計算し、引き渡し後の期間分の固定資産税相当額を買主が売主に支払う(精算する)扱いになるのが一般的です。契約書や重要事項説明でこの精算方法が明記されているか、事前に確認しておきましょう。
「固定資産税がなくなる」という説明を鵜呑みにしない
固定資産税の負担がなくなる代わりに、その分は毎月の家賃(リース料)の算定根拠に織り込まれているのが通常です。「固定資産税がゼロになるからお得」という説明だけを切り取らず、総支払額(家賃×契約期間)で比較する視点を持つことが大切です。
譲渡所得税と3,000万円特別控除は使える?
居住用財産の3,000万円控除の要件
自宅(居住用財産)を売却して利益(譲渡所得)が出た場合でも、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。リースバックであっても、実際に住んでいた自宅の売却であれば、この特例の対象になり得ます。適用を受けるには、確定申告で譲渡所得の内訳書などの添付が必要です。
同族会社・親族間の売買は対象外になる点に注意
この特例には「配偶者や直系血族、生計を一にする親族、さらに自分が経営する同族会社への売却には適用されない」という除外規定があります。リースバック業者の中には親族が経営する会社という例もゼロではないため、契約前に「買主がこの除外規定に該当しないか」を確認しておくと安心です。
売却価格が抑えられがちな分、税負担も軽くなりやすい傾向
リースバックは、買い戻しを前提とすることや家賃設定とのバランスから、通常の仲介売却より売却価格が低めに設定される傾向があります。譲渡所得(売却価格から取得費・譲渡費用を差し引いた利益)自体が小さくなりやすいため、結果として譲渡所得税の負担も軽くなりやすい面があります。ただし、これは価格が下がることの裏返しでもあるため、税負担の軽さだけを理由に安値売却を受け入れないよう注意してください。
家賃(リース料)の相場はどう決まる?
期待利回りから逆算する一般的な計算方法
リースバックの家賃は、多くの場合「売却価格 × 業者が期待する利回り(年利)÷ 12ヶ月」という考え方で決まります。期待利回りは業者や物件の状況によって幅がありますが、年利6〜13%程度が用いられることが多いとされています。同じ売却価格でも、期待利回りが高く設定されるほど毎月の家賃は上がります。
提示された家賃が高すぎないか自分で確認する方法
見積もりを受け取ったら、「年間家賃総額 ÷ 売却価格」で逆算し、業者が何%の利回りを見込んでいるかを自分でも計算してみましょう。複数社の利回りを比較することで、相場から大きく外れた条件を提示されていないかを客観的にチェックできます。
契約に必要な書類一覧
売買契約時に必要な主な書類
一般的には、権利証(登記識別情報)、固定資産税納税通知書、本人確認書類、実印・印鑑証明書、住民票などが必要です。住宅ローンが残っている場合は、残高証明書や金融機関とのやり取りも必要になります。
賃貸借契約時に必要な主な書類
賃貸借契約では、賃貸借契約書のほか、連帯保証人が必要な場合はその同意書・収入資料、家賃保証会社を利用する場合は審査に必要な書類が求められることがあります。必要書類は業者によって異なるため、事前に一覧をもらい、不足がないよう準備しておくとスムーズです。
費用を抑えて安全に進めるためのポイント
直接買取と仲介、両方の見積もりを比較する
費用面だけを見れば直接買取が有利なケースが多いですが、業者によって買取価格・家賃・買戻し条件は大きく異なります。1社だけで即決せず、複数社から費用の内訳がわかる見積もりを取り、総支払額で比較することが失敗を防ぐ一番のポイントです。
見積書の内訳が不明瞭な会社は要注意
本記事で紹介した仲介手数料・印紙税・消費税・固定資産税の精算といった項目は、いずれも法律や制度に基づいた説明が可能なものです。逆に言えば、内訳を尋ねても曖昧にしか答えない、聞いたことのない名目の手数料を提示してくる、といった場合は注意が必要です。悪質な業者の手口については、別記事「リースバック悪徳業者の一覧はある?公的に確認できる5つの方法」でも詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
茨城県内でのご相談はハウスドゥ4店舗へ
私たちハウスドゥは、取手戸頭・守谷・つくば研究学園都市・県庁水戸の茨城県内4店舗で、リースバックを含む不動産売却のご相談を承っています。費用や税金の内訳、家賃の妥当性など、専門用語が多く分かりにくい部分こそ、遠慮なくご質問ください。査定は無料で、他社の見積もりとの比較のみのご相談も歓迎しています。
まとめ
リースバックの費用は、直接買取であれば仲介手数料が原則不要で、印紙税・消費税・固定資産税もそれぞれ考え方が決まっています。譲渡所得税についても、居住用財産であれば3,000万円特別控除の対象になり得ます。一方で、家賃(リース料)は業者の期待利回りによって決まるため、費用の安さだけでなく総支払額で比較することが欠かせません。仕組みを正しく理解しておくことが、悪質な業者を見抜き、納得できる条件で契約するための一番の近道です。ご不明な点があれば、茨城県内4店舗のハウスドゥまでお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. リースバックの仲介手数料はいくらですか?
A. リースバック業者が直接買い取る場合は原則0円です。不動産会社に仲介を依頼する場合は、売買代金×3%+6万円(税別)が目安になります。
Q. リースバックの売却代金に消費税はかかりますか?
A. 個人が自宅を売却する場合、土地は非課税、建物も事業用でなければ消費税はかからないのが原則です。ただし仲介手数料には消費税がかかります。
Q. 印紙税はどちらの契約書にかかりますか?
A. 売買契約書には契約金額に応じた印紙税がかかります。賃貸借契約書は非課税文書のため、印紙は不要です。
Q. リースバック後の固定資産税は誰が払いますか?
A. 所有権移転後は買主(リースバック業者)が納税義務者になります。ただし所有権移転した年は日割り精算するのが一般的です。
Q. リースバックでも3,000万円特別控除は使えますか?
A. 実際に住んでいた自宅の売却であれば、要件を満たすことで適用され得ます。ただし親族や自分が経営する会社への売却は対象外となる点に注意が必要です。
Q. リースバックの家賃はどうやって決まりますか?
A. 多くの場合「売却価格×業者の期待利回り÷12ヶ月」で計算されます。年間家賃を売却価格で割り戻すと、業者が見込んでいる利回りを自分でも確認できます。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。




