「茨城県は魅力度ランキング最下位」――そう聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。実はこのイメージ、最新の調査結果とはずれています。本記事では、ブランド総合研究所が毎年実施している「地域ブランド調査」の一次データをもとに、茨城県の魅力度ランキングの実像を数字で確認します。合わせて、ランキングという”消費者イメージ”と、実際に茨城県で暮らす・不動産を持つという”生活の実態”がどう違うのかを、地域と不動産の両面から整理します。
茨城県の魅力度ランキングとは何を測る調査か
「都道府県魅力度ランキング」として毎年秋に報道される数字は、株式会社ブランド総合研究所が実施する「地域ブランド調査」の一項目です。同調査は2006年に開始され、2025年で20回目を迎えた民間の消費者アンケート調査で、全国792市・東京23区・185町村の計1,000市区町村と47都道府県を対象に、認知度・魅力度・情報接触度・観光意欲度・居住意欲度・産品想起率など計90項目を尋ねています。
「地域ブランド調査2025」は2025年6月24日〜7月9日にインターネット調査で実施され、有効回収数は33,449人。1人の回答者が都道府県については15〜16地域を評価する方式で、年齢・地域人口の分布に合わせて再集計されています。
「魅力度」の算出方法
魅力度は、提示した地域名に対して「とても魅力的」〜「まったく魅力的でない」の5段階で回答してもらい、次の式で加重平均した点数です。
魅力度 = 100点 ×「とても魅力的」回答者割合 + 50点 ×「やや魅力的」回答者割合
つまり「知っているが特に魅力を感じない」という回答が多い地域ほど点数が伸びにくい、消費者イメージそのものを数値化した指標です。実際の治安・交通・物価・行政サービスの水準を測る指標ではない点に注意が必要です。
茨城県の順位を「ランキング」だけで語れない理由
この調査はあくまで消費者アンケートに基づくイメージ調査であり、住みやすさ・経済力・子育て環境などを客観的に測る統計調査ではありません。茨城県はメロン・れんこん・栗など全国1位の農産物を数多く持ち、圏央道・常磐道の交通結節点でもありますが、そうした強みが「魅力度」という一問一答のイメージ調査には反映されにくい構造があります。この記事では、まずランキングの実数を正確に確認したうえで、生活・不動産の視点でその意味を読み解きます。
【2025年最新】茨城県の魅力度ランキングは46位
「地域ブランド調査2025」(2025年10月4日発表)の都道府県魅力度ランキングで、茨城県は47都道府県中46位でした。最下位(47位)は今回が初めて最下位となった埼玉県です。上位は1位が北海道(70.7点・17年連続首位)、2位が京都府(52.6点・17年連続2位)、3位が沖縄県(48.6点)、4位が神奈川県(43.1点・調査史上初の4位)、5位が東京都(42.1点・前年から6.2点低下)でした。47都道府県の魅力度平均点は27.8点です。
茨城県の得点そのものは、公表されている全順位の一次データを当社で確認できた範囲では、下位グループ(43〜47位帯)に位置しています。順位は年によって数点の差で入れ替わるため、「46位」という結果を一喜一憂して見るより、後述する複数年の推移で傾向をつかむことが重要です。
都道府県魅力度ランキング上位5位(2025年)
| 順位 | 都道府県 | 得点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 北海道 | 70.7点 | 2009年の調査開始以来17年連続1位 |
| 2位 | 京都府 | 52.6点 | 17年連続2位、前年比-3.0点 |
| 3位 | 沖縄県 | 48.6点 | 前年比-1.2点 |
| 4位 | 神奈川県 | 43.1点 | 調査史上初の4位 |
| 5位 | 東京都 | 42.1点 | 前年5位から順位維持も-6.2点で下落幅最大 |
出典:株式会社ブランド総合研究所「地域ブランド調査2025」都道府県の魅力度等調査結果(2025年10月4日更新)

2025年は「茨城 vs 埼玉」ではなく順位変動の年
2025年の調査で特筆すべきは、長年最下位争いの常連だった茨城県ではなく、埼玉県が初めて最下位に転落したことです。関東地方では東京都が5位に転落し神奈川県が初の4位に浮上するなど、上位・下位ともに顔ぶれの変動が大きい年でした。茨城県の46位という結果も、こうした関東各県の順位変動の中で相対的に決まった数字であり、茨城県単独の評価が急落したわけではありません。
茨城県の魅力度ランキング推移|最下位から46位まで
茨城県の魅力度ランキングは、単純な右肩下がり・右肩上がりではなく、年によって大きく上下しています。報道等で確認できる範囲の推移を一次データに基づき整理すると、以下の通りです。
2013年〜2019年:7年連続最下位の時期
茨城県は2013年から2019年まで、7年連続で47位(最下位)が続いていました。この間、群馬県・栃木県・佐賀県なども下位グループの常連でしたが、茨城県が最も長く最下位に沈んでいた県の一つです。
2020年:過去最高の42位に浮上
2020年の調査では茨城県が過去最高となる42位に浮上し、8年ぶりに最下位を脱出しました。新型コロナウイルスの影響で遠方への旅行が控えられ、首都圏在住者にとって「近場の観光地」として茨城県への評価・観光意欲度が相対的に高まったことが要因とされています。
2021年:再び最下位47位に
2020年の浮上は一時的なもので、2021年の調査では茨城県は再び47位(最下位)に転落しました。
2022年:最下位脱出、46位に
2022年の調査では茨城県の魅力度は13.5点となり、前年の11.6点から1.9点上昇。佐賀県(13.2点)を上回り46位となりました。この年の魅力度伸び率は16.4%増で、和歌山県・山形県に次ぐ全国3位の伸びでした。ブランド総合研究所の分析では、北海道・東北・九州居住者からの評価上昇が主因とされ、近畿・中四国からの評価は前年より低下したことも報告されています。
2023年〜2025年:46位・最下位・45位・46位と一進一退
その後も茨城県の順位は一進一退が続いています。2023年は最下位圏に戻り、2024年は45位に浮上、2025年は46位(最下位は埼玉県)という結果でした。10年余りのスパンで見ると、茨城県は「最下位の常連」から「下位だが最下位ではない」水準へと緩やかに変化してきたと言えます。

順位が動く理由|得点差はわずか数点
魅力度ランキングの下位グループは、各県の得点差が1〜2点程度しかないことが多く、母集団(回答者)の年による偏りや、その年に話題になったニュース・観光キャンペーンの有無で数位変動することが珍しくありません。「〇〇位」という一つの数字よりも、下位グループ内での相対的な位置と、複数年のトレンドで見ることが実態把握には重要です。
なぜ茨城県は魅力度で低く評価されるのか
ブランド総合研究所は、茨城県が長年下位に位置してきた背景として、主に4つの要因を分析しています。
低評価の背景にある4つの要因
茨城県が長年下位に位置してきた背景には、次の4つの要因があると分析されています。
- 象徴的なブランドシンボルの不在――ひたち海浜公園のネモフィラ、偕楽園の梅、筑波山、袋田の滝など個別の観光資源は充実している一方、「茨城県」と聞いて即座に思い浮かぶ全国共通の象徴が弱いこと
- 発信力の弱さ――「作り上手の伝え下手」という県民性の傾向が、対外的なアピール不足につながっているという指摘(県民性の詳細は後述の関連記事で扱っています)
- 危機感の薄さ――自然が豊かで気候も安定し、経済的にも比較的恵まれた地域が多いため、地域イメージを高める危機感自体が他県より弱かった可能性
- 地名を冠した産品の少なさ――メロン・れんこん・栗など全国1位の農産物を持ちながら、「アンデスメロン」のように産地名を冠さず流通してきた商品が多く、「茨城県産」と認識されにくかったこと。近年は「イバラキング」のように県名を冠したブランド展開も進んでいます
これらは2022年時点の分析ですが、2024〜2025年にかけて茨城県が45〜46位まで回復してきた背景には、こうした課題への継続的な取り組みが一定の効果を上げていると見ることができます。
魅力度以外の指標で見る茨城県の実像
「地域ブランド調査」は魅力度のほかに、観光意欲度・居住意欲度・産品想起率など計90項目を調べています。魅力度という一つのイメージ指標だけで地域の実力を判断すると、実態を見誤る可能性があります。
観光意欲度は関東居住者からの評価が相対的に高い
過去の調査分析では、茨城県への観光意欲度(「ぜひ行ってみたい」の回答割合)は、関東居住者・北海道東北居住者を中心に上昇傾向が確認されています。近場の観光地としての需要は、遠方からの知名度とは別の軸で評価されている実態がうかがえます。
回答者の居住地によって評価が大きく異なる
茨城県の魅力度は、回答者の居住地域によって差が大きいことも分析で示されています。関東・東北・北海道居住者からの評価は相対的に高く、近畿・中四国居住者からの評価は相対的に低い傾向です。これは「知名度・接触機会の差」がイメージ評価に直結していることを示しており、遠方への知名度不足が全国順位を押し下げている一因と考えられます。
生活者から見た「魅力度ランキング」の意味
茨城県に実際に住んでいる方、あるいはこれから茨城県への移住や不動産購入を検討している方にとって、魅力度ランキングはどのような意味を持つのでしょうか。
イメージ調査であって生活実感の調査ではない
魅力度ランキングは「その地域名を聞いて魅力的に感じるか」という一問への回答が基になっており、実際にその地域で暮らした場合の通勤利便性・物価・子育て環境・治安といった生活の実質的な満足度とは別の指標です。実際、茨城県在住者へのアンケートでは「ランキングは低いが、住んでみると良いところ」という声が多く聞かれることが各種メディアの取材でも報告されています。前述の通り、近畿・中四国など接触機会が少ない地域からの評価が低い一方、関東・東北居住者からの評価は相対的に高い傾向があり、「知られていないから点数が伸びない」構造であって「住むと後悔する」という意味ではありません。むしろ、知名度が上がれば改善余地が大きい指標とも言えます。
ランキングが不動産価値に直接影響するわけではない
不動産の資産価値・売却しやすさを左右するのは、最寄り駅までの距離、学区、生活利便施設の有無、地域の人口動態といった実質的な条件であり、消費者アンケートに基づく都道府県単位の魅力度スコアではありません。茨城県内でも、つくばエクスプレス沿線や常磐線沿線など交通利便性の高いエリアは人口の社会増が続いており、県全体の魅力度ランキングとは別の実需が存在します。
茨城県の住まい・不動産への接点
魅力度ランキングという「イメージ」と、実際の不動産市場という「実需」は分けて考える必要があります。ここでは、茨城県で不動産の売却・購入・相続を検討する際に押さえておきたいポイントを整理します。
移住検討者にとっての茨城県の実際の強み
東京都心へのアクセス(つくばエクスプレスで秋葉原まで最短45分程度、常磐線特急で上野まで最短60分程度)、圏央道・常磐道による広域移動の利便性、都心と比較した際の住宅取得のしやすさなど、茨城県には移住・住み替え先としての実質的なメリットがあります。県・国による移住支援制度も用意されており、詳細は関連記事「茨城県の移住支援制度」で解説しています。
不動産売却・相続時に「地域イメージ」より重視すべきこと
不動産の売却を検討する際、売主が気にしがちな「県のイメージ」よりも、実際の査定額に影響するのは、物件固有の条件(立地・築年数・周辺相場・接道状況)です。茨城県内でも市町村ごとに人口動態や地価の傾向は大きく異なるため、県単位のイメージではなく、対象エリアの実勢相場を確認することが適正価格での売却につながります。相続した実家や空き家の扱いに悩む方にとっても重要なのは「県のブランドイメージ」ではなく、その物件が所在するエリアの需要動向です。茨城県内で空き家バンクを活用する方法や、相続した家の売却の流れについては、関連記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
近隣県との比較で見る茨城県の位置づけ
北関東・南東北の近隣県と2025年の魅力度ランキングを比較すると、茨城県の立ち位置がより具体的に見えてきます。
北関東3県の魅力度ランキング比較
| 都道府県 | 2025年の傾向 |
|---|---|
| 茨城県 | 46位。2013〜2019年は7年連続最下位だったが、2020年代に入り下位圏の中でも改善傾向 |
| 栃木県 | 過去に最下位を記録した年があり、茨城県と同様に下位圏が続いてきた |
| 群馬県 | 2012年度は最下位だった時期があり、北関東3県はいずれも下位グループの常連 |
北関東3県(茨城・栃木・群馬)は、いずれも東京への近さゆえに「あえて観光で訪れる」意欲が伸びにくく、独自の全国区ブランドシンボルの確立が課題という共通点を持つとされています。
市区町村単位では上位に入る自治体もある
都道府県単位では下位でも、市区町村単位の魅力度ランキングでは、水戸市や大洗町など観光資源が明確な自治体が全国上位に入ることがあります。県全体のイメージと、個別市町村の評価は必ずしも一致しない点も、茨城県の特徴の一つです。市町村ごとの人口動態については、関連記事「茨城県の転入・転出」もあわせてご覧ください。
茨城県内・店舗エリアの実需をご案内します
ハウスドゥでは茨城県内4エリアに店舗を構え、地域に根差した不動産売却・買取のご相談を承っています。魅力度ランキングというイメージ指標に左右されず、エリアごとの実勢相場や需要動向を踏まえた査定をご提案します。
- つくば市エリアの不動産売却はハウスドゥ つくば研究学園都市へ
- 水戸市エリアの不動産売却はハウスドゥ 水戸へ
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- 守谷市エリアの不動産売却はハウスドゥ 守谷へ
- 県内全域の解体工事に関するご相談は解体Do!(茨城)へ
よくある質問
Q. 茨城県の魅力度ランキングは2025年で何位ですか?
A. 「地域ブランド調査2025」(ブランド総合研究所、2025年10月4日発表)で茨城県は47都道府県中46位でした。最下位(47位)は今回初めて最下位となった埼玉県です。
Q. 茨城県はなぜ長年「魅力度最下位」と言われてきたのですか?
A. 2013年から2019年まで7年連続で最下位(47位)だった時期があり、この印象が広く定着したためです。その後2020年に42位まで浮上し、2021年に一時最下位へ戻った後、2022年以降は46位前後の下位圏で推移しています。
Q. 魅力度ランキングは実際の住みやすさを表していますか?
A. いいえ。魅力度ランキングは「地域名を聞いてどの程度魅力を感じるか」を尋ねる消費者アンケート(イメージ調査)であり、治安・物価・交通利便性・行政サービスなど実際の生活環境を測る統計調査ではありません。
Q. 茨城県の魅力度が低い主な理由は何ですか?
A. ブランド総合研究所の分析では、象徴的なブランドシンボルの不在、県民の発信力の弱さ、豊かさゆえの危機感の薄さ、地名を冠した産品の少なさの4点が指摘されています。ただし近年はイバラキングなど改善に向けた取り組みも進んでいます。
Q. 魅力度ランキングは不動産の資産価値に影響しますか?
A. 都道府県単位の魅力度スコアが直接不動産価格を左右することはありません。実際の資産価値は、立地・最寄り駅までの距離・学区・周辺相場・築年数など物件固有の条件で決まります。
Q. 茨城県の観光意欲度はどうなっていますか?
A. 過去の調査分析では、関東・東北・北海道居住者を中心に茨城県への観光意欲度(「ぜひ行ってみたい」の回答割合)が上昇傾向にあることが報告されています。近畿・中四国など接触機会の少ない地域からの評価は相対的に低い傾向です。
Q. 茨城県内で不動産の売却や相続の相談をしたい場合はどうすればよいですか?
A. ハウスドゥでは茨城県内につくば・水戸・取手戸頭・守谷の4店舗を構え、地域密着の売却査定を行っています。お住まいのエリアの店舗、またはグループ全体のご相談窓口からお気軽にお問い合わせください。
まとめ
茨城県の魅力度ランキングは、2013〜2019年の7年連続最下位という時期を経て、2025年には46位まで改善しています。ただし、このランキングはあくまで消費者のイメージを数値化したものであり、実際の住みやすさや不動産の資産価値を直接示すものではありません。茨城県には全国1位の農産物、都心への良好なアクセス、比較的取得しやすい住宅価格など、ランキングの数字だけでは見えない実質的な強みがあります。不動産の売却・購入・相続をご検討の際は、県全体のイメージにとらわれず、対象エリアの実勢相場を確認することが何より重要です。
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