▶ 相続した不動産の売却は「相続した家の売却 完全ガイド(手続き・税金・注意点)」もあわせてご覧ください。
- 相続した空き家の売却、税金で損していませんか?3,000万円特別控除の基本
- 【2026年版】相続空き家 特例の適用要件をチェックリストで解説
- 【実務編】買主が取り壊す「パターンC」を成立させる3つのポイント
- 相続空き家 特例の必須手続き|確定申告の流れと必要書類
- 見落としがちな7つの注意点|相続空き家 特例の失敗例
- 注意点2:親が老人ホームに入居していた場合は要注意
- 相続空き家 特例が使えない場合の2つの選択肢
- 他の税制優遇措置を検討する:「取得費加算の特例」
- 相続空き家の売却・買主取壊しのご相談は、茨城県内4店舗+県全域対応のハウスドゥへ
- まとめ:相続空き家 特例を賢く活用するために
- よくあるご質問
- 確定申告で提出する「チェックシート」とは
- 確定申告に必要な書類の一覧
- ★取り壊しの「時期」で結果が変わります
- 相続人が3人以上なら控除額は縮小されます
- 2つの期限|どちらか早いほうが締切です
- 期限を過ぎて申告してしまった場合
- 使えなかったときに検討する2つの道
- 茨城県の相続空き家特例|2024年以降の新要件
相続した空き家の売却、税金で損していませんか?3,000万円特別控除の基本
親から実家を相続したものの、住む予定がなく、維持管理の手間や固定資産税の負担から売却を検討する方は多くいます。しかし、その多くが「不動産売却にかかる高額な税金」という問題に直面します。
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税が課税されます。何も知らずに売却を進めると、後から予想以上の税金の請求に驚くケースも珍しくありません。
しかし、相続した空き家を売却する際に、この税負担を大幅に軽減できる強力な制度があります。それが**「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「相続空き家 特例」**です。
相続空き家 特例とは?最大3,000万円控除の仕組み
相続空き家 特例とは、一定の要件を満たす相続空き家を売却した際に、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できる制度です。
不動産売却の税金は、以下の計算式で求められる「課税譲渡所得」を基に計算されます。
課税譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除
この計算式の「特別控除」部分で最大3,000万円を差し引けるため、もし売却益が3,000万円以下であれば、課税譲渡所得が0円になり、結果として所得税・住民税も0円になる可能性があります。
シミュレーション:3,000万円控除で税金はこれだけ変わる!
この特例のインパクトを具体的なシミュレーションで見てみましょう。
【前提条件】
- 親から相続した実家(空き家)を2,000万円で売却
- 親がその家を購入したときの価格が不明(※)
- 売却にかかった諸費用(仲介手数料など)が100万円
- 所有期間は5年超(長期譲渡所得:税率20.315%)
※取得費が不明な場合、売却価格の5%を「概算取得費」として計算します(2,000万円 × 5% = 100万円)。
ケース1:相続空き家 特例を「使わない」場合
- 譲渡所得の計算 2,000万円(売却価格) – {100万円(取得費) + 100万円(譲渡費用)} = 1,800万円
- 税額の計算 1,800万円(課税譲渡所得) × 20.315%(税率) ≒ 365万6,700円
特例を使わない場合、約365万円もの税金を納める必要があります。
ケース2:相続空き家 特例を「使う」場合
- 譲渡所得の計算 2,000万円(売却価格) – {100万円(取得費) + 100万円(譲渡費用)} = 1,800万円
- 課税譲渡所得の計算 1,800万円(譲渡所得) – 3,000万円(特別控除) = 0円 (※マイナスにはなりません)
- 税額の計算 0円(課税譲渡所得) × 20.315%(税率) = 0円
この相続空き家 特例を適用できるかどうかで、納税額に約365万円もの差が生まれます。ただし、この特例は誰でも無条件に利用できるわけではなく、相続の状況、建物の状態、売却の時期や方法など、細かな要件をすべてクリアする必要があります。
【2026年版】相続空き家 特例の適用要件をチェックリストで解説
相続空き家 特例を利用するには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。ご自身の状況が当てはまるか、4つのカテゴリーに分けてチェックしていきましょう。
① 対象となる「家屋」の4つの要件
まず、相続した「家屋」そのものが相続空き家 特例の対象となるための条件です。
[ ] 相続開始直前、亡くなられた方(被相続人)が居住していたこと
- 原則、被相続人が亡くなる直前まで一人で住んでいた家が対象です。
- 【ポイント】 被相続人が老人ホームなどに入居していた場合でも、①要介護認定等を受けていた、②入居前に一人で住んでいた、③家財道具が残され、他人に貸していなかった、といった条件を満たせば対象となる可能性があります。
-
[ ] 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること
- いわゆる「旧耐震基準」の家屋が対象です。建築確認日で判断します。
-
[ ] 区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)ではないこと
- この特例は基本的に一戸建てを想定しており、マンションは対象外です。
-
[ ] 相続開始直前、被相続人以外に居住者がいなかったこと
- 被相続人と同居していた相続人がいる場合は対象外となります。
② 対象となる「土地(敷地)」の2つの要件
次に、家屋が建っている「土地」に関する要件です。
[ ] 相続開始直前、家屋の敷地として利用されていたこと
- 家屋が建つ土地だけでなく、一体で利用されていた庭なども含まれます。
-
[ ] 相続時から売却時まで、事業・貸付・居住の用に供されていないこと
- 相続後に駐車場として貸したり、誰かが住んだりすると対象外です。「空き家」の状態を維持する必要があります。

③ 特例を受けられる「人(相続人)」の要件
相続人自身に関する要件です。
[ ] 相続または遺贈により、家屋および敷地を取得した個人であること
- 法人が取得した場合は対象外です。
-
[ ] 【重要】相続人の人数によって控除額が変わる場合がある
- この相続空き家 特例の控除額は最大3,000万円ですが、2024年1月1日以降の売却では、相続人が3人以上いる場合、各人の控除額が2,000万円に引き下げられます。
- 相続人が1人または2人の場合は、従来通り3,000万円が上限です。共同相続した方は特に注意が必要です。
④ 「売却」に関する4つの要件
最後に、売却の時期や金額、方法に関する要件です。
[ ] 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 例えば、2024年2月1日に相続が発生した場合、売却期限は2027年12月31日です。計画的な売却活動が重要です。
-
[ ] 売却代金が1億円以下であること
- 売却価格の上限です。共有で相続した場合は、共有者全員の売却代金の合計額で判断します。
-
[ ] 売却する家屋または土地が、以下のいずれかの要件を満たしていること
- パターンA: 相続した家屋を現行の耐震基準に適合するようリフォームし、敷地とともに売却する。
- パターンB: 相続した家屋を取り壊し、更地にした敷地を売却する。
- 【重要】パターンC: 家屋付きのまま売却し、売却の翌年2月15日までに買主が耐震リフォームまたは家屋の取り壊しを行うことを契約で取り決める。2024年の改正により、売主側の負担が大きく軽減されました。
-
[ ] 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却ではないこと
- 生計を同一にする親族や同族会社などへの売却は対象外です。
【実務編】買主が取り壊す「パターンC」を成立させる3つのポイント
令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡から、「家屋付きのまま売却し、買主が譲渡の翌年2月15日までに取り壊す」というパターンCが使えるようになりました。売主が自己負担で解体しなくても特例を受けられる、最も有利な形です。ただし国土交通省・国税庁の一次情報を確認すると、「契約すれば自動的に認められる」制度ではないことが分かります。ここでは実務上の3つの急所を解説します。
ポイント1:売買契約書に「特約」として明記する
国土交通省が公表している「よくある質問」では、次のように回答されています。
Q. 売買契約において、譲渡後に本特例の適用を受けるため、買主が家屋を解体することについて、特約等で定めていません。確認書の発行はできますか?
国土交通省「よくある主なご質問(令和6年1月1日以後の譲渡)」
A. 特約等を締結していない場合も確認書の発行は可能です。しかし、令和5年度税制改正の拡充要件を満たすためには、譲渡後の買主の協力が不可欠となります。買主の協力を得られなかったことにより本特例を適用できない等のトラブルを防止する観点から、本特例に関する特約等を確認事項としています。
つまり特約が無くても確認書自体は発行され得ますが、実際に買主が期限内(翌年2月15日まで)に取り壊しを実行してくれる保証がなければ、売主は特例を受けられずに終わるリスクを負います。「土地の引渡し後に建物を取り壊す」という取り決めを口約束で済ませず、売買契約書に特約条項として明文化しておくことが実務上の必須事項です。この特約の文言例は国土交通省のページで公表されており、仲介する不動産会社が契約書作成時に反映します。
ポイント2:期限は「引渡し日」ではなく「譲渡の翌年2月15日」
国税庁タックスアンサーNo.3306が定める要件(措法35条・令和6年1月1日以後の譲渡に限る)では、「譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、被相続人居住用家屋の全部の取壊し等を行ったこと」とされています。年末に引き渡した場合、買主が取り壊せる猶予は実質1〜2か月半しかありません。年内に引き渡すか年明けに引き渡すかで買主側の解体スケジュールの余裕が大きく変わるため、契約時期の設計も含めて仲介会社に相談すべき論点です。
ポイント3:「土地の引渡し後に取り壊す特約」は令和5年以前の譲渡では認められなかった
国土交通省のFAQは、令和5年12月31日以前の譲渡について明確に区別しています。
(令和5年12月31日以前の譲渡)Q. 土地の売買契約の中で、「土地の引渡し後建物を取り壊す」という特約を交わしていましたが、この場合本特例の適用を受けることはできますか?
国土交通省「よくある主なご質問(令和5年12月31日以前の譲渡)」
A. 家屋を取り壊した後の譲渡に当たらないため、本特例の適用を受けることはできません。
つまりパターンCは令和6年の税制改正で新設された、比較的新しい選択肢です。古い情報や書籍では「更地にしてからでないと特例は使えない」と書かれていることがありますが、それは令和5年以前の制度であり、現在は買主取壊しでも適用可能です。情報の新旧を必ず確認してください。
以上のチェックリストで、ご自身の状況が「相続空き家 特例」の対象になるか、大枠を掴めたでしょうか。特に税制改正による変更点は重要なので、正確な理解が不可欠です。
相続空き家 特例の必須手続き|確定申告の流れと必要書類
相続空き家 特例は自動的に適用されません。**ご自身で確定申告を行うことで初めて控除が受けられます。**ここでは、特例を利用するための確定申告の流れと、必要書類の集め方を解説します。
なぜ確定申告が必要?いつまでに行う?
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、税務署に申告し、所得税・住民税を納める義務があります。相続空き家 特例は、この税額計算において「特例の要件を満たしているので控除を適用してください」と申告するための手続きです。
確定申告の期間は、空き家を売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。書類の準備には時間がかかるため、売却が完了したらすぐに準備を始めましょう。
最も重要!「被相続人居住用家屋等確認書」の入手方法
相続空き家 特例の必要書類の中で、最も取得に時間がかかるのが**「被相続人居住用家屋等確認書」**です。これは、売却した空き家が特例の対象であることを市区町村が証明する書類で、これがなければ特例は受けられません。
1. 申請先 売却した空き家が所在する市区町村の役場(建築指導課、都市計画課など)。
2. 申請のタイミング 売買契約後、物件の引き渡し完了後に申請します。発行に数週間かかる場合があるため、余裕を持って年内には申請を済ませておくと安心です。
3. 申請に必要な書類 申請書類は売却パターンによって異なりますが、主に以下のものが必要です。
【全パターン共通の主な書類】
- 被相続人居住用家屋等確認申請書
- 被相続人の除票住民票の写し
- 相続人の住民票の写し
- 物件の売買契約書の写し
- 電気、ガス、水道の使用中止日が確認できる書類など
【売却パターン別の追加書類】
パターンA(耐震リフォームして売却)
- 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し
- リフォームの請負契約書の写し
-
パターンB(取り壊し更地で売却)
- 家屋の閉鎖事項証明書
- 取り壊し時の写真、解体工事の請負契約書の写し
-
パターンC(家屋付きのまま売却)
- 買主が期日までに耐震リフォームまたは取り壊しを行うことを約束した売買契約書の写しなど
必要書類の詳細は自治体によって異なるため、必ず事前に担当部署に確認してください。
確定申告で提出する全書類リスト
「被相続人居住用家屋等確認書」と並行して、以下の書類も準備しましょう。
- 確定申告書B
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】
- 被相続人居住用家屋等確認書(原本)
- 売却した不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 売買契約書の写し(売却時と、被相続人が購入した時の両方)
- 購入時の契約書がない場合は、売却価格の5%を取得費とする「概算取得費」で計算します。
- 譲渡費用を証明する書類の写し
- 仲介手数料、印紙税、建物の解体費用などの領収書です。
- 相続人の数を証明する書類
- 原則は登記事項証明書で確認しますが、相続登記が未了の場合や、代金を分けるために便宜上代表者名義で売却する「換価分割」を行った場合は、遺産分割協議書等の提出が必要です(相続人が3人以上だと控除額は2,000万円に縮小されるため、この人数確認は税額に直結します)。
- パターンCの場合に追加で必要な書類
- 買主が期限内に取り壊した場合は、登記事項証明書など取り壊しの事実を証する書類。買主が耐震改修した場合は耐震基準適合証明書の写し(工事完了後、確定申告までの間に証明のための調査が完了しているものに限る)。これらは買主側の協力なしには入手できないため、契約段階での特約明記が重要になります。
これらの書類を揃えて確定申告を行えば、手続きは完了です。
見落としがちな7つの注意点|相続空き家 特例の失敗例
相続空き家 特例には、見落としがちな落とし穴がいくつも存在します。ここでは、特例利用で陥りやすい7つの注意点を解説します。
注意点1:相続開始直前に親と同居していなかったか?
この相続空き家 特例は**「被相続人が一人で暮らしていた家」**が前提です。相続人が被相続人と同居していた場合、この特例は適用できません。その代わり、「マイホームを売ったときの3,000万円特別控除」の対象となる可能性があります。

注意点2:親が老人ホームに入居していた場合は要注意
「親が亡くなる直前は老人ホームに入居していた」というケースでは、特例の適用が複雑になります。「居住していた家」と認められるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 被相続人が要介護認定または要支援認定を受けていた
- 家が事業用や貸付用に使われていなかった
- 老人ホーム入居後、他の誰も住んでいなかった
- 家財道具などが一定程度残されていた
客観的な証明が求められるため、ハードルは高くなります。
老人ホーム要件の「一定使用」とは具体的にどの程度か
「家財道具などが一定程度残されていた」という要件は抽象的で分かりにくい部分ですが、国土交通省のFAQでは次のように具体化されています。
Q. 老人ホーム等の施設に入所している間「被相続人が家屋を一定使用していた」とは、家屋をどの程度使用していれば良いのですか?
国土交通省「よくある主なご質問」
A. 被相続人が家屋の一時滞在で使用していたほか、家財道具等の保管場所として使用していた場合も「一定使用」に該当します。
つまり常時居住していなくても、たまに顔を出して滞在していた、あるいは家財の保管場所として使っていた、という程度で足りると解釈されています。
一方で、次のケースは老人ホーム特例の対象外になる点に注意が必要です。
- 親族の家や一般の賃貸住宅に転居して亡くなった場合は対象外(老人ホーム等の施設に限られ、介護のため子の家に身を寄せて亡くなったケースは特例を受けられません)
- 老人ホーム入居後、その家屋を第三者に貸し付けたり事業用に使ったりした場合は対象外
- 入居後に他の親族などが住んでしまった場合も対象外
「老人ホームに入っていたから大丈夫」と思い込まず、退去後の家の使われ方まで含めて確認することが失敗を防ぐポイントです。
注意点3:事業用・貸付用として使っていなかったか?
相続空き家 特例の対象は「居住用家屋」です。生前に家の一部または全部を事業用(店舗など)や貸付用(アパートなど)として使用していた場合、原則として適用対象外となります。併用住宅の場合は、居住用部分のみが対象となる可能性がありますが、専門的な判断が必要です。
注意点4:相続後に一度でも貸し付けていないか?
「売却が決まるまで家賃収入を得よう」と考え、相続した空き家を一度でも第三者に貸してしまうと、その時点で特例の適用資格を失います。**「相続時から譲渡時まで、事業用、貸付用、居住用に使われていないこと」**という要件があるため、短期の貸付も認められません。
注意点5:売却価格が1億円を超えていないか?
売却代金が1億円を超えると、相続空き家 特例は1円も適用できません。 1億円を超えた部分だけでなく、控除額すべてがゼロになる「崖っぷちルール」です。共有名義で売却する場合も、共有者全員の売却代金の合計額で判断されるため、注意が必要です。
注意点6:他の特例との併用は可能か?
原則として、相続空き家 特例は、他の譲渡所得に関する特例と併用できません。 例えば、「マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除」などとは同じ年に両方使えません。どちらを利用する方が節税効果が高いか、慎重に選択する必要があります。
注意点7:共有名義の場合はどうなる?
兄弟姉妹など複数人で空き家を相続した場合、各相続人が要件を満たせば、それぞれが特例を利用できます。 控除額は相続人1人あたり最大3,000万円です(2024年1月以降、空き家を取得した相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円)。要件を満たせば、各相続人がそれぞれ控除を受けられます。
相続空き家 特例が使えない場合の2つの選択肢
「相続空き家 特例」の適用が難しいと判断された場合でも、諦める必要はありません。税負担を軽減したり、問題を解決したりするための選択肢は残されています。

他の税制優遇措置を検討する:「取得費加算の特例」
まず検討したいのが**「取得費加算の特例」**です。これは、相続時に支払った相続税の一部を、売却した不動産の取得費に上乗せできる制度です。
課税対象となる「譲渡所得」は「売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)」で計算されるため、取得費が大きくなるほど譲渡所得が減り、節税につながります。
この特例を利用するには、主に以下の要件を満たす必要があります。
- 相続または遺贈により財産を取得した者であること
- その財産を取得した人に相続税が課税されていること
- 相続開始から3年10ヶ月以内に譲渡していること
「相続税を納税していること」が絶対条件ですが、もし該当するなら非常に有効な選択肢です。
売却方法の常識を変える:「買取」という選択肢
税金対策と並行して、売却方法そのものを見直すことも重要です。特に、特例の要件である「耐震リフォームや解体」の手間や費用がネックな方には、**不動産会社による「買取」**が有力な解決策となります。
「買取」と「仲介」の決定的な違い
「仲介」は不動産会社に個人の買主を探してもらう方法ですが、「買取」は不動産会社自身が買主となる方法です。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 主に個人の買主 | 不動産会社 |
| 売却期間 | 数ヶ月〜1年以上 | 最短数日〜数週間 |
| 売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格の7〜8割程度が目安 |
| 仲介手数料 | 必要 | 不要 |
| 契約不適合責任 | 原則として売主が負う | 免責されるケースが多い |
| 手間 | 内覧対応、価格交渉など | 査定・契約のみでシンプル |
なぜ「買取」が空き家問題の解決策になるのか?
相続空き家が抱える課題と、「買取」のメリットは非常によく合致します。
現状のまま売却できる リフォームや解体は一切不要です。建物が古くても、室内に家財道具が残っていても、そのままの状態で売却できます。片付けの手間と費用を大幅に削減可能です。
-
維持管理コストから即座に解放される 空き家は所有しているだけで固定資産税やメンテナンス費用がかかり続けます。「買取」ならすぐに現金化できるため、将来にわたる経済的負担から解放されます。
-
契約不適合責任のリスクを回避 古い家では、売却後に雨漏りなどの隠れた欠陥が見つかるリスクがあります。「仲介」では売主が責任を負いますが、買主がプロである不動産会社の場合、この責任を免除する契約が一般的です。将来のトラブルを回避できる安心感は大きなメリットです。
相続空き家の売却・買主取壊しのご相談は、茨城県内4店舗+県全域対応のハウスドゥへ
「パターンCで進めたいが特約の文言をどう書けばいいか分からない」「老人ホームに入居していたので要件を満たすか判断できない」「まずは家の価値を知りたい」——このような場合は、契約書に特約を落とし込む実務まで対応できる不動産会社への相談が近道です。ハウスドゥは茨城県内4店舗+県全域対応で、相続空き家の売却・買主取壊しの特約設計・査定までワンストップでご相談いただけます。
ハウスドゥ グループへのお問い合わせ
お電話:0120-565-072(通話無料)
LINEで相談:LINEで無料相談する
無料査定のお申込み:https://housedo.group/soudan/
お住まいの市町村に近い店舗へのご相談もお選びいただけます。
- つくば市周辺の方はハウスドゥ つくば研究学園都市
- 水戸市周辺の方はハウスドゥ 県庁水戸
- 取手市・戸頭周辺の方はハウスドゥ 取手戸頭
- 守谷市周辺の方はハウスドゥ 守谷
解体を前提に検討する場合は、解体費用の見積もりと合わせてご相談いただくと、パターンB(先に取り壊す)とパターンC(買主が取り壊す)のどちらが有利かを具体的な金額で比較できます。
まとめ:相続空き家 特例を賢く活用するために
ここまで、相続空き家の売却に関する税金の特例や代替案を解説してきました。適用要件を満たせるのであれば、「相続空き家 特例」が極めて有利な制度であることは間違いありません。
最大3,000万円の控除がもたらす絶大な効果
この相続空き家 特例の最大の魅力は、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける点です。課税譲渡所得が3,000万円以下であれば、本来数百万円にも上る税金の支払いが不要になります。この制度は、空き家の流通を促す目的で創設されたものであり、相続人の経済的負担を劇的に軽減します。
複雑な要件と手続きは専門家との連携が鍵
一方で、この特例の適用には多くのハードルがあります。
- 対象家屋の要件: 昭和56年5月31日以前の建築(旧耐震基準)、マンションは対象外など。
- 売却時の要件: 耐震リフォーム、解体、または買主による改修・解体の確約が必要。
- 期間の要件: 相続開始から3年後の年末までに売却。
- 金額の要件: 売却代金が1億円以下。
これらの要件は一つでも満たせないと適用されません。特に「相続開始から3年以内」という期限は、相続手続きなどで時間がかかると、あっという間に過ぎてしまいます。
「特例を使いたいが何から手をつければいいか分からない」「自分のケースで適用できるか判断できない」といった不安を抱えたまま、ご自身だけで手続きを進めるのは大きなリスクを伴います。
そこで不可欠となるのが、相続案件や空き家問題に精通した不動産会社への相談です。専門家は、相続空き家 特例の適用の可否を的確に判断し、適用が難しい場合でも「買取」など最適な売却戦略を提案できます。また、耐震リフォームや解体業者の紹介、煩雑な書類準備のサポートなど、売却プロセス全体を円滑に進めるための支援が可能です。
相続した空き家は、放置すれば「負債」になりかねませんが、適切な知識と手順を踏めば価値ある「資産」となります。後悔のない不動産売却を実現するために、まずは専門家と共に現状を正しく把握することが重要です。
よくあるご質問
Q. 相続した空き家を売るときの税金を安くする方法はありますか?
A. はい、「相続空き家 特例」という制度があります。一定の要件を満たす相続した空き家を売却した際に、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できます。これにより、売却益が3,000万円以下なら所得税・住民税が非課税になる可能性があります。
Q. 相続空き家 特例を使うための条件にはどのようなものがありますか?
A. 主な要件として、①昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、②マンションなどの区分所有建物ではないこと、③相続開始直前に被相続人が一人で居住していたこと、④相続開始から3年後の年末までに売却すること、などがあります。
Q. 空き家特例は何年以内に売却すればよいですか?
A. 「相続開始(亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に譲渡する必要があります。単純に「3年後の同じ日」ではなく、3年後の年末が締切という点に注意してください。たとえば2025年5月に相続した場合、3年後は2028年5月ですが、期限は2028年12月31日ではなく、制度自体の期限である2027年12月31日のほうが先に来ます(詳しくは後述の「2つの期限」をご覧ください)。なお、この期限は「売買契約が成立した日」ではなく「引渡し(譲渡)を行った日」を基準に判定されるため、年末に近い時期の売却は特に余裕を持ったスケジュールが必要です。
Q. 買主が家を取り壊す「パターンC」を使う場合、契約書に何を書けばよいですか?
A. 売買契約書に、買主が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う旨の特約を明記します。国土交通省のFAQでも「特約が無くても確認書の発行自体は可能だが、買主の協力を得られず特例を適用できないトラブルを防ぐため、特約等を確認事項としている」と案内されており、実務上は契約時に特約を交わしておくことが推奨されます。
Q. 親が老人ホームに入居していた場合、どこまでなら「一定使用」と認められますか?
A. 国土交通省のFAQでは、被相続人が家屋を一時的な滞在に使っていた場合や、家財道具の保管場所として使っていた場合も「一定使用」に該当するとされています。ただし、老人ホーム等の施設ではなく親族の家や一般の賃貸住宅に転居して亡くなった場合はこの特例を受けられません。
Q. 相続空き家 特例を利用するには、どのような手続きが必要ですか?
A. この特例は自動で適用されません。空き家を売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に、ご自身で確定申告を行う必要があります。申告時には、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」などの必要書類を添付します。
Q. 相続空き家 特例が使えないのは、どのようなケースですか?
A. 例えば、相続人が被相続人と同居していた場合や、家が事業用・貸付用として使われていた場合は適用対象外です。また、親が老人ホームに入居していたケースでは、要介護認定を受けていたかなど、追加の厳しい要件を満たす必要があります。
Q. 相続空き家 特例が使えない場合、他に税金を抑える方法はありますか?
A. 相続税を納税している場合、「取得費加算の特例」が使える可能性があります。これは相続税額の一部を不動産の取得費に上乗せし、課税対象となる譲渡所得を減らす制度です。また、不動産会社による「買取」で手間や費用をかけずに売却する方法も有効です。
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確定申告で提出する「チェックシート」とは
この特例を使うとき、多くの方がつまずくのが提出書類の多さです。国税庁は、要件の確認漏れを防ぐために被相続人居住用家屋等を譲渡した場合の特例に関するチェックシートを用意しています。確定申告書に添えて提出します。
チェックシートは年度ごとに様式が更新されます。令和6年分・令和7年分と改正が続いているため、必ずその年分の様式を国税庁のウェブサイトからダウンロードしてください。古い様式を使うと、改正後の要件を確認する欄が不足します。
チェックシートで問われる主な項目
| 確認される内容 | つまずきやすい点 |
|---|---|
| 被相続人が亡くなる直前まで一人で住んでいたか | 同居の親族がいた場合は対象外(老人ホーム入居には別要件あり) |
| 昭和56年5月31日以前に建築された家屋か | それ以降の建築は対象外。登記事項証明書で確認 |
| 区分所有建物(分譲マンション等)でないか | マンションは原則対象外 |
| 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住に使われていないか | 一度でも人に貸すと対象外。物置として使うのも避ける |
| 譲渡対価が1億円以下か | 共有で分けて売った場合は全体の合計で判定 |
| 耐震基準に適合、または取壊し済みか | 令和6年1月1日以後の譲渡は買主が翌年2月15日までに行っても可 |
確定申告に必要な書類の一覧
- 確定申告書(分離課税用の第三表を含む)
- 譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
- 被相続人居住用家屋等確認書(物件のある市区町村が発行)
- 売買契約書の写し(譲渡対価が1億円以下であることの確認)
- 登記事項証明書など(昭和56年5月31日以前の建築・区分所有でないこと・相続により取得したことを示すもの)
- 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書(耐震改修して売った場合)
- 取得時の売買契約書(取得費の証明。無い場合は概算取得費5%)
- 上記のチェックシート
3番の確認書がすべての鍵です。市区町村の窓口で申請し、発行までに1週間程度かかるのが一般的で、確定申告の直前は申請が集中してさらに時間がかかります。しかも譲渡した後では入手が難しくなる書類(電気・水道の使用中止が分かる書類など)が申請時に必要になります。
売る前に、市区町村に「何が必要か」を聞いておく。これだけで失敗のほとんどは防げます。
★取り壊しの「時期」で結果が変わります
この特例で最も相談が多いのが「いつ壊すか」です。令和6年1月1日以後の譲渡について、選べる形は3つあります。
| 進め方 | 解体費の負担 | 固定資産税 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| A. 売主が売却前に取り壊して更地で売る | 売主 | 更地にした年の翌1月1日を跨ぐと住宅用地の特例が外れ、税額が上がる | 年内に売り切れないと固定資産税が増える |
| B. 売主が耐震改修してから売る | 売主(改修費) | 変わらない | 古い家では改修費が高額になりやすい |
| C. 家屋付きで引き渡し、買主が翌年2月15日までに取り壊す | 買主 | 引き渡すまで変わらない | 売買契約で取り決めが必要 |
令和6年1月1日以後の譲渡で使えるようになったCが、売主にとって最も有利になることが多い形です。解体費を負担せず、固定資産税が上がるリスクも避けられます。
ただしCには条件があります。買主が期限内に取り壊すことを、売買契約の中で明確に取り決めておかなければなりません。買主が実行しなければ特例は使えず、そのときには申告期限が過ぎています。
これは契約書の作り方の問題であり、税理士でも解体業者でもなく、仲介する不動産会社の領分です。「特例が使える契約になっているか」を確認できる会社に依頼してください。
相続人が3人以上なら控除額は縮小されます
令和6年1月1日以後の譲渡から、相続人(この特例の適用を受ける人)が3人以上いる場合、控除額は一人あたり2,000万円に縮小されました。
| 適用を受ける人数 | 一人あたりの控除額 | 合計 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 2人 | 3,000万円 | 6,000万円 |
| 3人 | 2,000万円 | 6,000万円 |
| 4人 | 2,000万円 | 8,000万円 |
3人で相続すると、2人のときと合計額が変わりません。誰が相続して誰が売るかという遺産分割の設計が、そのまま税額に反映されます。遺産分割協議をまとめる前に、税理士にご相談ください。
2つの期限|どちらか早いほうが締切です
- 相続開始(亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
- 制度自体が2027年(令和9年)12月31日までの譲渡を対象としていること
たとえば2025年5月に相続した場合、3年後は2028年5月ですが、制度の期限である2027年12月31日のほうが先に来ます。「3年あるから大丈夫」と考えていると間に合いません。
さらに、売却には現実に時間がかかります。相続登記に2か月〜半年、売却活動に3〜6か月を見込むと、期限の1年前には動き出している必要があります。
期限を過ぎて申告してしまった場合
この特例は確定申告をして初めて適用されます。売っただけでは自動的に適用されません。
申告を忘れた場合、期限後申告でも適用できる可能性はありますが、無申告加算税や延滞税の対象になることがあります。また、市区町村の確認書を後から取得できるかどうかという問題も生じます。気づいた時点で、できるだけ早く税務署または税理士にご相談ください。
使えなかったときに検討する2つの道
①取得費加算の特例
相続税を納めた方であれば、納めた相続税の一部を取得費に加算して譲渡所得を減らせます。期限は相続税の申告期限の翌日から3年以内(相続開始からおよそ3年10か月以内)です。3,000万円控除との併用はできませんので、どちらが有利かを計算して選びます。
②そもそも譲渡益が出ないケース
茨城県内では、売却価格が取得費と譲渡費用の合計を下回り、譲渡益そのものが出ないことも珍しくありません。その場合、控除を使うまでもなく税金はかかりません。
ただしここで問題になるのが取得費の証明です。買った時の売買契約書が見つからないと、取得費は売却価格の5%として計算するしかありません。3,000万円で売れた家なら取得費は150万円とみなされ、差額の大部分に課税されます。
実家の片づけを始める前に、まず権利証と売買契約書を探してください。契約書1枚の有無で、納める税金が数百万円変わることがあります。
茨城県の相続空き家特例|2024年以降の新要件
相続空き家の3,000万円特別控除は、2024年(令和6年)の改正で要件が一部変わり、2026年現在もその内容が続いています。主な変更点は二つです。一つは、これまで「売主が」耐震改修または家屋の取り壊しをしてから引き渡す必要がありましたが、改正後は「買主が」引渡し後・その譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う場合でも対象になり、使いやすくなりました。もう一つは、相続人(その家屋と敷地を取得した相続人)が3人以上いる場合、一人あたりの控除額が3,000万円から2,000万円に縮小された点です。
茨城県は相続した空き家が多く、兄弟姉妹で共有相続するケースも目立つため、3人以上での相続では控除額の縮小に注意が必要です。買主側の取り壊しでも対象になる緩和は、解体費用を売主が負担せずに済む可能性があり、県内の空き家売却で活用しやすくなっています。適用可否・最新の取扱いは税務署・税理士にご確認ください。
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なお、相続した空き家にまだ手をつけられずそのまま放置してしまっている場合は、税金が最大6倍になるリスクや正しい期限について「空き家3年放置で罰金100万円は本当?税金6倍リスクを解説【2026】」で詳しく解説しています。




