マンションの所有権移転登記は戸建てと何が違う?
マンション(区分所有建物)を売買・相続・贈与などで取得したとき、法務局で名義を変える手続きが「所有権移転登記」です。戸建てや土地の登記と基本的な流れは同じですが、マンション特有の事情がいくつかあります。この記事では、区分所有建物ならではの「敷地権」の扱いや、必要書類、登録免免許税の計算方法まで、実務でつまずきやすいポイントを整理します。
結論からお伝えすると、マンションの所有権移転登記でもっとも注意すべきなのは「建物(専有部分)と土地(敷地権)をセットで登記する」という点です。戸建てのように建物と土地を別々に登記するのではなく、原則として一体で手続きが進みます。この仕組みを理解しておかないと、登録免許税の計算や必要書類の準備で戸惑うことになります。
区分所有建物と「敷地権」とは
専有部分と共用部分
マンションは、部屋の中(専有部分)と、廊下・エントランス・エレベーターなどの共用部分に分かれています。登記簿上、あなたが所有権を持つのは専有部分ですが、共用部分の持分(共有持分)もあわせて所有していることになります。
敷地権とは何か
マンションが建っている土地についての権利を「敷地権」と呼びます。多くの分譲マンションでは、建物の専有部分と敷地の権利が一体化されており、法律上、専有部分だけを切り離して売買・登記することができません(敷地権付き区分建物)。このため、マンションの所有権移転登記では、建物の登記記録の中に「敷地権の表示」という項目が設けられ、土地の権利も一体として公示されます。
一部の古いマンションや、定期借地権付きマンションなどでは、敷地権化されておらず、建物と土地の登記が別々になっているケースもあります。この場合は土地についても別途、所有権移転登記(または借地権の移転手続き)が必要になるため、登記事項証明書で「敷地権の表示」があるかどうかを事前に確認することが大切です。
マンションの所有権移転登記が必要になる主なケース
売買によるケース
マンションを売却・購入したときは、買主への所有権移転登記が必要です。通常は決済日に司法書士が立ち会い、その日のうちに登記申請まで行うのが一般的な流れです。
相続によるケース
親などが所有していたマンションを相続した場合も、名義変更(相続登記)が必要です。2024年4月からは相続登記が義務化されており、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、過料の対象になる可能性があります。
贈与・財産分与によるケース
生前贈与や、離婚に伴う財産分与でマンションの名義を変える場合も、同様に所有権移転登記が必要です。原因によって登録免許税の税率や、贈与税・不動産取得税など別途かかる税金の種類が変わってきます。
必要書類|専有部分と敷地権で共通して使うもの
マンションの所有権移転登記で一般的に必要となる書類は、以下のとおりです。原因(売買・相続・贈与)によって多少異なります。
売買の場合
- 登記済証または登記識別情報(売主が保有)
- 登記原因証明情報(売買契約書など)
- 売主の印鑑証明書(発行から3か月以内)
- 買主の住民票
- 固定資産評価証明書(専有部分・敷地権・規約共用部分がある場合はその分も含む)
- 司法書士への委任状
- 住宅用家屋証明書(軽減税率の適用を受ける場合)
相続の場合
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式
- 相続人全員の戸籍謄本・住民票
- 遺産分割協議書(遺言がない場合)または遺言書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 固定資産評価証明書
マンション特有の注意点として、固定資産評価証明書は「建物(専有部分)」「敷地権(土地)」に加えて、規約共用部分がある場合はその分も必要になることがあります。評価証明書を取得する際は、対象不動産が区分所有建物である旨を市区町村の窓口に伝えるとスムーズです。
登録免許税の計算方法|建物と敷地権を分けて計算し合算する
マンションの登録免許税は、専有部分(建物)分と敷地権(土地)分をそれぞれ計算してから合算するのが基本です。
税率の目安
- 売買(土地):固定資産税評価額の1.5%(軽減措置適用時)
- 売買(建物・居住用で要件を満たす場合):固定資産税評価額の0.3%
- 相続:固定資産税評価額の0.4%
- 贈与・財産分与:固定資産税評価額の2.0%
売買で住宅用家屋証明書による軽減税率を受けるには、床面積が50平米以上であることなど一定の要件を満たす必要があります。要件や税率は法改正で変更されることがあるため、実際の手続き前には法務局や司法書士に最新の税率を確認することをおすすめします。
計算のイメージ
たとえば、専有部分の評価額が800万円、敷地権の評価額が500万円の中古マンションを売買で取得し、いずれも軽減税率が適用される場合、建物分は800万円×0.3%=24,000円、土地分は500万円×1.5%=75,000円となり、合計99,000円(1,000円未満切り捨て)が登録免許税の目安になります。実際の評価額や適用要件によって金額は変わるため、正確な金額は固定資産評価証明書を取得したうえで確認しましょう。

司法書士に依頼する場合の費用相場
マンションの所有権移転登記を司法書士に依頼する場合、登録免許税とは別に司法書士報酬がかかります。報酬額は登記の原因(売買・相続・贈与)や物件の評価額によって異なりますが、一般的には5万円〜10万円程度が目安とされています。相続で戸籍収集や遺産分割協議書の作成も依頼する場合は、さらに費用が加算されることがあります。複数の司法書士事務所から見積もりを取り、料金体系を比較することをおすすめします。
自分で申請することはできる?
マンションの所有権移転登記は、法律上、所有者自身が申請することも可能です。ただし、敷地権付き区分建物の場合、登記記録が「一棟の建物の表示」「専有部分の建物の表示」「敷地権の表示」という複数の項目に分かれており、戸建てよりも申請書の記載事項がやや複雑になります。記載に誤りがあると法務局から補正を求められ、手続きが長引く原因になるため、不安がある場合は司法書士へ相談することをおすすめします。
マンションの相続で名義変更をしないまま放置するとどうなる?
相続したマンションの名義変更をしないまま放置すると、次のようなリスクがあります。
- 2024年4月以降は相続登記が義務化されており、正当な理由なく期限内に登記をしないと過料の対象になる可能性がある
- 相続人がさらに亡くなることで相続人の数が増え(数次相続)、遺産分割協議がまとまりにくくなる
- 名義が被相続人のままだと、売却や賃貸などの活用ができない
「相続したマンションに誰も住まない」「管理費や修繕積立金の負担だけが続いている」といった場合は、名義変更と合わせて売却を検討することも選択肢のひとつです。
茨城県内での対応・4店舗体制
ハウスドゥ茨城グループでは、茨城県内につくば研究学園都市店・県庁水戸店・取手戸頭店・守谷店の4店舗を展開し、マンションを含む不動産の買取・売却をサポートしています。所有権移転登記そのものは司法書士の専門領域ですが、相続したマンションの活用方法に悩んでいる方には、提携司法書士のご紹介や、売却を前提とした査定のご相談も承っています。名義変更の手続きと合わせて、そのまま所有し続けるべきか、売却すべきかで迷われている方はお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. マンションの所有権移転登記は建物と土地で別々に申請するのですか?
敷地権付き区分建物の場合は、建物(専有部分)と土地(敷地権)をまとめて1件の登記として申請します。登記記録上も一体として扱われます。ただし敷地権化されていない古いマンションなどでは、土地について別途手続きが必要になる場合があります。
Q2. マンションの登録免許税は戸建てより高くなりますか?
税率自体は戸建てと同じですが、マンションは建物(専有部分)分と敷地権(土地)分を別々に計算して合算するため、計算の手間が増える点が異なります。評価額次第では戸建てより高くなることも低くなることもあります。
Q3. 相続したマンションの評価額はどこで確認できますか?
市区町村役場(東京23区は都税事務所)で取得できる固定資産評価証明書で確認できます。マンションの場合、専有部分・敷地権・規約共用部分がある場合はその分も含めて発行されることがあるため、区分所有建物である旨を伝えて取得しましょう。
Q4. 名義変更をしないままマンションを売却できますか?
できません。売却するには、まず所有者本人(相続の場合は相続人)への所有権移転登記を済ませておく必要があります。売却を急ぐ場合でも、登記手続きを先に進めておくことが必要です。
Q5. 敷地権の割合はどこに書いてありますか?
登記事項証明書(登記簿謄本)の「表題部」にある「敷地権の割合」の欄で確認できます。専有部分の床面積割合に応じて、あらかじめ決められていることが一般的です。
Q6. 定期借地権付きマンションでも同じ手続きですか?
定期借地権付きマンションの場合、土地は所有権ではなく借地権であるため、建物の所有権移転登記に加えて、借地権の譲渡承諾や名義変更の手続きが別途必要になることがあります。契約内容によって対応が異なるため、管理会社や地主、司法書士に確認することをおすすめします。
まとめ
マンションの所有権移転登記は、戸建てと同じ「所有権移転登記」の一種ですが、専有部分と敷地権を一体で登記する点、登録免許税を建物・土地それぞれで計算して合算する点、固定資産評価証明書が複数の項目に分かれる点など、マンションならではの注意点があります。相続や贈与で取得したマンションを放置すると、相続登記の義務化により過料の対象になるおそれもあるため、早めの手続きをおすすめします。名義変更後の活用方法に迷ったときは、売却も含めてハウスドゥ茨城グループへご相談ください。
さらに詳しく
不動産の名義変更にかかる費用の全体像は「所有権移転登記は自分でできる?必要書類・費用・手続きの流れ【2026年】」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
農地を相続した場合の名義変更については「農地の所有権移転登記は自分でできる?農業委員会の許可・必要書類・費用を解説」で解説しています。
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