「茨城県にある空き家を査定してほしい」というご相談は年々増えています。相続した実家、施設に入られた親御さんの家、10年以上使っていない別宅。事情はさまざまですが、ご相談の入口はほとんど同じです。「まず、いくらになるのか知りたい」。
ただ、空き家の査定は、住んでいる家の査定とは考え方が違います。そしてもうひとつ、茨城県で査定を受けるときに知っておいていただきたいことがあります。同じ状態の空き家でも、所在地の市町村によって「更地にすべきかどうか」の答えが逆になるということです。
この記事では、茨城県内に4店舗を構えるハウスドゥ加盟店が、①空き家の査定額が下がる7つの要因 ②査定額には法律上の根拠明示義務があること ③茨城県の市町村ごとに答えが変わる理由 ④エリア別の傾向 を整理します。

空き家査定は「いくら」より先に「どの出口か」で金額が変わります
同じ空き家でも、出口の選び方で手取り額は大きく変わります。査定を依頼する前に、まずこの4つの選択肢があることを知っておいてください。
| 出口 | 解体費 | 売却までの期間の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ①そのまま仲介で売る | 0円 | 3か月〜1年以上 | 建物が使える状態で、立地に住宅需要がある |
| ②そのまま買取に出す | 0円 | 最短2日で現金化 | 残置物がある・急いでいる・近隣に知られたくない |
| ③更地にして仲介で売る | 数十万〜数百万円 | 解体期間+3か月〜 | 建物の価値が無く、土地に需要がある |
| ④更地にして買取に出す | 数十万〜数百万円 | 解体期間+数日 | 再建築不可でないことが前提 |
※期間・費用は目安です。物件の状態と時期によって変わります。
見落とされがちなのが、②と④のどちらが手取りで多いかという比較です。解体費を自分で負担してから売るより、そのまま買い取ってもらったほうが手取りが多くなることは珍しくありません。査定は、必ず「そのまま」と「更地」の両方で取ってください。
茨城県では、市町村によって「更地にすべきか」の答えが逆になります
ここが、全国向けの査定サイトでは絶対に書かれない部分です。茨城県内44市町村の空き家関連制度を実際に調べていくと、市町村ごとに設計思想がまったく違うことがわかります。
①解体補助金がある市町村と、無い市町村
たとえば石岡市には「特定空家等解体費用補助金」(補助対象経費の2分の1以内・上限30万円)がありますが、隣接するかすみがうら市や土浦市には住宅の解体費用を補助する制度がありません(いずれも2026年7月時点で市公式サイトを確認)。
補助金がある市町村なら、解体して更地にする選択のハードルが下がります。無い市町村なら、解体費は全額自己負担です。「更地にしたほうが売れる」という一般論は、この差を無視しています。
②補助金は「上限額」より「枠数」が先に効きます
制度があっても、使えるとは限りません。年度ごとの予算枠があり、先着順で締め切られます。つくばみらい市の令和8年度の枠は市全体で3件でした。かすみがうら市の住宅リフォーム資金補助金は、令和8年7月13日時点で申請62件・残り0件となっています。
「上限100万円」という数字を見て計画を立てても、申し込む枠が残っていなければ0円です。
③先に壊すと、買主が使えたはずの制度が消える市町村があります
これがもっとも見落とされやすい落とし穴です。かすみがうら市の結婚新生活支援事業には「空き家バンク購入加算20万円」という枠があります。牛久市でも2026年度に空家活用の補助が新設されています。
これらは「建物が残っていて、空き家バンクに登録されている」ことが前提で、しかも使うのは買主です。所有者が先に解体してしまうと、買主が得られたはずのメリットが消え、その分だけ売りにくくなります。
④ブロック塀の撤去補助には「販売目的の土地は不可」という条件があります
茨城県内の複数の市町村のブロック塀撤去補助には、「販売を目的とする土地に存するものでないこと」という条件が入っています。つまり売却を予定している土地では使えません。塀を先に直すか、売るかで順番が変わります。
市町村ごとの制度の有無は、当グループが運営する茨城県の解体補助金・助成金 市町村別一覧で随時更新しています。
空き家の査定額が下がる7つの要因

1. 残置物(家財道具)が残っている
家財が残ったままだと、撤去費用が査定額から差し引かれます。家庭ごみとして処分できず産業廃棄物扱いになるため、想像より高くつきます。ただし買取であれば、残置物ごと引き取れる場合があります。片付けてから相談する必要はありません。
2. 建物の傾き・不同沈下
補修費が読めないため、大きく減額されます。仲介で売る場合は買主が住宅ローンの審査を通しにくくなる点も影響します。
3. 接道が2m未満
建築基準法の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない土地は、建て替えができません。土地の評価は大きく下がります。
4. 再建築不可
再建築不可の物件は、更地にすると価値がほぼ消えます。建物があるうちは「使える建物付きの土地」ですが、壊した瞬間に建てられない土地になるためです。解体を決める前に、必ず再建築の可否を確認してください。
5. 雨漏り・シロアリ被害
見えない範囲まで被害が及んでいる可能性が読めないため、リスク分が減額されます。
6. 越境・境界が確定していない
塀や庭木が隣地に越境している、境界杭が見当たらないといったケースです。確定測量には費用と数か月の期間がかかり、その分が価格や引き渡し時期に影響します。
7. 私道・上下水道が未整備
本管からの引込み工事費が数十万円単位で必要になります。私道の場合は掘削承諾を隣接所有者から得る必要があり、これが得られないと工事自体ができません。
査定額には、法律上の「根拠を示す義務」があります
宅地建物取引業法 第34条の2第2項
宅地建物取引業者が媒介契約を結ぶにあたって価額の意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと法律で定められています。これは業者の親切心ではなく、義務です。
つまり「なぜその金額なのか、根拠を書面で見せてください」と聞くのは、まったく遠慮のいらない当然の要求です。
価格査定マニュアル
多くの不動産会社は、公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」に沿って査定します。取引事例比較法(近隣の成約事例と比べる)や原価法(建て直す費用から劣化分を引く)といった、決まった算出方法があります。
根拠のない「高額査定」の見抜き方
- 査定書に比較した取引事例が載っていない
- 他社より極端に高いのに、その理由の説明がない
- 「今なら」「すぐ決めていただければ」と決断を急がせる
- 物件のマイナス面をひとつも指摘しない
- 査定額は「売れる保証のある金額」ではありません。媒介契約を取るために高い数字を出し、後から値下げを求める進め方もあります
信頼できる会社かどうかは、金額の大小ではなく減額要因をきちんと言葉にしてくれるかで判断してください。
空き家査定の4つの種類と使い分け
机上査定(簡易査定)
現地を見ずに、住所・面積・築年数などの情報から概算を出す方法です。早く、気軽に頼めます。遠方にお住まいで、まず桁を知りたい方に向いています。
訪問査定(現地調査)
担当者が現地を見て算出します。空き家の場合、前述の7要因は現地を見ないとほぼ把握できません。実際に売却を進めるなら訪問査定が必要です。
AI査定
過去データから自動算出します。個別事情(傾き・残置物・接道)を反映できないため、空き家では実額とのズレが大きくなりがちです。
一括査定サイトの仕組みを知っておいてください
一括査定サイトは、不動産会社から掲載料・送客料を受け取って成り立っています。悪いものではありませんが、送信した情報は複数社に渡り、その後の営業連絡は各社から個別に届きます。
また、サイト名が違っても運営会社が同じグループというケースがあります。「3社に相見積もりを取ったつもりが、実は同じ会社だった」ということが起こり得ます。比較するときは、各社の宅地建物取引業免許番号と本店所在地を確認するのが確実です。
茨城県のエリア別に見た空き家査定の傾向
県南(つくば市・つくばみらい市・守谷市・取手市など/TX沿線)
つくばエクスプレス沿線は住宅需要が比較的しっかりしており、駅からの距離が査定に強く効きます。研究学園・みどりの・守谷の駅周辺と、駅から離れた集落部では評価の考え方が変わります。
県西(古河市・筑西市・結城市など)
土地の面積が大きい物件が多く、広すぎることが逆に売りにくさにつながる場合があります。分筆の可否が判断材料になります。
県央・県北(水戸市・ひたちなか市・那珂市・常陸太田市など)
水戸市周辺は流通量があり事例が拾いやすい一方、県北の山間部では取引事例そのものが少なく、机上査定の精度が落ちます。訪問査定の必要性が高いエリアです。
鹿行(鹿嶋市・神栖市・潮来市・行方市など)
別荘・セカンドハウスとして建てられた物件が空き家化しているケースが目立ちます。用途と接道の確認が特に重要です。
茨城県内の空き家の買取については茨城県の空き家買取|残置物ありでもそのままで詳しく解説しています。
査定前に自分で相場を調べる3つの方法
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」|実際の取引価格と公示地価を地図上で確認できます
- レインズ・マーケット・インフォメーション|過去の成約価格(マンション・戸建)を検索できます
- 固定資産税の課税明細書|毎年届く明細に評価額が記載されています。土地の評価額は公示地価の約7割が目安です
自分で桁を把握しておくと、提示された査定額が妥当かどうかを自分で判断できます。
査定・売却で必要になる書類
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 固定資産税の課税明細書または評価証明書
- 公図・地積測量図・建物図面
- 境界確認書(あれば)
- 購入時の売買契約書・重要事項説明書(取得費の証明に必要)
- 身分証明書・印鑑証明書
- 相続の場合|被相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書など
相続した空き家は、まず相続登記が済んでいるかを確認してください。2024年4月から相続登記は義務化されており、登記名義が故人のままでは売却できません。
空き家売却にかかる費用と税金
仲介手数料(買取なら不要)
売買価格が400万円を超える場合の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」です。1,000万円で売れた場合は36万円+消費税が上限になります。買取では仲介手数料はかかりません。
印紙税・登記費用
売買契約書に貼る印紙税と、抵当権抹消登記(残っている場合)や住所変更登記の費用がかかります。
譲渡所得税・住民税
売却益(譲渡所得)に対して、所有期間5年超の長期譲渡なら20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課税されます。
使える可能性のある特例
- 相続空き家の3,000万円特別控除|昭和56年5月31日以前建築、相続開始直前に被相続人が一人で居住、相続時から譲渡時まで未使用などの要件を満たし、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 取得費加算の特例|相続税を納めた方が、申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売った場合、相続税の一部を取得費に加算できます(3,000万円控除との併用不可)
- マイホームを売ったときの3,000万円特別控除|住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却
※適用の可否は個別事情で変わります。実際の判断は税務署または税理士にご確認ください。
茨城県の空き家査定に関するよくある質問
空き家の査定は無料ですか?
無料です。不動産会社の査定は、その後の媒介契約や買取につなげるための営業活動の一環として無料で行われます。査定を受けたからといって、売らなければならない義務は一切ありません。有料になるのは不動産鑑定士による鑑定評価で、これは遺産分割や裁判など公的な証明が必要な場面で使われます。
残置物(家財)が残ったままでも査定してもらえますか?
査定できます。片付けてからご連絡いただく必要はありません。買取の場合は、家財が残ったままの状態で引き取れることが多くあります。仲介で売る場合は撤去費用が査定額に影響するため、その金額もあわせてご説明します。
遠方に住んでいて、何度も茨城へ行けません。査定できますか?
できます。まず住所と面積などの情報から机上査定でおおよその金額をお出しし、その後の現地調査は当店の担当者が伺います。ご相続で県外にお住まいの方からのご相談は、当グループでも多くいただいています。
更地にしてから査定を受けたほうが高くなりますか?
必ずしもそうではありません。再建築不可の土地は更地にすると価値がほぼ消えます。また建物を解体すると住宅用地の特例が外れ、翌年度の固定資産税が上がります。市町村によっては、建物を残して空き家バンクに登録しておくことで買主側が使える補助制度があり、先に壊すとそれが消えます。解体を決める前に、必ず「そのまま」と「更地」の両方の査定をお取りください。
査定額と実際に売れる価格は同じですか?
同じとは限りません。査定額は「この価格なら売れる見込み」という不動産会社の意見であり、売却を保証する金額ではありません。宅地建物取引業法第34条の2第2項により、業者は価額の意見を述べる際にその根拠を明らかにする義務があります。金額だけでなく、根拠となる取引事例を必ず確認してください。
茨城県内ならどこでも対応してもらえますか?
はい。ハウスドゥの茨城県内4店舗(つくば研究学園都市・県庁水戸・取手戸頭・守谷)で、県南・県西・県央・県北・鹿行の全域に対応しています。市町村ごとの制度の違いも把握したうえでご提案します。
茨城県の空き家査定は、ハウスドゥ茨城県4店舗へ
全国展開のハウスドゥブランドと、茨城県内に実際にある4つの店舗。この両方を持っていることが、私たちの強みです。
- ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 筑波研究学園都市/ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 県庁水戸|株式会社トーマン(茨城県知事(1)第7579号)
- ハウスドゥ 取手戸頭/ハウスドゥ 守谷|株式会社JOB HOPE(茨城県知事(2)第7366号)
全国の一括査定サイトは、茨城県の市町村ごとの制度の違いまでは教えてくれません。私たちは県内44市町村の空き家関連制度を自分たちで調べ、記事として公開しています。その知識を、査定のご説明にそのまま使います。
査定・ご相談は無料です。売る・売らないを決めていない段階でも構いません。まずは「いくらか」と「どの出口が有利か」を、根拠付きでお伝えします。
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※本記事の制度・法令に関する記載は2026年7月時点で確認したものです。市町村の補助制度は年度・予算により変更されます。税制の適用可否は個別事情により異なります。査定額・費用は目安であり、実際の金額は物件の状態と現地条件により変わります。



