茨城県は、メロン・れんこん・栗など数多くの農産物で全国トップクラスの生産量を誇る「食の王国」です。しかし、これらの特産品がどの地域で育まれているかを知ることは、実は不動産選びとも無縁ではありません。農地が広がる土地の性格、直売所や加工場という地域経済の担い手、そして「その土地らしさ」を形づくるブランドの存在は、住まいを選ぶときにも、実家や農地を相続・売却するときにも、知っておいて損はない情報です。この記事では、茨城県公式統計と農林水産省の一次資料をもとに、茨城県の農産物・特産品の実像を整理します。
茨城県が「食の王国」と呼ばれる理由
茨城県は、令和5年の農業産出額が4,536億円で全国3位という屈指の農業県です。東京から北東40〜160kmという首都圏近郊に位置しながら、県北の一部を除いて平坦な地形が広がり、広大な耕地を有しています。太平洋に面した長い海岸線と、琵琶湖に次いで全国2位の面積を持つ霞ヶ浦(北浦を含む)を抱え、気候も温暖で、様々な動植物の南限・北限の境界にあたることが、多彩な農産物の生産を可能にしています。
東京都中央卸売市場における茨城県産青果物の取扱高は、平成16年から21年連続で全国第1位という実績もあります。首都圏という巨大な消費地に近いことは、生産量だけでなく、新鮮な状態で届けられるという流通面でも茨城県の強みになっています。
農業産出額4,536億円の内訳
令和5年の茨城県農業産出額4,536億円の内訳をみると、野菜が1,664億円(36.7%)で最大の割合を占め、次いで米703億円(15.5%)、畜産1,353億円(29.8%)と続きます。野菜の比率が全国平均より高いことが、茨城県の農業の特徴の一つです。
耕地面積は全国3位
茨城県の耕地面積は15万8,300haで全国3位、うち田が9万3,900ha、畑が6万4,500haです。農業経営体数は4万4,852経営体で全国1位、販売農家数も4万3,920戸で全国1位となっており、担い手の数の多さも茨城県農業を支える基盤になっています。
全国シェア1位を誇る茨城県の農産物7品目

茨城県公式サイト「茨城の日本一」(政策企画部統計課、2025年9月19日更新)によると、以下の農産物が令和6年産で全国シェア1位を記録しています。
れんこん|全国シェア50.5%
霞ヶ浦周辺で広域に栽培され、収穫量26,200t・全国シェア50.5%(令和6年)で全国1位です。全国の半分以上のれんこんが茨城県産という計算になります。霞ヶ浦の広大な水域と、水はけの調整がしやすい湖畔の土壌がれんこん栽培に適しているとされています。
みずな|全国シェア48.1%
鹿行地域を中心に県内全域から周年出荷されており、収穫量16,400t・全国シェア48.1%(令和6年)で全国1位です。年間を通じて出荷できる点が、茨城県みずなの強みです。
はくさい|全国シェア30.0%
県西地域を中心に栽培され、秋冬から春まで長期間にわたって出荷されています。収穫量248,000t・全国シェア30.0%(令和6年)で全国1位です。
メロン|全国シェア26.8%
鹿行地域を中心に多彩な品種が栽培され、アジアを中心に輸出も行われています。収穫量36,900t・全国シェア26.8%(令和6年)で全国1位、平成10年から連続して日本一の座を守っています。県オリジナル品種「イバラキング」も開発され、高品質メロンのブランド化が進められています。
くり|全国シェア27.0%
県央・県南地域が主産地で、低温熟成により甘みを増した貯蔵栗も出荷されています。収穫量3,780t・全国シェア27.0%(令和6年)で全国1位です。笠間市周辺の「飯沼栗」は2017年に地理的表示(GI)保護制度にクリとして初めて登録されました。
ちんげんさい|全国シェア28.2%
収穫量10,900t・全国シェア28.2%(令和6年)で全国1位です。はくさいやみずなと同様、茨城県は葉物野菜の一大産地となっています。
ピーマン|全国シェア23.4%
温暖な気候と水はけの良い土壌に恵まれた鹿行地域を中心に周年出荷されています。収穫量33,500t・全国シェア23.4%(令和6年)で全国1位です。
かんしょ(さつまいも)は全国2位
水はけの良い平坦な地域を中心に栽培され、干しいもなどの加工品を中心に国内外での需要が増加しています。収穫量199,200t(令和6年)で全国2位。特産品「ほしいも」は茨城県産の産出額が全国の約9割を占めており、実質的には全国トップクラスの地位を確立しています。品質基準を満たす商品を「ほしいも王国いばらきプレミアム」として認定するなど、ブランド化にも力を入れています。
県内5地域でみる特産品の違い
茨城県は「県央」「県西」「県南」「県北」「鹿行(ろっこう)」の5地域に区分され、地形や気候の違いを反映してそれぞれ異なる特産品が育まれています。(※本記事は地域一覧・比較のみを扱い、市町村単独の記事ではありません)

県央地域|ほしいも・メロン・栗・水戸の柔甘ねぎ
ほしいも、にら、メロン、栗(笠間の栗、GI飯沼栗)、いちご、ねぎ(GI水戸の柔甘ねぎ)、ほうれんそう、日本なしなどが主な農畜産物です。水産物では、しじみ、鹿島灘はまぐりなどが獲れます。
県西地域|はくさい・レタス・メロン
レタス、はくさい、ねぎ、キャベツ、日本なし、こだますいか、メロン、スイートコーン、茶などが中心です。冷涼な気候を生かした高原野菜の栽培も行われています。
県南地域|れんこん・江戸崎かぼちゃ
れんこん、日本なし、ぶどう、ねぎ、らっかせい、かぼちゃ(GI江戸崎かぼちゃ)、すいか、いちご、栗などが主産物です。霞ヶ浦周辺のれんこん栽培が象徴的な地域です。
県北地域|りんご・奥久慈しゃも
りんご、ぶどう、日本なし、ねぎ、切り枝(切り花類)、そば、茶、肉用鶏(GI奥久慈しゃも)などが特徴です。山間部の冷涼な気候を生かした果樹栽培が盛んです。
鹿行地域|メロン・行方かんしょ・ピーマン
メロン、かんしょ(GI行方かんしょ)、ピーマン、いちご、みずな、ごぼう、れんこん、ちんげんさいなど、県内でも特に多品目の野菜生産が盛んな地域です。水産物でも、まいわし、しらす、鹿島灘はまぐりなど海と川の恵みが豊富です。
地理的表示(GI)保護制度に登録された5品目
地理的表示(GI)保護制度は、地域specificの気候・風土・伝統的製法で育まれた産品の名称を、国が知的財産として保護する制度です。茨城県では以下の5品目が登録されています。
- 江戸崎かぼちゃ(県南地域)
- 飯沼栗(県央・笠間地域)-2017年、クリとして全国初のGI登録
- 水戸の柔甘ねぎ(みとのやわらかねぎ)(県央・水戸地域)
- 奥久慈しゃも(県北・奥久慈地域)
- 行方かんしょ(鹿行・行方地域)
GI登録は、生産者にとって模倣品との差別化やブランド価値の証明になると同時に、その土地の農業が持つ歴史や技術の蓄積を対外的に示す指標にもなっています。
県が力を入れる重点ブランド5品目
茨城県は「常陸牛」「常陸の輝き(豚肉)」「恵水(梨)」「イバラキング(栗・メロン)」の5品目を重点ブランドと位置づけ、メディア露出や高級店での戦略的な営業活動を展開しています。
- 常陸牛:食肉取引規格A・Bの4等級・5等級に格付けされた黒毛和牛の最高級ブランド。北米・東南アジア(ベトナム・タイ・シンガポール)へ輸出展開中。
- 豚肉「常陸の輝き」:茨城県で開発した「ローズD-1」を父豚とし、専用飼料で育てた霜降り肉。
- 梨「恵水」:茨城県オリジナル品種。糖度が高く酸味が少なく、冷蔵での日持ちも良い。
- メロン・栗「イバラキング」:全国一のメロン生産量を誇る茨城県の「王様」として命名。栗版も展開。
海と川の恵み|茨城県の水産物
茨城県は黒潮と親潮が交わる好漁場・鹿島灘に面し、まいわし・しらす・ひらめなど多様な魚介類が水揚げされています。農林水産省統計によると、まいわしの漁獲量は228,474t(令和5年)で全国1位、しらすは4,361tで全国4位、ひらめは341tで全国5位です。また、霞ヶ浦・北浦では淡水漁業・養殖業が行われ、あゆの漁獲量は全国1位、こいの養殖収獲量も全国1位となっています。海面漁業・養殖業産出額は300億円で全国17位です。
特産品と「その土地らしさ」は不動産にも表れる
農地の広がりや特産品の存在は、単に「おいしいものがある」というだけの話ではありません。実家や相続した土地が農地・田畑である場合、その土地がどのような作物に適した地域にあるかは、売却や活用の方向性を考えるうえでも参考になります。また、直売所・農産物加工施設・GIブランドの生産拠点が集積するエリアは、地域経済の担い手として一定の雇用や来訪者を生み出しており、住宅需要の下支えにもつながっています。
茨城県では、農産物直売所の年間販売金額が428億円(全国6位)、事業体数610(全国12位)にのぼり、地域の農業と暮らしが密接に結びついていることがわかります。実家の土地や空き家の売却を検討する際は、こうした地域の産業構造も踏まえたうえで、地元事情に詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。
エリア別のご相談窓口
ハウスドゥグループは茨城県内4店舗で、地域に根ざした不動産売却・実家じまいのご相談を承っています。
- つくば市・県南エリア(れんこん・かぼちゃの産地)はハウスドゥつくば(housedo.jp)
- 水戸市・県央エリア(ほしいも・柔甘ねぎの産地)はハウスドゥ水戸(mito-housedo.com)
- 取手市・戸頭エリア(県南)はハウスドゥ取手戸頭(housedo.life)
- 守谷市・つくばみらい市エリアはハウスドゥ守谷(moriya-housedo.com)
- 解体・空き家整理のご相談は解体Do!(kaitai-ibaraki.com)
よくある質問
Q1. 茨城県はなぜメロンの生産量が日本一なのですか?
A. 鹿行地域を中心とした温暖な気候と水はけの良い土壌が、メロン栽培に適しているためです。平成10年から連続して収穫量日本一を維持しており、県オリジナル品種「イバラキング」の開発など、ブランド力向上の取り組みも続けられています。
Q2. 茨城県の特産品はどこで買えますか?
A. 県内各地の農産物直売所(茨城県内610事業体、年間販売額428億円・全国6位)や、「茨城をたべよう」などの県公式ポータルサイトで紹介される道の駅、直売所を通じて購入できます。
Q3. GI(地理的表示)保護制度とは何ですか?
A. 地域の気候・風土・伝統的な生産方法によって育まれた品質や評価の高い産品の名称を、知的財産として国が保護する制度です。茨城県では江戸崎かぼちゃ・飯沼栗・水戸の柔甘ねぎ・奥久慈しゃも・行方かんしょの5品目が登録されています。
Q4. れんこんの生産量が全国1位なのはなぜですか?
A. 霞ヶ浦周辺の広大な水域と、栽培に適した湖畔の土壌条件が背景にあります。令和6年産の収穫量は26,200tで、全国のれんこんの50.5%を茨城県が生産しています。
Q5. 茨城県の農業産出額は全国何位ですか?
A. 令和5年の農業産出額は4,536億円で全国3位です。野菜の産出額が1,664億円(全体の36.7%)と最大の割合を占めています。
Q6. 実家が農地の場合、売却時に何を確認すればよいですか?
A. 農地の売却には農地法の許可や、場合によっては転用手続きが必要になることがあります。地域の主要な作物や農業事情に詳しい地元の不動産会社に早めに相談することをおすすめします。
Q7. 茨城県の水産物にはどのようなものがありますか?
A. まいわし(漁獲量全国1位)、しらす(同4位)、ひらめ(同5位)などの海産物のほか、霞ヶ浦・北浦ではあゆ(漁獲量全国1位)やこい(養殖収獲量全国1位)が獲れます。
まとめ
茨城県は、れんこん・みずな・はくさい・メロン・くり・ちんげんさい・ピーマンの7品目で全国シェア1位を誇り、農業産出額は全国3位という屈指の農業県です。5つの地域それぞれに異なる特産品とGIブランドが根づいており、これは単なる「おいしいものがある土地」という以上に、地域経済と暮らしを支える基盤になっています。実家の売却や空き家の活用を検討される際は、こうした地域の産業的背景も踏まえながら、地元密着の不動産会社にご相談ください。ハウスドゥグループでは、茨城県内4店舗と解体Do!が連携し、査定から実家じまいまでワンストップでサポートいたします。
実家や土地の売却・活用は、まず無料相談から
茨城県内の不動産売却・実家じまい・空き家活用について、地域事情に詳しいハウスドゥグループが無料でご相談を承ります。
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