ライフステージの変化に伴うマイホームの買い換えは、多くの方が経験する重要なライフイベントです。しかし、購入時よりも高く家が売れた場合、その利益(譲渡所得)に対して所得税や住民税が課され、大きな負担となることがあります。
この税負担を軽減するために用意されているのが**「居住用財産 買換え特例」**です。この制度を活用すれば、マイホームを買い換えた時に発生する税金の支払いを、将来に繰り延べることができます。つまり、買い換え時の税負担をゼロにし、手元資金を新しい家の購入費用に充てられるのです。
この記事では、マイホームの買い換えを検討中の方へ、この「居住用財産の買換え特例」の仕組みやメリット、適用要件、そしてもう一つの代表的な特例である「3,000万円特別控除」との違いを分かりやすく解説します。
- 居住用財産の買換え特例とは?税金を将来に繰り延べる仕組み
- 【チェックリスト】居住用財産買換え特例の適用要件
- 3,000万円特別控除とどっちが得?居住用財産買換え特例との違いを比較
- 「非課税」と「課税の繰り延べ」という根本的な違い
- 居住用財産買換え特例のメリットと注意すべきデメリット
- 居住用財産買換え特例の申請方法|確定申告の手続きと必要書類
- 茨城県で住み替えるとき|買換え特例と3,000万円控除の比較
- 売った金額より安い家に買い換えたときは?|税金が一部その場で発生します
- 売って損が出た場合は?|買換え特例ではなく別の制度を使います
- 茨城県で住み替えるなら、まず「そもそも利益が出るのか」から
- 確定申告で必要になる主な書類
- 「どちらが得か」は、売却価格が決まらないと計算できません
- 居住用財産の買換え特例に関するよくある質問
- 茨城県内4店舗のご案内(ハウスドゥ)
居住用財産の買換え特例とは?税金を将来に繰り延べる仕組み
「居住用財産の買換え特例」の最も重要なポイントは、税金の支払いを「繰り延べる」という点です。これは「免除」や「非課税」とは意味が異なります。
通常、マイホームを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、確定申告を行い税金を納めます。しかし、この特例を適用すると、その納税義務が一旦なくなり、次に購入したマイホームを将来売却する時まで持ち越されます。
【例】
- 2,000万円で購入した家を5,000万円で売却(譲渡所得3,000万円)
- 通常の場合:譲渡所得3,000万円に対して課税される。
- 居住用財産 買換え特例を適用した場合:譲渡所得3,000万円への課税は行われない(繰り延べ)。
- その後、7,000万円で新しい家を購入。
- 将来、その新しい家を8,000万円で売却。
- この時、今回の売却益(1,000万円)に、繰り延べていた前回の売却益(3,000万円)を上乗せし、合計4,000万円の譲渡所得として税金が計算される。
このように、税金の支払いを将来に先送りすることで、買い換え時の資金計画に大きな余裕が生まれます。特に、売却した家よりも高額な家に買い換える場合、売却で得た資金を最大限に活用できるため、非常に有効な選択肢となります。
「居住用財産の買換え特例」ポイント早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の概要 | マイホームを買い換えた際、売却によって得た利益(譲渡所得)にかかる税金の支払いを、次に購入した家を将来売却する時まで先送り(繰り延べ)できる制度。 |
| 最大のメリット | 買い換え時の税負担がなくなるため、売却で得た資金のほとんどを新居の購入費用に充てられる。 |
| 注意点 | 税金が免除されるわけではない。あくまで支払いを「繰り延べる」制度。 |
| 他の特例との関係 | 譲渡所得から最高3,000万円を控除できる**「3,000万円特別控除」との併用はできない。**どちらか一方を選択する必要がある。 |
| 利用を検討すべき人 | ・売却益が3,000万円を大幅に超える人 ・より高額な物件に買い換える(住み替える)人 ・買い換え時に手元資金をできるだけ多く確保したい人 |
【チェックリスト】居住用財産買換え特例の適用要件
「居住用財産の買換え特例」は非常に強力な制度ですが、誰もが無条件で利用できるわけではなく、国税庁が定める厳格な要件をすべて満たす必要があります。要件は「売却した不動産(譲渡資産)」と「新しく購入した不動産(買換資産)」の2種類に分かれます。ご自身の状況と照らし合わせながら、一つずつ確認していきましょう。
売却した不動産(譲渡資産)のチェックリスト
まず、売却を検討している不動産が満たすべき要件です。
- □ 自分が住んでいる家、または住まなくなってから3年目の年末までに売却したか?
- 現在居住中のマイホームが対象です。転勤などで既に引っ越している場合でも、住まなくなった日から3年が経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば対象となります。
- □ 売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えているか?
- 所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定します。例えば、2015年4月1日に購入した家を2025年8月1日に売却した場合、2025年1月1日時点では9年9ヶ月のため要件を満たしません。特例を使うには2026年1月1日以降の売却が必要です。
- □ 売却した年の1月1日時点で、その家に住んでいた期間が通算10年以上か?
- 所有期間と同様に「売却した年の1月1日時点」で判定します。「通算」で計算するため、一時的に住んでいなかった期間があっても、合計の居住期間が10年以上であれば問題ありません。
- □ 売却代金が1億円以下か?
- 売却価格(税込)の上限は1億円です。1円でも超えると特例は適用できません。
- □ 親子や夫婦など、特別な関係の相手への売却ではないか?
- 配偶者、直系の親族、生計を一つにする親族、内縁関係にある人、自身の経営する会社などへの売却は対象外です。
- □ 売却した年の前年・前々年に他の特例を利用していないか?
- 「3,000万円特別控除」などを前年または前々年に利用している場合、この特例は適用できません。
購入した不動産(買換資産)のチェックリスト
次に、新しく購入する不動産が満たすべき要件です。
- □ 売却した年の前年から翌年までの3年間に購入したか?
- 売却した年を基準として、その前年、同年、翌年の3年間に新しいマイホームを購入する必要があります。
- □ 購入した年の翌年末までに居住を開始するか?
- 購入するだけでなく、購入した年の翌年12月31日までに居住を開始する、もしくは居住を開始する見込みであることが要件です。
- □ 建物の床面積が50㎡以上、土地の面積が500㎡以下か?
- 登記簿に記載されている面積で判断します。マンションの場合は、専有部分の床面積が50㎡以上である必要があります。
- □ 中古住宅の場合、一定の耐震基準を満たしているか?
- 購入する家が中古物件の場合、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 築年数が25年以内(耐火建築物)または20年以内(非耐火建築物)
- 上記築年数を超えていても、新耐震基準(昭和56年6月1日以降の建築確認)に適合していることが証明されている(耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険への加入のいずれか)。
- 購入する家が中古物件の場合、以下のいずれかを満たす必要があります。
これらの要件はすべて満たす必要があります。一つでも漏れがあると特例は適用できません。判断に迷う場合は、税務署や税理士などの専門家に早めに相談しましょう。
3,000万円特別控除とどっちが得?居住用財産買換え特例との違いを比較
マイホーム売却で利用できるもう一つの強力な制度が「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」(以下、3,000万円特別控除)です。この制度と「居住用財産の買換え特例」は併用できず、ご自身の状況に合わせてどちらか一方を選択する必要があります。

「非課税」と「課税の繰り延べ」という根本的な違い
両制度の最も重要な違いは、税金の扱い方です。
3,000万円特別控除 →【非課税】 売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を**控除(差し引く)**できる制度です。控除した部分は完全に非課税となり、将来にわたって課税されることはありません。
-
居住用財産の買換え特例 →【課税の繰り延べ】 売却時の課税を**将来に持ち越す(繰り延べる)**制度です。税金が免除されるわけではなく、将来その新しい家を売却した際に、繰り延べた分もあわせて課税される仕組みです。
この「非課税」と「課税の繰り延べ」という根本的な違いが、どちらの特例を選ぶかの大きな判断基準となります。
2つの制度の違いを比較表で確認
| 比較項目 | 居住用財産の買換え特例 | 3,000万円特別控除 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 課税の繰り延べ | 非課税 |
| 効果 | 売却時の納税額が0円になる(将来に持ち越し) | 売却益から最大3,000万円を控除 |
| 所有期間 | 売却した年の1月1日時点で10年超 | 問わない |
| 居住期間 | 売却した年の1月1日時点で10年超 | 問わない |
| 買換えの要否 | 必須(売却の前年~翌年の3年間) | 不要(賃貸への引越しでも可) |
| 買換資産の要件 | 床面積50㎡以上、土地500㎡以下など厳しい要件あり | 要件なし |
| 併用の可否 | 3,000万円特別控除とは併用不可 | 買換え特例とは併用不可 |
| 住宅ローン控除との併用 | 原則不可 | 一定の要件を満たせば可能 |
居住用財産の買換え特例は所有期間や買換資産に関する要件が厳しい一方、3,000万円特別控除は適用範囲が広いのが特徴です。
【税額シミュレーション】どちらを選ぶべきか
実際にどちらの特例が有利になるか、具体例でシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーションの前提条件】
- 売却した家の価格:6,000万円
- 売却した家の取得費・譲渡費用:2,500万円
- 譲渡所得(売却益):3,500万円(6,000万円 – 2,500万円)
- 所有期間:15年(長期譲渡所得の税率20.315%を適用)
- 新しく購入する家の価格:7,000万円
ケース1:3,000万円特別控除を適用した場合
売却益から3,000万円を控除します。
- 課税対象となる譲渡所得:3,500万円 – 3,000万円 = 500万円
- 納税額:500万円 × 20.315% = 1,015,750円
この場合、売却した年に約102万円の税金を納めます。新しく購入した家の取得費は7,000万円のままです。
ケース2:居住用財産の買換え特例を適用した場合
新しい家の価格(7,000万円)が売却価格(6,000万円)を上回っているため、譲渡はなかったものとみなされます。
- 売却時の納税額:0円
売却した年の納税負担はなくなりますが、これは「繰り延べ」です。将来、この家を売却する際、税金計算上の取得費が次のように調整されます。
- 本来の取得費:7,000万円
- 繰り延べた利益:3,500万円
- 税金計算上の取得費:7,000万円 – 3,500万円 = 3,500万円
将来この家を売却したとき、税金の計算上は3,500万円で買ったものとして扱われるため、売却益が大きくなり、結果的に納税額が増える可能性があります。
結論:あなたの状況に合わせた最適な選択とは?
シミュレーションの結果から、以下のような判断基準が考えられます。
3,000万円特別控除が有利なケース
- 売却益が3,000万円以下の場合:売却益の全額が控除され、納税額は0円になります。居住用財産 買換え特例を選ぶメリットはありません。
- 新しく購入した家に生涯住み続ける予定の場合:将来売却する可能性が低ければ、売却時の納税額を確定させられる3,000万円特別控除が有利です。
- 住宅ローン控除を利用したい場合:居住用財産 買換え特例とは原則併用できないため、住宅ローン控除のメリットを優先するなら3,000万円特別控除を選択します。
-
居住用財産の買換え特例が有利なケース
- 売却益が3,000万円を大幅に超える場合:売却益が大きいと、3,000万円控除を使っても納税額が高額になります。手元の現金をできるだけ多く残したい場合、目先の納税を0円にできる本特例が有効です。
- 将来、再び住み替える可能性がある場合:次の住み替えでも居住用財産 買換え特例を適用できれば、税負担をさらに先送りできる可能性があります。

居住用財産買換え特例のメリットと注意すべきデメリット
数字上の比較だけでなく、制度そのものが持つ特性を理解することが、後悔のない選択には不可欠です。ここでは、居住用財産の買換え特例のメリットとデメリットを掘り下げて解説します。
メリット:売却時の手元資金を最大化できる
居住用財産の買換え特例の最大のメリットは**「売却時に手元に残る現金を最大化できる」**点です。
例えば、売却益が6,000万円だった場合を考えます。
- 3,000万円特別控除を利用した場合
- 課税対象額:6,000万円 – 3,000万円 = 3,000万円
- 納税額(概算):3,000万円 × 20.315% = 約609万円 この場合、売却代金から約609万円を納税資金として確保する必要があります。
一方で、居住用財産の買換え特例を適用すれば、この**約609万円の納税を将来に繰り延べ、今回は0円にできます。**納税に充てるはずだった資金を、そのまま新居の購入資金や諸費用に充当できるのです。
これにより、自己資金の割合を増やして住宅ローンの借入額を減らしたり、当初の予算よりもグレードの高い物件を購入したりといった選択肢が生まれます。目先のキャッシュフローを劇的に改善できる点が、本特例の最大の強みです。
デメリット:注意すべき3つの重要ポイント
強力なメリットがある一方、居住用財産の買換え特例には慎重に検討すべきデメリットが存在します。
1. あくまで「課税の繰り延べ」であり「非課税」ではない
最も重要な注意点は、この特例が税金を免除する**「非課税」ではなく、支払いを先送りする「課税の繰り延べ」制度である**ことです。特例を適用すると、旧居の売却益が新しく購入した物件の取得費から差し引かれます。納税義務が消えたわけではなく、将来その新しい家を売却する時まで持ち越している状態なのです。
2. 将来の売却時に税負担が重くなる可能性がある
課税が繰り延べられるということは、将来その家を売却する際に、税負担が重くなるリスクを抱えることを意味します。
税法上、実際の購入額より低い金額で取得した扱いになるため、将来売却した際、実際の利益以上に課税対象額が大きくなる可能性があります。もしその売却時に3,000万円特別控除などの特例が使えなければ、高額な譲渡所得税が課されることになります。将来の売却の可能性が少しでもある場合は、このリスクを十分に考慮する必要があります。

3. 住宅ローン控除と原則併用できない(2024年以降の入居)
金銭的な影響が非常に大きいのがこの点です。2024年1月1日以降に新しい家に入居する場合、居住用財産の買換え特例を適用すると、その家については住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を利用できません。
住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%を所得税などから最大13年間控除できる、非常に節税効果の高い制度です。居住用財産 買換え特例で目先の納税額を0円にするメリットと、住宅ローン控除で十数年間にわたって受けられる減税メリットを天秤にかけ、どちらが家計にとって有利かを慎重に判断する必要があります。
居住用財産買換え特例の申請方法|確定申告の手続きと必要書類
「居住用財産の買換え特例」を利用すると決めたら、次は具体的な手続きに進みます。特例の適用には、不動産を売却した翌年に行う確定申告が不可欠です。
特例を適用するまでの流れ
特例適用のための手続きは、売却・購入から確定申告まで、以下の流れで進みます。
1. 旧居の売却と新居の購入
特例の前提として、旧居を売却した年、その前年中、またはその翌年中の3年間の間に新居を購入する必要があります。さらに、購入した年の翌年末までに、その新居に居住を開始しなければなりません。この段階で、売買契約書や各種費用の領収書など、すべての関連書類を大切に保管しておきましょう。
2. 確定申告の準備(必要書類の収集)
確定申告は、旧居を売却した年の翌年2月16日から3月15日までに行います。申告には、売買契約書や登記事項証明書など多数の書類が必要です。事前に税務署のウェブサイトで確認するか、専門家に相談して、漏れなく準備を進めることが重要です。
Q. 居住用財産買換え特例を利用するための条件(要件)は何ですか?
A. 売却する家と新しく購入する家の両方に厳格な要件があります。主なものとして、売却する家の所有期間が10年を超えていること、自分が住んでいる家であることなどが挙げられます。国税庁が定める条件をすべて満たす必要があります。
Q. 居住用財産買換え特例と3,000万円特別控除の違いは何ですか?
A. 最も大きな違いは、買換え特例が税金を将来に「繰り延べる」制度であるのに対し、3,000万円特別控除は売却益から最大3,000万円を差し引いて「非課税」にする制度である点です。この2つの制度は併用できず、どちらかを選択する必要があります。
Q. 居住用財産買換え特例を申請するには、どうすればいいですか?
A. この特例を利用するには、家を売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。売買契約書や登記事項証明書など多数の書類が必要となるため、事前に準備を進め、税務署や専門家に確認することが重要です。
Q. 居住用財産の買換え特例とは、どんな制度ですか?
A. マイホームを売却して得た利益(譲渡所得)にかかる税金の支払いを、次に購入した家を将来売却する時まで先送り(繰り延べ)できる制度です。税金が免除されるわけではなく、納税義務を将来に持ち越すことで、買い換え時の資金計画に余裕が生まれます。
Q. 居住用財産買換え特例のメリットは何ですか?
A. 最大のメリットは、売却時に納税するはずだった資金を手元に残せる点です。これにより、買い換え時の自己資金が増え、住宅ローンの借入額を減らしたり、より良い物件を選んだりできます。目先のキャッシュフローを大幅に改善できるのが魅力です。
▶ あわせて読みたい:茨城県の不動産売却・買取はハウスドゥ(県内4店舗)へ|無料査定
茨城県で住み替えるとき|買換え特例と3,000万円控除の比較
マイホームを買い換える場合、「居住用財産の買換え特例」を使うと、売却益への課税を将来(次に売るとき)に繰り延べできます。ただしこれは非課税ではなく「先送り」で、3,000万円特別控除のように税金が消えるわけではありません。茨城県でつくば・守谷などTX沿線に住み替える方は、まず3,000万円特別控除(+10年超なら軽減税率)で十分に税金がゼロ・少額になることが多く、その場合は買換え特例より有利になりがちです。
買換え特例が向くのは、譲渡益が3,000万円を大きく超えるような高額物件のケースなどに限られます。両者は併用できないため、どちらが得かは譲渡益の額と今後の売却予定で変わります。茨城県の一般的な住み替えでは3,000万円控除が基本線ですが、判断に迷う場合は税理士に試算してもらうのが安心です。適用可否は税務署・税理士にご確認ください。
関連記事:不動産売却白書トップ(茨城県4店舗) / マイホーム3,000万円控除の条件 / 節税術5選
売った金額より安い家に買い換えたときは?|税金が一部その場で発生します
見落とされやすい論点です。買換え特例は「売った金額のすべてを新しい家に注ぎ込んだ場合」に課税を全部繰り延べる制度です。売った金額よりも安い家に買い換えると、その差額の分だけ、その年に譲渡所得として課税されます(国税庁タックスアンサーNo.3358)。
考え方はシンプルで、売った金額のうち、新しい家に使わずに手元に残した分だけは「利益を現金化した」とみなされるということです。住み替えでコンパクトな家に移る方、地方へ移住して住宅費を下げる方は、この計算に必ず当たります。
- 収入金額=(売った金額)−(買い換えた金額)
- 必要経費=(売った家の取得費+譲渡費用)×(収入金額÷売った金額)
- 譲渡所得=収入金額−必要経費
つまり「買換え特例を使えば税金はゼロ」と思い込んで資金計画を立てると、確定申告の段階で想定外の納税が出てきます。広い家から狭い家へ移る住み替えでは、3,000万円特別控除のほうが有利になることが多い理由がここにあります。
売って損が出た場合は?|買換え特例ではなく別の制度を使います
買換え特例は利益が出たときの制度です。売却で損が出た場合は使えません。代わりに「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」という別の制度があります。
- 売却で出た損失を、その年の給与所得など他の所得と損益通算できます。
- 引ききれなかった損失は翌年以降3年間まで繰り越して控除できます。
- この制度は住宅ローン控除と併用できます(買換え特例は併用できません)。ここが実務上とても大きな違いです。
- 所得金額など別途の要件があります。
茨城県内では、購入時期によっては売却で損が出るケースも珍しくありません。「損が出たから何もできない」ではなく、損が出たときこそ使える制度があるとご記憶ください。
茨城県で住み替えるなら、まず「そもそも利益が出るのか」から
買換え特例も3,000万円控除も、売って利益(譲渡益)が出て初めて意味を持つ制度です。ところが実際にご相談を受けると、利益が出るかどうかの見立てを飛ばして制度の比較から入ってしまう方がとても多いのです。
茨城県の状況は、県内でもはっきり分かれています。公示地価2026では茨城県の住宅地は3年連続の上昇(前年比+1.0%)ですが、この上昇はつくばエクスプレス沿線が牽引しており、守谷市・つくば市・つくばみらい市などでは坪単価が上がっている一方、県北の一部では下落している地点もあります。
- TX沿線で10年以上前に取得した自宅:譲渡益が出る可能性があり、特例の選択が実際に金額に効きます。
- 県北・郡部で取得した自宅:譲渡益が出ないことも多く、その場合は上の「譲渡損失の繰越控除」を検討する場面になります。
- どちらであっても、購入時の売買契約書(取得費が分かる書類)が見つかるかどうかが最大の分岐です。見つからないと概算取得費(売却価格の5%)しか使えず、実際には利益が出ていなくても、計算上は大きな利益が出たことになって課税されます。
片づけを始める前に、購入時の売買契約書を探してください。これはどの特例よりも先に効く、最も金額の大きい一手です。
確定申告で必要になる主な書類
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
- 売った家の売買契約書の写し・買った家の売買契約書の写し
- 売った家の登記事項証明書、買った家の登記事項証明書
- 売った家の所在地の市区町村長が発行する除票住民票(住んでいたことの証明)
- 買った家の所在地の市区町村長が発行する住民票
- 売った家が築25年を超える場合など、耐震基準適合証明書等が必要になる場合があります
なお買換え特例には適用期限が定められており、これまで延長が繰り返されています。売却する年に制度が使えるかどうかは変わり得るため、必ずその年の最新の要件を国税庁のタックスアンサーまたは税務署でご確認ください。本記事の内容は一般的な解説であり、個別の税務判断は税理士または税務署にご相談ください。
「どちらが得か」は、売却価格が決まらないと計算できません
ここまでお読みいただいて感じられたと思いますが、買換え特例と3,000万円控除のどちらが有利かは、売却価格・取得費・買い換える家の価格という3つの数字がそろって初めて計算できます。
このうち売却価格だけは、税理士にも税務署にも出せません。査定を取って初めて分かる数字です。しかも住み替えでは「売却と購入のどちらを先にするか」で売却価格が変わります(先に買うと期限に追われて安く売ることになりがちです)。ここは不動産会社の領分です。
私たちハウスドゥの茨城4店舗は、仲介での売却と自社での買取の両方に対応しています。「いつまでに現金化する必要があるのか」から逆算して、仲介で時間をかけて高く売るのか、買取で日程を確定させるのかをご提案できるのが、住み替えのご相談での強みです。査定は無料で、売るかどうか決めていない段階のご相談も歓迎しています。
▶あわせて読みたい:茨城県の不動産売却・買取ガイド(ハウスドゥ 茨城4店舗)
居住用財産の買換え特例に関するよくある質問
Q. 買い替え特例を使うと税金は非課税になりますか?
A. いいえ。非課税ではなく「課税の繰り延べ」です。売却時にかかるはずだった税金が、買い換えた家を将来売るときまで先送りされる仕組みです。買い換えた家を売らずに持ち続ければ実質的に負担が生じない場面もありますが、制度上は免除ではありません。
Q. 売った金額より安い家に買い換えたらどうなりますか?
A. 売った金額と買い換えた金額の差額に相当する部分が、その年の譲渡所得として課税されます。買換え特例を使っても税金がゼロにならないケースなので、資金計画を立てる際は必ず確認してください。
Q. 買い替え特例と3,000万円特別控除は併用できますか?
A. 併用できません。どちらか一方を選ぶことになります。一般的に、譲渡益が3,000万円以内に収まるなら3,000万円特別控除のほうが有利になりやすく、譲渡益が大きく将来も住み続ける予定なら買換え特例を検討する価値があります。
Q. 買い替え特例と住宅ローン控除は併用できますか?
A. 原則として併用できません。新居で住宅ローン控除を使う予定がある場合、買換え特例を選ぶとその分を失うことになるため、どちらが有利かを金額で比較する必要があります。
Q. 売却で損が出た場合はどうなりますか?
A. 買換え特例は利益が出たときの制度なので使えません。代わりに「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」という制度があり、損失を他の所得と通算し、引ききれない分は翌年以降3年間繰り越せます。こちらは住宅ローン控除と併用できます。
Q. 購入時の売買契約書が見つかりません。どうすればいいですか?
A. 取得費が分からない場合、売却価格の5%を概算取得費とする方法しかなく、実際には利益が出ていなくても計算上は大きな利益が出たことになり税額が増えます。まずは購入時の資料を探してください。仲介した不動産会社や金融機関に写しが残っていることもあります。片づけの前に探すのが鉄則です。
茨城県内4店舗のご案内(ハウスドゥ)
私たちハウスドゥは、茨城県内に4店舗を構え、地域に密着して不動産売却・買取をサポートしています。お近くの店舗、または対応エリアからお気軽にご相談ください。
- ハウスドゥ つくば研究学園都市店(つくば市エリア)
- ハウスドゥ 県庁水戸店(水戸市エリア)
- ハウスドゥ 取手戸頭店(取手市エリア)
- ハウスドゥ 守谷店(守谷市エリア)
住宅の買い替え特例を検討する際は、3000万円特別控除との比較や譲渡損失の損益通算もあわせてご確認ください。 【2026年】不動産売却の特別控除|最大5000万円節税の条件とは? 不動産売却の譲渡損失は損益通算で税金還付!適用要件や確定申告を解説
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。




